寒冷蕁麻疹とその対処法

皮膚科

寒冷蕁麻疹とその対処法

病院での用語を教えて

『寒冷蕁麻疹』って、どんな病気ですか?

体の健康研究家

寒い時に、皮膚がかゆくなって赤く腫れる病気だよ。蕁麻疹っていうんだけど、その中でも寒さが原因で起こるものを、特に寒冷蕁麻疹って呼ぶんだ。

病院での用語を教えて

寒さで蕁麻疹が出るんですか? なんでですか?

体の健康研究家

そうなんだ。寒さに体が過敏に反応してしまって、皮膚に炎症が起きることが原因の一つと考えられているよ。でも、詳しいことはまだよくわかっていないんだ。

寒冷蕁麻疹とは。

「寒冷蕁麻疹」は、簡単に言うと、寒さに当たると皮膚が盛り上がって痒くなる病気です。これは、寒さによって引き起こされる、一時的で一部分だけに現れる皮膚の腫れの一種です。このような、痒みを伴って皮膚が赤く盛り上がる症状を蕁麻疹と言います。

寒冷蕁麻疹とは

寒冷蕁麻疹とは

– 寒冷蕁麻疹とは

寒冷蕁麻疹は、冷たい空気や水、物に触れることで皮膚に蕁麻疹が出る、少し変わったアレルギー反応です。蕁麻疹は一時的に皮膚が赤く腫れ上がり、かゆみも伴います。かゆみを我慢できずに掻いてしまうと、さらに症状が悪化してしまうこともあります。

この寒冷蕁麻疹は、他の蕁麻疹と異なり、寒さに触れた部分だけに症状が現れるのが特徴です。例えば、冷たい水に手を浸けると、手だけに蕁麻疹が出ますし、冷たい風に当たると、顔や首など、風に当たった部分だけに蕁麻疹が現れます。

症状は数分から数時間で治まることが多いですが、中には数日続く場合もあります。原因はまだはっきりとは解明されていませんが、寒さによって皮膚にある肥満細胞という細胞からヒスタミンなどの物質が放出されることで起こると考えられています。

寒冷蕁麻疹は、気温が急激に下がる冬場や、プールなど冷たい水に入る際に発症しやすい傾向があります。また、冷たい飲み物やアイスクリームなどを口にした際に、口の中や喉に症状が現れることもあります。

項目 説明
疾患名 寒冷蕁麻疹
定義 冷たい空気、水、物に触れることで皮膚に蕁麻疹が出るアレルギー反応
症状 – 皮膚の赤みと腫れ
– かゆみ
※ 寒さに触れた部分のみに症状が現れる
症状の持続時間 数分から数時間(場合によっては数日)
原因 寒さにより皮膚の肥満細胞からヒスタミンなどが放出されることによる(詳細は不明)
発症しやすい状況 – 気温が急激に下がる冬場
– プールなど冷たい水に入る時
– 冷たい飲食物を口にした時

症状と原因

症状と原因

– 症状と原因寒さに触れると、皮膚が赤くなる、膨れてくる、かゆくなるといった症状が現れます。 こうした症状は、寒さに触れてから数分のうちに現れることが多く、温まると自然に治まることが多いのが特徴です。なぜこのような症状が現れるのか、その原因はまだ完全には解明されていません。しかし、有力な説として、寒さの刺激によって皮膚からヒスタミンなどの化学物質が放出されることが関係していると考えられています。ヒスタミンは、かゆみを引き起こす物質として知られています。また、遺伝的な要因も指摘されています。家族に同じような症状を持つ人がいる場合、その人もなりやすい傾向があります。さらに、特定の病気と関連している場合もあります。例えば、膠原病や甲状腺機能低下症などの病気を持っている場合、寒さに反応して皮膚に症状が現れることがあります。寒さに伴う皮膚の症状は、多くは一時的なもので、特に心配する必要はありません。しかし、症状がひどい場合や、日常生活に支障をきたす場合は、医療機関を受診し、適切なアドバイスや治療を受けるようにしましょう。

症状 原因
皮膚が赤くなる、膨れてくる、かゆくなる
  • 寒さの刺激によるヒスタミンなどの化学物質の放出
  • 遺伝的要因
  • 膠原病や甲状腺機能低下症などの病気

診断と検査

診断と検査

– 診断と検査寒冷蕁麻疹の診断は、医師による丁寧な問診と視診が基本となります。具体的には、患者さんから詳しく症状を伺います。いつ、どのような状況で、どれくらいの時間、どのような症状が現れるかなどを伺うことで、寒冷蕁麻疹の特徴と合致するかを確認します。 また、寒さにさらされた後に、皮膚に赤みや膨らみなどの症状が出現するといった、寒冷蕁麻疹特有の兆候が見られるかどうかも確認します。さらに、確定診断のために、「アイスキューブテスト」と呼ばれる検査を行うことがあります。これは、氷を入れた袋や試験管などを皮膚に数分間当てて、反応を見る検査です。寒冷蕁麻疹の場合、氷を当てた部分が赤く腫れたり、痒みを伴ったりします。これらの検査と問診の結果、寒冷蕁麻疹の疑いが強いと判断された場合でも、他の疾患との区別が必要となることがあります。例えば、膠原病や血管炎など、寒冷蕁麻疹と似た症状が出る病気もあります。そのため、血液検査などを行い、他の病気が隠れていないかを調べることもあります。

診断方法 詳細
問診 いつ、どのような状況で、どれくらいの時間、どのような症状が現れるかなどを確認
視診 寒さにさらされた後に、皮膚に赤みや膨らみなどの症状が出現するかを確認
アイスキューブテスト 氷を入れた袋や試験管などを皮膚に数分間当てて、反応を見る。寒冷蕁麻疹の場合、氷を当てた部分が赤く腫れたり、痒みを伴ったりする。
血液検査など 膠原病や血管炎など、他の疾患との区別のため

治療法

治療法

– 治療法じんましんの治療は、その原因や症状の程度によって異なりますが、一般的には飲み薬を使って行います。 特に、かゆみを抑える効果のある抗ヒスタミン薬がよく用いられます。抗ヒスタミン薬は、じんましんの原因となるヒスタミンという物質の働きを抑えることで、かゆみや赤みなどの症状を和らげます。症状が重い場合や、抗ヒスタミン薬だけでは効果が不十分な場合には、医師の判断で他の薬が処方されることもあります。例えば、炎症を抑えるステロイド薬や、免疫の働きを調整する免疫抑制剤などが用いられることがあります。薬物療法に加えて、日常生活における予防対策も重要です。 じんましんは、寒さなどの刺激によって悪化することが多いため、外出時には手袋、マフラー、帽子などを着用して、皮膚を寒さから守りましょう。特に、耳や鼻、指先などは冷えやすいので注意が必要です。水仕事や冷水を使う作業をする場合は、温水を使い、防水の手袋を着用するなどして、手肌を冷水から守りましょう。また、食器洗い機や洗濯機などを活用して、水に触れる時間を減らすことも効果的です。規則正しい生活習慣を心がけ、十分な睡眠と栄養を摂ることも、じんましんの予防と改善に役立ちます。 ストレスや疲労がたまると、じんましんが悪化することがあるので、十分な休養をとり、ストレスを解消するようにしましょう。

治療法 詳細
薬物療法 – 抗ヒスタミン薬:かゆみや赤みなどの症状を和らげる
– ステロイド薬:炎症を抑える(症状が重い場合)
– 免疫抑制剤:免疫の働きを調整する(抗ヒスタミン薬だけでは効果が不十分な場合)
日常生活における予防対策 – 寒さ対策:手袋、マフラー、帽子などを着用
– 水仕事対策:温水を使う、防水の手袋を着用
– 規則正しい生活習慣:十分な睡眠と栄養、ストレス解消

日常生活での注意点

日常生活での注意点

– 日常生活での注意点寒冷蕁麻疹は、日常生活に支障をきたすことがあります。 かゆみのため集中力が途切れたり、外出をためらってしまうこともあるでしょう。そこで、症状を悪化させないために、普段からいくつかの点に注意する必要があります。まず、寒さ対策を徹底することが重要です。 特に外出時は、厚着をする、マフラーや手袋、帽子を着用するなどして、皮膚を冷気から守りましょう。 また、室内でも、暖房器具を活用して室温を適切に保つように心がけましょう。急激な温度変化も、症状を悪化させる要因となります。 冬場の屋外から暖かい室内へ移動する際などは、特に注意が必要です。 玄関に入る前にコートを脱ぐなどして、ある程度体温を上げてから入室するなどの工夫をすると良いでしょう。 また、夏場の冷房の効いた部屋に入る際や、冷たい飲み物や食べ物を口にする際も、急に体温を下げないように注意が必要です。 特に、冷たい飲み物はストローを使わずに、少しずつ口に含むようにしましょう。冬の水泳やダイビングは、寒冷蕁麻疹を引き起こす可能性が高いため、避けるべきです。 もし、水に潜る必要がある場合は、事前に医師に相談し、適切な予防策を講じることが大切です。寒冷蕁麻疹は、重症化すると、アナフィラキシーショックを起こす可能性もあります。 アナフィラキシーショックは、呼吸困難や意識障害などを引き起こす、命に関わる危険な状態です。 動悸や息苦しさ、めまいなどの症状が現れた場合は、すぐに医療機関を受診してください。寒冷蕁麻疹の症状を予防し、安心して日常生活を送るためには、医師の指示に従い、適切な治療と予防を継続していくことが重要です。

日常生活での注意点 詳細
寒さ対策 外出時は厚着、マフラー、手袋、帽子を着用する。
室内では暖房器具を活用する。
急激な温度変化に注意 冬場の屋外から暖かい室内への移動や、夏場の冷房の効いた部屋に入る際は、急激な温度変化を避ける。
冷たい飲み物や食べ物は、少しずつ口にする。
冬の水泳・ダイビングの禁止 寒冷蕁麻疹を引き起こす可能性が高いため、冬の水泳やダイビングは避ける。
水に潜る必要がある場合は、事前に医師に相談する。
重症化時の対応 動悸、息苦しさ、めまいなどの症状が現れたら、すぐに医療機関を受診する。
治療と予防の継続 医師の指示に従い、適切な治療と予防を継続する。

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