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蒙古斑:生まれたての証

- 蒙古斑とは? 蒙古斑とは、生まれたばかりの赤ちゃんや幼児の肌に現れる青みがかったアザのことです。その名の通りモンゴル民族の人々に多く見られることから名付けられましたが、アジア系の赤ちゃんに広く見られる一般的なものです。 特に、お尻や腰のあたりに現れやすく、まるで誰かがうっかりインクをこぼしてしまったかのような、少しぼんやりとした形をしているのが特徴です。 蒙古斑の原因は、皮膚の下にあるメラノサイトと呼ばれる細胞にメラニン色素が密集してしまうことにあります。 メラニン色素は、私たちの肌や髪、瞳の色を決める色素ですが、蒙古斑の場合は、皮膚の奥深くにメラノサイトが集まってしまうために、青みがかって見えるのです。 多くの場合、蒙古斑は成長とともに薄くなり、小学校に上がる頃には自然に消えてしまいます。治療の必要もなく、健康に害を及ぼすこともありません。 蒙古斑は、赤ちゃんにとっての一つの個性とも言えるでしょう。
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よくある子どもの皮膚トラブル:水いぼ

- 水いぼってどんな病気?水いぼは、正式には伝染性軟属腫と呼ばれる、ウイルスが原因で起こるありふれた皮膚の感染症です。特に、免疫力が十分に発達していない幼児や子供によく見られます。このウイルスは、目に見えないほど小さな皮膚の傷口から体の中に入り込み、皮膚の表面近くで増殖します。そして、光沢のある、少し硬い小さな膨らみを作ります。これが水いぼです。水いぼは、まるで水を含んでいるように見えることからこの名前がつきましたが、実際には内部はウイルスが増殖した細胞の塊です。水いぼは、通常痛みやかゆみなどの症状はほとんどありません。しかし、見た目が気になる場合や、衣類などとの摩擦で症状が悪化する場合があります。また、掻きむしってしまうことで、ウイルスが周囲の皮膚や、他の人にうつってしまう可能性もあります。
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性器ヘルペス:知っておきたいこと

- 性器ヘルペスとは性器ヘルペスは、単純ヘルペスウイルス(HSV)と呼ばれるウイルスが原因で発症する性感染症の一つです。性器ヘルペスに感染すると、性器やその周辺の皮膚に、痛みを伴う水ぶくれや潰瘍といった症状が現れます。性器ヘルペスの主な感染経路は、性行為です。感染している人の体液や粘膜に触れることで、ウイルスが体に侵入し感染します。具体的には、性器同士の接触だけでなく、オーラルセックスやアナルセックスによっても感染する可能性があります。性器ヘルペスの厄介な点は、症状が現れずに感染している場合があることです。自覚症状がないまま性行為を行うことで、知らず知らずのうちに相手に感染させてしまう可能性もあります。また、一度感染すると、ウイルスは体内に潜伏し続けます。普段は症状が現れないものの、体調不良やストレスなどによって免疫力が低下すると、再び症状が現れることがあります。これを再発と呼びます。性器ヘルペスの治療法は確立されていませんが、症状を和らげる抗ウイルス薬があります。性器ヘルペスの疑いがある場合や、不安なことがあれば、医療機関を受診し、適切な検査や治療を受けるようにしましょう。
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美肌への道:スキンケアの基本

- スキンケアとは毎日の生活の中で、私たちは顔や体についた汚れを落とすために洗顔を行います。スキンケアとは、この洗顔のように、肌を健やかに保つために行う全てのケアのことを指します。美しい肌を保つ、あるいは肌の悩みを改善するために欠かせないものです。スキンケアと聞いて、多くの人が思い浮かべるのは化粧水や乳液などの化粧品を使うことでしょう。しかし、スキンケアは単に化粧品を使うことだけを意味するわけではありません。健康な肌を保つためには、肌の汚れを落とす洗顔、肌の水分を保つ保湿、そして紫外線から肌を守る紫外線対策など、様々な行為が必要です。毎日のスキンケアによって、肌の潤いを保ち、乾燥を防ぐことができます。また、過剰な皮脂の分泌を抑え、ニキビなどの肌トラブルのリスクを軽減することも期待できます。さらに、紫外線から肌を守ることで、シミやしわの予防にも繋がります。適切なスキンケアは、年齢を重ねても美しい肌を保つための第一歩と言えるでしょう。毎日の積み重ねによって、未来の自分の肌が変わっていくのです。
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夏の悩み、あせもについて

あせもは、一般的に「あせも」と呼ばれる皮膚の炎症です。医学的には「汗疹(かんしん)」と言い、汗の出口となる管である汗管が何らかの理由で詰まってしまい、皮膚の中に汗が溜まってしまうことで炎症を引き起こします。 高温多湿の環境は汗をかきやすく、汗管が詰まりやすくなるため、あせもは特に夏場に多く見られます。 あせもは、乳幼児から大人まで、年齢に関係なく誰でも発症する可能性があります。しかし、乳幼児は大人に比べて汗腺の密度が高く、体温調節機能も未熟なため、あせもができやすい傾向にあります。また、肥満体型の人や、汗をかきやすい体質の人も、あせもができやすいと言われています。 あせもは、適切なケアを行えば、通常は数日で症状が改善します。しかし、症状が悪化したり、なかなか治らない場合は、皮膚科専門医を受診するようにしましょう。
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「ワ氏」って何のこと?

- 古い医療用語 「ワ氏」という言葉をご存知でしょうか? おそらく多くの方が首を傾げることでしょう。それもそのはず、この言葉は、一昔前に使われていた医学用語で、現代ではほとんど耳にすることはありません。 「ワ氏」とは、結核のことを指します。 結核は、結核菌によって引き起こされる感染症で、かつては「国民病」と呼ばれるほど、多くの人々を苦しめていました。そのため、当時は誰もが知る病気であり、その代名詞として「ワ氏」という言葉が広く使われていたのです。 しかし、医学の進歩とともに、結核の治療法は確立され、患者数も大幅に減少しました。それと同時に、「ワ氏」という言葉が使われる機会も減っていき、今では過去の遺物となりつつあります。 日常生活で「ワ氏」という言葉を使うことはほとんどないでしょう。しかし、昔の小説やドラマなどでは、ひそかに結核を患っている登場人物を表す言葉として、「ワ氏」が登場することがあります。 そのような作品に触れることで、過去の病気や医療について知り、改めて健康の大切さを考えるきっかけになるかもしれません。
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爪の構造と役割、疾患について

- 爪の構造爪は、硬くて丈夫なタンパク質の一種であるケラチンでできており、私たちの日常生活で重要な役割を担っています。指先を保護する役割はもちろんのこと、物を掴んだり、細かい作業をする際にも役立ちます。一見単純に見える爪ですが、実はいくつかの重要な部分から構成された複雑な構造をしています。爪の最も目立つ部分は「爪甲」と呼ばれ、一般的に「爪」と聞いてイメージされる部分です。爪甲は、指先の皮膚を覆うように存在し、外部からの衝撃から指先を守っています。この爪甲の下には「爪床」と呼ばれる組織があり、爪甲と密着しています。爪床は、血管が豊富に分布しており、爪甲に栄養を供給する役割を担っています。爪甲の根元には、白い半円形の「爪半月」が見られます。爪半月は、新しく生まれた爪細胞が keratinization(角質化)する前の状態のもので、爪の成長と共に爪甲へと変化していきます。爪半月の下には、「爪母基」と呼ばれる爪の成長を司る重要な部分が存在します。爪母基は、常に新しい爪細胞を生み出し続け、爪の成長を促しています。爪甲の周囲は「爪郭」と呼ばれる皮膚が覆っており、爪甲と外部環境との間を隔てる役割をしています。爪郭は、細菌や異物の侵入を防ぐとともに、爪甲を乾燥から守る役割も担っています。また、爪郭の下には「爪上皮」と呼ばれる薄い皮膚が存在し、爪甲と爪郭を繋ぐ役割をしています。このように、爪は一見シンプルな構造に見えますが、それぞれ重要な役割を持つ複数の部位が組み合わさることで、指先を保護し、私たちの生活を支える機能を果たしているのです。
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脂漏性皮膚炎:症状と原因、そして対策とは?

脂漏性皮膚炎は、皮膚に存在する皮脂を栄養源とするマラセチア菌というカビの一種が関係していると考えられています。このカビは誰の皮膚にも存在しますが、過剰に増殖すると皮膚に炎症を引き起こし、脂漏性皮膚炎を発症すると考えられています。 脂漏性皮膚炎は、頭皮や顔のTゾーン、耳の周り、胸や背中など、皮脂の分泌が多い場所に発症しやすいという特徴があります。症状としては、かゆみ、赤み、フケのような皮膚の落屑などが挙げられます。頭皮に症状が現れると、かゆみやフケがひどく、抜け毛の原因となることもあります。顔面に症状が現れると、赤みや皮むけが生じ、見た目の問題から精神的なストレスを感じる方も少なくありません。 脂漏性皮膚炎は、乳幼児から高齢者まで幅広い年齢層で発症する可能性があります。乳児期に発症する脂漏性皮膚炎は、生後数週間から数ヶ月で自然に治ることが多いですが、成人期に発症する場合は慢性化しやすい傾向があります。また、脂漏性皮膚炎は、気候やストレス、ホルモンバランスなどの影響を受けやすく、症状が悪化したり、改善したりを繰り返すことがあります。
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ハンセン病:正しく理解するその実態

- ハンセン病とはハンセン病は、らい菌という細菌が体に侵入することによって発症する、慢性の経過をたどる感染症です。古くから「らい」という名で知られ、恐れられてきた病気ですが、現代医学においては適切な治療を行うことで完全に治癒する病気となっています。 らい菌は、主に皮膚や手足の末梢神経に感染し、その部分に様々な症状を引き起こします。皮膚では、赤褐色の斑点ができたり、しこりができたりすることがあります。これらの斑点は、知覚が鈍くなったり、全く感じなくなったりすることがあります。また、末梢神経が侵されると、手足の感覚が鈍くなる、力が入らなくなるといった症状が現れます。さらに、病状が進行すると、顔面の変形や視力障害、手指の変形などの重い後遺症が残ってしまうこともあります。 ハンセン病は、感染した人から咳やくしゃみなどによって飛散するらい菌を、長期間にわたって大量に吸い込むことで感染すると考えられています。しかし、らい菌は感染力が弱いため、感染者と接触したとしても、すぐに発症するわけではありません。また、現在では効果の高い治療薬が開発されており、早期に発見し適切な治療を行えば、後遺症が残ることもほとんどありません。 ハンセン病は、決して過去の病気ではありません。正しい知識を持ち、偏見や差別をなくしていくことが大切です。
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紫外線と健康:その影響と対策

太陽から降り注ぐ光は、私たち人間にとって欠かせないものです。この光には、私たちに見えているものと見えていないものが含まれています。人間の目には見えない光の一つに、紫外線と呼ばれるものがあります。紫外線は、人間の目に見える光よりも波長が短いという特徴があります。波長が短いということは、その分エネルギーが強いことを意味します。 紫外線は、浴びる量によっては私たちの体に様々な影響を与えます。適量の紫外線を浴びることは、体内でビタミンDを生成するために必要なため、骨の健康を保つ上で重要です。しかし、過度な紫外線を浴びると、肌に炎症を起こし、赤く腫れたり、水ぶくれができたりすることがあります。これがいわゆる「日焼け」です。さらに、長期間にわたって過度な紫外線を浴び続けると、シミやそばかすの原因となり、皮膚がんのリスクも高まると言われています。また、目に対しても影響があり、白内障などの眼病を引き起こす可能性も指摘されています。 このように、紫外線は私たちの健康に大きな影響を与える可能性があるため、その特性を理解し、適切な対策をすることが重要です。
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よくある病気、口唇ヘルペス

- 口唇ヘルペスとは?口唇ヘルペスは、唇やその周りに小さな水ぶくれを伴う、ありふれた感染症です。原因は「単純ヘルペスウイルス1型」と呼ばれるウイルスで、多くの人が幼い頃に感染を経験します。ただし、感染しても必ずしも症状が現れるわけではなく、自覚症状がないままウイルスが体内に潜伏している場合も少なくありません。普段は眠っているウイルスですが、疲労やストレス、風邪などによって免疫力が低下すると、再び活性化してしまいます。これが、口唇ヘルペスの症状として現れるのです。具体的には、唇の周りがピリピリしたり、かゆみを伴ったりすることがあります。その後、小さな水ぶくれが集まった赤い発疹が現れ、やがてかさぶたとなって治っていきます。口唇ヘルペスは、一度感染するとウイルスが体内に潜伏し続けるため、完全に排除することはできません。しかし、症状が出ている時以外は人に感染させるリスクは低いとされています。再発を防ぐためには、普段から十分な睡眠とバランスの取れた食事を心がけ、免疫力を高めておくことが大切です。
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子どものよくある皮膚トラブル:とびひ

- とびひとは 「とびひ」は、医学的には「伝染性膿痂疹」と呼ばれる、細菌によって引き起こされる皮膚の感染症です。 この病気の原因となる細菌は、主にブドウ球菌とレンサ球菌の二つです。これらの細菌は、私たちの皮膚に日常的に存在していますが、健康な状態であれば、通常は病気を引き起こすことはありません。しかし、ちょっとした傷や虫刺されなど、皮膚のバリアが壊れてしまった部分から、これらの細菌が体内に侵入し、感染を引き起こしてしまうのです。 とびひは、特に免疫力が未熟で、細菌に対する抵抗力が弱い乳幼児や小さな子供に多く見られます。 また、保育園や幼稚園など、子供たちが集団生活を送る場所では、接触によって感染が広がりやすいことも、とびひが多発する要因の一つです。 とびひは、適切な治療を行えば、通常は跡を残さずに治癒します。しかし、放置すると症状が悪化し、周囲に広がってしまう可能性もあるため注意が必要です。
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蜂窩織炎:皮膚の奥深くで起こる感染症

- 蜂窩織炎とは蜂窩織炎は、皮膚の奥深くにある組織に細菌が感染することで起こる病気です。皮膚は大きく分けて3つの層でできており、表面から順に表皮、真皮、皮下組織と呼ばれています。蜂窩織炎は、このうち真皮や皮下組織に細菌が感染し、炎症を起こした状態を指します。 蜂窩織炎の特徴は、その進行の速さです。感染が始まると、患部は急速に赤く腫れ上がり、熱を持ちます。また、痛みやかゆみなどの症状が現れることもあります。重症化すると、水ぶくれや膿が出たり、発熱や倦怠感などの全身症状が現れたりすることもあります。 蜂窩織炎は体のどこにでも起こる可能性がありますが、特に脚、顔、腕に多く見られます。これは、これらの部位は怪我や虫刺されなどで皮膚のバリア機能が低下しやすく、細菌が侵入しやすいためと考えられています。また、糖尿病や免疫力の低下などがある場合も、蜂窩織炎のリスクが高まります。 蜂窩織炎は、適切な治療を行えば多くの場合治癒する病気です。しかし、放置すると重症化し、入院が必要になったり、まれに命に関わることもあります。少しでも蜂窩織炎の疑いがある場合は、早めに医療機関を受診することが大切です。
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蕁麻疹:皮膚の赤い腫れの謎に迫る

- 蕁麻疹とは蕁麻疹は、皮膚に突然赤く腫れ上がった発疹が現れる、よくある皮膚の病気です。この発疹は、まるでみみず腫れのように見えたり、地図のように広がったり、輪っかのように見えたりと、様々な形に変化します。多くの場合、激しいかゆみを伴い、場合によっては、チクチクするような、焼けるような感覚を覚えることもあります。この発疹は、医学的には「膨疹」と呼ばれ、皮膚の一部分が一時的に盛り上がった状態を指します。蕁麻疹は、アレルギー反応の一種として起こることが多く、特定の食べ物、薬、虫刺されなどが原因となることがあります。例えば、卵や牛乳、小麦、そば、甲殻類などが原因となることがあります。また、風邪や疲労、ストレスなどによって体の抵抗力が落ちているときに発症しやすくなることも知られています。しかし、蕁麻疹の原因はさまざまで、検査をしても特定できない場合も少なくありません。蕁麻疹は、一般的に数時間から一日以内で症状が治まることがほとんどですが、中には数週間、数ヶ月にわたって症状が続く場合もあります。このような場合は慢性蕁麻疹と呼ばれ、日常生活に支障をきたすこともあります。原因や症状に合わせた適切な治療が必要となるため、自己判断せずに、皮膚科専門医を受診するようにしましょう。
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帯状疱疹:原因と症状、その予防と治療

- 帯状疱疹とは帯状疱疹は、水痘・帯状疱疹ウイルスによって引き起こされる感染症です。このウイルスは、子供の頃にかかる水ぼうそうの原因となるウイルスと同一です。水ぼうそうが治った後も、このウイルスは体内の神経節に潜伏し続けます。そして、加齢や疲労、ストレス、病気などによって免疫力が低下すると、再び活性化することがあります。これが帯状疱疹です。帯状疱疹は、体の左右どちらか一方に、ピリピリとした痛みを伴う赤い斑点と小さな水ぶくれが帯状に現れるのが特徴です。この発疹は、通常、胸や背中、腹部などに出現しますが、顔面や頭部、手足に出ることもあります。また、発疹が現れる前に、その部位に痛みやかゆみ、しびれなどの症状が現れることもあります。帯状疱疹は、ほとんどの場合、2~4週間で自然に治癒します。しかし、皮膚の症状が消えた後も、神経痛が長引くことがあります。これは「帯状疱疹後神経痛」と呼ばれ、強い痛みを伴うため、日常生活に支障をきたすこともあります。帯状疱疹は、水ぼうそうにかかったことのある人であれば、誰でも発症する可能性があります。特に、50歳以上の人や、免疫力が低下している人は、発症リスクが高くなります。帯状疱疹を予防するためには、日頃から十分な睡眠とバランスの取れた食事を心がけ、ストレスを溜めないようにすることが大切です。また、50歳以上の人や、免疫力が低下している人は、ワクチン接種を検討することも有効です。
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粉瘤:皮膚にできる良性腫瘍

- 粉瘤とは皮膚にできる腫瘍には良性と悪性のものがありますが、粉瘤は良性の腫瘍の一つです。皮膚の表面から見ると、ドーム状に盛り上がったしこりのように見えます。大きさは直径1~2センチメートルほどのものが一般的ですが、中には10センチメートルを超えるほど大きくなることもあります。粉瘤は、皮膚の下に袋状の構造物ができることで発生します。この袋の中に、古い皮膚の角質や皮脂が徐々に溜まっていき、それが原因で大きくなっていくのです。粉瘤は体のどこにでもできる可能性がありますが、特に顔や首、背中など、皮脂腺の多い場所にできやすい傾向があります。粉瘤自体は痛みやかゆみなどの症状がない場合が多く、放置しても問題ないことが多いです。しかし、場合によっては炎症を起こして赤く腫れ上がったり、痛みや熱を伴ったりすることがあります。また、炎症が悪化すると、膿が出てくることもあります。このような症状が出た場合は、医療機関を受診するようにしましょう。粉瘤の治療は、基本的に手術によって袋ごと取り除く方法がとられます。手術は局所麻酔で行われることが多く、比較的簡単な手術です。ただし、炎症を起こしている場合は、まず炎症を抑える治療を行ってから手術を行うことになります。
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乾癬:皮膚の病気について

- 乾癬とは乾癬は、皮膚に赤い斑点ができ、その上に白いカサカサしたものが付着する病気です。この白いカサカサしたものを鱗屑(りんせつ)と呼びます。乾癬は、かゆみを生じる場合もありますが、症状の出方は人によって大きく異なります。ある人は皮膚の一部に小さな赤い斑点が現れるだけですが、別の人は体全体に広範囲にわたって症状が現れることもあります。また、爪が変形したり、関節に痛みが出たりすることもあります。乾癬の原因はまだ完全には解明されていませんが、免疫の異常が大きく関わっていると考えられています。本来、免疫は体外から侵入してきた細菌やウイルスから体を守る働きをしています。しかし、乾癬の場合、この免疫システムが何らかの原因で自分の体の皮膚を攻撃してしまうため、炎症が起こり、皮膚が異常に増殖してしまうのです。その結果、赤い斑点や鱗屑といった症状が現れると考えられています。乾癬は感染する病気ではありませんので、他の人にうつる心配はありません。しかし、見た目の問題から、精神的なストレスを感じてしまう方も少なくありません。乾癬は慢性的な病気であり、症状が良くなったり悪くなったりを繰り返すことが多いです。そのため、症状をコントロールし、日常生活に支障が出ないようにすることが重要になります。医師の指示に従って適切な治療を継続していくことが大切です。
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アトピー性皮膚炎:その特徴と対策

- アトピー性皮膚炎とはアトピー性皮膚炎は、かゆみを伴う湿疹が繰り返し現れる皮膚の病気です。この湿疹は、一時的に症状が治まることはあっても、再び悪化することが多く、慢性的に経過していく場合がほとんどです。アトピー性皮膚炎を発症する原因は、はっきりとは解明されていませんが、皮膚のバリア機能が生まれつき弱く、外部からの刺激に過敏に反応してしまうことが関係していると考えられています。例えば、ダニやハウスダスト、花粉、汗、衣類の繊維、特定の食べ物などが、人によっては刺激となり、炎症を引き起こすことがあります。この病気は、乳児期に症状が現れることが多く見られますが、年齢に関係なく、どの年代でも発症する可能性があります。近年、食生活や生活環境の変化、ストレスの増加など、様々な要因が重なり、アトピー性皮膚炎を発症する人は増加傾向にあります。現代社会において、関心の高い皮膚疾患の一つと言えるでしょう。
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美肌の秘訣!保湿の重要性を解説

- 保湿とは人間の肌は、約20~30%の水分を含んでおり、この水分量が肌の滑らかさや弾力を保つためにとても重要です。しかし、乾燥した環境や加齢、間違ったスキンケアなどが原因で、肌は水分を失いやすくなってしまいます。水分が失われてしまった肌は、乾燥し、かさつき、ごわつき、小じわなどの肌トラブルを引き起こしやすくなります。このような状態を防ぐために大切なのが「保湿」です。保湿とは、肌に水分を補給し、保つことを意味します。健康な肌を保つためには、肌内部の水分を保つ力と、外部からの刺激や乾燥から肌を守る力が必要です。保湿はこの両方に働きかけることで、肌の水分量を適切に保ちます。具体的には、化粧水などで肌に水分を補給し、クリームなどでその水分を閉じ込めて蒸発を防ぎます。また、セラミドなどの保湿成分が、肌のバリア機能をサポートし、外部からの刺激や乾燥から肌を守ります。保湿は、肌トラブルを防ぎ、健康的な肌を保つために欠かせないケアです。毎日のスキンケアに保湿をしっかりと取り入れ、潤いのある美しい肌を目指しましょう。
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接触性皮膚炎:原因と症状、予防策を解説

- 接触性皮膚炎とは接触性皮膚炎は、特定の物質が肌に触れることで、その部分が赤くなったり、かゆみを伴ったり、水ぶくれができたりする、ありふれた皮膚の病気です。 この炎症は、原因となる物質に触れた部分だけに現れ、一般的に「かぶれ」と呼ばれる状態です。原因となる物質は実に様々で、私たちの身の回りにあふれています。例えば、化粧品、洗剤、金属、ゴム製品、植物などは、日常生活で触れる機会が多く、誰にでも発症する可能性があります。また、特定の職業の人に多く見られるものもあります。例えば、美容師ではシャンプーやパーマ液、医療従事者では消毒薬やゴム手袋、建築作業員ではセメントや塗料などが原因となることがあります。接触性皮膚炎は大きく分けて、刺激性接触皮膚炎とアレルギー性接触皮膚炎の2つのタイプに分けられます。刺激性接触皮膚炎は、触れた瞬間に強い刺激を感じるような物質が原因で起こり、ほとんどの人に発症する可能性があります。一方、アレルギー性接触皮膚炎は、特定の物質に対してアレルギー反応を起こしやすい人が、その物質に繰り返し触れることで発症します。接触性皮膚炎の治療は、まず原因となる物質を特定し、それから遠ざかることが重要です。症状を抑えるためには、ステロイド外用薬などが処方されます。症状が重い場合は、ステロイドの内服薬や注射薬が使用されることもあります。日頃から、身に付けるものや使用するものに注意し、皮膚に異常を感じたら早めに医療機関を受診しましょう。
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寒冷蕁麻疹とその対処法

- 寒冷蕁麻疹とは 寒冷蕁麻疹は、冷たい空気や水、物に触れることで皮膚に蕁麻疹が出る、少し変わったアレルギー反応です。蕁麻疹は一時的に皮膚が赤く腫れ上がり、かゆみも伴います。かゆみを我慢できずに掻いてしまうと、さらに症状が悪化してしまうこともあります。 この寒冷蕁麻疹は、他の蕁麻疹と異なり、寒さに触れた部分だけに症状が現れるのが特徴です。例えば、冷たい水に手を浸けると、手だけに蕁麻疹が出ますし、冷たい風に当たると、顔や首など、風に当たった部分だけに蕁麻疹が現れます。 症状は数分から数時間で治まることが多いですが、中には数日続く場合もあります。原因はまだはっきりとは解明されていませんが、寒さによって皮膚にある肥満細胞という細胞からヒスタミンなどの物質が放出されることで起こると考えられています。 寒冷蕁麻疹は、気温が急激に下がる冬場や、プールなど冷たい水に入る際に発症しやすい傾向があります。また、冷たい飲み物やアイスクリームなどを口にした際に、口の中や喉に症状が現れることもあります。
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掌蹠膿疱症:原因不明、手足の膿疱に悩む病気

皆さんは「掌蹠膿疱症」という皮膚の病気を耳にしたことがありますか?あまり聞き慣れない病名かもしれませんが、手のひらや足の裏に繰り返し膿がたまった水ぶくれができる病気で、強い痛みやかゆみに悩まされる方が多くいらっしゃいます。 この病気は、見た目にも症状にも悩まされることが多く、日常生活にも支障をきたすこともあります。例えば、痛みで歩行が困難になったり、水ぶくれを隠すために人前で手を出すことに抵抗を感じたりする方もいます。 しかし、原因がはっきりとは解明されていない部分もあり、周囲の理解を得にくいという現状もあります。 今回は、この掌蹠膿疱症について、症状や原因、治療法など、詳しく解説していきます。原因や症状を理解し、適切な治療法を知ることで、症状の改善や生活の質の向上に繋がる可能性があります。ぜひ、最後までお読みいただき、この病気への理解を深めていただければと思います。
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円形脱毛症:免疫と毛髪の不思議な関係

- 円形脱毛症とは?円形脱毛症とは、頭皮の一部分または複数の場所に円形または楕円形に脱毛する病気です。その名の通り、まるでコインで押したように、一部分の毛が抜け落ちてしまうのが特徴です。脱毛斑は、一つだけの場合もあれば、大小様々な大きさのものが複数箇所に見られる場合もあります。この病気は決して珍しくなく、人口の約1%から2%の人が経験すると言われています。年齢や性別に関わらず発症する可能性があり、子供から大人まで、どの年代にも見られます。特に、若い世代での発症も少なくありません。円形脱毛症の特徴として、痛みやかゆみなどの自覚症状がほとんどないことが挙げられます。そのため、本人が脱毛に気づかない場合や、髪を洗っている時やブラッシングの時に抜け毛が多いことに気づく場合もあります。
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疥癬とは?症状と予防について解説

- 疥癬を引き起こす原因疥癬は、ヒゼンダニという、とても小さなダニが肌に寄生することで起こる皮膚の病気です。このダニは、肉眼で見るのが難しいほど小さく、皮膚の表面に存在するのではなく、肌に小さなトンネルを掘って潜り込みます。そして、そのトンネルの中で卵を産み付けて繁殖します。ヒゼンダニは、人の皮膚を栄養源として生きています。そして、ダニそのものだけでなく、ダニが産み落とす卵や糞便が、人の皮膚にアレルギー反応を引き起こします。これが、激しいかゆみを伴う赤い発疹として現れます。疥癬は、感染した人との直接的な皮膚接触によって感染します。また、感染者が使用した衣類や寝具などを介して、間接的に感染することもあります。そのため、家族間や共同生活をする人々の間で流行しやすく、特に高齢者施設や保育園などでは集団感染が起こる可能性があります。疥癬は、適切な治療を行えば治癒する病気です。ただし、強い痒みがあるため、皮膚を掻きむしってしまうことで症状が悪化したり、細菌感染を起こしたりすることもあります。そのため、早期に医療機関を受診し、適切な診断と治療を受けることが大切です。
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