睡眠時無呼吸症候群(SAS)とは?

呼吸器

睡眠時無呼吸症候群(SAS)とは?

病院での用語を教えて

先生、「スリープアプネア」って、どういう意味ですか?

体の健康研究家

いい質問だね。「スリープアプネア」は、寝ている間に呼吸が止まってしまうことだよ。つまり睡眠時無呼吸のことだね。

病院での用語を教えて

寝ている間に呼吸が止まるんですか? なんでそんなことに?

体の健康研究家

理由はいくつかあるんだけど、例えば、のどの奥が狭くなってしまって空気が通りにくくなることが原因で起こることがあるよ。詳しくは、また別の機会に詳しく説明しよう。

スリープアプネアとは。

「医学や健康でよく聞く『睡眠時無呼吸』という言葉について説明します。『睡眠時無呼吸』とは、読んで字のごとく、眠っている間に呼吸が止まってしまうことです。このような症状が出てしまう病気を『睡眠時無呼吸症候群』と呼び、英語では『Sleep Apnea Syndrome』と書くので、『SAS』と略すことがあります。

睡眠時無呼吸症候群の概要

睡眠時無呼吸症候群の概要

– 睡眠時無呼吸症候群の概要睡眠時無呼吸症候群(SAS)は、睡眠中に呼吸が何度も止まり、再び始まることを繰り返す病気です。寝ている間に呼吸が止まるというと恐ろしく感じるかもしれませんが、実は比較的多くの人がこの病気を抱えています。SASは大きく二つに分類され、それぞれ原因が異なります。一つは、閉塞性睡眠時無呼吸症候群 (OSA) と呼ばれるものです。これは、空気の通り道である鼻から喉にかけての上気道が狭くなる、もしくは一時的に塞がってしまうことで呼吸が止まる病気です。肥満や扁桃腺の肥大、あごの骨格などが原因となることが多いとされています。もう一つは、中枢性睡眠時無呼吸症候群 (CSA) と呼ばれるものです。OSAとは異なり、CSAは空気の通り道ではなく、脳から呼吸筋への信号伝達がうまくいかなくなることが原因で起こります。脳卒中や心不全などの病気や、特定の薬剤の影響で発症することがあります。SASは、睡眠中のことなので自分では気づきにくい病気ですが、日中の強い眠気や倦怠感、集中力の低下、起床時の頭痛などの症状が現れることがあります。また、SASは睡眠の質を低下させるだけでなく、高血圧、心臓病、脳卒中、糖尿病などの様々な病気のリスクを高めることも知られています。そのため、適切な診断と治療を受けることが重要です。

分類 原因 症状
閉塞性睡眠時無呼吸症候群 (OSA) 鼻から喉にかけての上気道が狭くなる、もしくは一時的に塞がる。肥満、扁桃腺の肥大、あごの骨格などが原因となることが多い。 日中の強い眠気や倦怠感、集中力の低下、起床時の頭痛など
中枢性睡眠時無呼吸症候群 (CSA) 脳から呼吸筋への信号伝達がうまくいかない。脳卒中や心不全などの病気や、特定の薬剤の影響で発症することがある。 日中の強い眠気や倦怠感、集中力の低下、起床時の頭痛など

主な症状

主な症状

– 主な症状睡眠時無呼吸症候群(SAS)は、睡眠中に呼吸が止まり、様々な身体的・精神的な不調を引き起こす病気です。その代表的な症状として、大きないびき日中の強い眠気が挙げられます。大きないびきは、SASの患者さんに非常によく見られる症状です。これは、睡眠中に気道が狭くなることで、空気が通りにくくなり、のどが振動するために起こります。また、日中の強い眠気も、SASの特徴的な症状です。SASの患者さんは、睡眠中に十分な酸素を取り込めていないため、日中も頭がぼーっとして、集中力や注意力が低下することがあります。その他、SASの症状としては、以下のようなものがあります。* 睡眠中の呼吸停止SASの患者さんは、睡眠中に何度も呼吸が止まります。これは、家族やパートナーが気づいてくれることもあります。* 起床時の頭痛睡眠中に呼吸が止まることで、血液中の酸素濃度が低下し、頭痛を引き起こすことがあります。* 集中力・記憶力の低下睡眠不足により、集中力や記憶力が低下することがあります。* 抑うつ状態SASは、抑うつ状態のリスク因子となることが知られています。* 性欲減退SASの患者さんは、性欲が減退することがあります。これらの症状は、他の病気でも見られることがあるため、自己判断は危険です。少しでも気になる症状がある場合は、医療機関を受診し、専門医の診断を受けることをおすすめします。

症状 説明
大きないびき 気道が狭くなることで空気が通りにくくなり、のどが振動するために起こる。
日中の強い眠気 睡眠中に十分な酸素を取り込めていないため、日中も頭がぼーっとして、集中力や注意力が低下する。
睡眠中の呼吸停止 家族やパートナーが気づいてくれることもある。
起床時の頭痛 睡眠中に呼吸が止まることで、血液中の酸素濃度が低下し、頭痛を引き起こす。
集中力・記憶力の低下 睡眠不足により、集中力や記憶力が低下する。
抑うつ状態 SASは、抑うつ状態のリスク因子となる。
性欲減退 SASの患者さんは、性欲が減退することがある。

診断方法

診断方法

– 診断方法睡眠時無呼吸症候群(SAS)と診断するためには、睡眠中の呼吸状態を詳しく調べる検査が必要です。その検査の中でも特に重要なのが、終夜睡眠ポリグラフ検査(PSG検査)です。この検査は、一晩かけて睡眠中の体の状態を様々な角度から記録し、SASの有無や重症度を評価します。PSG検査は、自宅または医療機関に一晩入院して行います。検査中は、様々なセンサーを体に装着します。これらのセンサーを通して、脳波、眼球の動き、筋肉の活動、心臓の動き、呼吸の状態、血液中の酸素飽和度など、多くの生体情報を記録します。 脳波を調べることで睡眠の深さを、眼球運動や筋電図を調べることで睡眠の段階を判定します。さらに、呼吸の状態や血液中の酸素飽和度を調べることで、睡眠中に無呼吸や低呼吸がどの程度起こっているのか、呼吸状態が悪化していないかを調べます。PSG検査の結果をもとに、医師は総合的に判断し、SASの診断を下します。具体的には、無呼吸や低呼吸の回数、睡眠中の血液中の酸素飽和度の低下などを分析し、SASの重症度を判定します。この結果に基づき、その人に最適な治療法が検討されます。

検査 目的 方法 測定項目 評価項目
終夜睡眠ポリグラフ検査(PSG検査) 睡眠時無呼吸症候群(SAS)の有無や重症度を評価する。 自宅または医療機関に一晩入院して、センサーを体に装着し、睡眠中の体の状態を記録する。 – 脳波
– 眼球の動き
– 筋肉の活動
– 心臓の動き
– 呼吸の状態
– 血液中の酸素飽和度
– 無呼吸や低呼吸の回数
– 睡眠中の血液中の酸素飽和度の低下
– 睡眠の深さ
– 睡眠の段階

主な治療法

主な治療法

– 主な治療法睡眠時無呼吸症候群(SAS)の治療は、その原因や症状の重さによって異なってきます。軽い症状の場合には、生活習慣を見直すことが有効な場合があります。具体的には、体重を減らす、たばこをやめる、お酒の量を控える、寝る時の体の向きを変えるといったことが挙げられます。これらの工夫によって、症状が改善されることがあります。中等症から重症の場合には、CPAP(シーパップ)療法と呼ばれる治療法が行われます。これは、鼻に装着したマスクから空気を送り込むことで、気道を広げて呼吸を楽にする治療法です。また、寝ている間に装着するマウスピースを使って下あごを前に出すことで、気道を広げる治療法もあります。さらに症状が重い場合や、他の治療法であまり効果が見られない場合には、手術による治療が検討されることもあります。SASの治療法は多岐にわたるため、専門の医師に相談して、自分に合った治療法を見つけることが大切です。

重症度 治療法
軽症 – 生活習慣の見直し
– 体重減量
– 禁煙
– 飲酒量の制限
– 寝姿勢の変更
中等症~重症 – CPAP療法(経鼻的持続陽圧呼吸療法)
– マウスピースによる下顎前方移動
重症
(他の治療法で効果が見られない場合)
– 手術療法

日常生活での注意点

日常生活での注意点

– 日常生活での注意点睡眠時無呼吸症候群(SAS)と診断されたら、医師の指示に従って治療を続けることが何よりも重要です。治療と並行して、日常生活では以下の点に注意することで、症状の改善や進行の抑制が期待できます。まず、規則正しい生活習慣を心がけ、毎日決まった時間に起床・就寝するようにしましょう。睡眠時間は個人差がありますが、十分な睡眠時間を確保することが大切です。睡眠不足は、日中の眠気や集中力低下を招き、SASの症状を悪化させる可能性があります。また、食生活にも気を配りましょう。肥満はSASのリスクを高める大きな要因となります。適正体重を維持するために、バランスの取れた食事と適度な運動を心がけましょう。飲酒や喫煙もSASを悪化させる要因となります。飲酒は、喉の筋肉を弛緩させ、気道を狭くしてしまうため、寝る前の飲酒は特に避けましょう。喫煙は、気道の炎症を引き起こし、呼吸を困難にするため、禁煙が推奨されます。睡眠時は、横向きで寝るように意識しましょう。横向きで寝ることで気道を確保しやすくなり、呼吸が楽になります。仰向けで寝ると、舌が喉の方に落ち込み、気道を塞いでしまう可能性が高くなるため注意が必要です。SASは、適切な治療と生活習慣の改善によって、症状をコントロールできる病気です。気になる症状がある場合は、一人で悩まず、早めに医療機関を受診し、専門医に相談することをおすすめします。

項目 詳細
生活リズム 規則正しい生活習慣を心がけ、毎日決まった時間に起床・就寝する

十分な睡眠時間を確保する
体重管理 適正体重を維持する

バランスの取れた食事と適度な運動を心がける
飲酒・喫煙 寝る前の飲酒は避ける

禁煙する
睡眠時の姿勢 横向きで寝る

仰向けで寝ることは避ける

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