異常呼吸を見つける: その種類と意味
病院での用語を教えて
先生、「異常呼吸パターン」ってなんですか?
体の健康研究家
良い質問だね。「異常呼吸パターン」は、普段私たちが何気なくしている呼吸の回数、深さ、リズム、様式に異常が見られる状態を指すんだよ。
病院での用語を教えて
呼吸の回数や深さに異常があるっていうのは、なんとなくわかるのですが、リズムや様式に異常があるってどういうことですか?
体の健康研究家
例えば、息を吸ってからしばらく止まって、また息を吐く、といった不規則なリズムで呼吸をする場合や、普段とは違う呼吸の仕方をする場合などが挙げられるよ。具体的な異常呼吸パターンとしては、チェーンストークス呼吸やクスマウル呼吸などがあるよ。
異常呼吸パターンとは。
「異常呼吸パターン」とは、普段通りの呼吸とは違う状態のことを指します。具体的には、以下の四つの種類に分けられます。一つ目は、呼吸する回数自体が普段と異なる状態です。二つ目は、一回の呼吸で吸ったり吐いたりする空気の量が普段と異なる状態です。三つ目は、呼吸のタイミングや間隔が普段と異なる状態です。四つ目は、呼吸の仕方自体が普段と異なる状態です。ちなみに、大人の正常な呼吸は、一分間に12回から20回で、一回に吸ったり吐いたりする空気の量は400mLから500mLです。そして、ほぼ一定のリズムで呼吸をしています。
呼吸の異常とは
私たちは普段、息を吸ったり吐いたりすることを特に意識していません。これは、体が自動的に呼吸を調整しているからです。しかし、病気にかかったり、体の状態が悪くなったりすると、この呼吸の仕方に変化が現れることがあります。 呼吸の速さや、一回の呼吸で吸ったり吐いたりする量、さらに呼吸のリズムが、いつもと違うと感じる場合は注意が必要です。
このような、健康な状態とは異なる呼吸のされ方を「異常呼吸パターン」と呼びます。異常呼吸パターンは、体が酸素を十分に取り込めていない、あるいは、体から二酸化炭素をうまく排出できていないサインである可能性があります。例えば、呼吸が速くなる、呼吸が浅くなる、呼吸をするたびに肩で息をする、呼吸と呼吸の間に pauses が入る、など、様々なパターンがあります。
これらの異常呼吸パターンは、肺炎や喘息、心臓病など、様々な病気が原因で起こる可能性があります。そのため、普段とは異なる呼吸の変化に気付いたら、自己判断せずに、医療機関を受診することが大切です。呼吸の変化を早期に発見し、適切な治療を受けることで、病気を悪化させずに済む可能性が高まります。
呼吸の異常 | 説明 | 考えられる原因 |
---|---|---|
呼吸が速くなる | 普段より呼吸の回数が多い状態 | 肺炎、喘息、心臓病など |
呼吸が浅くなる | 一回の呼吸で吸う、または吐く量が少なくなる状態 | 肺炎、喘息、心臓病など |
肩で息をする | 呼吸をするたびに肩が上下する状態 | 肺炎、喘息、心臓病など |
呼吸と呼吸の間に pauses が入る | 呼吸が一時的に停止する状態 | 肺炎、喘息、心臓病など |
呼吸数の変化
私たちは、普段意識せずに呼吸をしていますが、健康な大人の場合、1分間に12回から20回程度のペースで呼吸をしています。しかし、この呼吸の回数は常に一定ではなく、様々な要因によって変化します。
例えば、激しい運動をした後や、不安や緊張を感じている時などは、誰でも一時的に呼吸が速くなります。これは、体が多くの酸素を必要とするため、自然に起こる反応です。
一方で、安静にしているにもかかわらず、常に呼吸が速い状態である「頻呼吸」や、逆に呼吸が遅くなっている状態である「徐呼吸」は、注意が必要です。
頻呼吸は、肺炎や気管支喘息、心不全など、肺や心臓に何らかの病気がある場合に現れることがあります。また、貧血や脱水症、痛みや発熱によっても引き起こされることがあります。
徐呼吸は、脳卒中や頭部外傷など、脳に損傷を受けた場合に見られることがあります。また、薬物中毒や低体温症、甲状腺機能低下症などによっても引き起こされる可能性があります。
呼吸が速い、遅い、苦しいといった症状がある場合は、自己判断せずに、速やかに医療機関を受診するようにしましょう。
呼吸の状態 | 原因・疾患 |
---|---|
通常の呼吸 | 健康な大人の場合、1分間に12回から20回程度 |
一時的な呼吸の速さ | 激しい運動、不安、緊張など |
頻呼吸(常に呼吸が速い) | 肺炎、気管支喘息、心不全、貧血、脱水症、痛み、発熱など |
徐呼吸(呼吸が遅い) | 脳卒中、頭部外傷、薬物中毒、低体温症、甲状腺機能低下症など |
呼吸の深さの変化
私たちは普段、意識することなく呼吸を行っていますが、その深さは健康状態を反映する重要な指標となります。
呼吸が浅い状態が続く場合、呼吸器系の病気の可能性が考えられます。例えば、肺の病気や気管支の病気などです。また、神経系に問題がある場合も、呼吸が浅くなることがあります。脳卒中や脳腫瘍などがその一例です。さらに、痛みを我慢しようとする時にも、呼吸が浅くなることがあります。これは、痛みから意識をそらそうとする無意識の反応です。
反対に、必要以上に深く呼吸をする状態を「過呼吸」と言います。過呼吸は、パニック発作や代謝性アシドーシスなどで見られることがあります。代謝性アシドーシスとは、体内の酸性度が高くなる状態のことです。過呼吸は、意識を失ったり、体が痙攣したりする可能性もあるため、適切な対応が必要です。
このように、呼吸の深さの変化は、様々な健康上の問題を示唆している可能性があります。普段から自身の呼吸に注意を払い、異常を感じた場合には、速やかに医療機関に相談することが大切です。
呼吸の状態 | 考えられる原因・病気 |
---|---|
呼吸が浅い |
|
過呼吸(必要以上に深い呼吸) |
|
呼吸リズムの変化
私たちが普段何気なく行っている呼吸は、本来規則正しいリズムを刻んでいます。しかし、この呼吸のリズムが乱れると、それは体の異常を示すサインとなることがあります。このような状態は「異常呼吸」と呼ばれ、様々な病気が潜んでいる可能性があります。
呼吸リズムの異常として代表的なものに、「チェーンストークス呼吸」があります。これは、呼吸が徐々に速く深くなり、ピークに達した後、徐々に遅く浅くなっていくことを繰り返す呼吸パターンです。まるで波のように呼吸が繰り返されるため、見ていると不安になるかもしれません。チェーンストークス呼吸は、心不全や脳血管障害など、心臓や脳に深刻な病気がある場合に多く見られます。
また、「ビオー呼吸」も注意が必要な異常呼吸の一つです。これは、呼吸と無呼吸を不規則に繰り返す呼吸パターンで、まるで予測不能なリズムを刻んでいるかのようです。ビオー呼吸は、脳幹と呼ばれる生命維持に重要な部位が損傷を受けていることを示唆しており、重度の脳障害の可能性があります。
このように、呼吸リズムの変化は、単なる一時的なものではなく、生命に関わる病態を示している場合があります。そのため、自分自身や周囲の人がいつもと違う呼吸をしていることに気付いたら、すぐに医療機関を受診することが重要です。
異常呼吸の種類 | 特徴 | 考えられる原因 |
---|---|---|
チェーンストークス呼吸 | 呼吸が徐々に速く深くなり、ピークに達した後、徐々に遅く浅くなっていくことを繰り返す。 | 心不全、脳血管障害など、心臓や脳に深刻な病気がある場合。 |
ビオー呼吸 | 呼吸と無呼吸を不規則に繰り返す。 | 脳幹の損傷。重度の脳障害の可能性。 |
呼吸様式の変化
普段無意識に行っている呼吸ですが、体調が悪い時など、いつもと違う呼吸の仕方になっていることがあります。これは、体が酸素を十分に取り込もうとして、普段とは異なる筋肉を使ったり、体の動きを伴うようになるためです。
例えば、肋骨の間にある肋間筋や、首の筋肉を使って呼吸をしている場合は注意が必要です。これは呼吸をするために、普段使わない筋肉を動員している状態であり、呼吸困難がかなり進行している可能性があります。
呼吸が苦しいと感じる呼吸困難は、気管支喘息や肺炎、慢性閉塞性肺疾患(COPD)などの呼吸器疾患だけでなく、心不全や貧血など、様々な原因が考えられます。
呼吸困難は命に関わる状態になることもあります。そのため、いつもと違う呼吸をしていると感じたり、呼吸困難を自覚した場合は、自己判断せずに速やかに医療機関を受診しましょう。
症状 | 状態 | 原因疾患 | 対応 |
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いつもと違う呼吸 肋間筋や首の筋肉を使った呼吸 |
呼吸困難が進行している可能性 | 気管支喘息、肺炎、慢性閉塞性肺疾患(COPD)、心不全、貧血など | 速やかに医療機関を受診 |