NPPV:マスクで呼吸を楽にする治療法
- NPPVとはNPPVは、「非侵襲的陽圧換気療法」の略称で、呼吸機能が低下した患者さんの呼吸をサポートする治療法です。口や鼻に装着したマスクを通して空気を送り込むことで、自発呼吸を助けます。従来の人工呼吸器とは異なり、気管挿管のように喉に管を入れる必要がありません。そのため、患者さんへの負担が少なく、苦痛の少ない治療法として注目されています。NPPVは、慢性閉塞性肺疾患(COPD)や肺線維症などの慢性呼吸不全、心不全、神経筋疾患など、様々な疾患に用いられます。呼吸困難の改善、入院期間の短縮、生命予後の改善などの効果が期待できます。NPPVの大きなメリットは、患者さんの意識がはっきりした状態で治療が行える点です。会話や食事も可能で、日常生活の質を維持しながら治療を継続することができます。ただし、NPPVが適応となるかどうかは、患者さんの病状や全身状態などを考慮して慎重に判断する必要があります。また、NPPVの開始や管理には、専門的な知識と技術が必要です。医師や呼吸療法認定士などの医療従事者によって適切に実施されることが重要です。