RSウイルス感染症:乳幼児に多い呼吸器感染症
病院での用語を教えて
先生、「RSウイルス」ってよく聞くんですけど、どんな病気なんですか?
体の健康研究家
そうだね。「RSウイルス」は、主に乳幼児がかかりやすい病気で、鼻やのどから入ってきて、気管支や肺で炎症を起こすんだよ。
病院での用語を教えて
風邪と症状が似てますね。風邪とは違うんですか?
体の健康研究家
確かに、くしゃみや鼻水、発熱といった風邪のような症状が多いね。ただ、RSウイルスは、ひどくなると、息をするのが苦しくなったり、肺炎になることもあるんだよ。
RSウイルスとは。
医学や健康の分野で使われる「RSウイルス」という言葉について説明します。「RSウイルス」は、リボ核酸ウイルスという種類のウイルスです。
RSウイルスとは
– RSウイルスとはRSウイルスは、乳幼児を中心に、年齢に関わらず、呼吸器に感染症を引き起こすウイルスです。感染すると、鼻水や咳、発熱といった風邪によく似た症状が現れます。多くの場合、これらの症状は軽度で、自宅で安静にしていれば自然に治癒していきます。しかし、乳幼児、特に生まれて間もない赤ちゃんや、心臓や肺などに持病を持つ赤ちゃんの場合、RSウイルスに感染すると重症化するリスクが高まります。具体的には、細気管支炎や肺炎などを発症し、呼吸が苦しくなったり、入院が必要となるケースも見られます。RSウイルスは、感染した人の咳やくしゃみ、つばなどの飛沫を介して、あるいはウイルスが付着したおもちゃなどを触ることによって、人から人へと感染します。そのため、特に流行時期には、こまめな手洗いとうがいを心がけ、赤ちゃんへの感染を防ぐように注意することが重要です。
項目 | 内容 |
---|---|
RSウイルスとは | 年齢に関係なく呼吸器感染症を引き起こすウイルス |
症状 | 鼻水、咳、発熱など、風邪に似た症状 多くの場合、軽度で自然に治癒する |
重症化のリスク | 乳幼児、特に生まれて間もない赤ちゃんや心臓、肺などに持病を持つ赤ちゃんは、重症化するリスクが高い 細気管支炎や肺炎などを発症し、呼吸が苦しくなったり、入院が必要になるケースも |
感染経路 | 感染した人の咳、くしゃみ、つばなどの飛沫を介して ウイルスが付着したおもちゃなどを触ることによって |
予防策 | こまめな手洗いとうがい |
感染経路
– 感染経路
RSウイルスは、主に感染者の咳やくしゃみによって飛び散る、小さな水滴(飛沫)を介して感染します。このため、感染者が咳やくしゃみをすると、ウイルスを含んだ目に見えないほど小さな水滴が空気中に漂い、それを周囲の人が吸い込むことで感染します。
また、RSウイルスは、接触感染もします。感染者が咳やくしゃみをした手で触れたおもちゃやドアノブ、手すりなどにウイルスが付着し、それを健康な人が触ることで、手にウイルスが付着します。そして、その手で自分の口や鼻を触ってしまうと、ウイルスが体内に入り込み、感染してしまうのです。
特に、RSウイルスは、乳幼児の間で流行しやすいという特徴があります。これは、乳幼児は免疫力が未熟であること、また、おもちゃを口に入れたり、指しゃぶりをするなど、無意識に口や鼻を触ることが多いためと考えられます。
RSウイルス感染症の予防には、こまめな手洗いが重要です。外出後や食事前、トイレの後などはもちろんのこと、おもちゃで遊んだ後や鼻を触った後なども、石けんと流水を使って丁寧に手を洗いましょう。
感染経路 | 説明 |
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飛沫感染 | 感染者の咳やくしゃみの飛沫を吸い込むことで感染 |
接触感染 | 感染者が触れたものを介して感染 |
症状
– 症状RSウイルスに感染すると、年齢や体の状態によって症状の出方が違います。多くの場合、鼻水が出たり、咳が出たり、熱が出たりと、いわゆる風邪によく似た症状が現れます。しかし、特に注意が必要なのは赤ちゃんや小さい子どもです。大人と比べて気道が狭いため、RSウイルスに感染すると、気管支や肺に炎症が起こりやすくなります。その結果、呼吸が速くなったり、ゼイゼイと息づかいが荒くなったり、呼吸をするのが苦しそうになることがあります。このような症状が現れたら、すぐに病院を受診する必要があります。
年齢層 | 症状 |
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全年齢 | 鼻水、咳、発熱など、風邪によく似た症状 |
乳幼児 | 気管支や肺の炎症、呼吸の速さ、ゼーゼーとした呼吸、呼吸困難 |
治療法
RSウイルス感染症は、残念ながら特効薬のような特別な治療法は見つかっていません。しかし、ご安心ください。多くの場合、自宅で安静にして十分な水分を摂取することで、症状は自然と軽くなります。
具体的には、十分な睡眠をとりながら体を休め、脱水症状を防ぐために、こまめにお水や経口補水液などを飲んでください。
ただし、症状が重い場合には、入院が必要となることもあります。入院した場合、呼吸が楽になるように酸素を投与したり、呼吸を補助する機械を使用したりといった、症状を和らげるための治療が行われます。医師や看護師の指示に従い、適切な治療を受けるようにしましょう。
RSウイルス感染症 | 詳細 |
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治療法 | 特効薬なし。自宅安静、水分補給が中心 |
自宅療養 | 十分な睡眠、こまめな水分補給(水、経口補水液など) |
入院治療 | 酸素投与、呼吸補助など |
予防方法
呼吸器合胞体ウイルス感染症は、感染力が強いため、予防が重要となります。日常生活において、以下の様な点に気をつけましょう。
まず、こまめな手洗いは基本です。石けんと流水を用いて、手のひらだけでなく、手の甲、指の間、爪の先まで丁寧に洗いましょう。ウイルスは、感染者の咳やくしゃみ、鼻水などに含まれており、これらに触れた手で口や鼻を触ることで感染する可能性があります。外出先から帰った時や食事の前後など、こまめに手を洗い、清潔を心がけましょう。
次に、咳エチケットも大切です。咳やくしゃみをする際は、口や鼻をティッシュペーパーなどで覆い、周りの人への飛沫感染を防ぎましょう。使用したティッシュペーパーはすぐにゴミ箱に捨て、その後も忘れずに手洗いを行いましょう。もし、ティッシュペーパーがない場合は、袖の内側で口と鼻を覆う「咳エチケット」を心がけましょう。
そして、特に乳幼児や高齢者など、重症化リスクの高い方との接触はできるだけ控えましょう。やむを得ず接触する場合には、手洗いや咳エチケットを徹底し、感染予防に努めましょう。また、流行期には、できるだけ人混みを避け、不要不急の外出は控えるようにしましょう。
さらに、重症化リスクの高い乳幼児に対しては、医師に相談の上、予防接種を検討することもできます。呼吸器合胞体ウイルス感染症に対する特効薬はありませんので、予防が重要となります。日々の生活の中で、これらの予防策を実践し、感染から身を守りましょう。
予防策 | 具体的な方法 |
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こまめな手洗い | 石けんと流水を用いて、手のひらだけでなく、手の甲、指の間、爪の先まで丁寧に洗いましょう。外出先から帰った時や食事の前後など、こまめに手を洗い、清潔を心がけましょう。 |
咳エチケット | 咳やくしゃみをする際は、口や鼻をティッシュペーパーなどで覆い、周りの人への飛沫感染を防ぎましょう。使用したティッシュペーパーはすぐにゴミ箱に捨て、その後も忘れずに手洗いを行いましょう。もし、ティッシュペーパーがない場合は、袖の内側で口と鼻を覆う「咳エチケット」を心がけましょう。 |
重症化リスクの高い方との接触を控える | 特に乳幼児や高齢者など、重症化リスクの高い方との接触はできるだけ控えましょう。やむを得ず接触する場合には、手洗いや咳エチケットを徹底し、感染予防に努めましょう。また、流行期には、できるだけ人混みを避け、不要不急の外出は控えるようにしましょう。 |
予防接種を検討する | 重症化リスクの高い乳幼児に対しては、医師に相談の上、予防接種を検討することもできます。 |