赤ちゃんの不思議な動き:非対称性緊張性頸反射

小児科

赤ちゃんの不思議な動き:非対称性緊張性頸反射

病院での用語を教えて

「非対称性緊張性頸反射」って、何だか難しい名前ですね。どんなものですか?

体の健康研究家

そうだね。「非対称性緊張性頸反射」は、赤ちゃんにみられる生まれながらの反応の一つだよ。例えば、赤ちゃんを仰向けに寝かせて、顔を右に向けるとどうなるかな?

病院での用語を教えて

えーっと、右手が伸びたりするのかな?

体の健康研究家

そう! 顔を向けた方の腕や足が伸びて、反対側が曲がる反応だね。これが「非対称性緊張性頸反射」だよ。成長とともに自然に見られなくなるので、心配しなくて大丈夫だよ。

非対称性緊張性頸反射とは。

「非対称性緊張性頸反射」は、生まれたばかりの赤ちゃんに見られる生まれつきの動作の一つです。赤ちゃんを仰向けに寝かせて、頭をどちらかに向けると、顔の向きと反対側の腕と足は曲がり、顔の向きと同じ側の腕と足は伸びます。例えば、頭を右に向けると、右の腕と足は伸びて、左の腕と足は曲がります。これは、脳が成長するにつれて、生後4ヶ月を過ぎたころから見られなくなります。

生まれたての赤ちゃんにみられる反射

生まれたての赤ちゃんにみられる反射

生まれたばかりの赤ちゃんは、まだ自分の意思で体を動かすことはできません。しかし、周りの環境からの刺激に対して、決まったパターンで反応を示すことがあります。これは「原始反射」と呼ばれるもので、赤ちゃんが生まれながらに持っている、生きていくために必要な体の反応です。

原始反射には、例えば、何かが口に触れると吸い付くような動きをする「吸てつ反射」や、指で赤ちゃんの掌を刺激するとぎゅっと握り返す「把握反射」など、様々な種類があります。これらの反射は、赤ちゃんが外界の刺激に反応し、周囲と関わっていくための第一歩と言えるでしょう。

原始反射は、赤ちゃんの発達段階を知る上で重要な指標となります。医師は、赤ちゃんの月齢に合わせた原始反射が現れているかどうか、また、適切な時期に消失していくかどうかを観察することで、神経系が順調に発達しているかを判断します。そして、もしも反射に異常が見られる場合には、発達の遅れや脳機能の障害などの可能性も考え、より詳しい検査が必要となることもあります。

原始反射の種類 説明
吸てつ反射 何かが口に触れると吸い付くような動きをする
把握反射 指で赤ちゃんの掌を刺激するとぎゅっと握り返す

非対称性緊張性頸反射とは?

非対称性緊張性頸反射とは?

– 非対称性緊張性頸反射とは?生まれたばかりの赤ちゃんは、まだ外界からの刺激に対して、決まったパターンで反応する、いわゆる原始反射と呼ばれる行動がみられます。数ある原始反射の中でも、「非対称性緊張性頸反射(ATNR)」は、特にユニークな反応を示すことで知られています。この反射は、赤ちゃんを仰向けに寝かせ、頭をゆっくりと横に傾けると現れます。例えば、赤ちゃんの頭を右に向けると、顔は右側を向き、右腕と右脚はピンと伸びます。一方で、顔の向きと反対側である左腕と左脚は、肘や膝の関節で曲がるのです。まるで、フェンシングの選手が剣を構えるようなポーズをとることから、「フェンシング反射」とも呼ばれています。非対称性緊張性頸反射は、生後1〜4ヶ月頃に最も顕著に現れます。この時期の赤ちゃんは、この反射によって視界に入る腕に興味を示したり、自分の手足の存在に気づいたりすると考えられています。しかし、この反射は成長とともに統合され、生後6ヶ月頃には消失するのが一般的です。もし、この反射がその後も残っていたり、左右で反応に違いがあったりする場合は、専門医への相談が必要となる場合があります。

項目 内容
反射名 非対称性緊張性頸反射(ATNR)
別名:フェンシング反射
発現時期 生後1〜4ヶ月頃に最も顕著
消失時期 生後6ヶ月頃までに消失
反射の内容 赤ちゃんを仰向けに寝かせ、頭をゆっくりと横に傾けると、
・顔は傾けた方向に向く
・顔と同じ側の腕と脚はピンと伸びる
・反対側の腕と脚は、肘や膝の関節で曲がる
意義 ・視界に入る腕への興味関心の促進
・自身の体に対する認識の促進

非対称性緊張性頸反射の役割

非対称性緊張性頸反射の役割

– 非対称性緊張性頸反射の役割非対称性緊張性頸反射は、赤ちゃんが見せる不思議な動きのひとつですが、実は発達において重要な役割を担っていると考えられています。この反射は、赤ちゃんの視覚の発達と運動機能の発達を促すとされています。赤ちゃんが頭を左右どちらかに向けると、その方向の手足はまっすぐに伸び、反対側の手足は曲がります。まるでフェンシングのポーズのようなこの動きは、一見奇妙に見えますが、実は視覚と運動機能を結びつけるための重要なプロセスです。頭を動かすと視界も一緒に動くため、赤ちゃんはこの反射を通じて、自分の動きと視界の変化の関係を学び始めます。これは、後々、ボールを目で追ったり、おもちゃに手を伸ばしたりするといった、目と手の協調運動の発達に繋がっていきます。また、非対称性緊張性頸反射は、筋肉や関節の発達にも貢献しています。頭を動かすことで、首、肩、腕、足の筋肉がそれぞれ伸縮し、これにより筋肉が鍛えられ、関節の柔軟性が育まれていきます。このように、非対称性緊張性頸反射は、一見単純な動きに見えながらも、赤ちゃんの発達に大きく貢献しているのです。

反射 役割
非対称性緊張性頸反射
  • 視覚の発達: 頭の動きと視界の変化の関係を学ぶ
  • 運動機能の発達: 目と手の協調運動の発達を促す
  • 筋肉・関節の発達: 首、肩、腕、足の筋肉を鍛え、関節の柔軟性を育む

非対称性緊張性頸反射と発達

非対称性緊張性頸反射と発達

– 非対称性緊張性頸反射と発達生まれたばかりの赤ちゃんに見られる反射の一つに、非対称性緊張性頸反射というものがあります。これは、赤ちゃんを仰向けに寝かせた状態で頭を左右どちらかに向けると、顔の側の腕と脚が伸び、反対側の腕と脚が曲がるという反射です。まるでフェンシングの構えをするように見えるため、「フェンシング反射」とも呼ばれます。
この反射は、赤ちゃんが正常に発達しているかどうかを判断する上で重要な指標となります。
通常、非対称性緊張性頸反射は生後4ヶ月頃になると徐々に消失していきます。これは、赤ちゃんの脳神経系が成長し、より高度な運動機能を獲得していくためです。首の動きと手の動きが連動しなくなり、寝返りを打ったり、おもちゃに手を伸ばしたりすることができるようになります。
しかし、もし非対称性緊張性頸反射が生後6ヶ月を過ぎても残存する場合や、左右差が大きい場合は注意が必要です。これは、脳性麻痺などの発達の遅延や、斜頸などの運動機能に問題が生じているサインである可能性があります。
非対称性緊張性頸反射が気になる場合は、自己判断せずに専門医に相談し、赤ちゃんの発達段階に合わせた適切なアドバイスやサポートを受けるようにしましょう。

項目 内容
別名 フェンシング反射
定義 赤ちゃんを仰向けに寝かせた状態で頭を左右どちらかに向けると、顔の側の腕と脚が伸び、反対側の腕と脚が曲がる反射
重要性 赤ちゃんの正常な発達を判断する重要な指標
正常な経過 生後4ヶ月頃までに消失
消失後の発達 首の動きと手の動きが連動しなくなり、寝返りや物を掴むことが可能になる
異常な経過 生後6ヶ月過ぎても残存、または左右差が大きい
異常な経過が示唆するもの 脳性麻痺などの発達の遅延、斜頸などの運動機能の問題の可能性
注意点 気になる場合は自己判断せず、専門医に相談

まとめ

まとめ

生まれて間もない赤ちゃんが見せる仕草は、どれも愛らしく、私たち大人の心を和ませてくれます。しかし、その何気ない動きの中には、実は赤ちゃんが成長していく上で大切な役割を果たす、様々な反射行動が含まれているのです。

今回は、数ある新生児反射の中でも、「非対称性緊張性頸反射」に焦点を当ててみましょう。これは、赤ちゃんが頭を左右どちらかに向けると、その方向の手足を伸ばし、反対側の手足を曲げるという反応です。まるで、フェンシングの構えのような、このユニークな姿勢は、生後6か月頃までに見られるのが一般的です。

一見不思議な動きに見えるかもしれませんが、非対称性緊張性頸反射は、赤ちゃんが自分の体を動かす感覚を掴み、周囲のものに手を伸ばしたり、視線を向けたりするといった行動を獲得していく上で、重要な役割を担っていると考えられています。また、この反射は、左右の体の動きを調整する機能の発達にも関わっていると言われています。

赤ちゃんの成長は、目覚ましいものです。保護者の皆様には、我が子の健やかな成長を喜びながら、このような原始反射にも目を向け、発達の過程を注意深く見守っていくことをお勧めします。何か気になることや疑問があれば、遠慮なく専門医に相談するようにしましょう。

反射行動 説明 役割 出現時期
非対称性緊張性頸反射 頭を左右どちらかに向けると、その方向の手足を伸ばし、反対側の手足を曲げる。
  • 自分の体を動かす感覚を掴む
  • 周囲のものに手を伸ばしたり視線を向けたりする行動の獲得
  • 左右の体の動きを調整する機能の発達
生後6か月頃まで

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