身近な病気:扁桃腺炎
病院での用語を教えて
先生、「扁桃腺炎」ってよく聞くんですけど、どんな病気なんですか?
体の健康研究家
良い質問だね。「扁桃腺炎」は、のどの奥にある「扁桃腺」という部分が、ばい菌に感染して腫れてしまう病気だよ。
病院での用語を教えて
のどの奥にあるんですね! どうして腫れてしまうんですか?
体の健康研究家
扁桃腺は、口や鼻から入ってくるばい菌をやっつける働きがあるんだけど、疲れや風邪などで体が弱っていると、ばい菌に負けてしまい、腫れてしまうんだ。
扁桃腺炎とは。
のどちんこの両脇にある、口蓋扁桃という部分が、ウイルスやばい菌の感染によって炎症を起こしている状態を、扁桃腺炎、あるいは扁桃炎といいます。
扁桃腺炎とは
– 扁桃腺炎とは扁桃腺炎は、喉の奥の左右にある口蓋扁桃に炎症が起こり、赤く腫れ上がる病気です。扁桃腺は、口や鼻から侵入してくる細菌やウイルスなどの病原体から体を守る、免疫機能の一部を担っています。しかし、風邪やインフルエンザなどによって免疫力が低下すると、扁桃腺にウイルスや細菌が感染し、炎症を起こしてしまうことがあります。これが扁桃腺炎です。扁桃腺炎の主な症状は、喉の痛み、発熱、倦怠感などです。その他、頭痛、咳、鼻水、関節痛、リンパ節の腫れなどを伴うこともあります。特に、喉の痛みが強く、食事や飲み物が飲み込みにくいこともあります。扁桃腺炎の原因の多くはウイルス感染で、特にアデノウイルスやライノウイルスなどが挙げられます。これらのウイルスは、飛沫感染や接触感染によって広がります。また、溶連菌などの細菌感染によって扁桃腺炎が引き起こされることもあります。細菌性の扁桃腺炎の場合、高熱や白い膿が扁桃腺に付着するなどの症状がみられることがあります。扁桃腺炎は、安静と水分補給を心がけることで、多くの場合、数日で症状が改善します。痛みが強い場合は、鎮痛剤を使用することもあります。細菌性の扁桃腺炎と診断された場合には、抗生物質が処方されます。症状が重い場合や、繰り返し扁桃腺炎を起こす場合には、手術によって扁桃腺を摘出することがあります。
項目 | 説明 |
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定義 | 喉の奥にある口蓋扁桃に炎症が起こり、赤く腫れ上がる病気 |
原因 |
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症状 |
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治療法 |
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主な症状
– 主な症状扁桃炎を患うと、喉の痛みと発熱が主な症状として現れます。特に、食べ物を飲み込む際に痛みが強くなるのが特徴です。これは、扁桃腺に炎症が起きることで、腫れてしまうことが原因です。その他にも、咳や鼻水、頭痛、関節痛、倦怠感といった症状が現れることもあります。さらに、扁桃腺の腫れがひどくなると、声がかすれてしまったり、呼吸がしづらくなることもあります。呼吸困難は、特に夜間や睡眠中に起こりやすく、注意が必要です。小さなお子様の場合、腹痛や嘔吐を伴うこともあります。これは、喉の痛みから食事をうまく摂れず、胃腸の調子が悪くなってしまうことが考えられます。また、高熱が続く場合は、体内の水分が不足し、脱水症状を引き起こす可能性もあります。扁桃炎は、細菌やウイルス感染によって引き起こされることが多く、症状が重い場合は、医療機関を受診し、適切な治療を受けることが重要です。
症状 | 詳細 |
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喉の痛み | 特に食べ物を飲み込む際に強い痛み。扁桃腺の腫れが原因。 |
発熱 | 扁桃炎に伴い発熱がみられる。 |
咳 | 症状の一つとして現れることがある。 |
鼻水 | 症状の一つとして現れることがある。 |
頭痛 | 症状の一つとして現れることがある。 |
関節痛 | 症状の一つとして現れることがある。 |
倦怠感 | 症状の一つとして現れることがある。 |
声のかすれ | 扁桃腺の腫れがひどい場合に起こることがある。 |
呼吸困難 | 扁桃腺の腫れがひどい場合に起こることがあり、特に夜間や睡眠中に注意が必要。 |
腹痛・嘔吐 | 小さなお子様にみられることがあり、喉の痛みから食事が摂れず、胃腸の調子が悪くなることが原因と考えられる。 |
脱水症状 | 高熱が続く場合は、体内の水分が不足し、脱水症状を引き起こす可能性がある。 |
原因と感染経路
– 原因と感染経路喉の奥の左右にある扁桃は、口や鼻から侵入する細菌やウイルスなどの病原体から体を守る、免疫機能において重要な役割を担っています。しかし、この扁桃に炎症が起こる病気が扁桃炎です。扁桃炎の原因として最も多いのはウイルス感染で、全体の約7割を占めると言われています。 特に、アデノウイルスやライノウイルス、RSウイルス、インフルエンザウイルスなどが、扁桃炎を引き起こす代表的なウイルスです。これらのウイルスは、感染力が強く、空気感染や接触感染によって広がりやすい特徴があります。一方、細菌が原因となる扁桃炎も少なくありません。中でも、溶連菌と呼ばれる細菌による感染は、全体の約2~3割を占め、特に幼児から学童期の子供に多くみられます。 溶連菌感染症は、高熱や喉の痛みだけでなく、赤い発疹や舌の炎症などを伴うことが特徴です。また、適切な治療を行わないと、まれにリウマチ熱や急性糸球体腎炎などの合併症を引き起こす可能性もあるため、注意が必要です。扁桃炎の感染経路として、最も多いのは、咳やくしゃみによってウイルスや細菌を含む小さな水滴が空気中に飛び散り、それを吸い込むことによる「飛沫感染」です。また、ウイルスや細菌が付着した手で、口や鼻、目を触ることで、粘膜から病原体が体内に侵入する「接触感染」も、感染経路として多くみられます。さらに、ウイルスや細菌が付着したドアノブや手すりなどを介して間接的に感染するケースもあります。特に、免疫力が低下しているときは、これらの感染経路から扁桃炎を発症しやすくなるため注意が必要です。
原因 | 特徴 | 割合 |
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ウイルス感染 |
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約7割 |
細菌感染 (溶連菌) |
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約2~3割 |
診断と治療
– 診断と治療扁桃腺炎の診断は、医師による診察を通して行われます。診察では、まず医師が患者の喉を視診し、扁桃腺の状態を直接確認します。扁桃腺が赤く腫れているか、白い膿が付着しているかなどを観察します。さらに、発熱、喉の痛み、咳、鼻水などの症状や、いつから症状が現れているか、他に症状はないかなどを患者から詳しく聞き取ります。原因を特定するために、医師は患者の喉の奥を滅菌綿棒で軽くこすり、採取した検体を検査します。 この検査によって、扁桃腺炎の原因がウイルスなのか細菌なのかを特定します。原因によって適切な治療法が異なるため、この検査は非常に重要です。扁桃腺炎の治療法は、原因や症状の程度によって異なります。ウイルスが原因で起こる扁桃腺炎の場合、残念ながらウイルスに直接効果を発揮する薬はありません。そのため、基本的には対症療法を行います。高熱や喉の痛みなどの症状を和らげるために、解熱鎮痛剤を使用します。また、十分な水分を摂取し、身体を休めることが重要です。一方、細菌が原因で起こる扁桃腺炎の場合、細菌の増殖を抑えるために抗生物質を投与します。抗生物質を適切に使用することで、症状の悪化や合併症のリスクを減らすことができます。症状が重い場合や、脱水症状が見られる場合、食事が摂れない場合などには、入院して点滴治療などを行う場合があります。入院中は安静を保ちながら、医師の指示に従って治療を進めていきます。
項目 | 内容 |
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診断 | 医師による診察(視診、問診)、喉の検体検査
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治療法 | 原因(ウイルス性・細菌性)、症状の程度による
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予防対策
– 予防対策扁桃腺炎は、ウイルスや細菌への感染によって引き起こされる病気です。そのため、日頃からウイルスや細菌への接触を減らし、体内への侵入を防ぐことが、扁桃腺炎の予防には非常に重要になります。具体的な予防対策としては、まずは基本的な衛生習慣である手洗いとうがいをこまめに行うことが大切です。外出後や食事前はもちろんのこと、手を洗う機会を増やすことで、ウイルスや細菌を洗い流し、感染リスクを減らすことができます。また、健康的な生活習慣を送り、免疫力を高めることも大切です。栄養バランスの取れた食事を心がけ、十分な睡眠をとることで、体の抵抗力が高まり、扁桃腺炎を含む様々な病気の予防に繋がります。さらに、乾燥した環境では、ウイルスが活性化しやすくなるため、室内の湿度を適切に保つことも効果的です。加湿器を使用したり、濡れたタオルを部屋に干したりするなどして、適切な湿度を保ちましょう。特に、人が多く集まる場所では、ウイルスや細菌に接触する機会も多くなります。そのため、できる限り人混みを避け、外出時にはマスクを着用するなどの対策も有効です。これらの予防対策を継続的に行っても、扁桃腺炎を繰り返し発症する場合は、医療機関を受診し、医師に相談してみましょう。扁桃腺の切除術などの治療法が検討されることもあります。大切なのは、自己判断せずに、専門家の意見を仰ぐことです。
カテゴリー | 具体的な予防対策 |
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基本的な衛生習慣 | 手洗いとうがいをこまめに行う
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健康的な生活習慣 |
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乾燥対策 | 適切な湿度を保つ
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人混みを避ける |
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医療機関の受診 | 予防対策を継続的に行っても、扁桃腺炎を繰り返し発症する場合
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