静かなる脅威:卵巣がんについて

産婦人科

静かなる脅威:卵巣がんについて

病院での用語を教えて

先生、『卵巣がん』ってよく聞くけど、どんな病気なの?

体の健康研究家

良い質問だね。『卵巣がん』は、卵巣にできるがんのことだよ。卵巣は、お腹の下の方、左右にある、卵子を作る場所で、ここでがん細胞が増えていくんだ。

病院での用語を教えて

卵巣にできるがんってことか。卵巣にできる腫瘍は全部がんになるの?

体の健康研究家

いいえ、そうとは限らないよ。卵巣にできる腫瘍には、良性のものと悪性のものがあって、『卵巣がん』は悪性の腫瘍のことを指すんだ。

卵巣がんとは。

「卵巣がん」という言葉は、医学や健康の分野で使われます。卵巣にできる腫瘍のうち、悪性のものを指します。

卵巣がんとは

卵巣がんとは

– 卵巣がんとは卵巣がんは、女性の体の中で卵子を作り出す臓器である卵巣にできるがんです。卵巣は子宮の左右に一つずつ、全部で二つあり、妊娠に深く関わる女性ホルモン(エストロゲン、プロゲステロン)を分泌するなど、重要な役割を担っています。

卵巣がんは、卵巣の表面を覆う組織や、卵子のもとになる細胞など、卵巣の中の様々な組織から発生する可能性があります。そして、がん細胞が増殖すると、周囲の臓器である子宮、膀胱、直腸などに広がっていくことがあります。さらに進行すると、リンパ節や血液の流れに乗って、肺や肝臓などの離れた臓器に転移することもあります。

卵巣がんは初期段階では自覚症状が現れにくいという特徴があり、早期発見が難しいがんです。そのため、定期的な婦人科検診などを通じて、早期発見・早期治療に努めることが重要です。

項目 詳細
定義 卵巣にできるがん。卵巣は子宮の左右に一つずつあり、妊娠に深く関わる女性ホルモン(エストロゲン、プロゲステロン)を分泌するなど、重要な役割を担っている。
発生源 卵巣の表面を覆う組織や、卵子のもとになる細胞など、卵巣の中の様々な組織
進行 がん細胞が増殖すると、周囲の臓器(子宮、膀胱、直腸など)に広がり、さらに進行すると、リンパ節や血液の流れに乗って、肺や肝臓などの離れた臓器に転移することもある。
特徴 初期段階では自覚症状が現れにくい。
早期発見 定期的な婦人科検診が重要。

卵巣がんの種類

卵巣がんの種類

卵巣がんは、卵巣にできるがんの総称ですが、発生する場所や細胞の種類によっていくつかのタイプに分けられます。それぞれのタイプによって、がんの進行の速さや治療法、患者さんの年齢層などが異なってきます。

卵巣がんの中で最も患者数が多いのは、上皮性卵巣がんです。卵巣の表面は上皮と呼ばれる薄い細胞の層で覆われていますが、上皮性卵巣がんはこの上皮から発生します。卵巣がん全体の約90%を占め、比較的進行が遅い傾向があります。

次に多いのは、胚細胞腫瘍です。卵巣には、将来卵子になるための細胞が存在しますが、胚細胞腫瘍はこの細胞から発生するがんです。卵巣がん全体の約5%を占め、10代から20代の若い世代に多くみられます。進行が早く、他の臓器に転移しやすいという特徴がありますが、抗がん剤治療が良く効くため、比較的治りやすいがんです。

その他、性索間質腫瘍と呼ばれるタイプもあります。卵巣は女性ホルモンを産生する臓器ですが、性索間質腫瘍はこのホルモンを産生する細胞から発生します。卵巣がん全体の約5%を占めます。一般的に進行は遅く、比較的治りやすいがんです。

種類 発生場所 割合 特徴
上皮性卵巣がん 卵巣の表面(上皮) 約90% 進行が遅い傾向
胚細胞腫瘍 卵子になる細胞 約5% 10代~20代に多い
進行が早い
抗がん剤治療が効きやすい
性索間質腫瘍 女性ホルモンを産生する細胞 約5% 進行が遅い
比較的治りやすい

初期症状の分かりにくさ

初期症状の分かりにくさ

卵巣がんは「沈黙の臓器」と呼ばれる卵巣にできるがんで、初期の段階では自覚できる症状が現れにくいという特徴があります。そのため、早期発見が難しいがんの一つとして知られています。

卵巣がんの初期には、お腹が張る、お腹が痛む、トイレが近くなる、便秘がちになるといった症状が現れることがあります。しかし、これらの症状は、他の病気でもよくみられるため、卵巣がんであると断定することは容易ではありません。例えば、お腹が張る症状は、食べ過ぎや便秘、胃腸炎などでも起こりますし、お腹の痛みも、月経痛や消化不良など様々な原因が考えられます。また、トイレが近くなる症状は膀胱炎、便秘は食生活の乱れなどでも起こり得ます。

このように、卵巣がんの初期症状は、他の病気と見分けにくいことが多いため、症状が軽くても、気になる症状が続く場合は、早めに医療機関を受診することが大切です。特に、婦人科系の検診を受けることで、早期発見・早期治療につながる可能性が高まります。

症状 他の可能性
お腹が張る 食べ過ぎ、便秘、胃腸炎など
お腹が痛む 月経痛、消化不良など
トイレが近くなる 膀胱炎など
便秘がちになる 食生活の乱れなど

進行した場合の影響

進行した場合の影響

卵巣がんは、進行すると周囲の組織や臓器にがん細胞が浸潤し、様々な症状を引き起こします。

初期には自覚症状が少ないことが多く、静かに進行していくことが特徴です。そのため、病気が進行するまで気づかれない場合も少なくありません。がんが大きくなると、お腹に水が溜まったり(腹水)、腸が詰まったり(腸閉塞)することがあります。これらの症状は、日常生活に大きな支障をきたす可能性があります。

さらに進行すると、がん細胞は血液やリンパ液の流れに乗り、遠くの臓器に運ばれて増殖することがあります。これを転移と呼びます。卵巣がんの場合、肺や肝臓、骨などに転移することが多くみられます。

進行した卵巣がんの治療は、手術、抗がん剤を用いた治療、放射線治療などを組み合わせた集学的な治療が行われます。しかし、がんが進行するにつれて治療の効果が得にくくなるため、早期発見・早期治療が非常に重要です。

段階 症状・状態 転移先
初期 自覚症状が少ない
進行期 ・お腹に水が溜まる(腹水)
・腸が詰まる(腸閉塞)
・日常生活に支障
・肺
・肝臓
・骨

定期的な検診と早期発見の重要性

定期的な検診と早期発見の重要性

卵巣がんは、初期段階では自覚症状が現れにくく、発見が遅れてしまうケースが多いがんです。しかし、早期に発見することができれば、治療の効果が高く、治癒の可能性も高まります。 そこで重要となるのが、定期的な婦人科検診です。婦人科検診では、医師による問診、視診、内診、そして超音波検査などが行われます。問診では、月経周期や月経痛、おりものの状態などについて詳しく聞かれます。内診では、医師が直接指で子宮や卵巣の大きさや硬さ、腫れなどを確認します。超音波検査では、子宮や卵巣の形や大きさ、内部の状態を画像で確認することができます。これらの検査と合わせて、近年では腫瘍マーカーと呼ばれる血液検査も有効な検査方法として注目されています。これは、血液中にがん細胞から分泌される特定の物質の量を測定する検査です。卵巣がんの場合、CA125やHE4といった腫瘍マーカーが用いられます。特に、家族に卵巣がんを患った人がいる場合は、そうでない人に比べて卵巣がんを発症するリスクが高くなるため、定期的な婦人科検診を心がけることが重要です。 また、健康診断などで卵巣に異常を指摘された場合や、少しでも体に異変を感じた場合は、すぐに医療機関を受診しましょう。

項目 内容
重要性 早期発見で治療効果が高く、治癒の可能性も高まる
早期発見の方法 定期的な婦人科検診
婦人科検診の内容 医師による問診、視診、内診、超音波検査など
問診 月経周期や月経痛、おりものの状態などを確認
内診 子宮や卵巣の大きさや硬さ、腫れなどを確認
超音波検査 子宮や卵巣の形や大きさ、内部の状態を画像で確認
腫瘍マーカー 血液中にがん細胞から分泌される特定の物質(CA125, HE4など)の量を測定する検査
特にリスクが高い人 家族に卵巣がんを患った人

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