皮膚疾患治療の立役者:クリーム
病院での用語を教えて
先生、「クリーム」って薬の種類なんですか?
体の健康研究家
そうね。「クリーム」は薬の種類というより、薬を皮膚に塗る時に使う形の一つと言えるでしょう。軟膏って知ってるかな?
病院での用語を教えて
軟膏は、ワセリンみたいな、ちょっとベタベタするやつですよね?
体の健康研究家
その通り!クリームは軟膏よりも水が多くて、ベタベタしにくいのが特徴なんだ。だから、皮膚に塗りやすく、吸収も早いんだよ。
クリームとは。
医療や健康の分野で使われる『クリーム』は、皮膚の病気の治療に用いられる塗り薬のもとになるものの一つです。水と油を混ぜ合わせて白く滑らかにしたもので、軟膏に比べて皮膚に浸透しやすく効果が現れるのが早いのが特徴です。水分を含んでいるため軟膏よりもべたつきませんが、その反面、汗で流れやすいという側面もあります。
クリームとは何か
私たちの肌に塗って使う外用薬の一種に、クリームがあります。クリームは、水と油を混ぜ合わせて作られています。しかし、水と油は本来、決して仲良く混ざり合うことはありません。そこで登場するのが、界面活性剤と呼ばれる物質です。
界面活性剤は、水と油のように仲の悪いもの同士を、まるで仲良しのように結びつける力を持っています。クリームはこの界面活性剤の働きによって、水と油が均一に混ざり合った状態、すなわち乳化状態になっています。
この乳化状態のおかげで、クリームは滑らかで塗りやすくなるだけでなく、肌へのなじみも良くなります。クリーム独特の、あの心地よい使用感は、まさに界面活性剤の働きによるものと言えるでしょう。
外用薬の種類 | 特徴 | 成分 | 使用感 |
---|---|---|---|
クリーム | 水と油を混ぜ合わせて作られる | 水、油、界面活性剤 | 滑らかで塗りやすい、肌なじみが良い |
クリームと軟膏の違い
皮膚のトラブルを改善するために、薬がよく使われますが、その中でも塗り薬には、クリームと軟膏という二つの種類があります。どちらも皮膚に直接塗って使うという点は同じですが、含まれている成分や、塗った時の感触が異なります。
軟膏は、クリームに比べて油の成分が多く含まれており、水分はほとんど含まれていません。そのため、皮膚に塗ると、まるで油の膜で覆われたような状態になります。この油の膜のおかげで、皮膚の水分が蒸発するのを防ぎ、乾燥から守る効果が期待できます。また、薬効が長持ちしやすいという利点もあります。
一方、クリームは、軟膏に比べて水分の割合が多いため、べたつきが少なく、さっぱりとした使用感があります。また、皮膚に吸収されやすく、薬の効果が早く現れやすいという特徴があります。
このように、クリームと軟膏はそれぞれに特徴があります。どちらを使用するかは、皮膚の状態や症状、効果の発揮の仕方を考慮して、医師の指示に従うようにしましょう。
項目 | クリーム | 軟膏 |
---|---|---|
成分 | 水分が多い | 油分の成分が多い |
使用感 | さっぱり | 油膜感 |
効果 | 薬の効果が早く現れやすい | 皮膚の水分蒸発を防ぎ、乾燥から守る。薬効が長持ちする。 |
クリームのメリット
肌の悩みに寄り添うアイテムとして、クリームは幅広い世代に愛用されています。クリームの最大の魅力は、なんといっても心地よい使用感にあります。同じ外用薬でも、軟膏に比べてべたつきが少なく、肌に塗布した後もすぐに衣服を身につけることができます。これは、日常生活でこまめなケアが必要な方にとって、大きな利点と言えるでしょう。
また、クリームは伸びが良いという特徴も持ち合わせています。少量でも広範囲に塗布することができるため、背中や腕など、広い範囲に塗りたい場合でも、ムラなく均一に塗ることができます。
さらに、クリームは皮膚への浸透力が高いことも大きなメリットです。有効成分が皮膚の奥深くまで素早く浸透していくため、薬の効果が比較的早く現れやすい傾向があります。そのため、炎症やかゆみなどの症状に悩まされている場合、そのつらい症状を速やかに和らげたい時に、クリームは心強い味方となってくれるでしょう。
特徴 | 詳細 |
---|---|
心地よい使用感 | 軟膏に比べてべたつきが少なく、塗布後すぐに衣服を身につけることができる |
伸びが良い | 少量でも広範囲に塗布でき、ムラなく均一に塗ることができる |
皮膚への浸透力が高い | 有効成分が皮膚の奥深くまで素早く浸透し、薬の効果が比較的早く現れやすい |
クリームの注意点
肌の保湿や保護に欠かせないクリームですが、使用にあたってはいくつか注意すべき点があります。
まず、クリームは水分を多く含んでいるため、保管状態が悪いと成分が変化したり、細菌が繁殖したりして品質が劣化しやすくなります。品質を保つためには、高温多湿の場所や直射日光の当たる場所は避け、涼しくて乾燥した場所に保管することが大切です。浴室など湿気の多い場所に置く場合は、使用後すぐにふたをしっかり閉め、できるだけ早く使い切るようにしましょう。
また、クリームは汗や水に流れやすいという特徴があります。汗をかきやすい部分に使用する場合は、効果を維持するためにこまめな塗り直しが必要です。
さらに、クリームに含まれる成分によっては、肌に刺激を感じたり、アレルギー反応を起こしたりする可能性があります。特に、肌が敏感な人や初めて使用するクリームの場合は、顔や体に塗る前に、腕の内側など目立たない部分で少量を試し、異常がないかを確認するパッチテストを行うことをおすすめします。少しでも異常を感じたら、使用を中止し、医師や薬剤師に相談しましょう。
注意点 | 詳細 |
---|---|
保管方法 | 高温多湿・直射日光を避け、涼しくて乾燥した場所に保管する。 浴室など湿気の多い場所に置く場合は、使用後すぐにふたをしっかり閉め、できるだけ早く使い切る。 |
使用時の注意点 | 汗や水に流れやすいので、こまめな塗り直しが必要。 |
アレルギー | 成分によっては、肌に刺激やアレルギー反応を起こす可能性がある。 初めて使用する場合は、パッチテストを行う。少しでも異常を感じたら、使用を中止し、医師や薬剤師に相談する。 |
まとめ
皮膚のトラブルを治すために、様々な薬が用いられますが、その中でもクリームはよく使われる薬の一つです。クリームは、肌に塗ると伸びが良く、使い心地が良いことが大きな特徴です。また、比較的早く効果が現れるという利点もあります。
しかし、クリームは保管方法や使い方を間違えると、効果が減ったり、副作用が出たりすることがあります。例えば、高温多湿の場所に放置すると、クリームの成分が変化し、効果が弱くなってしまう可能性があります。また、使用前に手を清潔に洗わないと、雑菌が皮膚に付着し、症状が悪化する可能性もあります。
皮膚のトラブルは、その種類や症状によって、適切な薬が異なります。自己判断で薬を選ぶのではなく、医師や薬剤師に相談し、自分の症状に合った薬を処方してもらうことが大切です。医師や薬剤師は、患者の症状や体質などを考慮した上で、最適な薬を選んでくれます。また、薬の効果や副作用、使用方法などを詳しく説明してくれるので、安心して治療を受けることができます。
メリット | デメリット・注意点 |
---|---|
・伸びが良く、使い心地が良い ・比較的早く効果が現れる |
・保管方法や使い方を間違えると、効果が減ったり、副作用が出たりする ・高温多湿の場所に放置すると、効果が弱くなる可能性がある ・使用前に手を清潔にしないと、症状が悪化する可能性がある ・自己判断で使用せず、医師や薬剤師に相談する |