急性虫垂炎の診断:キュンメル点とは
病院での用語を教えて
先生、「キュンメル点」って、どんな時に痛む場所なんですか?
体の健康研究家
良い質問ですね。「キュンメル点」は、急性虫垂炎の時に痛む場所の一つです。お腹の右下を押すと痛む場所があるでしょ?それが「圧痛点」で、「キュンメル点」もその一つです。
病院での用語を教えて
お腹の右下を押して痛む場所なら、前に習った「マックバーネー点」と同じようなものですか?
体の健康研究家
そうですね。「マックバーネー点」も急性虫垂炎で痛む「圧痛点」の一つです。どちらもお腹の右下にあるけど、場所が少し違います。「キュンメル点」は、おへそと骨盤の高い部分を結んだ線の上のあたりを押すと痛む場所です。
キュンメル点とは。
「キュンメル点」は、医学や健康の分野で使われる言葉で、急性虫垂炎の可能性を示す体の場所の一つです。急性虫垂炎とは、盲腸(もうちょう)の先にある虫垂(ちゅうすい)に炎症が起こる病気です。キュンメル点は、お医者さんが診察でお腹を押したときに、特に痛みを感じる場所のことを指します。
腹痛と圧痛点
お腹の痛みは、誰もが経験するありふれた症状です。食べ過ぎや消化不良など、一時的なものから、虫垂炎や胆嚢炎といった緊急を要する病気まで、その原因は実に様々です。そのため、医療従事者は、患者さんからお腹の痛みの訴えがあった場合、その場所や痛みの性質、いつから痛むのかなどを詳しく聞き取り、身体診察を行います。
身体診察において重要な役割を果たすのが、圧痛点の確認です。圧痛点とは、お腹を押したときに、他の場所に比べて特に痛みを感じる場所のことです。この圧痛点は、病気の種類によって現れる場所が異なります。例えば、おへその右側が痛む場合は虫垂炎、みぞおちの右側が痛む場合は胆嚢炎などが疑われます。また、痛みの強さも重要な判断材料となります。軽く押しただけで強い痛みを感じる場合は、腹膜炎など、緊急性の高い病気が隠れている可能性があります。
このように、お腹の痛みと一口に言っても、その原因は様々であり、圧痛点は痛みの原因を探る上で重要な手がかりとなります。自己判断は危険ですので、お腹の痛みが続く場合は、医療機関を受診し、適切な診断と治療を受けるようにしましょう。
症状 | 考えられる病気 |
---|---|
おへその右側が痛い | 虫垂炎 |
みぞおちの右側が痛い | 胆嚢炎 |
軽く押しただけで強い痛み | 腹膜炎 |
キュンメル点の位置
お腹に感じる痛みの原因を探る圧痛点の中でも、キュンメル点は急性虫垂炎との関連が特に深いことで知られています。このキュンメル点の位置を正確に把握することは、自己診断の一助となるだけでなく、医療従事者へ症状を伝える上でも非常に役立ちます。
キュンメル点を見つけるには、まず体の右側にある腰骨の上端を探します。骨盤の一部であるこの腰骨の上端は、体の外側から触れることができるため容易に見つけることができるでしょう。次に、おへそからこの腰骨の上端に向かって指を滑らせていきます。そして、おへそと腰骨の上端を結んだ線の、腰骨の上端に近い方から3分の1の地点にキュンメル点は位置しています。
このキュンメル点を軽く押してみて、鋭い痛みを感じた場合は注意が必要です。なぜなら、その痛みは急性虫垂炎のサインである可能性があるからです。もちろん、キュンメル点の圧痛だけで急性虫垂炎と断定することはできません。しかし、痛みが強い場合や、その他にも発熱や吐き気などの症状が見られる場合は、速やかに医療機関を受診するようにしてください。
圧痛点 | 部位 | 症状 | 疑われる病気 |
---|---|---|---|
キュンメル点 | 体の右側、おへそと腰骨の上端を結んだ線の、腰骨の上端に近い方から3分の1の地点 | 鋭い痛み | 急性虫垂炎の可能性 |
急性虫垂炎との関連性
– 急性虫垂炎との関連性急性虫垂炎は、盲腸の先端にある虫垂という器官に炎症が起きる病気です。 この病気になると、お腹が痛くなり、吐き気がしたり、熱が出たりすることが多く、症状を放っておくと虫垂が破裂してしまい、腹膜炎を起こす危険性もあります。キュンメル点の圧痛は、この急性虫垂炎の初期症状の一つとして現れることがあります。 虫垂に炎症が起こると、その周囲の腹膜にも炎症が広がっていきます。 キュンメル点に対応する部分の腹膜が刺激されるため、この部分を押すと痛みを感じます。 つまり、キュンメル点の圧痛は、虫垂炎が進行していることを示唆する重要なサインになり得るのです。
項目 | 説明 |
---|---|
急性虫垂炎とは | 盲腸の先端にある虫垂という器官に炎症が起きる病気 |
症状 |
|
合併症 | 虫垂が破裂し、腹膜炎を起こす危険性 |
キュンメル点の圧痛との関連 | 急性虫垂炎の初期症状の一つとして現れることがある |
メカニズム | 虫垂の炎症が周囲の腹膜に広がり、キュンメル点に対応する部分の腹膜が刺激されるため、圧痛が出現 |
キュンメル点だけで診断はできない
お腹の右下にあるキュンメル点と呼ばれる場所は、急性虫垂炎の診断に役立つことが知られています。この場所は、急性虫垂炎になると炎症のために刺激されやすく、軽い圧迫でも痛みを感じやすいからです。
しかし、注意しなければならないのは、キュンメル点を押して痛みがあるというだけで、すぐに急性虫垂炎だと決めてしまうことはできないということです。なぜなら、キュンメル点は、急性虫垂炎以外にも、腸の炎症や卵巣の腫瘍など、様々なお腹の病気で痛みが出ることがあるからです。また、反対に、実際に急性虫垂炎であっても、必ずしもキュンメル点に痛みが出るとは限りません。
そのため、お医者さんは、キュンメル点の有無だけでなく、熱や吐き気といった他の症状や、血液検査や画像検査の結果も十分に考慮した上で、総合的に判断して診断を下す必要があるのです。
キュンメル点 | 急性虫垂炎との関係 | 注意点 |
---|---|---|
お腹の右下の特定の場所 | 急性虫垂炎になると炎症のため、圧迫で痛みを感じやすい |
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まとめ
今回の記事では、急性虫垂炎の診断に役立つ身体所見であるキュンメル点について解説しました。
キュンメル点は、おへそと右の骨盤を結ぶ線のちょうど真ん中あたりにある圧痛点のことです。急性虫垂炎になると、多くの場合この部分が痛みます。
しかし、キュンメル点の痛みは、急性虫垂炎だけに特有のものではありません。他の病気でも同様の場所に痛みが出る可能性があります。例えば、尿管結石や腸炎などでもキュンメル点と似た場所に圧痛が現れることがあります。
そのため、キュンメル点の有無だけで自己判断をするのは危険です。お腹の痛みが続く場合は、自己判断せずに、必ず医療機関を受診するようにしましょう。医療機関では、問診や身体診察に加えて、血液検査や画像検査などを行い、正確な診断を行います。自己判断による治療の遅れは、病気を悪化させる可能性もあるため注意が必要です。
お腹の痛みを感じたら、まずは医療機関に相談し、医師の指示に従うようにしてください。
項目 | 説明 |
---|---|
キュンメル点 | おへそと右の骨盤を結ぶ線の真ん中あたりにある圧痛点 |
急性虫垂炎 | キュンメル点の痛みが特徴的な病気の一つ |
注意点 | キュンメル点の痛みは急性虫垂炎だけに見られるものではない 自己判断は危険なので、必ず医療機関を受診する |