見えにくさに潜む脅威：緑内障

見えにくさに潜む脅威：緑内障

緑内障とは

– 緑内障とは私たちの目は、カメラに例えられることがあります。レンズを通して入った光は、カメラでいうフィルムにあたる部分で受け止められ、そこから脳に情報が送られることで、私たちは「ものを見る」ことができるのです。このフィルムの役割を果たしているのが視神経と呼ばれる神経です。緑内障とは、眼球内の圧力、すなわち眼圧が上昇することで、この大切な視神経が圧迫され、視機能に障害が生じる病気です。緑内障になると、視界に様々な影響が出始めます。初期には、視野の一部が欠けてしまう、いわゆる「盲点」が生じます。しかし、この段階では自覚症状がほとんどないため、気づかずに進行してしまうケースが多い点が特徴です。病気が進行すると、見える範囲が徐々に狭まっていき、最終的には光すら感じなくなってしまうこともあります。また、視力低下を伴う場合もあり、放置すると失明に至る可能性もある病気です。緑内障は、早期発見・早期治療が非常に重要です。定期的な眼科検診を受けることで、早期発見に繋がり、適切な治療を受けることができます。治療法としては、点眼薬や内服薬による眼圧を下げる治療が一般的です。進行したケースでは、レーザー治療や手術が行われることもあります。

主な症状

– 主な症状

緑内障は、初期段階では自覚症状がほとんど現れないという厄介な病気です。そのため、知らない間に病気が進行し、視野が狭くなっているケースが多く見られます。

視野が狭くなると、視界の中心部は見えていても、周辺部分が暗くなったり、見えにくくなったりします。例えるなら、広いトンネルの中を歩いているようなもので、中心部は見えていても周囲は暗くて見えづらい状態です。

さらに病気が進行すると、視力低下も現れます。視界の中心がぼやけたり、物が歪んで見えたりすることもあります。そして、最悪の場合、失明に至る可能性も否定できません。

このように、緑内障は放置すると重大な視覚障害を引き起こす可能性があります。だからこそ、早期発見と早期治療が非常に重要なのです。

緑内障の種類

緑内障は、眼球内の圧力（眼圧）が上昇することで、視神経が障害され、視野が狭くなる病気です。大きく分けて二つの種類があり、それぞれ原因や症状、進行の速さが異なります。

一つ目は「開放隅角緑内障」です。このタイプは、房水と呼ばれる、眼球内の循環を担う水が排出されるための排水路（隅角）が、ゴミや細胞の残骸などで徐々に詰まっていくことで起こります。詰まりによって房水の排出がスムーズにいかなくなるため、徐々に眼圧が上昇していきます。初期は自覚症状が現れにくく、気づかないうちに病気が進行している場合も多いです。

二つ目は「閉塞隅角緑内障」です。こちらは、眼球内の構造上、生まれつき隅角が狭い、あるいは加齢によって水晶体と呼ばれるレンズが厚みを増し、その影響で隅角が狭くなることで起こります。このタイプの緑内障は、ある時を境に隅角が完全に閉塞してしまうことで、急激に眼圧が上昇するのが特徴です。激しい目の痛みや頭痛、吐き気、視力低下などの症状が現れ、放置すると失明する危険性もあるため、早急な治療が必要です。

このように、緑内障は大きく分けて二つのタイプに分類され、それぞれ原因や症状が異なるため、治療法も異なります。どちらのタイプであっても、早期発見、早期治療が重要です。

治療方法

– 治療方法緑内障は一度失われた視神経を回復させることはできません。そのため、治療の目標は病気の進行を抑え、これ以上の視力低下を防ぐことになります。緑内障の治療法は主に三つあります。まず、点眼薬による治療が挙げられます。点眼薬は、房水と呼ばれる眼内の液体の産生を抑えたり、排出を促したりすることで、眼圧を下げる効果があります。眼圧が低下すると、視神経への負担が軽減され、進行を抑制することができます。次に、レーザー治療があります。レーザー治療は、レーザーを用いて、房水の排水に関わる組織を調整することで、眼圧を下げます。点眼薬に比べて即効性があり、比較的負担の少ない治療法と言えます。最後に、手術療法があります。手術療法は、房水の新たな排水路を作ることで、眼圧を下げることを目的としています。他の治療法では効果が不十分な場合や、眼圧が非常に高い場合に検討されます。どの治療法を選択するかは、患者さん一人ひとりの症状や病気の進行状況、生活習慣などを考慮し、医師と相談しながら決定します。治療の効果を高めるためには、患者さん自身も日常生活の中で眼圧を上げないよう注意することが重要です。規則正しい生活習慣を維持し、医師の指示に従って治療を継続していくことが大切です。

早期発見のために

– 早期発見のために緑内障は初期段階では自覚症状がほとんどなく、気づかないうちに病状が進行してしまうことが少なくありません。そのため、病気の進行を食い止め、大切な視力を守るためには、早期発見、早期治療が何よりも重要となります。では、どのように緑内障を早期発見すれば良いのでしょうか？ 最も効果的なのは、定期的に眼科で検査を受けることです。特に、40歳を過ぎると緑内障を発症するリスクが高まるため、年に一度は眼科を受診することが望ましいと言えます。また、緑内障の家族歴がある方や、糖尿病、高血圧などの基礎疾患をお持ちの方は、緑内障のリスクがさらに高まります。そのため、これらの条件に当てはまる方は、より積極的に眼科検診を受けるように心がけましょう。緑内障は、早期に発見し適切な治療を行うことで、視力低下を抑制し、見え方を維持することが可能です。定期的な眼科検診を習慣化し、目の健康を意識して生活することで、緑内障から目を守りましょう。

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