巨細胞性動脈炎:知っておきたい血管の病気
病院での用語を教えて
『巨細胞性動脈炎』って、どんな病気ですか?
体の健康研究家
簡単に言うと、頭の血管に炎症が起きる病気だよ。特に、こめかみ辺りの血管や目に栄養を送る血管が炎症を起こしやすいんだ。
病院での用語を教えて
目の血管が炎症を起こすと、どうなりますか?
体の健康研究家
視力が下がってしまったり、最悪の場合は失明してしまうこともあるんだ。だから早期発見と治療が非常に大切なんだよ。
巨細胞性動脈炎とは。
「巨細胞性動脈炎」っていう病気について説明するね。これは、首の動脈から枝分かれしている、頭蓋骨の外側にある中くらいの太さの血管に炎症が起きる病気なんだ。特に、こめかみあたりを通る「浅側頭動脈」や、目に栄養を送る「眼動脈」っていう血管が影響を受けやすい。で、怖いのは、眼動脈に炎症が起きると、最悪の場合、目が見えなくなっちゃうこともあるんだ。 時には、もっと太い血管、例えば心臓から体全体に血液を送る「大動脈」とか、鎖骨の下を通っている「鎖骨下動脈」に炎症が起きることもあるよ。昔は「側頭動脈炎」とも呼ばれていたんだけど、今は「巨細胞性動脈炎」っていうのが正式な名前なんだって。で、なんでこの病気になるのかっていうのは、実はまだよく分かっていないんだ。国が指定した、原因不明で治療が難しい病気の一つに数えられているんだよ。
巨細胞性動脈炎とは
– 巨細胞性動脈炎とは巨細胞性動脈炎は、体の比較的大きな動脈に炎症が起こる病気です。炎症によって動脈の壁が厚く硬くなるため、血液の流れが悪くなったり、血管が狭くなったりすることがあります。この病気は、特に頭部や首の動脈に発生しやすく、こめかみ付近を通る側頭動脈や、目に血液を送る眼動脈が影響を受けやすいとされています。そのため、放置すると失明の危険性もある病気です。 巨細胞性動脈炎の主な症状としては、激しい頭痛、こめかみの痛み、視力障害などがあります。また、発熱、倦怠感、食欲不振、体重減少などの全身症状が現れることもあります。 原因は明らかになっていませんが、免疫の異常が関わっていると考えられています。高齢者に多くみられ、特に50歳以上の女性に多い病気です。早期に発見し、適切な治療を行うことが重要です。治療は通常、ステロイド薬を用いて炎症を抑えます。早期に治療を開始することで、症状の改善や重症化の予防が期待できます。
項目 | 内容 |
---|---|
疾患名 | 巨細胞性動脈炎 |
定義 | 体の比較的大きな動脈に炎症が起こる病気 |
発生部位 | 頭部や首の動脈(特に側頭動脈、眼動脈) |
症状 | – 激しい頭痛 – こめかみの痛み – 視力障害 – 発熱 – 倦怠感 – 食欲不振 – 体重減少 |
原因 | 不明(免疫の異常が関与?) |
好発年齢 | 50歳以上の女性 |
治療法 | ステロイド薬による炎症抑制 |
主な症状と危険性
– 主な症状と危険性
巨細胞性動脈炎は、主に頭部、特にこめかみのあたりに痛みを感じることが多く、ズキンズキンと脈打つような激しい頭痛を伴う場合があります。また、視力にも影響を及ぼし、物が二重に見えたり、視野の一部が見えにくくなるといった症状が現れることがあります。
これらの症状に加え、発熱や全身の倦怠感、食欲不振といった、一見風邪と似たような症状が現れることもあります。しかし、巨細胞性動脈炎の場合、これらの症状は風邪よりも長引く傾向があり、放置するとより深刻な状態に陥る可能性があります。
特に注意が必要なのは、眼の奥にある血管(眼動脈)に炎症が起こることで視力が急激に低下し、最悪の場合失明に至るケースです。これは巨細胞性動脈炎の重大な合併症の一つであり、早期に発見し適切な治療を開始することが非常に重要となります。そのため、少しでも気になる症状があれば、早めに医療機関を受診するようにしてください。
症状 | 詳細 | 危険性 |
---|---|---|
頭痛 | ズキンズキンと脈打つような激しい頭痛、特にこめかみのあたり | – |
視覚異常 | 物が二重に見えたり、視野の一部が見えにくくなる | 放置すると眼動脈に炎症が起こり、視力低下や失明に至る可能性あり |
その他 | 発熱、全身の倦怠感、食欲不振(風邪に類似) | 長引く傾向があり、放置すると深刻化 |
診断と治療のポイント
– 診断と治療のポイント巨細胞性動脈炎は、早期の診断と適切な治療が非常に重要となる病気です。放置すると視力障害などの重篤な合併症を引き起こす可能性があるため、速やかに診断を進める必要があります。診断には、まず血液検査が行われます。血液検査では、炎症の程度を測る指標となるC反応性タンパク質(CRP)や赤血球沈降速度(赤沈)の上昇を調べます。これらの数値が高い場合、巨細胞性動脈炎の可能性が高くなります。さらに、血管の状態を詳しく調べるために画像検査が実施されます。超音波検査では、首周辺の動脈、特に側頭動脈の状態を観察し、炎症の有無や血管壁の厚さなどを確認します。より詳細な画像を得るためには、MRI検査を行うこともあります。これらの検査で巨細胞性動脈炎が強く疑われる場合は、確定診断のために浅側頭動脈生検を行います。これは、側頭部から動脈の一部を採取し、顕微鏡で炎症の有無を確認する検査です。治療の中心となるのは、高用量のステロイド薬です。ステロイド薬は炎症を抑える効果が高く、巨細胞性動脈炎の症状を速やかに改善する効果が期待できます。また、視力低下などの重篤な合併症を予防するためにも、早期にステロイド薬を開始することが重要となります。ステロイド薬は長期にわたって使用されることが多く、医師の指示に従って服用を続けることが大切です。
診断 | 治療 |
---|---|
|
|
原因と予防
– 原因と予防残念ながら、巨細胞性動脈炎の明確な原因はまだ解明されていません。研究者たちは、免疫システムの異常が関与している可能性が高いと考えており、特定のウイルスや細菌感染がきっかけとなるケースも報告されています。しかし、なぜ一部の人だけに発症するのか、そのメカニズムは依然として謎に包まれています。原因がはっきりとしない以上、確実な予防法を見つけることは困難です。現時点では、規則正しい生活習慣を維持し、バランスの取れた食事を摂るなど、一般的な健康管理が重要と考えられています。また、免疫力を高めるために、十分な睡眠をとる、ストレスを溜めないようにするといったことも心がけましょう。巨細胞性動脈炎は早期発見・早期治療が極めて重要となる病気です。少しでも気になる症状が現れたら、自己判断せずに速やかに医療機関を受診してください。早期に適切な治療を開始することで、重症化を防ぎ、より良い経過をたどることが期待できます。
項目 | 内容 |
---|---|
原因 | 不明 (免疫システムの異常、ウイルスや細菌感染の可能性) |
予防法 | 確実な方法はなし (健康的な生活習慣、バランスの取れた食事、十分な睡眠、ストレス軽減など) |
早期発見・早期治療の重要性 | 重症化を防ぎ、より良い経過のために重要 |
まとめ
今回の記事では、巨細胞性動脈炎について解説してきました。
巨細胞性動脈炎は、頭部、特にこめかみの動脈に炎症が起こる病気です。
主な症状としては、激しい頭痛やこめかみの痛み、発熱などが挙げられます。
また、顎を動かしたときの痛みや、視力障害が現れることもあります。
放置すると、失明などの重篤な合併症を引き起こす可能性もあるため、注意が必要です。
巨細胞性動脈炎は、早期に発見し、適切な治療を行うことで、失明などのリスクを減らすことができます。
そのため、早期診断、早期治療が非常に重要となります。
この記事が、巨細胞性動脈炎に対する理解を深め、早期発見、早期治療の一助となれば幸いです。
項目 | 詳細 |
---|---|
疾患名 | 巨細胞性動脈炎 |
定義 | 頭部、特にこめかみの動脈に炎症が起こる病気 |
主な症状 | 激しい頭痛、こめかみの痛み、発熱、顎を動かしたときの痛み、視力障害 |
合併症のリスク | 失明など |
重要なこと | 早期診断、早期治療 |