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腫瘍の悪性度とは?

- 悪性度とは 悪性度は、腫瘍がどれだけ正常な細胞や組織と異なり、周囲に広がる可能性があるかを示す指標です。 簡単に言うと、腫瘍の“攻撃性”を評価したものです。 私たちの体は、常に新しい細胞が生まれ、古い細胞が死んでいくことでバランスを保っています。細胞の増殖と死は、通常は厳密にコントロールされています。 しかし、がん細胞はこのコントロールを失い、無秩序に増殖します。 さらに、がん細胞は周囲の組織に浸潤したり、血液やリンパ液の流れに乗って離れた場所に転移したりする性質を持っています。 悪性度は、これらのがん細胞の異常な増殖能力や浸潤・転移の可能性の高さを表すもので、がんの診断や治療方針の決定に非常に重要な要素となります。 悪性度が高いほど、がんは進行が速く、治療が困難になる傾向があります。 悪性度は、通常、顕微鏡でがん細胞を観察し、その形態や増殖の仕方などから評価します。 評価にはいくつかの基準があり、がんの種類によっても異なります。 医師は、悪性度を考慮しながら、患者さんにとって最適な治療法を選択していきます。
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早期発見の鍵!スクリーニング検査のススメ

- スクリーニング検査とは健康診断などを受けた際に、「異常なし」という結果で安心した経験はありませんか? 実は、自覚症状がないだけで、体の中で病気が静かに進行している場合もあるのです。 スクリーニング検査とは、このような自覚症状がない人を対象に、病気の可能性を早期に発見するための検査のことを指します。健康診断とスクリーニング検査は、どちらも病気の早期発見を目的としていますが、いくつか違いがあります。健康診断は、労働安全衛生法などの法律で義務付けられている場合が多く、労働者や学生など特定の人を対象に、健康状態を幅広く把握することを目的としています。一方、スクリーニング検査は、特定の病気のリスクが高い人を対象に行われることが多く、 mammogramによる乳がん検査や、便潜血検査による大腸がん検査などが代表的な例です。スクリーニング検査を受ける最大のメリットは、病気を早期に発見し、早期治療につなげることで、健康寿命を延ばせる可能性があるということです。 特にがんのような病気は、早期発見・早期治療によって生存率が大きく変わることが知られています。 また、治療による身体への負担や経済的な負担を軽減できる可能性もあります。しかし、スクリーニング検査は万能ではありません。検査の結果によっては、精密検査が必要となる場合や、実際には病気ではないのに陽性と判定されてしまう場合もあります。 スクリーニング検査を受ける際は、メリットだけでなく、デメリットや検査の限界についても理解しておくことが重要です。 主治医に相談し、自身の健康状態や病気のリスク、ライフスタイルなどを考慮した上で、検査を受けるかどうかを判断するようにしましょう。
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体の内部を探るCT検査

CT検査とは、体の内部を詳しく調べるための画像検査の一つです。正式名称は「コンピューター断層撮影検査」といい、英語表記の「Computed Tomography」の頭文字をとってCT検査と呼ばれています。 レントゲン検査と同様にX線を用いますが、CT検査では体の周囲をぐるりと回転しながら体の様々な角度からX線を照射し、その情報をコンピューターで処理することで体の断面画像を得ます。 CT検査では、臓器や血管、骨など体の様々な部分を詳しく調べることができ、病気の診断に非常に役立ちます。例えば、がんの有無やその大きさ、位置、転移の有無などを調べたり、肺炎や骨折などの診断にも用いられます。 検査時間は撮影する部位や範囲によって異なりますが、通常は5分から10分程度で終わります。検査中は指示に従って息を止めたり、体位を保持する必要があります。 CT検査は広く普及している検査ですが、X線を照射するため被ばくがあります。検査を受ける際には、医師から検査の必要性やリスク、注意点などの説明をしっかりと受けるようにしましょう。
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腫瘍マーカーCA125:卵巣がん検査の指標

- CA125とはCA125は、「がん抗原125」と呼ばれるタンパク質の一種で、血液検査によってその量を測定することができます。このタンパク質は、本来、卵巣など体の表面を覆う組織(上皮)で作られます。しかし、ある種のがん細胞、特に卵巣がん細胞は、このCA125を大量に作り出す性質があります。そのため、血液検査でCA125の値が基準値よりも高い場合、卵巣がんの可能性が疑われます。ただし注意が必要なのは、CA125の値が高いからといって、必ずしも卵巣がんと診断されるわけではないという点です。なぜなら、CA125は正常な細胞からも分泌されることがあります。例えば、月経期間中や妊娠中、あるいは子宮内膜症や卵巣嚢腫、肝臓疾患などの良性の病気でも、CA125の値が上昇することがあります。CA125は、あくまでがんの可能性を示唆する指標の一つに過ぎません。確定診断には、画像検査や組織検査など、他の検査結果と総合的に判断する必要があります。
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体の内部を詳しく見るMRI検査

- MRI検査とはMRI検査とは、強力な磁場と電波を用いて体の内部を鮮明に画像化する検査方法です。レントゲン検査のように放射線を使用しないため、被曝の心配がなく、安心して検査を受けられます。検査時に大きな音がしますが、痛みはほとんどありません。 MRI検査では、体のあらゆる部位を撮影することができ、脳、心臓、血管、筋肉、関節など、様々な臓器や組織の状態を詳しく調べることができます。具体的には、脳梗塞や脳腫瘍などの脳疾患、心筋梗塞や弁膜症などの心臓疾患、動脈瘤や動脈硬化などの血管疾患、骨折や靭帯損傷などの運動器疾患など、幅広い疾患の診断に役立ちます。 検査時間は、撮影部位や撮影方法によって異なりますが、通常は30分から1時間程度です。検査中は、指示された体位を保つ必要があります。また、体内に金属が入っている場合は、検査前に必ず医師に伝えてください。
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健康のバロメーター!血糖値について

- 血糖値とは血液中に含まれるブドウ糖の濃度のことを、血糖値と呼びます。ブドウ糖は、私たちが日常生活を送るために必要なエネルギーを生み出す、大切な栄養素です。食事から摂取したご飯やパン、麺類などに含まれる炭水化物は、体内で分解されてブドウ糖に変化します。そして、ブドウ糖は血液によって体の隅々まで運ばれ、筋肉や臓器を動かすためのエネルギー源として利用されます。 血糖値は、血液中にどれだけのブドウ糖が含まれているかを示す指標です。健康な状態であれば、血糖値は一定の範囲内に保たれています。これは、体内でインスリンというホルモンが分泌され、血液中のブドウ糖を細胞に取り込む働きをしているためです。インスリンの働きによって、食事の後など一時的に血糖値が上昇しても、やがて正常な範囲に戻ります。このように、血糖値は私たちの体のエネルギーバランスを保つ上で、重要な役割を担っているのです。
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アインラーフ:注腸造影検査でわかること

- アインラーフとはアインラーフとは、腸の内部の状態を詳しく調べるために行われる検査の一つです。正式には「注腸造影検査」と呼ばれています。検査では、まず肛門から細い管(カテーテル)を挿入します。そして、その管を通してバリウムという白い液体状の造影剤を腸に流し込みます。バリウムは、レントゲン撮影をすると、骨と同じように白く写ります。そのため、バリウムが腸に広がることで、腸の内部がレントゲン写真に白く映し出されます。 アインラーフでは、バリウムの動きや腸の形の変化を、リアルタイムのレントゲン透視で観察します。これにより、腸の形や大きさ、動き、さらに粘膜の表面の状態などを詳細に把握することができます。この検査は、腹痛や血便などの症状がある場合に、その原因を突き止めるために広く行われています。具体的には、大腸がん、潰瘍性大腸炎、クローン病、腸閉塞などの病気の診断に役立ちます。アインラーフは、比較的安全な検査ではありますが、場合によっては、お腹の張りや痛み、吐き気などの症状が現れることがあります。検査を受ける際には、事前に医師から検査の説明を受け、不安な点や疑問点を解消しておくことが大切です。
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医療現場で頻繁に使われる「プンク」とは?

「プンク」という言葉をご存知でしょうか?聞き慣れない言葉かもしれませんが、医療ドラマなどで医師や看護師が口にするのを耳にしたことがある方もいらっしゃるかもしれません。「プンク」は漢字で「穿刺」と書き、注射針や trocar と呼ばれる医療器具を用いて体内を刺す行為全般を指す医療用語です。 医療現場において、「プンク」は頻繁に使用される言葉です。例えば、点滴や採血、注射などの際に「プンクする」といった表現が使われます。患者さんの体液を採取したり、薬剤を投与したりする目的で行われます。 「プンク」は医療行為の中でも患者さんに苦痛を伴う処置であるため、医師や看護師は患者さんの身体的・精神的な負担を軽減するために、技術の向上はもちろんのこと、声かけや説明を丁寧に行うなど、様々な工夫を凝らしています。患者さんの立場としても、「プンク」という言葉の意味や処置の内容を理解しておくことは、不安や恐怖を和らげるために重要と言えるでしょう。
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重篤な患者の心臓の状態を把握する『ガンツ』

- ガンツとはガンツとは、正式にはスワン・ガンツカテーテルと呼ばれる、心臓の働きを詳しく調べるための医療機器です。カテーテルとは、細い管状の医療器具のことで、血管などに挿入して使用します。スワン・ガンツカテーテルは、心臓カテーテル検査という検査の中で用いられ、心臓の働きを評価するために、心臓内に直接挿入する特殊なカテーテルです。心臓は全身に血液を送り出すポンプの役割を担っています。しかし、心臓の病気や体の状態によっては、そのポンプとしての機能が低下してしまうことがあります。スワン・ガンツカテーテルを用いることで、心臓内の圧力や血液量を直接測定することができます。具体的には、心臓の各部屋の圧力、肺動脈の圧力、心臓から送り出される血液の量などを測定します。これらの情報は、心臓のポンプとしての機能を評価する上で非常に重要となります。スワン・ガンツカテーテルを用いた検査は、心臓の病気の診断や治療方針の決定に大きく役立ちます。特に、心不全やショック状態など、心臓の機能が低下している患者さんでは、その状態を正確に把握し、適切な治療を行うために欠かせない検査となっています。
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染色体検査:遺伝情報を読み解く

- 染色体検査とは私たちの体は、細胞と呼ばれる小さな単位が集まってできています。その細胞の一つ一つの中に、核と呼ばれる場所があり、そこに遺伝情報が詰まった染色体が存在します。染色体は、DNAと呼ばれる物質が、まるで糸巻きのようにきつく折り畳まれてできています。このDNAには、私たちの体の特徴、例えば、目や髪の色、身長などを決める情報だけでなく、病気のリスクや体質に関する情報など、生命の設計図とも言える重要な情報が記録されています。染色体検査とは、この染色体の数や構造を調べる検査です。具体的には、血液などの細胞を採取し、特殊な方法で染色体の形が見えるようにして、顕微鏡で観察します。健康な人であれば、通常は2本ずつ対になった染色体が23対、合計46本見られます。しかし、生まれつき染色体の数が多かったり少なかったり、一部が欠けていたり、他の染色体とくっついていたりするなど、様々な異常が起こることがあります。これらの異常は、発育や発達、健康状態に影響を与える可能性があります。染色体検査は、このような染色体異常の有無を調べることで、原因不明の先天的な病気や発達障害、不妊症などの診断に役立ちます。また、一部のがんの診断や治療方針の決定にも用いられます。
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健康を知るための検体検査

- 検体検査体からのメッセージを読み解く検体検査とは、皆さんの体から採取した血液や尿、便などを詳しく調べることで、体の状態を把握する検査のことです。健康診断でよく行われる血液検査や尿検査も、この検体検査に含まれます。私たちの体は、健康な状態であっても、常に変化しています。そして、体の不調や病気になると、その変化は血液や尿、便などの成分に現れることがあります。検体検査は、このような体の変化を捉え、病気の兆候を早期に発見するために重要な役割を果たします。例えば、血液検査では、貧血や炎症、糖尿病、肝臓や腎臓の機能などを調べることができます。尿検査では、尿路感染症や糖尿病、腎臓の病気などの有無を調べることができます。便検査では、消化管出血や炎症性腸疾患、大 colon 癌などの兆候を調べることができます。検体検査は、体の外からでは分かりにくい、内臓の状態や、病気の有無、進行度合いなどを調べることができるため、健康維持や病気の早期発見、治療効果の判定などに役立ちます。健康診断の結果や、医師の指示に基づいて、適切な検査を受けるようにしましょう。
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生化学検査:血液でわかる体の状態

- 生化学検査とは私たちの体は、常に健康な状態を保つために、様々な機能が働いています。その働きを支えているのが、血液です。血液は、酸素や栄養を全身に運び、老廃物を回収する役割を担っています。生化学検査は、この血液を採取し、中に含まれる様々な成分を分析することで、私たちの体の状態を詳しく調べる検査です。血液中には、タンパク質や糖分、脂質、電解質など、多くの物質が含まれています。これらの物質は、それぞれ重要な役割を担っており、その量やバランスが崩れることで、様々な病気が引き起こされる可能性があります。例えば、肝臓が正常に機能していない場合は、特定の酵素の値が上昇したり、腎臓の働きが低下している場合は、老廃物が血液中に蓄積し、その濃度が高くなったりします。生化学検査では、これらの物質の量やバランスを調べることで、肝臓や腎臓、心臓、膵臓といった様々な臓器の機能を評価することができます。また、糖尿病や脂質異常症などの生活習慣病のリスクを評価したり、栄養状態を把握したりすることも可能です。生化学検査は、健康診断や人間ドックなどで行われる一般的な検査の一つです。自覚症状がない段階で病気の兆候を発見できる場合もあり、早期発見・早期治療に繋がると期待されています。また、治療の効果を判定したり、病気の進行状況を把握したりするためにも重要な役割を担っています。
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偽陽性とは:検査結果の解釈

- 偽陽性の定義医療の世界では、病気を正確に見つけることが非常に重要です。そのために様々な検査が行われますが、検査の結果が必ずしも正しいとは限りません。検査結果が陽性でも、実際に病気がない場合があります。これを「偽陽性」と言います。偽陽性は、まるで健康な人に病気のレッテルを貼ってしまうようなもので、患者さんに大きな不安と負担を与える可能性があります。また、不要な追加検査や治療につながることもあり、医療経済の観点からも問題視されています。なぜ偽陽性が起こるのでしょうか?それは、検査の精度が100%ではないということに起因します。どんなに優れた検査にも、必ず限界があります。例えば、風邪とインフルエンザのように症状が似ている病気の場合、検査が両者を完全に区別できないことがあります。また、採取した検体の中にわずかな異物が混入していたり、検査機器の誤作動など、様々な要因が考えられます。偽陽性を完全に無くすことは難しいですが、その影響を最小限に抑えることは可能です。そのためには、検査の精度を向上させるための技術開発が重要になります。また、医師は、検査結果だけでなく、患者の症状や病歴などを総合的に判断し、本当に病気であるかどうかを慎重に見極める必要があります。
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診断の境界線:カットオフ値とは?

健康状態を調べるために、病院では様々な検査が行われています。血液検査では、血液中の成分を調べることで、貧血や炎症の有無、肝臓や腎臓の機能などを評価することができます。レントゲンやCT、MRIなどの画像診断は、骨や臓器の状態を詳しく映し出すことで、骨折や腫瘍の有無などを確認することができます。また、遺伝子の情報を調べる遺伝子検査は、生まれつき病気にかかりやすい体質かどうかなどを知ることができます。これらの検査は、それぞれ異なる方法で体内の情報を収集し、病気の診断や治療方針の決定に役立っています。検査の結果は、数値や画像として表されますが、これらの結果だけでは、病気の確定診断はできません。例えば、ある特定の病気の可能性を示唆するような血液検査データが出たとしても、その病気特有のものではない場合もあります。そのため、検査結果を解釈する際には、患者の症状や診察所見なども合わせて総合的に判断する必要があります。また、検査結果には、測定誤差や個人差なども考慮する必要があります。そのため、検査結果を理解する際には、医療従事者に相談し、自身の状態について詳しく説明を受けることが重要です。医師は、専門知識と経験に基づいて、検査結果が意味するところを分かりやすく説明し、患者さんの疑問や不安に答えてくれます。
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遺伝子検査: 未来医療への扉

- 遺伝子検査とは私たち一人ひとりの体を作るための設計図、それが遺伝子です。この遺伝子は、親から子へと受け継がれるもので、その中には、顔つきや体格といった身体的特徴だけでなく、病気のかかりやすさや体質など、様々な情報が含まれています。遺伝子検査とは、この遺伝子の情報を詳しく調べることで、自分自身の体質や病気のリスクなどを知るための検査です。具体的には、血液や唾液などを採取し、その中に含まれるDNAを分析します。DNAは遺伝子の本体となる物質で、その配列を調べることで、特定の病気との関連が指摘されている遺伝子の変異や、体質に影響を与える遺伝子の型などを知ることができます。近年、遺伝子解析技術の進歩は目覚ましく、従来に比べて、短時間で多くの遺伝情報を解析することが可能となりました。そのため、遺伝子検査は、がんや生活習慣病などの病気のリスク評価、薬の効果や副作用の予測、さらには自分に合ったダイエット方法や運動方法の選択など、幅広い分野で活用され始めています。しかし、遺伝子検査は万能ではありません。検査結果が全てではなく、遺伝的な要因だけで病気の発症や進行が決まるわけではないことを理解しておく必要があります。遺伝子検査はあくまでも、自分自身の体質や病気のリスクをより深く理解し、健康的な生活を送るための、一つのツールとして捉えることが重要です。
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クレアチニンクリアランス:腎臓の働きを測る

- クレアチニンクリアランスとはクレアチニンクリアランスは、私たちの体にとって重要な臓器である腎臓の働きを調べる検査の一つです。腎臓は、血液をろ過して、老廃物や余分な水分を尿として体外に排出する役割を担っています。この腎臓がどれくらいしっかりと血液をろ過できているかを数値で表したものが、クレアチニンクリアランスです。簡単に言うと、クレアチニンクリアランスは腎臓のフィルター機能を測るものと言えます。健康な腎臓は、このフィルター機能が高く、血液を効率的にろ過して、老廃物を尿として排出することができます。しかし、腎臓の機能が低下すると、このフィルター機能も低下してしまい、血液中の老廃物を十分に取り除くことができなくなります。検査では、クレアチニンという物質が使われます。クレアチニンは、筋肉が活動する時に作られる老廃物で、通常は腎臓でろ過されて尿として排出されます。腎臓の機能が低下すると、このクレアチニンが血液中に多く残ってしまうため、クレアチニンクリアランスの値は低くなります。クレアチニンクリアランスの値が低い場合は、腎臓の機能が低下している可能性があり、放置すると体に老廃物が溜まり、様々な健康問題を引き起こす可能性があります。そのため、早期発見・早期治療のためにも、定期的な検査を受けることが大切です。
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健康のバロメーター:尿比重

- 尿の濃さのサイン、比重って? 健康を知る上で欠かせない体のサインの一つに、尿があります。その尿の状態を調べる方法の一つが、尿比重を測ることです。 尿比重とは、簡単に言うと、尿に含まれている様々な成分の濃さを表す数値のことです。 私たちの体は、生きていくために必要な栄養を摂取し、不要なものを尿として体の外へ排出しています。この尿には、老廃物や塩分など、体に不要となった様々な成分が含まれています。 尿比重は、これらの成分が、尿の中にどのくらい溶け込んでいるのかを表す指標となるのです。 尿比重の値は、水分を多く摂った時や汗をたくさんかいた時など、体の水分バランスによって変化します。水分をたくさん摂ると、尿は薄くなり比重は低くなります。逆に、汗をたくさんかいたり、水分が不足すると、尿は濃縮され比重は高くなります。 この尿比重の変化を見ることで、体の水分バランスや腎臓が正常に機能しているかをある程度把握することができます。 つまり、尿比重は、健康状態を知るための重要な手がかりを与えてくれる、体の小さなサインと言えるでしょう。
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放射線とは?医療における役割と種類

- 放射線の定義放射線とは、エネルギーが空間を伝わっていく現象のことを指します。私たちの身の回りには、様々な形でエネルギーが伝わっています。例えば、太陽の光や温かさ、携帯電話に使われる電波なども、エネルギーが空間を伝わってきたものです。これらの現象は全て、広い意味で放射線と捉えることができます。しかし、一般的に「放射線」と呼ばれる場合は、物質を透過したり、原子に影響を与えたりする性質を持つ、より高いエネルギーのものを指すことが多いです。レントゲン撮影に使われるエックス線や、原子力発電に関わるガンマ線などが、この高いエネルギーを持つ放射線の代表例です。放射線は、目に見えたり、臭いを感じたりすることはできません。しかし、物質を透過する性質を利用して、レントゲン写真のように体の内部を調べたり、工業製品の検査に利用されたりしています。また、原子に影響を与える性質は、医療分野ではがん治療などにも応用されています。このように、放射線は私たちの生活に深く関わっており、様々な分野で利用されています。しかし、高エネルギーの放射線は、人体に影響を与える可能性もあるため、適切な取り扱いと理解が重要です。
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健康診断の重要指標:基準値を理解する

健康診断の結果を受け取ると、様々な数値が並んでいて、その横に「基準値」というものが記載されているのに気付くでしょう。この基準値は、一体何を意味するのでしょうか。簡単に言うと、基準値とは、健康な人が持つ検査値の範囲を示したものです。 例えば、血液検査でコレステロール値を測ったとします。この時、基準値は、健康な人のコレステロール値がどの範囲に収まるのかを示しています。もし、あなたの値がこの範囲内であれば、ひとまず安心と言えるでしょう。逆に、基準値から外れている場合は、基準値より高すぎるのか、低すぎるのかによって、脂質異常症などの病気の可能性も考えられます。 ただし、基準値はあくまでも目安です。基準値から少し外れていたとしても、必ずしも病気を意味するわけではありません。年齢や性別、体質、生活習慣などによって、検査値は個人差があります。また、基準値は、検査機関や測定方法によっても異なる場合があります。 健康診断の結果を正しく理解するためには、基準値の意味を理解しておくことが大切です。もし、検査結果について不安な点があれば、医師に相談するようにしましょう。
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誰でも簡単!健康チェックの強い味方:パルスオキシメーター

- パルスオキシメーターってなに?最近、健康に対する関心が高まるにつれて、「パルスオキシメーター」という言葉を耳にする機会が増えてきましたね。一体どんなものか、ご存知ですか? パルスオキシメーターは、指先に挟むだけで、血液中の酸素の量と脈拍を簡単に測ることができる医療機器です。病院などの医療現場ではもちろんのこと、最近では家庭でも手軽に健康管理ができるツールとして広く普及してきています。パルスオキシメーターでは、血液中の酸素飽和度を測定します。 酸素飽和度とは、血液中のヘモグロビンという赤い色素が、どのくらい酸素と結びついているかを示す値です。 この値が低い場合は、体に十分な酸素が行き渡っていない状態を示唆しており、肺炎や呼吸器疾患などの病気の可能性も考えられます。 健康な状態であれば、通常は96%以上の値を示します。 ただし、個人差や測定時の条件によって数値は変動することがあります。また、パルスオキシメーターは脈拍も同時に測定することができます。 脈拍は、心臓が1分間に何回拍動しているかを示す値で、健康状態や運動強度などを知る上で重要な指標となります。 パルスオキシメーターは、指先に光を照射し、その光の透過量の変化から酸素飽和度と脈拍を測定します。 測定は痛みを伴わず、短時間で簡単に行えることが特徴です。このように、パルスオキシメーターは手軽に体の状態を知ることができる便利な機器です。 ただし、あくまでも目安となる数値を示すものであり、自己判断は危険です。 測定結果に異常を感じたら、医療機関を受診するようにしましょう。
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血液ガス分析:健康状態を知るための窓

- 血液ガス分析とは血液ガス分析とは、私たちの体の状態を詳しく調べるための大切な検査方法の一つです。 この検査では、動脈または静脈から少しだけ血液を採取し、その血液の中に含まれている様々な成分を分析します。採取した血液から、肺がどれだけしっかりと機能しているのか、体の中にある酸とアルカリのバランスは適切かといったことを評価することができます。具体的には、血液の中にどれだけの酸素と二酸化炭素が含まれているのか、血液のpHはどのくらいなのかといったことを調べます。 私たちの体では、常に酸素を取り込んで、代わりに二酸化炭素を排出しています。このバランスが崩れると、体に様々な不調が現れます。 血液ガス分析では、このガス交換が正常に行われているかどうかを調べることができます。また、血液のpHは体内の酸とアルカリのバランスを示しています。 pHの値が正常範囲から外れると、体の様々な機能に影響が出てきます。 血液ガス分析では、このpHの値を調べることで、体内の酸とアルカリのバランスが保たれているかどうかを判断することができます。血液ガス分析は、呼吸器疾患、心臓疾患、腎臓疾患など、様々な病気の診断や治療効果の判定に用いられています。
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手術中の判断を支えるゲフ検査

- ゲフとは手術中に医師が患者の体から組織の一部を採取し、それを凍らせて薄く切片にすることで、顕微鏡を使ってすぐに診断を行う検査のことを「ゲフ」と言います。正式には「ゲフリール」と言いますが、一般的には「ゲフ」と略して呼ばれることが多いです。ゲフは、手術中にリアルタイムで病気の診断を行うことができるため、手術の方法や範囲を決定する上で非常に重要な役割を担っています。 例えば、腫瘍の切除手術中にゲフを行うことで、腫瘍が良性なのか悪性なのか、周囲の組織にどの程度広がっているのかをすぐに判断することができます。 これにより、医師は患者にとって最適な手術を行うことができるのです。ゲフは、従来の病理検査に比べて結果が早く得られるというメリットがあります。従来の病理検査では、組織をホルマリンという液体で固定してから薄く切片にするため、結果が出るまでに数日かかることもありました。しかし、ゲフでは組織を凍らせて切片にするため、わずか数十分で診断を行うことができます。このように、ゲフは手術中に迅速な診断を可能にする非常に重要な検査法であり、患者さんの負担を軽減し、より安全で確実な手術を行うために大きく貢献しています。
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健康の指標:SpO2

- 酸素が血液中で運ばれる仕組み 私たちは、生きるために酸素を体内に取り込む必要があります。呼吸によって肺に取り込まれた酸素は、血液中の赤血球という成分と結びつくことで全身に運ばれます。この、酸素を運ぶ役割を担う赤血球ですが、常に一定量の酸素と結びついているわけではありません。体内の酸素が十分であれば多くの酸素と結びつきますし、酸素が不足している場合には結びつく酸素の量は少なくなります。 - SpO2が教えてくれること SpO2(エスピーオーツー)は、正式には『経皮的動脈血酸素飽和度』と呼ばれる指標で、簡単に言うと血液中の赤血球にどれくらい酸素が結びついているかをパーセンテージ(%)で表したものです。つまり、SpO2の値を見れば、血液中にどれくらい酸素が含まれているか、ひいては体に十分な酸素が行き渡っているかを知ることができるのです。 - SpO2の測定方法 SpO2は、医療機関ではもちろんのこと、近年では家庭でも手軽に測定できるようになりました。指先などに光を当てて測定する機器が広く普及しており、健康管理や体調管理の一環として活用する人も増えています。
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医療現場の業界用語:ゼク

「ゼク」とは、医療現場で使われる言葉で、「解剖」や「剖検」、「病理解剖」を指す場合に用いられます。亡くなった方の死因を特定したり、病気の原因を詳しく調べたりするために、ご遺体を解剖することを指す言葉です。 医学の進歩や医療の質向上のためには、ご遺体を解剖して、病気の原因や治療法を探求することが欠かせません。解剖によって得られた情報は、将来、同じ病気で苦しむ人を救うことに繋がる可能性があります。 しかしながら、「ゼク」は決して医療従事者にとって軽々しく口にする言葉ではありません。ご遺族にとっては大切な家族を亡くされた直後であり、深い悲しみの中にいることを忘れてはなりません。 医療従事者は、ご遺族に対して解剖の必要性を丁寧に説明し、理解と同意を得ることが重要です。また、解剖を行う際には、故人の尊厳を最大限に尊重し、感謝の気持ちを持って、真摯に向き合わなければなりません。
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