耳鼻科

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コミュニケーションの橋渡し:手話の世界

私たちは日々、言葉を駆使して、家族や友人、職場の同僚など、様々な人たちとコミュニケーションを取っています。しかし、世の中には、生まれつき耳が聞こえなかったり、病気や事故によって耳が聞こえにくくなったりしたために、私たちのように音声言語を使って円滑にコミュニケーションを取ることが難しい人たちもいます。 そのような人たちにとって、音声言語に代わるコミュニケーション手段として重要な役割を担っているのが「手話」です。手話は、単なる身振り手振りではなく、手の動きや形、顔の表情、体の動きなどを組み合わせて、相手に意味を伝える視覚的な言語です。日本語や英語などと同じように、手話にも文法や語彙があり、豊かな表現を用いて、自分の考えや感情を相手に伝えることができます。 例えば、「おはよう」と伝える場合、手のひらを顔の横に立てて軽く会釈する動作をしますし、「ありがとう」と伝える場合は、指先を揃えて軽く頭を下げる動作をします。このように、手話は音声言語とは異なる表現方法を用いることで、耳が聞こえない、あるいは聞こえにくい人たちとのコミュニケーションを可能にするだけでなく、彼らが社会参加し、自分らしく生きていく上で欠かせないものとなっています。
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アデノイド:小児期に腫大しやすい組織

- アデノイドの位置と役割 アデノイドは、鼻の奥、喉の入り口の上壁に位置するリンパ組織の塊です。ちょうど口蓋垂(いわゆる「のどちんこ」)の上あたりに位置し、鼻から吸い込んだ空気の通り道に存在しています。 アデノイドは、扁桃腺や口蓋扁桃と同じように、リンパ組織が集まってできています。リンパ組織は、体中に張り巡らされた免疫システムの一部であり、細菌やウイルスなどの病原体から体を守る重要な役割を担っています。 アデノイドは、鼻から吸い込んだ空気中のウイルスや細菌をキャッチし、免疫反応を引き起こすことで、体を守る役割を担っています。具体的には、アデノイドに侵入してきた病原体に対して、リンパ球などの免疫細胞が攻撃をしかけ、排除しようとします。 このようにアデノイドは、外部から侵入してくる病原体を最初に感知し、撃退するための最前線の防御壁として機能しているのです。 なお、アデノイドは乳幼児期に最も大きく発達し、思春期以降は徐々に縮小していきます。そのため、大人になるとほとんど目立たなくなる場合も多いです。
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アデノイド顔貌:その特徴と影響

- アデノイド顔貌とは?アデノイド顔貌とは、鼻の奥にある咽頭扁桃という部分が大きくなることで、特有の顔つきになってしまうことを指します。 咽頭扁桃は、鼻から吸い込んだ空気の中にある、体に悪いばい菌やウイルスを退治してくれる、いわば体の門番のような役割をしています。しかし、アレルギー反応を起こしたり、何度も風邪をひいたりすることで、この門番である咽頭扁桃が大きくなってしまうことがあります。特に小さいお子様の場合、咽頭扁桃が大きくなると、鼻から息をするための通路が狭くなってしまいます。すると、鼻で息をするのが苦しくなり、口で息をすることが多くなります。その結果、口が常に開いた状態になり、あごが下がってくる、上唇がめくれてしまう、歯並びが悪くなる、といった特徴的な顔つきになってしまいます。これがアデノイド顔貌と呼ばれるものです。アデノイド顔貌は、見た目だけの問題ではありません。鼻呼吸がうまくできないことで、いびきをかいたり、睡眠中に呼吸が止まってしまったりするなど、睡眠にも影響を及ぼします。さらに、集中力の低下や成長の遅れにもつながる可能性があります。そのため、アデノイド顔貌の特徴が見られる場合は、早めに耳鼻咽喉科を受診することが大切です。
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聞こえを支える補聴器

- 補聴器とは補聴器は、年齢を重ねたり、病気の影響を受けたり、あるいは騒音環境にさらされることで低下してしまった聴力を補うための医療機器です。その役割は、周囲の音を大きくしたり、聞き取りにくい音域を強調したりすることで、聞こえを改善し、円滑なコミュニケーションを助けることにあります。補聴器は、ただ音を大きくするだけのものではありません。装着する人によって、聴力の低下具合や聞こえ方の特徴は千差万別です。そのため、補聴器は、一人ひとりの聴力レベルや聞こえ方の癖に合わせて、細かく調整される必要があります。例えば、高い音が聞き取りにくい、低い音がこもって聞こえるなど、人によって聞こえにくい音域は異なります。また、静かな環境と騒がしい環境では、必要な音量や音質も変わってきます。補聴器は、このような個別のニーズに合わせて調整することで、その人に最適な聞こえを提供します。最近では、小型で目立ちにくいデザインのものや、スマートフォンと連携して音楽や通話を楽しめる高機能なものなど、様々な種類の補聴器が登場しています。自分に合った補聴器を選ぶことで、より快適な聞こえと、より豊かな生活を送ることができるでしょう。
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めまい:その原因と症状

- めまいとはめまいは、自分自身の身体感覚と周囲の空間認識にずれが生じることで起こる錯覚や異常感覚です。まるで自分が静止しているのに、周りの景色だけが回転しているように感じたり、あるいは、実際には動いていないにもかかわらず、体がふわふわと宙に浮いたり沈んだりするような感覚を覚えることがあります。このような感覚に加えて、歩行中に体がふらついたり、左右どちらかに傾いたりするのも、めまいの症状の一つです。めまいの感じ方は人によってさまざまで、「ふわふわする」「目が回る」といった表現のほか、「意識が遠のく」「地面に引き込まれる」など、実に多様な訴えがあります。めまいは、その原因となる病気によって大きく二つに分けられます。一つは、耳の奥にある平衡感覚をつかさどる器官、あるいはその情報を脳に伝える神経に異常が生じることで起こる「末梢性めまい」です。もう一つは、脳梗塞や脳出血など、脳に異常が生じることで起こる「中枢性めまい」です。めまいは、日常生活に支障をきたすだけでなく、背後に深刻な病気が潜んでいる可能性もあります。そのため、自己判断せずに、めまいの症状を感じたら、速やかに医療機関を受診することが大切です。
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真珠腫性中耳炎:耳の奥に潜む真珠の脅威

- 真珠腫性中耳炎とは 真珠腫性中耳炎は、耳の奥にある中耳という空間に、本来はあってはいけない皮膚細胞が入り込み、増殖してしまう病気です。 中耳には、音を伝えるための小さな骨(ツチ骨、キヌタ骨、アブミ骨)が存在し、鼓膜の振動を内耳に伝えています。 真珠腫性中耳炎になると、この中耳の中に皮膚細胞が入り込み、増殖を始めます。 この皮膚細胞は、まるで真珠のように白く見える塊を作るため、「真珠腫」と呼ばれています。 真珠腫は、周囲の骨を溶かしながら徐々に大きくなっていく性質を持っています。 そのため、初期段階では自覚症状がほとんどないことが多く、気づかないうちに病気が進行してしまう場合もあります。 しかし、真珠腫が大きくなると、周囲の組織や神経を圧迫し始め、様々な症状が現れてきます。 具体的には、耳の聞こえが悪くなる、耳鳴りがする、耳が詰まった感じがする、耳だれが出るといった症状がみられます。 さらに症状が進むと、めまいや顔面神経麻痺、頭痛、意識障害などの重篤な合併症を引き起こす可能性もあります。 真珠腫性中耳炎は、自然に治ることはなく、放置すると症状が悪化する一方です。 そのため、早期発見・早期治療が非常に重要となります。
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慢性穿孔性中耳炎:耳の穴と聞こえの関係

- 慢性穿孔性中耳炎とは慢性穿孔性中耳炎は、中耳炎が治った後も、鼓膜に開いた穴(穿孔)が塞がらず残ってしまう病気です。通常、急性中耳炎にかかると、耳の痛みや発熱、耳だれなどの症状が現れます。多くの場合、適切な治療を行うことでこれらの症状は改善し、鼓膜の穴も自然に塞がっていきます。しかし、急性中耳炎にかかってから3ヶ月以上経っても鼓膜の穴が塞がらない場合は、慢性穿孔性中耳炎になっていると考えられます。慢性穿孔性中耳炎になると、耳だれや難聴といった症状が繰り返し現れることがあります。また、耳だれによって耳の中が常に湿った状態になるため、細菌が繁殖しやすくなります。そのため、放置すると、さらに重症化し、手術が必要になる場合もあります。慢性穿孔性中耳炎は、適切な治療と日々のケアが重要な病気です。気になる症状がある場合は、早めに耳鼻咽喉科を受診しましょう。
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急性中耳炎:痛みの原因と対処法

- 急性中耳炎とは急性中耳炎は、耳の奥にある「鼓膜」とよばれる薄い膜の内側にある「中耳」という空間に、細菌やウイルスが入り込んで炎症を起こしてしまう病気です。子供がかかりやすく、特に空気が乾燥し、風邪やインフルエンザが流行する冬に多く見られます。これは、子供の耳管(中耳と鼻の奥をつなぐ管)が大人に比べて短く、傾斜も緩やかなため、鼻や喉の細菌が中耳へ入り込みやすいことが原因として挙げられます。さらに、免疫機能が未発達であることも、急性中耳炎になりやすい要因の一つと考えられています。急性中耳炎になると、耳の痛みや発熱、耳だれ、難聴などの症状が現れます。乳幼児の場合、言葉で症状を上手く伝えられないため、耳を触ったり、機嫌が悪くなったり、ミルクの飲みが悪くなったりすることがあります。このような症状が見られる場合は、早めに耳鼻咽喉科を受診するようにしましょう。
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小児に多い滲出性中耳炎:原因と治療

- 滲出性中耳炎とは鼓膜の奥には、中耳腔と呼ばれる小さな空洞があります。通常、この空間は空気で満たされていますが、何らかの原因で中耳腔に液体(滲出液)が溜まってしまう病気を、滲出性中耳炎と呼びます。この滲出液は、鼻の奥と中耳腔をつなぐ耳管という管の働きが悪くなることで生じます。特に、免疫力が発達段階にある3歳から6歳くらいのお子さんは、耳管の機能が未熟なため滲出性中耳炎になりやすく、頻繁にみられる病気です。滲出性中耳炎の特徴として、痛みなどの自覚症状が現れにくいことが挙げられます。そのため、周囲の大人が異変に気づきにくく、発見が遅れる場合も少なくありません。しかし、そのまま放置してしまうと、難聴を引き起こしたり、言葉の発達に影響を及ぼす可能性があります。早期発見・治療が重要となるため、保護者は、普段からお子さんの様子をよく観察し、少しでも気になることがあれば、耳鼻咽喉科を受診するようにしましょう。
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耳垢の役割:知られざる耳の守護者

- 耳垢の正体耳垢と聞くと、多くの人が茶色くてべたべたした、あまり気持ちの良いものではないという印象を持つかもしれません。しかし、耳垢は私達の耳の健康を守るために、なくてはならない大切な役割を担っているのです。耳垢は、耳の穴の入り口付近にある外耳道と呼ばれる部分に存在します。この外耳道には、耳垢腺と呼ばれる小さな器官が無数に並んでおり、常にサラサラとした液体を分泌しています。耳垢はこの液体と、皮膚の一番外側の層である垢、そして空気中を漂っている塵や埃などが混ざり合って作られています。では、一体なぜ耳垢は必要なのでしょうか?それは、耳垢が細菌やウイルス、カビなどの外敵から耳の中を守る、いわば門番のような役割を果たしているからです。耳垢には、これらの外敵を撃退する働きや、増殖を抑える働きがあります。また、耳垢は、耳の穴の中を適度に保湿することで、乾燥や傷から守る役割も担っています。もし耳垢がなかったら、耳の穴の中は乾燥してしまい、かゆみが出たり、傷がつきやすくなったりしてしまいます。その結果、細菌などに感染しやすくなり、外耳炎などの病気を引き起こす可能性も高くなってしまうのです。このように、耳垢は決して汚いものではありません。私達の耳の健康を守るために、日々活躍している大切な存在なのです。
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意外と知らない耳垢栓塞の危険性

-# 耳垢栓塞とは? 耳垢は、外部からの異物や細菌から耳の穴を守るために、耳の中で自然に作られる分泌物です。通常、耳垢は自然に外耳道から排出されますが、過剰に分泌されたり、耳掃除の方法が不適切だったりすると、排出されずに耳の奥に詰まってしまうことがあります。これが耳垢栓塞と呼ばれる状態です。 耳垢栓塞は、耳の穴が詰まったような閉塞感を伴うのが特徴です。また、難聴、耳鳴り、耳の痛み、耳の中のかゆみといった症状が現れることもあります。さらに、耳垢栓塞によって耳の中に炎症が起こると、耳だれや発熱を伴うこともあります。 耳垢栓塞は、自己流の耳掃除によって悪化することがあります。綿棒などで耳掃除を行うと、耳垢を奥に押し込んでしまい、耳垢栓塞をさらに悪化させる可能性があります。耳の中に違和感を感じたら、自己判断で耳掃除をするのではなく、耳鼻咽喉科を受診して適切な処置を受けるようにしましょう。
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身近な耳の病気:外耳炎とは?

- 外耳炎とはどんな病気?外耳炎とは、耳の穴から鼓膜までの外耳道と呼ばれる部分に炎症が起こる病気です。 この病気になると、耳の中がかゆくなったり、痛みを感じたり、耳だれが出たりといった症状が現れます。 多くの場合、細菌やカビなどの微生物が外耳道に侵入することで炎症が引き起こされます。外耳炎は、プールで泳いだ後などに発症することが多いため、水泳耳と呼ばれることもあります。また、耳掃除などで外耳道を傷つけてしまうことで、細菌感染しやすくなり、外耳炎を引き起こす場合もあります。外耳炎の症状は、炎症の程度や原因によって異なります。 軽度の場合は、かゆみのみの場合もありますが、重症化すると、激しい痛みや耳の聞こえづらさ、発熱などを伴うこともあります。外耳炎は、適切な治療を行えば、多くの場合、比較的短期間で治癒します。 自己判断で治療を行うのではなく、耳鼻咽喉科を受診し、医師の診断を受けるようにしましょう。 医師は、耳の中を診察し、炎症の原因や程度に応じて、適切な治療法を選択します。 一般的には、抗生物質を含む点耳薬や飲み薬が処方されます。 また、炎症を抑えるために、ステロイド剤を含む点耳薬が処方されることもあります。外耳炎を予防するためには、耳掃除の際に、耳の奥まで触らないようにすることが大切です。 また、プールから上がった後は、耳の中の水気をしっかりと拭き取るようにしましょう。
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急性副鼻腔炎とは?

- 急性副鼻腔炎の概要急性副鼻腔炎は、顔面の中心部、鼻の奥にある空洞である副鼻腔に炎症が生じる病気です。健康な状態では、副鼻腔は空気で満たされていますが、細菌やウイルスなどの病原体が侵入すると、炎症を起こして粘液が過剰に分泌されるようになります。急性副鼻腔炎の最も一般的な原因は、ウイルス感染症です。風邪をひいた後に、鼻の粘膜に炎症が波及し、副鼻腔にまで広がることがよくあります。その他にも、アレルギー性鼻炎や、鼻の構造的な問題、免疫力の低下なども、急性副鼻腔炎のリスクを高める要因となります。急性副鼻腔炎の症状は、鼻詰まり、鼻水、顔面の痛みや圧迫感などが挙げられます。鼻水は、初期は透明ですが、炎症が進むにつれて黄色や緑色になることがあります。また、嗅覚の低下や、頭痛、発熱、歯痛、咳などの症状が現れることもあります。多くの場合、急性副鼻腔炎は自然に治癒するため、安静にして十分な水分を摂ることが重要です。市販の鎮痛剤を使用して痛みを和らげたり、鼻洗浄で鼻の通りをよくしたりするのも有効です。症状が重い場合や長引く場合には、医療機関を受診し、適切な治療を受ける必要があります。医師の指示に従って、抗生物質や鼻腔噴霧剤などの薬物療法を受けることで、症状を改善し、合併症のリスクを減らすことができます。
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身近な病気:蓄膿症について

- 蓄膿症とは蓄膿症は、医学的には慢性副鼻腔炎と呼ばれ、鼻の奥にある空洞、副鼻腔に炎症が起こり、膿が溜まった状態を指します。この副鼻腔は、頬や目の奥、おでこなど顔面の骨の中に左右対称にいくつか存在し、鼻腔と細い通路でつながっています。通常、副鼻腔の内側は薄い粘膜で覆われており、空気の通り道となるだけでなく、声の響きを良くしたり、吸い込んだ空気の加湿や温度調節などの役割を担っています。しかし、風邪やアレルギー性鼻炎などによって鼻の粘膜に炎症が起こると、この副鼻腔へと続く通路が狭くなり、炎症が副鼻腔にまで広がってしまうことがあります。すると、副鼻腔の粘膜からも鼻水と似たような分泌液が排出されますが、炎症によって腫れ上がった粘膜により、分泌液が排出されずに副鼻腔内に溜まってしまい、細菌が増殖して膿が溜まってしまうのです。これが蓄膿症のメカニズムです。蓄膿症になると、鼻詰まりや鼻水、顔面の痛み、嗅覚障害などの症状が現れます。さらに、炎症が長引くと、頭痛や集中力の低下、倦怠感、微熱などの症状が現れることもあります。これらの症状は、日常生活に支障をきたすだけでなく、放置すると重症化して合併症を引き起こす可能性もあるため、注意が必要です。
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副鼻腔:鼻の中の隠れた空間

- 副鼻腔とは私たちの顔の骨の中は、空洞で満たされている部分があり、これを副鼻腔と呼びます。副鼻腔は、鼻の奥にある鼻腔と呼ばれる空間に隣接しており、小さな通路で繋がっています。そのため、私たちが呼吸をする際、空気は鼻腔だけでなく、これらの副鼻腔も通過します。副鼻腔は、顔の骨の中に作られた小さな部屋のようなもので、全部で4種類あります。 まず、目の周りに広がる前頭洞は、額の骨の中に位置しています。次に、頬骨の奥にある上顎洞は、副鼻腔の中で最も大きく、その大きさは親指の先ほどもあります。そして、鼻腔の奥の上の方に位置する篩骨洞は、いくつもの小さな空洞が集まった構造をしています。最後に、頭蓋骨の奥深くにある蝶形骨洞は、副鼻腔の中で最も奥に位置しています。 これらの副鼻腔は、鼻腔と共に、吸い込んだ空気を温めたり、湿らせたりする役割を担っています。また、顔面の骨を軽くすることで、頭部の重量を軽減する役割も担っています。さらに、音声を共鳴させて、声質を豊かにする役割も担っています。副鼻腔は、私たちが健康な状態を保つために、重要な役割を担っています。
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音の大きさを表す単位:デシベル

私たちが日々耳にしている「音」は、空気の振動が波のように伝わってくる現象です。この音の強さを表す単位として「デシベル」が使われています。デシベルは記号で「dB」と表記され、音の強さや音圧のレベルを示す単位です。日常生活の様々な場面で、音の大きさを表す際に用いられています。 音の強さは、音源から発せられるエネルギーの大きさによって決まります。エネルギーが大きいほど、音は大きく聞こえます。この音のエネルギーを分かりやすく数値で表したのがデシベルです。デシベルは対数スケールで表されるため、数値が大きくなるほど、実際の音のエネルギーは急激に増加します。例えば、20dBの音と40dBの音では、数値上は2倍の差ですが、実際の音のエネルギーは100倍も違います。 デシベルは、私たちの身の回りにある様々な音の大きさを表す際に用いられています。例えば、静かな図書館内は40dB程度、普通の会話は約60dB、電車の車内は約80dB、飛行機のエンジン音は約120dBとされています。このように、デシベルを用いることで、音の大きさを客観的な数値で把握することができます。 デシベルは、騒音対策など、音に関する様々な分野で重要な役割を果たしています。また、近年では、家電製品の音の静音化が進み、静かな環境を作ることへの関心が高まっています。デシベルについて理解を深めることは、快適な音環境作りにも役立ちます。
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聴力検査に不可欠な防音室

- 防音室とは防音室とは、外部からの音を遮断し、内部の音も外部に漏らさないように設計された特別な部屋のことを指します。この部屋は、周囲の音の影響を最小限に抑える必要がある様々な場面で活用されています。例えば、病院では、正確な聴力測定を行うために防音室が欠かせません。周囲の騒音を遮断することで、微かな音も聞き取れる環境を実現し、聴力の状態を正しく把握することができます。音楽業界では、楽器の演奏や歌の録音に防音室が利用されます。外部の騒音を遮断することで、クリアでノイズのない音を録音することが可能となります。また、周囲に音が漏れる心配もないため、演奏者は時間や周囲を気にせず、思う存分練習に集中することができます。映画やテレビ番組の制作現場でも、防音室は重要な役割を担っています。ナレーションや吹き替えを行う際、外部の音を遮断し、クリアな音声を録音するために防音室が使われています。このように、防音室は、音に敏感な作業や、周囲に音を漏らしたくない場合に、非常に有効な空間と言えるでしょう。
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くしゃみ:体を守る防御反応

- くしゃみとはくしゃみは、誰もが経験する、ありふれた生理現象です。私たちは、鼻の奥にある粘膜に、ほこりや花粉、ウイルスなどの異物が侵入してくると、それを体外に排出しようとします。その際に起こるのがくしゃみです。くしゃみは、まるで反射のように、瞬間的に起こります。まず、異物を感じ取った鼻の粘膜が刺激され、脳に信号が送られます。すると、脳からの指令で、肺の中に空気をため込み、胸の筋肉や横隔膜が一気に収縮します。その結果、鼻や口から、勢いよく空気が吐き出されるのです。この時、同時に目も閉じられるのは、異物が目に入るのを防ぐためだと考えられています。くしゃみは、一見すると、周囲を驚かせてしまうような激しい反応です。しかし、それは決して恥ずべきことではありません。むしろ、私たちの体を守るための、重要な防御反応なのです。くしゃみを我慢してしまうと、異物を体外に排出できず、かえって症状が悪化してしまう可能性もあります。ですから、くしゃみをしたい時は、思い切ってした方が良いでしょう。ただし、周囲に人がいる場合は、ハンカチやティッシュなどで口と鼻を覆うなど、エチケットを守ることが大切です。
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声:コミュニケーションの鍵

私たちが日常的に使っている「声」とは、人が口から発する音のことを指します。声は、人と人とのコミュニケーションを図るための、とても大切な手段の一つです。 では、声はどのようにして生まれるのでしょうか?声は、肺から吐き出された息によって、喉頭にある「声帯」というヒダ状の器官が振動することで発生します。この声帯の振動によって生まれた音は、そのまま外に放出されるのではなく、咽頭、口腔、鼻腔といった空間を通ることで、さらに変化していきます。 これらの空間は、それぞれ形や大きさが異なっており、その内部の壁に音が反射することで共鳴現象が起こります。この共鳴現象によって、音の高さや強さ、音色が調整され、最終的に私たちの声として耳に届くのです。声は、その人の声帯の状態や、共鳴空間の形状によって千差万別であり、一人ひとりの個性を表す特徴の一つとなっています。
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聴覚の要:蝸牛の役割

私たちの耳の奥には、音の世界への入り口である鼓膜が存在します。鼓膜のさらに奥、まるで秘密の部屋のように隠されているのが内耳と呼ばれる場所で、その中に蝸牛は静かに佇んでいます。その名の通り、小さなカタツムリのような形をした蝸牛は、聴覚にとって非常に重要な役割を担っています。 蝸牛は、ただ小さな空間を満たしているだけではありません。その内部はリンパ液と呼ばれる液体で満たされており、音の振動が伝わると、まるでさざ波のように、リンパ液が優しく揺れ動きます。このリンパ液の動きが、蝸牛の内部にぎっしりと並んだ有毛細胞を刺激します。 有毛細胞は、その名の通り、表面に非常に繊細な毛のような構造を持っています。リンパ液の動きによってこの毛が揺れると、音の振動は電気信号に変換されます。まるで、風のささやきを言葉に変換する通訳者の役割を、有毛細胞は担っているのです。 こうして蝸牛の中で生まれた電気信号は、聴神経を通じて脳へと届けられます。脳は、届けられた信号を瞬時に分析し、私たちはそのおかげで、鳥のさえずりや、風の音、そして何よりも大切な家族の声を聞き取ることができるのです。
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聴覚と平衡感覚の要:耳の構造と機能

耳は、私たちが周囲の世界を認識する上で、なくてはならない役割を担っています。その役割は大きく分けて二つあります。一つは「聴覚」です。音は空気の振動として耳に届き、耳の中の鼓膜という薄い膜を振動させます。この振動は耳小骨と呼ばれる小さな骨の連鎖によって増幅され、内耳へと伝わります。内耳には、蝸牛と呼ばれるカタツムリのような器官があり、その中には音の振動を神経信号に変換する聴細胞が並んでいます。聴細胞が神経信号を発することで、私たちは音を感じ、音楽を楽しんだり、言葉を理解したりすることができるのです。 耳のもう一つの重要な役割は「平衡感覚」です。 内耳には、蝸牛以外にも、三半規管と耳石器と呼ばれる器官があります。これらの器官は、頭部の動きや傾きを感知する役割を担っています。三半規管は、それぞれが異なる方向を向いた3つの輪状の管からなり、内部にはリンパ液が満たされています。頭が回転すると、このリンパ液の流れが変化し、その変化を感覚毛が感知することで、回転の方向や速度を認識します。一方、耳石器は、炭酸カルシウムの結晶である耳石と、感覚毛からなります。頭部の傾きや直線的な動きによって耳石が移動し、感覚毛がその刺激を受けることで、私たちは体のバランスを保つことができるのです。
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声:コミュニケーションを支える音の世界

私たち人間は、口から様々な音を発します。この音のことを「声」と呼びます。声は、私たちが日々の生活の中で、互いにコミュニケーションを取るために欠かせない役割を担っています。 私たちは声を出すことで、自分の考えや気持ちを相手に伝えることができます。例えば、嬉しい時には明るい声で話したり、悲しい時には小さな声で話したりします。また、相手に何かを伝えたい時、私たちは声の高低や強弱、話す速さなどを変えることで、より相手に気持ちが伝わるように工夫しています。 声は、言葉によるコミュニケーションだけでなく、感情表現にも重要な役割を果たします。例えば、私たちは相手の顔を見なくても、声だけで怒っているのか、喜んでいるのかを判断することができます。このように、声は言葉では表現しきれない微妙な感情を伝えることができるのです。 声は、社会生活を送る上で必要不可欠なコミュニケーションツールと言えるでしょう。私たちは、声を通して互いに理解し合い、より良い人間関係を築いていくことができます。
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耳鼻科って何科?

耳鼻咽喉科、あるいは略して耳鼻科は、頭から首にかけての領域にある感覚器官や呼吸、嚥下に関わる器官の病気を専門的に扱う診療科です。具体的には、耳、鼻、喉といった器官が対象となります。 耳鼻科が扱う範囲は多岐に渡ります。聴覚を司る耳の病気としては、中耳炎や外耳炎といった炎症、難聴や耳鳴り、めまいなどが挙げられます。また、鼻の病気としては、アレルギー性鼻炎や副鼻腔炎、鼻出血などがあります。さらに、喉の病気としては、扁桃炎や咽頭炎、声帯ポリープなどが代表的です。 これらの病気に対して、耳鼻科では薬物療法や手術療法など、様々な治療法を駆使して患者さんの治療にあたります。また、聴力検査や内視鏡検査など、専門的な検査を通して病気の診断を行います。 近年では、睡眠時無呼吸症候群や顔面神経麻痺、頭頸部腫瘍など、耳鼻科が扱う病気の範囲は広がりを見せています。耳、鼻、喉に違和感を感じたら、早めに耳鼻科を受診することが大切です。
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医療現場の専門用語:オトって何?

病院の案内板や医師の紹介などで「オト」という言葉を目にしたことがあるでしょうか? 「オト」は、耳鼻咽喉科を指す医療現場で使われる言葉です。これは、耳鼻咽喉科を表す英語「oto-rhino-laryngology」を短縮したものです。 耳鼻咽喉科は、耳、鼻、喉の3つの器官を扱う診療科です。この3つの器官は、音を感じとる聴覚、匂いを感じる嗅覚、味を感じる味覚、そして、呼吸や発声といった重要な機能を担っています。 「耳鼻咽喉科」という名称は少し長いため、医療現場では短く「オト」と呼ぶことが一般的になっています。 耳鼻咽喉科は、風邪の症状である鼻水や喉の痛み、耳の痛みといった身近なものから、めまい、難聴、嗅覚や味覚の異常、音声障害など、幅広い症状を診療します。 したがって、「オト」は耳、鼻、喉のいずれかに症状がある場合に受診する診療科と言えます。
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