歯科・口腔

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人間の歯:噛み砕く強さの秘密

私たちが食事を楽しむ時、欠かせないのが食べ物を噛み砕く動作です。この重要な役割を担っているのが歯です。口の中に規則正しく並んだ歯は、硬いエナメル質で覆われており、その強靭さから、堅い食材にも難なく食らいつくことができます。 食べ物を噛む際、歯は単に小さくするだけでなく、すり潰す、混ぜ合わせるといった作業も行っています。食べ物を細かくすることで、表面積を広げ、消化液がより浸透しやすくなるため、胃や腸での消化吸収をスムーズに行うことができるのです。 歯は、私たちが健康な食生活を送る上で非常に重要な役割を担っています。歯を健やかに保つことは、楽しく食事を続け、健康的な毎日を送るために欠かせないと言えるでしょう。
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体の入り口、口腔の構造と機能

私たちが毎日当たり前のように行っている食事や会話、呼吸。これら全てにおいて、口腔は非常に重要な役割を担っています。 まず、口腔は栄養を摂取するための最初の入り口です。食べ物を口唇で捕らえ、歯で細かく噛み砕きます。この時、舌が食べ物を喉の奥へと送り込むのを助けるだけでなく、唾液と食べ物を混ぜ合わせることで、飲み込みやすい食塊へと変化させていきます。 そして、口腔は「話す」という行為にも深く関わっています。歯と舌、そして口唇の複雑な動きによって、様々な音を作り出すことができます。私たちが考えや感情を言葉に乗せて相手に伝えることができるのは、口腔の働きのおかげと言えるでしょう。 さらに、口腔は呼吸にも関与しています。鼻で呼吸することが難しい場合、私たちは口を使って呼吸を行います。特に、運動時など多くの酸素が必要な状況では、口呼吸が重要な役割を果たします。このように、口腔は私たちが生きていく上で欠かせない様々な機能を担っている、まさに生命維持に必須の器官なのです。
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唾液腺: 口腔の潤滑剤を供給する働き者

口の中に常に分泌されている唾液は、私達が健康に過ごすために欠かせない役割を担っています。唾液を作り出す器官である唾液腺は、その大きさによって大唾液腺と小唾液腺の2つの種類に分けられます。 大唾液腺には、耳下腺、顎下腺、舌下腺の3つがあります。顔の両側の耳の下あたりに位置する耳下腺は、サラサラとした漿液性の唾液を分泌しています。この唾液には、消化酵素であるアミラーゼが豊富に含まれており、食べた物の消化を助ける役割を担っています。顎の下にある顎下腺は、漿液性の唾液と粘液性の唾液の両方を分泌する混合腺です。あごの先の下にある舌下腺も混合腺ですが、顎下腺よりも粘液性の唾液が多く分泌されます。 口唇、頬粘膜、軟口蓋、舌などに散らばっている小さな唾液腺は小唾液腺と呼ばれ、常に少量の唾液を分泌することで口の中を潤し、粘膜を保護しています。 唾液には、食べ物を湿らせて飲み込みやすくしたり、味を感じやすくしたりする役割の他に、消化酵素による消化作用や、抗菌物質による口腔内の殺菌作用など、様々な働きがあります。つまり、唾液腺は、私達が健康に生活するために重要な役割を担っていると言えるでしょう。
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顔の側面に位置する最大の唾液腺:耳下腺

- 耳下腺の位置と形状顔の両側、耳の下あたりに位置する耳下腺は、唾液を作り出す器官である唾液腺の中でも最も大きいものです。その名の通り、耳の下方に位置しており、より詳しく見ると、顎の後ろから耳の前方にかけて広がっています。形はちょうど三角形に似ており、普段は皮膚の下に隠れています。耳下腺は、ちょうど耳たぶの下から顎の角にかけて、幅広く位置しています。そして、その前端は咬筋という、ものを噛むときに使う筋肉の上にまで達しています。耳下腺は、このように顔の側面に位置し、唾液を分泌する重要な役割を担っています。
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意外と知らない?顎の下にある唾液腺「顎下腺」

私たちの口の中には、唾液を分泌する器官である唾液腺が存在します。唾液腺は、大きく分けて3つと、それ以外にも小さなものが多数存在します。耳の下あたりにあるのが耳下腺、顎の下にあるのが顎下腺、舌の下にあるのが舌下腺です。その他に、口唇、頬粘膜、舌などにも小さな唾液腺は数多く存在します。 唾液腺から分泌される唾液は、食事の際に食べ物を湿らせて飲み込みやすくしたり、消化酵素によって食べ物の消化を助けたりするなど、重要な役割を担っています。また、口の中を清潔に保つことで、細菌の増殖を抑え、口臭や虫歯などの予防にも役立っています。さらに、食べ物の味を感じやすくする役割も担っており、私たちが食事を楽しむためにも欠かせないものです。このように、唾液腺と唾液は、健康な生活を送る上で非常に重要な役割を果たしていると言えるでしょう。
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意外と知らない!舌下腺の役割

皆さんは、「唾液腺」と聞いて、どんなものを思い浮かべるでしょうか?食べ物を口に入れた時に、耳の下あたりが少し痛くなる経験をしたことがある人は、それが「耳下腺」という唾液腺であることを知っているかもしれません。 実は、私たちの口の中には、唾液を分泌する大きな臓器である「大唾液腺」が3つも存在しています。食べ物をスムーズに飲み込むのを助けるだけでなく、消化を助けたり、お口の中を清潔に保ったり、虫歯を防いだりと、唾液は私たちの健康にとって、とても重要な役割を担っています。 今回は、3つある大唾液腺のうちの一つ、「舌下腺」について詳しく解説していきます。舌下腺は、他の2つの唾液腺と比べて少し特殊な性質を持っています。一体どんな働きをするのか、どこに位置するのか、これから一緒に見ていきましょう。
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診察時の安全確保:指甲

医師は、患者さんの訴えに基づき、病気の原因を探るため様々な診察を行います。その中でも、口の中や喉の奥を観察する口腔咽頭診察は、扁桃腺の腫れや炎症など、様々な病気を診断する上で欠かせません。 しかし、口腔咽頭診察は、医師にとってあるリスクを伴う診察としても知られています。診察を行う際、医師は患者さんの口の中に指を入れて、舌の付け根あたりを触診します。この時、患者さんが急に口を閉じてしまうと、医師の指を噛んでしまう可能性があるのです。特に、幼い子供の場合、診察に対する恐怖心から、反射的に口を閉じてしまうことがあります。また、意識がはっきりしない患者さんの場合も、自分の意思で口を開け続けることが難しいため、医師は注意深く診察を進める必要があります。 このようなリスクを避けるため、近年では、金属製のへらを用いて舌を押さえる方法が一般的になりつつあります。また、内視鏡を用いることで、医師が指を口の中に入れることなく、より安全に口腔咽頭を診察できるようになりました。しかし、小さな子供や嘔吐反射の強い患者さんの場合、内視鏡を用いた診察が難しいケースもあるため、医師は患者さんの状態に合わせて、適切な診察方法を選択する必要があります。
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知らずに困っていませんか?流涎の基礎知識

- 流涎とは何か流涎(りゅうぜん)とは、医学的には唾液過多と呼ばれる症状で、簡単に言うとよだれが過剰に分泌されてしまう状態のことを指します。 私たちは普段、無意識のうちに唾液を分泌しています。唾液には、口の中を潤して乾燥を防いだり、食べ物をスムーズに飲み込めるようにしたり、さらには食べ物の消化を助けるなど、健康を維持するために非常に重要な役割があります。 しかし、何らかの原因で唾液の分泌量が異常に増えたり、口を閉じておく筋肉が弱まったりすると、唾液が意図せずに口の外に流れ出てしまうことがあります。これが流涎と呼ばれる状態です。 流涎は、乳幼児期に見られる生理的なものから、神経系の病気や薬の副作用によって引き起こされるものまで、その原因は様々です。軽度の流涎であれば日常生活に大きな支障はありませんが、症状が重くなると、会話や食事に苦労したり、社会生活に支障をきたしたりする場合もあります。
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口腔ケアの重要性:ご自身の自然な洗浄力について

私たちが毎日食事をする口の中は、食べかすや細菌にとって絶好の住みかです。しかし、口の中がすぐに汚れてしまうかというと、そうではありません。なぜなら、私たちの口には、「口腔自浄作用」と呼ばれる、食べかすや細菌を自然に取り除く力が備わっているからです。 この口腔自浄作用は、まるで口の中に備わった自然の洗浄システムと言えるでしょう。 口腔自浄作用において重要な役割を担っているのが、唾液です。唾液には、食べかすや細菌を洗い流す働きだけでなく、細菌の繁殖を抑えたり、殺菌したりする成分も含まれています。また、食事をする際の咀嚼運動も、口腔自浄作用を助けます。食べ物を噛むことで唾液の分泌が促進され、口の中の隅々まで唾液が行き渡りやすくなるからです。さらに、舌の表面にある細かい突起も、食べかすや細菌をかき出すのに役立っています。 このように、口の中は様々な機能が連携することで、常に清潔に保たれています。口腔自浄作用は、健康な口内環境を維持するために非常に重要です。
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口角びらん症:原因と症状、そして治療法について

- 口角びらん症とは口角びらん症は、その名前の通り、口の両端(口角)が赤く腫れて、ひび割れたり炎症を起こしたりする皮膚の病気です。多くの人にとって、口角はほんの少し切れたり、乾燥したりする程度の経験で済んでいるかもしれません。しかし、口角びらん症になると、このような症状が慢性的に繰り返され、日常生活に様々な支障をきたすようになります。例えば、口を開けるたびに痛みを感じ、食事や会話に苦労する方もいます。熱いものや辛いものがしみたり、食事中に口を大きく開けられなかったりすることで、食事本来の楽しみを味わえなくなってしまうこともあります。また、会話の際にうまく発音できなかったり、口を開けて笑うことをためらったりするなど、コミュニケーションに影響が出ることもあります。さらに、見た目にも影響が出るため、人前で話すことや笑うことに抵抗を感じる方も少なくありません。特に症状が重い場合は、口角が赤くただれた状態になり、周囲の目が気になってしまうこともあるでしょう。このような精神的なストレスから、人と会うことを避けるようになったり、自分に自信が持てなくなったりするケースも考えられます。口角びらん症は、一見すると些細な症状に思えるかもしれません。しかし、実際には生活の質を大きく低下させる可能性のある病気であることを理解しておく必要があります。
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ドライマウス:知っておきたい原因と対策

- ドライマウスとは? ドライマウスとは、唾液の量が減ったり、唾液の性質が変わったりすることで、口の中が乾いた状態を指します。私たちは普段、特に意識しなくても自然と唾液が出ていますが、様々な原因によってこの働きが妨げられ、ドライマウスになってしまうことがあります。 唾液は、食べ物を消化しやすくするだけでなく、口の中に住む細菌の増殖を防ぐ、歯の再石灰化を助けるなど、重要な役割を担っています。 ドライマウスになると、口臭が強くなったり、虫歯や歯周病になりやすくなったりするだけでなく、食事の味が分かりにくくなる、うまく話せなくなるなど、日常生活に影響が出ることもあります。
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歯の病気:う蝕を知ろう

- う蝕ってどんな病気?う蝕は、一般的に「虫歯」とよばれる、歯の病気です。歯周病とともに、歯の病気の代表的なものであり、多くの人が経験します。私たちの口の中には、たくさんの種類の細菌が住んでいて、その中には、歯にとって良くない働きをするものもいます。う蝕は、これらの細菌が、食べ物の糖などを分解する際に作り出す「酸」によって発生します。この酸が、歯の表面にある硬いエナメル質を溶かし始め、徐々に歯の内部へと浸食していきます。エナメル質の下にある象牙質は、エナメル質よりも柔らかく、酸の影響を受けやすいため、う蝕はさらに進行しやすくなります。初期段階では、自覚症状がない場合も多いですが、進行すると、冷たいものや甘いものがしみたり、食べ物が挟まりやすくなったりします。さらに悪化すると、激しい痛みを感じたり、歯が大きく欠けたりすることもあります。う蝕は、自然に治ることはありません。早期に発見し、歯科医院で適切な治療を受けることが重要です。日頃から、歯磨きを丁寧に行い、歯垢や食べかすを残さないように心がけ、定期的な歯科検診を受けることで、う蝕を予防しましょう。
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