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怪我の応急処置に必須!アルミ副子の役割と使い方

- アルミ副子とはアルミ副子とは、骨折や捻挫といった怪我をした際に、損傷部分を固定し、安静を保つために使用する医療用具です。薄いアルミニウムの板に、クッションとなるウレタンフォームが貼り合わされているものが一般的です。アルミ副子の最大の特徴は、その軽さと丈夫さにあります。 アルミニウムは軽量であると同時に、外部からの力にも強く、変形しにくいという特性を持っています。そのため、患部をしっかりと固定することができます。また、ウレタンフォームがクッションの役割を果たすことで、患部への負担を軽減し、痛みをやわらげる効果も期待できます。アルミ副子は、様々な形状とサイズがあり、患部や症状に合わせて選択します。指のような小さな部位に使用するものから、腕や脚全体を固定するものまで、多岐にわたります。「アルフェンス」や「アルミスプリント」といった名称を耳にすることがありますが、これらは特定のメーカーの商品名です。 一般的には「アルミ副子」と呼ばれます。アルミ副子は、医療機関だけでなく、スポーツ現場や災害現場など、様々な場面で使用されています。適切な使用方法を理解しておくことで、怪我の悪化を防ぎ、回復を早めることに繋がります。
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災害医療の基礎:3Tとは?

災害時における医療活動は、平時とは大きく異なります。地震や津波など、大規模な災害が発生すると、同時に多数の負傷者や病人が発生し、医療現場は極めて厳しい状況に置かれます。病院の収容能力を超える患者が押し寄せ、医療従事者や物資も不足するという、まさに非常事態です。このような極限状態において、限られた医療資源を最大限に活用し、一人でも多くの命を救うために、災害医療では「3つのT」と呼ばれる重要な概念が用いられます。「3つのT」とは、「選別」「治療」「搬送」の頭文字をとったもので、災害医療における最優先事項を表す言葉です。 まず「選別」とは、傷病者の重症度や緊急度に応じて、治療や搬送の優先順位を決定する作業です。限られた医療資源の中で、より多くの命を救うために、救命の可能性が高い人から優先的に治療を行うという、大変厳しい判断を迫られます。次に「治療」は、選別に基づき、現場でできる限りの応急処置や手術などを施すことです。そして「搬送」は、適切な医療機関へ患者を搬送する作業を指します。病院の状況や患者の重症度に応じて、搬送先を適切に判断する必要があります。災害医療においては、これらの「選別」「治療」「搬送」を、状況に合わせて迅速かつ的確に実行していくことが、非常に重要となります。
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多臓器不全:命に関わる危険な状態

- 多臓器不全とは 人間の身体は、それぞれ重要な役割を担う様々な臓器が、まるで精巧な機械のように組み合わさって、はじめて正常に機能します。しかし、ある病気や怪我などをきっかけに、この精巧なバランスが崩れ、複数の臓器が同時に、あるいは次々にその働きを失ってしまうことがあります。これが「多臓器不全」と呼ばれる状態であり、命に関わる危険な状態です。 心臓は、全身に血液を送り出すポンプとしての役割を担い、肺は酸素を取り込み、二酸化炭素を排出する、呼吸にとって非常に重要な臓器です。腎臓は、血液をろ過して老廃物を尿として排出する働きをし、肝臓は、栄養分の分解や合成、解毒など、様々な機能を担っています。これらの臓器は、いずれも私達が生きていく上で欠かすことのできないものです。 多臓器不全は、重度の感染症や大怪我、大手術など、身体が非常に強いストレスにさらされた場合に起こりやすく、心臓、肺、腎臓、肝臓といった重要な臓器が、その機能を十分に果たせなくなります。 その結果、血液循環や呼吸、老廃物の排出といった、生命維持に不可欠な機能が損なわれ、最悪の場合、死に至ることもあります。 多臓器不全は、その原因や進行の程度によって治療法が異なり、集中治療室での治療が必要となる場合もあります。早期発見、早期治療が何よりも重要です。
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高エネルギー外傷:深刻な損傷とその対応

- 高エネルギー外傷とは私たちの身体は、日常生活で生じる程度の力には耐えられるようにできています。しかし、交通事故や高い場所からの落下事故など、非常に大きなエネルギーが身体に加わる外傷の場合には、身体はその力に耐えきれず、重症となることがあります。このような外傷を高エネルギー外傷と呼びます。高エネルギー外傷では、骨折や皮膚の損傷といった身体の外側の損傷だけでなく、内臓や血管、神経など、身体の内部にも深刻な損傷が生じることが多くみられます。例えば、交通事故で自動車のダッシュボードに強く打ち付けられた場合、肋骨骨折や肺挫傷といった胸部の損傷に加え、心臓や大血管の損傷、さらには脳の損傷が起こる可能性もあります。高エネルギー外傷は、その名の通り、生命にかかわる重傷となる可能性が高いという特徴があります。そのため、迅速な診断と治療が必要不可欠です。交通事故現場や災害現場などに居合わせた場合には、まず、自身の安全を確保した上で、周囲の状況をよく確認し、速やかに救急隊に連絡しましょう。そして、救急隊や医師の指示に従い、適切な処置を受けてください。
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エアアンビュランス:空飛ぶ救命救急

- エアアンビュランスとは エアアンビュランスとは、航空機を用いて患者を搬送し、同時に機内で医療行為を行う救急医療体制のことを指します。この言葉は、医療活動のために専用に設計された航空機自体を指す場合にも使われます。 エアアンビュランスに使用される航空機は、主にヘリコプターと飛行機の2種類です。それぞれに特徴があり、状況に応じて使い分けられます。ヘリコプターは、小回りが利き、病院のヘリポートなど比較的小さな場所にも離着陸できるため、都市部や山間部など、アクセスが困難な場所での活動に適しています。一方、飛行機はヘリコプターよりも長距離を高速で移動できるため、広範囲な地域からの搬送や、専門的な治療が必要な場合に遠くの病院へ搬送する際に活躍します。 エアアンビュランスが重要な役割を担う背景には、「救急医療における時間」という概念があります。救急医療の現場では、一刻も早い治療開始が患者の救命率や後遺症の軽減に大きく影響するという考え方が基本となっています。そのため、一刻を争う事態において、渋滞などの影響を受けずに迅速に患者を搬送できるエアアンビュランスは、非常に有効な手段として位置付けられています。
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圧迫された体からの悲鳴:圧挫症候群とは

私たちの体は、無数の筋肉によって支えられ、自由自在に動くことができます。歩く、走る、物を持ち上げるといった日常の動作から、複雑な運動まで、筋肉は欠かせない役割を担っています。しかし、この筋肉は、外部からの強い力によって長時間圧迫されると、その構造が損なわれ、最悪の場合、壊死してしまうことがあります。これが、いわゆる「圧挫症候群」と呼ばれる状態です。 圧挫症候群は、地震や事故などで家屋や車両の下敷きになった際に起こりやすいと考えられています。長時間、重いものに押しつぶされることで、筋肉組織への血流が阻害され、酸素や栄養が供給されなくなります。その結果、筋肉細胞が壊死し始め、毒性物質が血液中に流れ出すことで、全身に深刻な影響を及ぼす可能性があります。 圧挫症候群の初期症状としては、痛みやしびれ、腫れなどが挙げられます。重症化すると、意識障害や急性腎不全、ショック状態に陥ることもあります。圧迫が解消された後も、壊死した筋肉から放出される毒性物質によって、腎臓などの臓器に障害が残るケースもあります。圧挫症候群は、迅速な対応が求められる深刻な状態であり、早期発見と適切な治療が不可欠です。
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人生の最終段階における選択:NO CPRとは

- 心肺蘇生を行わない選択NO CPRとは命の終わりが近づいた時、私たちは延命治療を行うか、自然な流れに任せるか、重大な選択を迫られることがあります。その選択の一つに、-心肺蘇生を行わない-、つまり -NO CPR- という考え方があります。NO CPRとは、心臓が停止したり呼吸が止まったりした場合でも、人工呼吸や心臓マッサージといった医療行為を行わずに、穏やかな最期を迎えることを選択することを意味します。医療現場では「Non CPR」とも呼ばれ、延命治療を望まない患者さんやその家族の意思を尊重し、苦痛を伴う延命措置ではなく、自然な死を受け入れるという考え方です。NO CPRを選択する背景には、高齢や病気の進行状況、回復の見込み、そしてなによりも患者さん自身の意思が深く関わっています。 延命治療には、体に負担がかかったり、意識が戻らなかったりする可能性も伴います。そのため、患者さん自身の価値観や希望に沿った最期を迎えるために、NO CPRという選択をするケースが増えています。ただし、NO CPRはあくまで選択の一つであり、全ての人に推奨されるものではありません。重要なのは、患者さんや家族が医師と十分に話し合い、治療方針について納得のいくまで相談することです。そして、患者さん自身が望む形で最期を迎えられるように、しっかりと意思表示することが大切です。
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救命の基礎知識:心肺蘇生法を理解しよう

- 心肺蘇生法とは心肺蘇生法(しんぱいそせいほう)は、事故や急病などで突然、心臓と呼吸が止まってしまった人の命を救うための緊急処置です。医療従事者だけでなく、一般の人でも行うことができます。私たちの体は、心臓が血液を送り出し、呼吸によって酸素を取り込むことで、活動するためのエネルギーを生み出しています。心臓が止まると血液の流れが止まり、呼吸が止まると酸素が取り込めなくなります。その結果、全身の臓器、特に脳に酸素が行き渡らなくなり、数分以上続くと命に関わる危険があります。心肺蘇生法はこのような状態になった人を助けるための方法で、人工呼吸と胸骨圧迫の二つの行為で構成されています。人工呼吸は、呼吸が止まってしまった人の肺に、自分の口から息を吹き込むことで、強制的に酸素を送り込む行為です。胸骨圧迫は、心臓の位置を両手で強く圧迫することで、心臓のポンプ機能の代わりを果たし、血液を循環させる行為です。心肺蘇生法を行うことで、心臓と呼吸が完全に止まってしまった場合でも、救急隊が到着するまでの間、脳への酸素供給を維持し、命を救える可能性を高めることができます。いつ、どこで、誰がこのような事態に遭遇するかわかりません。いざという時に備え、正しい知識と技術を身につけておくことが重要です。
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命を脅かす病態:敗血症とは

- 敗血症とは敗血症は、体の中に侵入した細菌やウイルスなどの病原体に対する体の防御反応が、過剰に起こってしまうことで、自分の体が傷ついてしまう病気です。この病気は命に関わることもあり、迅速な診断と治療が必要です。通常、私たちの体は、外から侵入してきた病原体に対して、免疫の力で戦い、排除しようとします。この免疫の働きによって、私たちは健康な状態を保つことができるのです。しかし、何らかの原因で免疫のバランスが崩れ、過剰に反応してしまうことがあります。敗血症は、この免疫の過剰反応によって、全身に強い炎症が起こり、臓器の機能が損なわれてしまう状態を指します。肺炎や尿路感染症など、最初は局所的な感染症であっても、それが血液の流れに乗って全身に広がってしまうと、敗血症を引き起こす可能性があります。敗血症の症状は、発熱、 chills、心拍数の増加、呼吸数の増加など、風邪やインフルエンザに似た症状がみられることが多く、初期段階での診断が難しい病気です。重症化すると、意識障害や臓器不全などが起こり、命に関わることもあります。そのため、早期発見と適切な治療が非常に重要になります。
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多臓器不全:体の危機

- 多臓器不全とは 人間の身体は、心臓が血液を送り出し、肺が酸素を取り込み、腎臓が老廃物を濾過するなど、それぞれの臓器が重要な役割を担い、まるで精巧な機械のように機能しています。 これらの臓器は独立しているわけではなく、互いに密接に連携し合い、私たちの生命を維持するために休むことなく働いています。 しかし、体の大きな病気や怪我がきっかけで、この精巧なシステムが崩れてしまうことがあります。 例えば、深刻な感染症にかかったり、交通事故などで大怪我を負ったり、大規模な手術を受けた場合など、体が大きなストレスにさらされると、複数の臓器が同時に機能不全に陥ることがあります。これが「多臓器不全」と呼ばれる状態です。 多臓器不全は、文字通り複数の臓器が機能不全に陥る深刻な状態で、命に関わる危険性も非常に高い状態です。 臓器の機能不全が進むと、血液中の酸素濃度が低下したり、老廃物が体内に蓄積したり、体温調節が困難になったりと、様々な症状が現れます。 多臓器不全の原因や症状、治療法は多岐にわたるため、ここでは概要について説明しました。詳細については、それぞれの項目をご覧ください。
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多臓器不全:生命を脅かす状態

- 多臓器不全とは私たちの身体は、まるで精巧な機械のように、心臓、肺、肝臓、腎臓といった様々な臓器が互いに連携し、調和を保つことで、はじめて健やかに過ごすことができます。しかし、ある日突然、この精密なシステムが狂ってしまうことがあります。それが、複数の臓器が同時に、あるいは次々とその機能を失っていく、多臓器不全と呼ばれる状態です。多臓器不全は、文字通り、複数の臓器が正常に機能しなくなることを意味します。たとえば、肺炎によって肺の機能が低下すると、体全体に酸素が行き渡らなくなります。すると、酸素不足を補おうと心臓に負担がかかり、やがて心臓も正常に機能しなくなることがあります。さらに、心臓の働きが弱まると、血液を送り出す力が衰え、腎臓や肝臓など、他の臓器にも悪影響が及んでしまうのです。このように、一つの臓器の不全が、ドミノ倒しのように他の臓器に波及していくのが、多臓器不全の特徴です。多臓器不全を引き起こす原因は、重症感染症や外傷、大手術など様々です。共通しているのは、いずれも身体への負担が非常に大きく、生命を脅かす危険な状態であるということです。一度に複数の臓器が機能不全に陥るため、生命維持は非常に困難になり、残念ながら死に至る可能性も高くなります。そのため、早期発見と迅速な治療が何よりも重要となります。
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救急医療の現場で:バギングによる救命処置

- バギングとは バギングは、呼吸が止まってしまった患者さんの肺に、手を使って空気を送り込む処置です。「バックバルブマスク」という医療器具を使います。 呼吸が止まることは、人の命に関わる一大事です。バギングは、そのような緊急事態において、患者の呼吸を助けるための非常に大切な処置であり、「用手換気」とも呼ばれます。 バギングを行うのは、主に救急隊員や医師、看護師といった医療従事者です。彼らは、専門的な訓練と知識を活かして、患者さんの状態に合わせて、適切な圧力と頻度で空気を送り込みます。 バギングによって、血液中に酸素を送り込み、二酸化炭素を排出することで、患者さんの呼吸を正常な状態に近づけ、救命の可能性を高めることができます。
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PICUって? 2つの異なる顔を持つ医療現場

PICUという言葉を耳にしたとき、多くの人は同じ場所を思い浮かべるかもしれません。しかし実際には、PICUは全く異なる二つの医療現場を表す略語として使われています。一つは「精神病集中治療室」のことで、英語ではPsychiatry Intensive Care Unitと表記するため、それぞれの単語の頭文字をとってPICUと呼ばれます。もう一つは「小児集中治療室」のことで、こちらはPediatric Intensive Care Unitの略称です。 どちらも、重症化した患者さんの容態を24時間体制で観察し、高度な医療機器を用いた集中的な治療や看護を提供する場であるという点では共通しています。しかし、対象となる患者さんや治療内容は大きく異なります。「精神病集中治療室」では、主に統合失調症やうつ病などの精神疾患が悪化し、自傷や他害のおそれがあるなど、入院治療が必要と判断された患者さんが入院しています。一方、「小児集中治療室」では、重い病気やケガをした15歳未満の子どもたちが、その年齢特有の体の仕組みや病気の特徴に合わせた専門的な治療を受けています。 このように、PICUは一見同じように見えても、実際には全く異なる医療現場を指す言葉なのです。それぞれの現場では、専門的な知識や技術を持った医療従事者が、患者さんの一日も早い回復に向けて日々尽力しています。
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外因死とは?その意味と例

- 外因死の定義人が亡くなる原因には、大きく分けて『内因死』と『外因死』の二つがあります。病気によって命を落とす場合が内因死と呼ばれるのに対し、外因死とは、病気以外の要因によって引き起こされる死亡のことを指します。つまり、病気そのものが直接の死因ではなく、事故や事件、災害など、身体の外側から影響を与える何らかの要因が死に繋がった場合に外因死と判断されます。例えば、交通事故による負傷や、転落・転倒によるケガ、溺水、火災、窒息、中毒などが原因で亡くなった場合は、外因死とみなされます。病気によって身体が弱っている状態であったとしても、最終的に死に至った原因が病気以外の要因であれば、外因死と判断されるケースがほとんどです。外因死は、その原因となる要因が多岐にわたるため、予防対策が難しいという側面も持ち合わせています。しかし、交通ルールをしっかりと守る、危険な場所には近づかないなど、日頃から注意を払うことで、外因死のリスクを減らすことは可能です。
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命に関わる出血性ショックとは?

- 出血性ショックの概要出血性ショックは、大量の出血によって体内の血液循環量が急激に減少し、生命を脅かす危険な状態です。交通事故や手術中の予期せぬ出血、胃や腸からの出血、あるいは大動脈解離といった病気による体内での出血など、様々な原因で起こりえます。出血性ショックは迅速な処置をしないと命に関わるため、その症状と対処法を理解しておくことが重要です。出血性ショックになると、体はまず血液を心臓や脳など、生命維持に不可欠な臓器に優先的に送ろうとします。その結果、皮膚の血色が悪くなり、冷たく感じられるようになります。また、脈拍が速くなり、呼吸も速く浅くなるのが特徴です。さらに症状が進むと、意識がもうろうとしたり、尿量が減少したりします。これは、体が血液不足を補おうと、心臓をより速く動かし、呼吸数を増やして酸素を取り込もうとしているためです。しかし、出血が止まらず血液量が減り続けると、最終的にはこれらの臓器にも十分な血液が供給されなくなり、多臓器不全に陥り、死に至ることもあります。出血性ショックの疑いがある場合は、直ちに救急車を要請する必要があります。救急隊が到着するまでの間は、できるだけ安静を保ち、出血している部位があれば、清潔な布などで圧迫して止血を試みます。衣服を緩めて呼吸を楽にし、毛布などをかけて保温することも重要です。出血性ショックは早期に適切な治療を行えば救命できる可能性が高い疾患です。そのためにも、症状をいち早く認識し、迅速な対応を心がけましょう。
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来院直後心肺停止とは?

来院直後心肺停止とは、医療機関に到着した時点では、まだ心臓や呼吸が機能しているにも関わらず、病院内に入った直後、もしくは診察を受けるまでのごく短時間の間に、心臓や呼吸が停止してしまう状態のことを指します。つまり、病院に到着したときは、自力で歩いて診察室に入る、あるいは救急車で搬送されてきたとしても、見た目は意識があり、医師や看護師と会話ができる状態であったとしても、その後、突然に心臓や呼吸が停止してしまうケースが該当します。 このような事態は、CPAAA(Cardiopulmonary Arrest immediately After Arrival)とも呼ばれ、医療現場において、迅速な救命処置が必要となる緊急事態の一つです。 来院直後心肺停止の原因は、心筋梗塞や脳卒中、肺塞栓症などの重篤な疾患が隠れている場合があり、その場合、医療機関に到着するまでの間に病状が急速に悪化することがあります。また、交通事故や転落などによる外傷が原因となることもあります。 来院直後心肺停止は、予期せぬ突然の出来事であるため、患者本人やその家族にとって、大きな衝撃と不安を与えるだけでなく、医療従事者にとっても、その後の対応に苦慮するケースも少なくありません。 このような事態を防ぐためには、普段から健康に留意し、定期的な健康診断を受けることが重要となります。また、少しでも体調に異変を感じたら、ためらわずに医療機関を受診することが大切です。
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来院直後心肺停止とは?

- 来院直後心肺停止とは病院に到着した直後に、心臓と呼吸が停止してしまう恐ろしい事態を、来院直後心肺停止と言います。これは、病院に着くまでは心臓も呼吸も機能していたにも関わらず、病院に到着したとたんに容態が急変することを意味します。つまり、病院の外ではどうにか持ちこたえていた患者さんの状態が、病院に到着した途端に限界に達し、心臓や呼吸が停止してしまう恐ろしい状態を指します。病院の外で発症する心肺停止と比較すると、来院直後心肺停止は発生頻度は低いものの、救命が非常に難しい状態として知られています。なぜなら、病院到着までは比較的安定していたように見えるため、医療従事者も心の準備ができていない場合が多く、迅速な対応が難しくなるからです。来院直後心肺停止の原因は様々ですが、大きく分けて二つ考えられます。一つ目は、心筋梗塞や脳卒中などの重篤な疾患が隠れており、病院到着を機に急激に悪化する場合です。二つ目は、長距離の搬送や激しい痛みにより、身体への負担が限界に達してしまう場合です。来院直後心肺停止は、一刻を争う緊急事態です。そのため、医療従事者は日頃から緊急時の対応について訓練し、迅速かつ的確な処置を行えるように準備しておく必要があります。また、患者さんの家族に対しても、状況を分かりやすく説明し、協力体制を築くことが重要です。
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生命の最前線:集中ケアとは?

- 集中ケアとは集中ケアとは、生命の危機に瀕している患者さんに対して、専門性の高い医療を提供する場です。病気や怪我の程度は患者さん一人ひとり異なり、その状態によっては、一般的な病院のフロアでの治療ではなく、より手厚い医療が必要となる場合があります。集中ケアでは、そのような状態の患者さんに対し、集中的な治療と看護を24時間体制で行います。集中ケアは、一般的な医療とは異なり、高度な知識、技術、そして設備を必要とします。そのため、集中ケアを行う医療従事者は、専門的なトレーニングと豊富な経験を積んでいます。また、集中治療室(ICU)や冠状動脈疾患集中治療室(CCU)といった、生命維持装置や人工呼吸器など、特殊な医療機器が整備された場所で治療が行われます。集中ケアが必要となるケースとしては、重度の肺炎、心筋梗塞、脳卒中などが挙げられます。その他、大手術後や、大きな怪我を負った場合などにも、集中ケアが必要となる場合があります。集中ケアの目的は、患者さんの生命を救うことはもちろんのこと、可能な限り早く回復へと導き、日常生活へと復帰できるようにすることです。
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救急現場の頼れる味方!JPTECとは?

救急現場で、一刻を争う事態が発生した際、傷病者の命を救うためには、病院に到着する前の処置が非常に重要となります。そのために、救急救命士や医療従事者を対象とした教育プログラム、JPTEC(Japan Prehospital Trauma Evaluation and Care)が日本で行われています。JPTECは、病院に到着する前の段階で、外傷を負った患者に対して、適切な処置を行うための知識や技術を学ぶためのプログラムです。 交通事故や災害現場など、予期せぬ事態においては、いち早く傷病者の状態を把握し、適切な処置を施す必要があります。JPTECでは、傷病者の呼吸状態、循環状態、意識レベルなどを素早く評価する技術、そして、気道確保、酸素投与、出血の抑制など、生命維持に不可欠な処置を迅速かつ的確に行う技術を学びます。 JPTECの導入が進んだことで、病院に到着する前の段階における外傷医療の質は飛躍的に向上しました。迅速かつ的確な初期対応によって、助かる命が増え、後遺症のリスクを減らすことにも繋がっています。JPTECは、多くの人の命を守る上で、非常に重要な役割を担っていると言えるでしょう。
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病院内の緊急コール、コードブルーって?

- コードブルーとは病院内で、入院している患者さんの容態が急激に悪化したり、意識を失ったり、心肺停止に至るなど、緊急を要する事態が発生した際に発令されるのが「コードブルー」です。これは、一刻を争う事態において、必要な医療スタッフを迅速に現場に集結させ、救命処置や緊急対応を遅滞なく開始するための、病院内における緊急コールのことです。コードブルーは、病院内の放送設備やPHS、ナースコールなどを用いて、「コードブルー発生、〇〇病棟〇〇号室」のように、発生場所と合わせて伝えられます。この呼びかけを聞いた医療従事者は、それぞれの役割と病院内のルールに従い、速やかに現場へ向かい、救命活動や緊急処置にあたります。コードブルーは、患者さんの命を救うために非常に重要な合言葉であり、医療従事者であれば誰でもその意味を理解し、迅速に行動できるように、日頃から訓練や意識づけが徹底されています。
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広域搬送拠点臨時医療施設:災害医療の重要な中継点

大規模な災害が発生すると、被災地では同時に多数の怪我人や病人が発生し、地域の医療機関だけでは対応しきれない事態に陥ることがあります。このような場合、被災地外の医療機関へ患者を搬送する広域搬送が重要となります。しかし、被災地から適切な医療を受けられる病院まで、直接搬送するには距離が離れている場合や、搬送先の病院の受け入れ態勢が整っていない場合も考えられます。 そこで、広域搬送をスムーズに行うための重要な中継地点として、広域搬送拠点臨時医療施設(SCU)が設置されます。SCUは、被災地から搬送されてきた患者さんの状態に応じて、応急処置や手術などを行います。そして、患者の容態が安定した段階で、ヘリコプターや飛行機などを使い、より専門的な治療を受けられる、設備の整った病院へ患者を搬送します。 SCUには、医師や看護師、薬剤師などの医療従事者の他、搬送コーディネーターや事務スタッフなど、多くの人がそれぞれの専門性を活かして活動しています。 このように、SCUは、災害時における広域搬送を支える、非常に重要な役割を担っています。
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緊急時における頼みの綱:ERとは?

病院には、急病や怪我に苦しむ人をすぐに治療するための特別な場所があります。それが「ER」と呼ばれる場所で、「救急室」や「救急外来」といった呼び方もされます。ERは英語の「Emergency Room」の頭文字をとったもので、文字通り、緊急事態に対応する部屋という意味です。 ERは、時間外診療や休日診療とは異なり、24時間365日体制で患者を受け入れています。夜中であろうと、お正月であろうと、具合が悪くなったり、怪我をしてしまったりしたときに、いつでも駆け込むことができます。そこには、常に医師や看護師が待機しており、緊急性の高い患者に対して、迅速な初期治療を行います。 ERは、一刻を争う状況に対応する場所です。そのため、意識がない、呼吸が苦しい、胸が痛いといった症状が現れた場合は、ためらわずにERに連絡するか、直接行くようにしましょう。症状が軽くても、救急車を呼ぶべきか迷う場合は、救急相談センターに電話して指示を仰ぐとよいでしょう。
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高度救命救急センターとは?

高度救命救急センターは、生命の危機に瀕した重篤な患者さんの命を救うための最後の砦となる、極めて専門性の高い医療機関です。 一般的な救命救急センターでは対応が難しい、より複雑で高度な治療が必要な患者さんを対象としています。例えば、広範囲の火傷を負った方や、手足の切断を余儀なくされた方、急性中毒症状に苦しむ方など、一刻を争う事態に陥っている患者さんが、日々、高度救命救急センターに運び込まれています。 高度救命救急センターには、生命維持装置や人工呼吸器、緊急手術に対応できる手術室など、最新鋭の医療設備が整っています。また、救急医療の専門医や経験豊富な看護師、薬剤師、臨床工学技士など、多岐にわたる専門知識を持った医療スタッフがチームを組み、24時間体制で患者さんの治療にあたっています。 高度救命救急センターは、地域の医療機関と連携を取りながら、患者さん一人ひとりに最適な医療を提供することで、尊い命を守る重要な役割を担っています。
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地域の砦!救命救急センターとは?

救命救急センターは、地域の住民にとって、生命に関わる深刻な病気や怪我に対応する最後の砦と言えるでしょう。交通事故や心臓の血管が詰まる病気、脳の血管が詰まったり破れたりする病気など、一刻を争う事態が発生した場合、高度な医療技術と設備を駆使して、患者さんの命を守る役割を担っています。 救命救急センターでは、24時間体制で、緊急性の高い患者さんを受け入れています。夜間や休日でも、専門の医師や看護師が常駐し、いつでも適切な処置を行えるよう備えています。また、ドクターヘリや救急車などと連携し、一刻も早く病院へ搬送する体制を整えています。 救命救急センターは、地域の医療機関との連携も重要な役割を担っています。重症患者さんの受け入れや、高度な医療技術の提供を行うだけでなく、地域の医療機関に対する医師や看護師の教育、医療情報の提供などを通じて、地域全体の医療の質向上にも貢献しているのです。
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