ヘマトクリット値って何?

血液

ヘマトクリット値って何?

病院での用語を教えて

先生、「ヘマトクリット」ってどういう意味ですか?健康診断の結果に書いてあったんですけど、よく分からなくて。

体の健康研究家

なるほど。「ヘマトクリット」は血液検査の項目の一つだね。簡単に言うと、血液の中にどれくらい赤血球が含まれているかを示す数値なんだよ。

病院での用語を教えて

赤血球の割合ですか?それが何か病気と関係あるんですか?

体の健康研究家

そうなんだ。赤血球は体中に酸素を運ぶ大切な役割をしているから、その割合が少なすぎると貧血などの可能性が出てくるんだ。逆に多すぎると血液がドロドロになって、別の病気のリスクになることもあるんだよ。

ヘマトクリットとは。

「ヘマトクリット」という医学や健康に関する言葉があります。これは、血液全体の中における赤血球の体積の割合を表す数値のことを指します。

ヘマトクリット値とは

ヘマトクリット値とは

– ヘマトクリット値とは血液は、体中に酸素を運んだり、細菌やウイルスから体を守ったりするために、無くてはならないものです。この血液は、大きく分けて液体成分である血漿と、細胞成分から成り立っています。細胞成分には、酸素を運ぶ役割をする赤血球、細菌やウイルスから体を守る白血球、出血を止める血小板などがあります。ヘマトクリット値(Ht)とは、この血液全体の中で赤血球が占める割合のことを指します。血液検査では、このヘマトクリット値を調べることで、貧血や多血症など、血液の状態を把握することができます。例えば、ヘマトクリット値が低い場合は、赤血球が減少している貧血が疑われます。貧血になると、酸素が全身に行き渡りにくくなるため、動悸や息切れ、疲労感などの症状が現れます。一方、ヘマトクリット値が高い場合は、赤血球が増加している多血症が疑われます。多血症になると、血液がドロドロの状態になり、血栓ができやすくなるため注意が必要です。このように、ヘマトクリット値は、私たちの健康状態を知る上で重要な指標の一つと言えます。健康診断などで、この値が基準値から外れている場合は、医師に相談し、適切な検査や治療を受けるようにしましょう。

項目 説明
ヘマトクリット値(Ht) 血液全体における赤血球の割合
低い場合 貧血の可能性
・酸素不足
・動悸、息切れ、疲労感などの症状
高い場合 多血症の可能性
・血液がドロドロになり、血栓リスク増加

ヘマトクリット値の測定方法

ヘマトクリット値の測定方法

ヘマトクリット値は、血液中に含まれる赤血球の割合を示す数値であり、貧血の診断など、健康状態を評価する上で重要な指標の一つです。

ヘマトクリット値を測定する方法としては、伝統的に遠心分離法が用いられてきました。まず、患者様から採取した血液を、ヘパリン処理などが施された細いガラス管に注入します。次に、このガラス管を遠心分離機に設置し、高速で回転させます。すると、血液の成分は比重の違いによって分離し、最も重い赤血球はガラス管の下部に沈殿し、その上に血小板や白血球を含む層、そして最も軽い血漿が上部に分離します。この時、目盛りがついたガラス管を用いることで、赤血球の占める割合を直接読み取ることができます。これがヘマトクリット値です。

近年では、医療現場における検査の自動化が進んでおり、ヘマトクリット値の測定も自動血球計数装置を用いて行われることが一般的になっています。自動血球計数装置では、電気的な方法やレーザー光を用いる方法などによって、血液中の細胞の数や大きさを正確に測定することができます。これにより、従来の遠心分離法に比べて、短時間で精度の高い測定が可能となりました。

項目 説明
ヘマトクリット値 血液中に含まれる赤血球の割合を示す数値。貧血の診断などに重要。
従来の測定方法(遠心分離法) 1. ヘパリン処理などを施したガラス管に血液を注入。
2. 遠心分離機で高速回転させ、血液成分を比重で分離。
3. 目盛り付きガラス管で赤血球の割合を直接読み取り。
近年の測定方法(自動血球計数装置) 電気的・レーザー光を用いて、細胞の数や大きさを正確に測定。 短時間かつ高精度な測定が可能。

正常なヘマトクリット値

正常なヘマトクリット値

血液検査の重要な項目の一つに、ヘマトクリット値があります。これは、血液全体に対する赤血球の割合を示す値です。赤血球は、体中に酸素を運ぶ役割を担っているため、ヘマトクリット値は健康状態を判断する上で重要な指標となります。

このヘマトクリット値ですが、年齢や性別によって正常範囲が異なる点が重要です。成人男性の場合、一般的には40~50%程度が正常範囲とされています。一方、成人女性では、35~45%程度が正常範囲とされており、男性よりもやや低い値を示します。これは、女性ホルモンが赤血球の産生を抑える働きを持つためです。

また、小児の場合は、年齢によって正常値が大きく変動します。新生児では特にヘマトクリット値が高く、50~60%程度になることも珍しくありません。これは、胎児期に酸素を効率よく取り込むために、赤血球が多く作られているためです。その後、成長に伴って徐々にヘマトクリット値は低下し、成人期の値に近づいていきます。

項目 正常範囲 備考
成人男性 40~50%
成人女性 35~45% 女性ホルモンの影響で男性より低め
新生児 50~60% 胎児期に酸素を効率よく取り込むため高め
小児 年齢によって変動 成長に伴って徐々に低下

ヘマトクリット値の異常

ヘマトクリット値の異常

血液検査の重要な項目の一つに、血液中の赤血球の割合を示すヘマトクリット値があります。 このヘマトクリット値が正常範囲から外れている場合は、体に何らかの異常が起きている可能性があります。

ヘマトクリット値が正常よりも高い状態を多血症と呼びます。これは、血液中の赤血球が増えすぎることで起こります。原因としては、発汗や下痢などによる脱水症状が挙げられます。体内の水分量が減ることで、相対的に血液中の赤血球の濃度が高くなってしまうのです。また、骨髄の病気で赤血球が過剰に作られることなども、多血症の原因となります。

一方、ヘマトクリット値が正常よりも低い状態を貧血と呼びます。これは、血液中の赤血球やヘモグロビンが減少することで起こります。貧血の原因は様々ですが、鉄分が不足することで起こる鉄欠乏性貧血や、ビタミンB12や葉酸の不足が原因で起こる巨赤芽球性貧血などがあります。

ヘマトクリット値は、健康状態を知る上で重要な指標となります。健康診断などで異常値が見つかった場合は、医療機関を受診し、医師の指示に従いましょう。

状態 説明 原因
多血症 ヘマトクリット値が正常より高い状態
血液中の赤血球が増えすぎる
・脱水症状(発汗、下痢など)
・骨髄の病気
貧血 ヘマトクリット値が正常より低い状態
血液中の赤血球やヘモグロビンが減少
・鉄欠乏性貧血(鉄分不足)
・巨赤芽球性貧血(ビタミンB12・葉酸不足)
・その他

まとめ

まとめ

健康診断の結果が届き、数値を見比べて一喜一憂する方も多いのではないでしょうか。今回は、数ある検査項目の中でも、血液の状態を把握する上で欠かせない「ヘマトクリット値」について解説していきます。

ヘマトクリット値とは、血液全体の中で赤血球が占める割合を示す数値です。赤血球は、全身に酸素を運搬する役割を担っています。そのため、ヘマトクリット値は貧血の診断や、脱水症状の有無、多血症などの病気を発見する手がかりとなります。

ヘマトクリット値が基準値より低い場合は、貧血が疑われます。息切れや動悸、顔色が悪いなどの症状が現れることがあります。貧血の原因は様々で、鉄分やビタミン不足、出血、骨髄の病気などが考えられます。

一方、ヘマトクリット値が高い場合は、脱水症状や多血症が疑われます。脱水症状は、激しい運動や発熱、下痢、嘔吐などで体内の水分が不足することで起こります。多血症は、赤血球が過剰に作られる病気で、血液がドロドロの状態になるため、血栓のリスクが高まります。

健康診断などでヘマトクリット値の異常を指摘された場合は、放置せずに医療機関を受診しましょう。医師の診察を受け、原因を突き止めた上で適切な検査や治療を受けることが大切です。

項目 説明 症状 原因
ヘマトクリット値が低い場合 貧血 息切れ、動悸、顔色が悪い 鉄分やビタミン不足、出血、骨髄の病気など
ヘマトクリット値が高い場合 脱水症状、多血症 激しい運動や発熱、下痢、嘔吐など
赤血球が過剰に作られる

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