免疫の番人!脾臓の役割とは?

血液

免疫の番人!脾臓の役割とは?

病院での用語を教えて

先生、「脾臓」って体のどこにあるんですか?あと、どんな働きをするんですか?

体の健康研究家

脾臓はね、お腹の左側、肋骨の下あたりにあるんだよ。ちょうど胃の近くだね。大きさは握りこぶしぐらいかな。

病院での用語を教えて

握りこぶしぐらいなんですね!そんなに小さいのに、何か大切な働きをするんですか?

体の健康研究家

そうなんだ!脾臓は、古くなった赤血球を壊したり、免疫の働きを助けるなど、体にとって重要な役割をしているんだよ。

脾臓とは。

「医学や健康の分野で使われる言葉である『脾臓』は、お腹の中にあるリンパ組織のひとつで、ひぞうとも呼ばれます。

脾臓の位置と構造

脾臓の位置と構造

人間の体には、それぞれ重要な役割を担う様々な臓器が存在しますが、今回は「脾臓」について詳しく解説していきます。脾臓は、握りこぶしほどの大きさで、重さは成人で約100~200グラムほどです。体の左上、肋骨の下あたりに位置し、胃の後ろに隠れるように、横隔膜のすぐ下にあります。この場所はちょうど第9肋骨から第11肋骨の高さにあたり、外部からの衝撃を受けにくい場所となっています。

脾臓の表面は、薄い膜である「被膜」で覆われています。被膜の内側には「脾髄」と呼ばれる組織があり、この脾髄こそが脾臓の機能の中心を担っています。脾髄は大きく「赤脾髄」と「白脾髄」の2つの領域に分けられます。赤脾髄は、脾臓の大部分を占めており、古くなった赤血球を壊したり、血液中の異物を取り除いたりする役割を担っています。一方、白脾髄は、リンパ球が集まっている場所で、免疫機能に大きく関わっています。具体的には、体内に侵入してきた細菌やウイルスなどの病原体に対する免疫反応を起こし、排除する役割を担っています。このように、脾臓は一見地味ながらも、私たちの健康を守るために重要な役割を担っている臓器と言えるでしょう。

項目 詳細
大きさ 握りこぶしほど (重さ: 約100~200グラム)
位置 体の左上、肋骨の下あたり (胃の後ろ、横隔膜のすぐ下)
第9肋骨~第11肋骨の高さ
構造 – 被膜:脾臓の表面を覆う薄い膜
– 脾髄:被膜の内側にある組織。脾臓の機能の中心
– 赤脾髄:古くなった赤血球の破壊、血液中の異物除去
– 白脾髄:リンパ球が集まる、免疫機能 (病原体への免疫反応、排除)
役割 – 古くなった赤血球の破壊
– 血液中の異物除去
– 免疫機能

リンパ球の基地:白脾髄

リンパ球の基地:白脾髄

私たちの体には、外部から侵入してくる細菌やウイルスなどの病原体から身を守る、巧妙な防御システムが備わっています。その中でも重要な役割を担っているのが、リンパ球と呼ばれる細胞です。リンパ球は、血液やリンパ液に乗って体内を巡回し、病原体を見つけると攻撃を仕掛けます。

リンパ球の中でも、特に重要な働きをするのがTリンパ球とBリンパ球です。そして、このTリンパ球とBリンパ球が集結しているのが、脾臓の中にある白脾髄と呼ばれる部分です。白脾髄は、例えるならばリンパ球の基地と言えるでしょう。

外部から侵入してきた病原体は、血液に乗って脾臓へと運ばれてきます。この時、白脾髄に待機していたリンパ球たちは、侵入者を察知すると、特定の病原体のみに反応するという、優れた能力を発揮します。そして、侵入してきた病原体を見つけると、攻撃を開始します。Bリンパ球は、抗体と呼ばれる、病原体に結合して無力化するタンパク質を作り出します。抗体は、まるでミサイルのように、標的とする病原体だけを攻撃します。

このように、白脾髄は、リンパ球という精鋭部隊の基地として、私たちの体を病気から守る最前線を担っているのです。

細胞 機能
リンパ球 体内に侵入する病原体を攻撃する
Tリンパ球 白脾髄に集結し、特定の病原体を攻撃する
Bリンパ球 白脾髄に集結し、抗体を作って特定の病原体を攻撃する

古くなった赤血球のお墓:赤脾髄

古くなった赤血球のお墓:赤脾髄

私たちの体の中を流れる血液中には、酸素を体の隅々まで運ぶ役割を担う赤血球がたくさん存在しています。健康な状態を保つためには、この赤血球が常に新しく作り替えられている必要がありますが、古くなった赤血球はどこでどのように処理されているのでしょうか?その役割を担うのが、脾臓の中の「赤脾髄」と呼ばれる場所です。

脾臓は握りこぶしほどの大きさの臓器で、左側の肋骨の下あたりに位置しています。この脾臓の大部分を占めているのが赤脾髄で、その名の通り、赤血球で満たされています。赤脾髄には、「マクロファージ」と呼ばれる掃除屋のような細胞が存在します。マクロファージは、体にとって不要になったものや、外部から侵入してきた細菌などを食べてしまう働きを持っています。赤脾髄では、このマクロファージが古くなった赤血球を見つけ出し、食べて分解するのです。

赤血球の寿命はおよそ120日といわれており、寿命を迎えると柔軟性を失い、赤脾髄で処理されます。マクロファージによって分解された赤血球は、無駄になることなく再利用されます。例えば、赤血球に含まれていた鉄分は、再び新しい赤血球を作るために骨髄へと送られます。また、赤血球の色素成分は、胆汁の成分として利用されます。このように、赤脾髄は古くなった血液細胞のリサイクルセンターとしての役割も担っているのです。

項目 内容
赤血球の役割 体中に酸素を運ぶ
赤血球の寿命 約120日
古くなった赤血球の処理場所 脾臓の中の赤脾髄
赤脾髄の役割 古くなった赤血球の分解とリサイクル
赤血球の分解担当 マクロファージ
分解後の鉄分の行方 骨髄に送られ、新しい赤血球の材料になる
分解後の色素成分の行方 胆汁の成分になる

血液の貯蔵庫としての役割

血液の貯蔵庫としての役割

私たちの体の中を流れる血液は、生命維持に欠かせない様々な役割を担っています。そして、血液を構成する成分の一つひとつにも、重要な役割があります。今回は、血液の貯蔵庫としての脾臓の役割について詳しく見ていきましょう。

脾臓は、握りこぶしほどの大きさの臓器で、左の肋骨の下あたりに位置しています。古くなった赤血球を壊す役割など様々な働きをしていますが、血液の貯蔵庫としての役割も担っています。

脾臓は、血液中の血小板の約3分の1を貯蔵しています。血小板は、血管が損傷して出血した際に、傷口に集まって血液を凝固させ、出血を止める働きをする、非常に重要な成分です。もしも、怪我などで大量の出血が起きた場合、脾臓は収縮し、貯蔵していた血小板を含む血液を循環血液中に送り出すことで、迅速な止血を助けるのです。

また、脾臓は赤血球も一定量貯蔵しています。赤血球は、全身に酸素を運搬する役割を担っています。激しい運動など、急激に酸素の需要が高まった際には、脾臓が収縮して貯蔵していた赤血球を血液中に放出することで、体の酸素需要に応えます。

このように、脾臓は、普段は血液中の血小板や赤血球を貯蔵しておくことで血液の量を調節し、大量出血や急激な酸素需要といった緊急時には、貯蔵していた血液を循環血液中に送り出すことで、体の状態を安定に保つ、重要な役割を担っているのです。

血液成分 脾臓の役割 緊急時の役割
血小板 約3分の1を貯蔵 大量出血時、収縮して血小板を放出し、迅速な止血を助ける
赤血球 一定量を貯蔵 激しい運動時など、酸素需要が高まった際に放出し、酸素需要に応える

脾臓の病気と摘出

脾臓の病気と摘出

私たちの体には、それぞれ重要な役割を持つ臓器が存在します。その中の一つである脾臓は、左の上腹部に位置し、握りこぶしほどの大きさをしています。普段はあまり意識することがないかもしれませんが、脾臓は血液を貯蔵したり、古くなった赤血球を壊したり、免疫機能を担ったりと、健康を維持するために重要な役割を果たしています。

しかし、さまざまな病気によって、この脾臓の機能が低下したり、腫れが生じたりすることがあります。例えば、脾臓が腫れて大きくなる脾腫、血液の流れが悪くなって組織が壊死する脾梗塞、細菌感染によって膿がたまる脾膿瘍など、様々な病気が知られています。また、交通事故など、お腹への強い衝撃によって脾臓が損傷を受けることもあります。

脾臓の機能が著しく低下したり、損傷が激しい場合には、手術によって脾臓を摘出することがあります。脾臓を摘出しても、肝臓などの他の臓器がその役割を補うため、通常は健康な生活を送ることができます。しかし、免疫機能は低下するため、肺炎などにかかりやすくなることがあります。そのため、脾臓摘出手術を受けた後は、肺炎球菌などのワクチン接種を受けて、感染症の予防に努めることが推奨されます。

項目 内容
大きさ・位置 握りこぶしほど
左上腹部
主な機能 ・血液の貯蔵
・古くなった赤血球の破壊
・免疫機能
脾臓の病気 ・脾腫(腫大)
・脾梗塞(血液の流れが悪くなる)
・脾膿瘍(膿がたまる)
・外傷による損傷
脾臓摘出後の影響 ・肝臓などが機能を代償
・免疫機能の低下による感染症リスク増加(肺炎など)
・ワクチン接種による感染症予防の推奨

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