身近な病気:貧血について
病院での用語を教えて
先生、『貧血』って、血液が減るってことですか?
体の健康研究家
いい質問だね! 血液の量が減るというよりは、血液の中で酸素を運ぶ役割の「ヘモグロビン」が減ってしまう状態を『貧血』と言うんだ。
病院での用語を教えて
ヘモグロビンが減ると、どうなるんですか?
体の健康研究家
ヘモグロビンは体中に酸素を届ける役割があるから、減ると体中が酸素不足になってしまうんだ。そうすると、疲れやすくなったり、息切れしたり、顔色が悪くなったりするんだよ。
貧血とは。
『貧血』っていうのは、簡単に言うと、血液の中で酸素を体の隅々まで運ぶ役割をしてくれる『ヘモグロビン』っていう成分が減ってしまった状態のことなんだ。体の中は、ヘモグロビンだけが酸素を運ぶことができるから、貧血になると、酸素不足で体中のいろんな部分がうまく動けなくなってしまうんだ。
貧血とは
– 貧血とは貧血とは、血液中のヘモグロビン濃度が低下した状態を指します。 ヘモグロビンは、血液の中で赤い色をした細胞、赤血球の中に存在し、体中に酸素を運ぶという重要な役割を担っています。 私たちの体は、呼吸によって取り込んだ酸素を、血液中のヘモグロビンによって全身の細胞に送り届け、活動するためのエネルギーを作り出しています。 つまり、貧血になると、体全体に十分な酸素が行き渡らなくなり、様々な症状が現れる可能性があります。例えば、体がだるい、疲れやすい、顔色が悪い、動悸がする、息切れがする、めまいがする、頭痛がする、耳鳴りがする、食欲がない、爪が割れやすい、などです。 これらの症状は、貧血以外の病気でも起こることがありますので、注意が必要です。貧血には、大きく分けて3つの種類があります。一つ目は、赤血球が壊れやすくなることで起こる貧血、二つ目は、赤血球を作るのに必要な栄養素が不足することで起こる貧血、三つ目は、骨髄での赤血球の生産が減少することで起こる貧血です。 貧血の原因は様々ですが、最も多いのは鉄分の不足によるものです。 鉄分は、赤血球の中のヘモグロビンを作るために欠かせない栄養素です。貧血が疑われる場合は、医療機関を受診し、血液検査を受けましょう。 貧血と診断された場合は、その原因や症状に応じて、鉄剤の服用や食事療法などの治療が行われます。
項目 | 説明 |
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貧血とは | 血液中のヘモグロビン濃度が低下した状態 |
ヘモグロビンの役割 | 赤血球の中に存在し、体中に酸素を運ぶ |
貧血の症状 |
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貧血の種類 |
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貧血の原因 | 鉄分の不足、その他 |
貧血の検査 | 血液検査 |
貧血の治療 | 鉄剤の服用、食事療法など |
貧血の症状
貧血とは、血液中の赤血球が減少し、体全体に十分な酸素を送り届けることができなくなる状態です。症状は、貧血の程度や進行の速さ、個人の体力などによって大きく異なります。
軽い貧血の場合、自覚症状がないことも少なくありません。しかし、進行すると様々な症状が現れ始めます。代表的な症状としては、顔色が青白くなる、息切れがする、心臓がドキドキする、めまいがする、疲れやすい、だるさを感じるなどがあります。
さらに貧血が進むと、頭痛、耳鳴り、食欲不振、吐き気なども現れることがあります。また、心臓に負担がかかるため、動悸や息切れが悪化したり、足のむくみがみられることもあります。
重症化すると、意識障害や心不全などを引き起こす可能性もあるため、注意が必要です。貧血の症状を感じたら、自己判断せずに医療機関を受診し、適切な検査や治療を受けるようにしましょう。
貧血の程度 | 症状 |
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軽度 | 自覚症状がないことも |
中等度 |
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重度 |
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貧血の原因
貧血は、血液中の赤血球の数が減少したり、赤血球に含まれるヘモグロビンというたんぱく質が減少することで起こります。 大きく分けて、体内で新しい赤血球が作られる量が減ってしまう場合、赤血球が壊される量が増えすぎてしまう場合、そして出血によって赤血球が失われてしまう場合の3つのタイプに分類されます。
まず、赤血球の産生が減少する原因としては、材料となる鉄分が不足することが挙げられます。鉄分は、食事から摂取する必要がありますが、偏った食生活や胃腸の病気などによって吸収が阻害されることがあります。また、ビタミンB12や葉酸も、赤血球の産生に欠かせない栄養素です。これらのビタミンが不足すると、正常な赤血球が作られず、貧血を引き起こします。
次に、赤血球の破壊が亢進する原因としては、自己免疫疾患などが挙げられます。自己免疫疾患では、自分の免疫システムが誤って自分の赤血球を攻撃してしまうため、赤血球が壊れやすくなってしまいます。
最後に、出血による貧血は、怪我や手術による明らかな出血だけでなく、胃潰瘍や痔などによる慢性的な出血でも起こることがあります。このような場合は、貧血の症状だけでなく、原因となる病気の治療も必要となります。
さらに、女性では、月経、妊娠、出産、授乳など、ライフステージの変化に伴い、鉄分の需要が増加します。そのため、普段から鉄分をしっかりと摂取することが重要です。
貧血の分類 | 原因 | 詳細 |
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赤血球の産生減少 | 鉄分不足 | 偏った食生活や胃腸の病気で鉄分の吸収が阻害される。 |
ビタミンB12・葉酸不足 | これらのビタミン不足は正常な赤血球産生を阻害する。 | |
赤血球の破壊亢進 | 自己免疫疾患 | 免疫システムが自身の赤血球を誤って攻撃し破壊する。 |
出血 | 明らかな出血 | 怪我や手術による出血。 |
慢性的な出血 | 胃潰瘍や痔などによる。 |
貧血の検査
– 貧血の検査貧血とは、血液中の赤い色素であるヘモグロビンが減少し、全身に十分な酸素を運べなくなる状態を指します。この状態を診断するために、血液検査が重要な役割を果たします。血液検査では、まずヘモグロビン濃度を測定します。ヘモグロビンは赤血球の中に含まれており、酸素と結合して全身に酸素を運ぶ役割を担っています。この値が低い場合は、貧血の可能性が高いと言えます。さらに、血液中の赤血球が占める割合を示すヘマトクリット値や、赤血球の数を直接調べる赤血球数も測定します。これらの検査結果を総合的に判断することで、貧血の程度を把握することができます。貧血には、その原因によって様々な種類があります。貧血の原因を探るためには、血清鉄やフェリチンといった、体内の鉄の状態を調べる検査が有効です。鉄はヘモグロビンを作るために欠かせない栄養素であるため、鉄不足が貧血の原因となっている場合もあります。また、ビタミンB12や葉酸もヘモグロビンの生成に関わっており、これらの栄養素が不足することによって起こる貧血もあります。さらに、場合によっては骨髄の働きを調べる骨髄検査を行うこともあります。骨髄は血液細胞が作られる場所であるため、骨髄の異常によって貧血が引き起こされる場合もあるためです。このように、貧血の検査では血液検査が基本となり、その結果に基づいてさらに詳しい検査が行われることもあります。これらの検査を通して貧血の原因を特定し、適切な治療法を選択していくことが重要です。
検査項目 | 説明 |
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ヘモグロビン濃度 | 赤血球に含まれるヘモグロビンの量を測定。酸素運搬能を反映。 |
ヘマトクリット値 | 血液中に占める赤血球の割合。 |
赤血球数 | 血液中の赤血球の数を測定。 |
血清鉄 | 血液中の鉄の量を測定。 |
フェリチン | 体内に貯蔵されている鉄の量を反映。 |
ビタミンB12 | ビタミンB12の量を測定。ヘモグロビン生成に必要。 |
葉酸 | 葉酸の量を測定。ヘモグロビン生成に必要。 |
骨髄検査 | 骨髄の働きを調べる。血液細胞の産生異常を検出。 |
貧血の治療
貧血の治療は、その原因や症状の重さによって異なってきます。貧血とは、血液中の赤い色素であるヘモグロビンが減少し、全身に十分な酸素を供給できない状態を指します。
最も一般的な貧血の原因は、鉄不足です。鉄はヘモグロビンの重要な構成成分であり、不足するとヘモグロビンがうまく作られなくなります。鉄欠乏性貧血の場合、鉄剤を服用することで治療します。鉄剤は、食事から摂取するよりも効率的に鉄を補給することができます。
鉄不足以外にも、ビタミンB12や葉酸の不足、骨髄の病気、慢性的な病気などが貧血の原因となることがあります。ビタミンB12や葉酸が不足している場合は、サプリメントの服用や注射で治療を行います。これらのビタミンは、鉄と同様にヘモグロビンの生成に欠かせない栄養素です。
貧血の原因が他の病気である場合は、その病気の治療が優先されます。例えば、慢性腎臓病が原因で貧血になっている場合は、腎臓病の治療を行うことで貧血の改善も期待できます。
貧血の症状が重い場合は、輸血が必要になることもあります。輸血は、不足している赤血球を直接補充することで、速やかに症状を改善することができます。
貧血は、適切な治療を行えば改善する病気です。貧血の症状がある場合は、自己判断せずに医療機関を受診し、適切な検査や治療を受けるようにしましょう。
貧血の原因 | 治療法 |
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鉄不足 | 鉄剤の服用 |
ビタミンB12不足 | サプリメントの服用や注射 |
葉酸不足 | サプリメントの服用や注射 |
骨髄の病気 | 原因となる病気の治療 |
慢性的な病気 | 原因となる病気の治療 |
貧血の症状が重い場合 | 輸血 |
貧血の予防
貧血は、血液中の赤い色素であるヘモグロビンが減少することで、体全体への酸素供給が滞ってしまう状態を指します。酸素不足に陥るため、動悸、息切れ、顔面蒼白、疲労感といった症状が現れます。
貧血を予防するために、まず心がけたいのが毎日の食事です。
栄養バランスのとれた食事を摂るように意識しましょう。
特に重要な栄養素が鉄分です。鉄分は、ヘモグロビンを作るために欠かせない栄養素です。鉄分を多く含む食品としては、レバー、赤身の肉、魚、貝類、大豆製品などが挙げられます。
鉄分の吸収率を高めるためには、ビタミンCを一緒に摂取すると効果的です。ビタミンCを豊富に含む果物や野菜を食事に取り入れましょう。
反対に、鉄分の吸収を妨げる働きがあるタンニンを含む飲み物には注意が必要です。
タンニンは、お茶やコーヒーなどに多く含まれています。
これらの飲み物を食事と一緒に摂る場合は、量を控えめにしたり、食後時間を空けてから飲むようにするなどの工夫を心がけましょう。
また、過度なダイエットは鉄分不足を招き、貧血を引き起こす可能性があります。
健康的な食生活を維持するためにも、無理のないダイエットを心がけましょう。
さらに、定期的に健康診断を受けることで、貧血の早期発見に繋げることができます。
貧血予防のポイント | 詳細 |
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食事 |
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ダイエット | 過度なダイエットを避け、無理のない範囲で行う |
健康診断 | 定期的に受診し、早期発見に努める |