総合健康ガイド

血液

健康の鍵、血糖値を理解する

- 血糖値とは血糖値とは、血液中に含まれるブドウ糖の濃度のことです。ブドウ糖は、私たちが体を動かすための大切なエネルギー源です。食事から摂取したご飯やパン、麺類などの炭水化物は、体内でブドウ糖に分解されます。その後、ブドウ糖は腸から吸収され、血液中に溶け込みます。そして、血液の流れに乗って全身の細胞に届けられ、エネルギー源として利用されます。 この血液中のブドウ糖の濃度を測ることで、体内のエネルギー状態を把握することができます。血糖値は、健康状態や食事、運動などの影響を受けて常に変化しています。食後などのように血液中のブドウ糖濃度が高くなった状態を「高血糖」、空腹時などのように血液中のブドウ糖濃度が低くなった状態を「低血糖」といいます。 血糖値は、健康を維持するために非常に重要です。血糖値が慢性的に高くなる状態が続くと、糖尿病などの生活習慣病のリスクが高まります。また、急激な血糖値の上昇や低下は、様々な体の不調につながる可能性があります。健康的な生活を送るためには、バランスの取れた食事や適度な運動を心がけ、血糖値を適切な範囲に保つことが大切です。
消化器

隠れた危険信号?肝脾腫について解説

- 肝臓と脾臓の腫れ肝脾腫とは肝脾腫とは、体の右側上腹部にある肝臓と、左側上腹部にある脾臓の両方が腫れている状態を指します。それぞれの臓器の役割と、腫れが生じる原因について詳しく見ていきましょう。-# 重要な役割を担う肝臓肝臓は、体の右側上腹部、肋骨の下に位置する、人体の中で最大の臓器です。その働きは多岐にわたり、栄養分の分解と合成、胆汁の生成、アルコールや薬物などの解毒、血液の貯蔵など、生命維持に欠かせない役割を担っています。-# 免疫と血液に関わる脾臓脾臓は、体の左側上腹部、肋骨の下、胃の近くに位置する臓器です。血液中の老廃物や古くなった赤血球をろ過して破壊する役割や、免疫機能において重要な役割を担っています。具体的には、リンパ球という免疫細胞を生成し、細菌やウイルスなどの病原体から体を守る働きをしています。-# 肝脾腫の原因肝臓と脾臓は、それぞれ異なる役割を担っていますが、共通して、様々な病気によって腫れが生じることがあります。肝臓の病気では、ウイルス性肝炎、アルコール性肝障害、脂肪肝などが挙げられます。脾臓の病気では、感染症、血液疾患、自己免疫疾患などが挙げられます。肝脾腫は、これらの病気の症状の一つとして現れることが多く、腫れの程度や原因によって、自覚症状や治療法が異なります。そのため、肝臓や脾臓の腫れを感じたら、自己判断せずに医療機関を受診し、適切な検査を受けることが重要です。
看護技術

皮膚排泄ケア:看護師の重要な役割

- 皮膚排泄ケアとは皮膚排泄ケアとは、皮膚のトラブルや排泄に関するケア全般を指します。具体的には、寝たきりなどによって体重がかかる部分が圧迫されてしまうことで起こる床ずれや、怪我などによって皮膚が傷ついた状態である創傷、手術によって腹部に作られた人工肛門や人工膀胱であるストーマ、そして、自分の意思とは関係なく尿や便が漏れてしまう失禁などが挙げられます。これらの症状は、患者さん自身の生活の質を大きく左右する可能性があります。例えば、床ずれや創傷があると痛みを伴うだけでなく、そこから細菌が入り込み、感染症を引き起こす可能性もあります。また、ストーマや失禁は、患者さんに精神的な苦痛や恥ずかしさを感じさせてしまう可能性があります。看護師は、患者さんがこれらの症状を抱えながらも、できるだけ快適に過ごせるように、適切なケアを提供する必要があります。具体的には、床ずれや創傷の予防と治療、ストーマの管理、失禁のケアなどを行います。これらのケアを通して、患者さんの身体的な負担を軽減するだけでなく、精神的なサポートも行うことが重要です。皮膚排泄ケアは、患者さんの尊厳を守り、その人らしい生活を支える上で非常に重要な役割を担っています。

副腎皮質ステロイド:体の調節役

- 副腎皮質ステロイドってどんなホルモン? 副腎皮質ステロイドは、私たちの体にとってなくてはならない、とても大切なホルモンです。このホルモンは、腎臓のすぐ上にある副腎という臓器で作られます。副腎は小さな臓器ですが、体にとって重要なホルモンをいくつか分泌しています。その中でも、副腎の外側の部分を副腎皮質といいますが、副腎皮質ステロイドはこの副腎皮質で作られます。 副腎皮質ステロイドは、体の中の様々な働きを調整するという重要な役割を担っています。例えば、体のエネルギーの使い方をコントロールしたり、免疫の働きを調整したりしています。また、ストレスに対抗する力にも深く関わっています。 副腎皮質ステロイドは、その働きによってさらに細かく分類されます。主なものとしては、糖質コルチコイド、鉱質コルチコイド、男性ホルモンの3つがあります。糖質コルチコイドは、血糖値やエネルギー代謝に関わっています。鉱質コルチコイドは、体内の水分や塩分のバランスを保つ働きをしています。男性ホルモンは、男性らしい体を作る働きをするホルモンですが、女性でも少量分泌されています。 このように、副腎皮質ステロイドは私たちの体が健康な状態を保つために、非常に重要な役割を果たしています。
消化器

ヘルニアの種類:仮性ヘルニアとは

多くの人が経験するであろう「お腹の病気」。その中でも、今回は「ヘルニア」についてお話していきましょう。 「ヘルニア」と聞いても、一体どのような病気なのか、想像がつきにくい方もいらっしゃるかもしれません。 簡単に説明すると、私たちの体は、筋肉や組織で構成されており、それぞれの場所に収まることで、正常に機能しています。しかし、何らかの原因で、本来あるべき場所から組織の一部が飛び出してしまった状態が「ヘルニア」です。 飛び出す場所や原因によって、様々な種類のヘルニアがありますが、今回はその中でも「仮性ヘルニア」に焦点を当てて解説していきます。 「仮性ヘルニア」とは、一体どのような症状なのでしょうか? 一体何が原因で起こるのでしょうか? この後の章では、「仮性ヘルニア」の症状や原因、治療法などについて詳しく解説していきますので、ぜひ最後までお読みください。
資格・職種

医師の右腕となるか?:フィジシャンアシスタント

- フィジシャンアシスタントとはフィジシャンアシスタント(PA)は、医師の監督の下で働く医療専門職です。彼らは、医師の指示を受けながら、幅広い医療行為を行うことができます。具体的には、診察、診断、治療、手術の補助、薬の処方など、医師の業務の約8割をカバーすることができます。 PAは、医師と密接に連携し、チームの一員として医療を提供します。彼らは、医師の指示に従って、患者の病状の評価、診断テストの実施、治療計画の立案などを行います。また、患者やその家族に対して、健康状態や治療法について説明する役割も担います。 PAは、医師の負担を軽減し、医療の質を向上させるために重要な役割を担っています。特に、医師不足が深刻化する地域において、PAは医療アクセスを改善するための有効な手段として期待されています。アメリカでは、すでに多くの医療機関でPAが活躍しており、その数は年々増加しています。日本でも、PAの導入が検討されており、今後の医療現場における重要な担い手となることが期待されています。
食生活

健康に良い魚油の秘密

- 魚油とは魚油とは、イワシやサバといった背の青い魚を煮て、その脂肪分から取り出した油のことです。魚独特のにおいを持つものが一般的ですが、においを抑えた精製されたものも販売されています。近年では健康食品として注目され、カプセルや液体、粉末など様々な形状で販売されており、手軽に摂取できることから人気を集めています。魚油に多く含まれている成分として、DHAやEPAといった多価不飽和脂肪酸が挙げられます。DHAは脳の働きを活性化させ、記憶力や学習能力の向上に効果が期待できると言われています。また、EPAには血液をサラサラにする効果があり、動脈硬化や心筋梗塞などの生活習慣病の予防効果も期待できます。魚油は、これらの健康効果から、生活習慣病の予防や改善、脳の健康維持など様々な目的で利用されています。しかし、魚油は医薬品ではありません。あくまで健康食品であるため、その効果や効能には個人差があり、過剰摂取は体に悪影響を及ぼす可能性もあることを理解しておく必要があります。摂取量については、商品に記載されている用法・用量を守るか、医師や薬剤師に相談するようにしましょう。
消化器

体の中心を探る:腹腔とその役割

私たちの体は、まるで精巧に組み合わされたパズルのように、様々な器官や組織が複雑に組み合わさって成り立っています。その中でも、腹腔は、体の中心部に位置する重要な空間です。ちょうど肋骨の下、胸部との境界には横隔膜と呼ばれる薄い筋肉の膜があり、これが呼吸に合わせて上下に動くことで、肺に空気を入れたり出したりするのを助けています。腹腔は、この横隔膜から骨盤腔まで広がる、まるで体の中心に設けられた舞台のような空間です。 この舞台の上では、様々な臓器がそれぞれ重要な役割を演じています。例えば、食べ物を消化・吸収する胃や腸、栄養分を貯蔵したり、有害な物質を解毒する肝臓、血液をろ過して老廃物を除去する腎臓など、生命維持に欠かせない臓器が数多く存在しています。 さらに、腹腔はこれらの臓器を保護する役割も担っています。腹腔の壁は、筋肉や脂肪組織などで構成されており、外部からの衝撃から臓器を守っています。また、腹腔内には腹膜と呼ばれる薄い膜があり、臓器同士が摩擦を起こさないよう、潤滑油のような役割を果たしています。このように、腹腔は私たちの体が正常に機能するために無くてはならない、まさに「体の重要な空間」と言えるでしょう。
救急

広域搬送拠点臨時医療施設:災害医療の重要な中継点

大規模な災害が発生すると、被災地では同時に多数の怪我人や病人が発生し、地域の医療機関だけでは対応しきれない事態に陥ることがあります。このような場合、被災地外の医療機関へ患者を搬送する広域搬送が重要となります。しかし、被災地から適切な医療を受けられる病院まで、直接搬送するには距離が離れている場合や、搬送先の病院の受け入れ態勢が整っていない場合も考えられます。 そこで、広域搬送をスムーズに行うための重要な中継地点として、広域搬送拠点臨時医療施設(SCU)が設置されます。SCUは、被災地から搬送されてきた患者さんの状態に応じて、応急処置や手術などを行います。そして、患者の容態が安定した段階で、ヘリコプターや飛行機などを使い、より専門的な治療を受けられる、設備の整った病院へ患者を搬送します。 SCUには、医師や看護師、薬剤師などの医療従事者の他、搬送コーディネーターや事務スタッフなど、多くの人がそれぞれの専門性を活かして活動しています。 このように、SCUは、災害時における広域搬送を支える、非常に重要な役割を担っています。
その他

コルチゾールの過剰分泌:クッシング症候群とは

- クッシング症候群の概要クッシング症候群は、体内でコルチゾールというホルモンが過剰に分泌されることで引き起こされる病気です。コルチゾールは、ストレスに対処したり、血糖値を調整したり、免疫機能を正常に保ったりと、私たちの体にとって非常に重要な役割を担っています。しかし、コルチゾールが過剰になると、様々な体の機能に影響を及ぼし、健康上の問題を引き起こす可能性があります。クッシング症候群は、副腎という臓器でコルチゾールが過剰に作られる場合と、脳の下垂体という部分から副腎を刺激するホルモンが過剰に分泌される場合、そして、ステロイド薬の長期使用によって引き起こされる場合があります。クッシング症候群の症状は、体重増加、特に腹部や顔面への脂肪の蓄積、高血圧、筋肉の衰え、皮膚の赤ら顔、紫色の線状の皮膚病変、骨粗鬆症、糖尿病、感染症のリスク増加など、多岐にわたります。また、うつ病や不安症などの精神的な症状が現れることもあります。クッシング症候群の診断には、尿検査、血液検査、画像検査など、いくつかの検査が行われます。治療法としては、コルチゾールの分泌を抑える薬物療法、手術、放射線療法などがあります。治療法は、クッシング症候群の原因や症状の程度によって異なります。クッシング症候群は、早期に発見して適切な治療を行えば、症状を改善できる可能性があります。気になる症状がある場合は、早めに医療機関を受診することが大切です。
消化器

命に関わることも!消化管穿孔とは?

消化管穿孔とは、食べ物を消化・吸収する器官である胃や小腸、大腸などに穴が空いてしまう病気です。消化管は、口から摂取した食べ物を体内に吸収しやすい形に分解し、栄養を吸収するための重要な役割を担っています。 通常、消化管の内側は、粘膜と呼ばれる薄い膜で覆われており、胃酸や消化酵素などによる自己消化から保護されています。しかし、様々な要因によってこの粘膜が損傷を受けると、消化管に穴が空いてしまうことがあります。これが消化管穿孔です。 消化管に穴が空くと、本来は消化管の中にあるべき食べ物や消化液、細菌などが腹腔内に漏れ出してしまいます。腹腔内は本来無菌状態であるため、これらの異物が侵入すると、激しい炎症反応が起こります。これが腹膜炎です。腹膜炎は、放置すると全身に感染が広がり、敗血症や多臓器不全を引き起こし、命に関わる危険な状態となることもあります。 消化管穿孔は、緊急手術が必要となる場合が多く、早期の診断と治療が重要です。そのため、腹痛や発熱などの症状がある場合は、速やかに医療機関を受診する必要があります。
資格・職種

新人看護師の支え!エルダーナースの役割と重要性

- エルダーナースとは?病院勤務の看護師として、誰もが経験する新人時代。慣れない環境、初めての実務、責任の重さ、人間関係など、多くの不安や困難を抱える時期でもあります。そんな新人看護師たちが、一日も早く職場に馴染み、自信を持って看護業務に取り組めるよう、豊富な経験と高い知識を活かして、新人看護師を支える存在、それがエルダーナースです。エルダーナースは、新人看護師にとって、いわば頼れる先輩であり、相談相手です。新人看護師一人ひとりに密着し、指導を行うプリセプターをサポートする役割も担います。プリセプターが、指導に集中できる環境を整えたり、指導内容について共に検討したりすることで、より効果的な新人教育を実現します。また、エルダーナースは、新人看護師が抱える様々な不安や悩みに寄り添い、解決に向けた助言や指導を行います。医療現場で起こる問題や、人間関係の悩みなど、どんな些細なことでも親身になって相談に乗ることで、新人看護師の不安を和らげ、精神的な支えとなります。長年培ってきた経験と知識、そして温かい心で新人看護師を支えるエルダーナースは、病院全体の看護の質向上にも大きく貢献しています。新人看護師が、将来、エルダーナースのような、頼りになる存在へと成長していくためのかけがえのない役割を担っていると言えるでしょう。

アセトン: 体内のケトン体と呼気

- アセトンとはアセトンは、物質を構成する最小単位である分子が、炭素原子3つ、水素原子6つ、酸素原子1つが結合してできた化合物です。この構造を持つ物質はケトンと呼ばれるグループに分類され、アセトンはその中でも最も単純な構造を持つ物質です。常温では、無色透明で、揮発性の高い液体として存在します。揮発性が高いということは、空気中に放置しておくと、液体から気体に状態変化しやすいという意味です。そのため、アセトンは特徴的な甘い匂いを放ちます。アセトンは、私たちの身の回りで様々な用途に利用されています。その中でも代表的なものが、マニキュアの除光液です。マニキュアの主成分であるニトロセルロースはアセトンによく溶ける性質を持っているため、アセトンを含ませた脱脂綿で爪を拭くことで、マニキュアを落とすことができるのです。また、アセトンは塗料や接着剤の溶剤としても広く使用されています。塗料や接着剤に含まれる樹脂を溶かして、扱いやすくしたり、乾燥を早める効果があります。その他にも、プラスチックや合成繊維の製造過程など、工業分野でも幅広く利用されています。しかし、アセトンは引火性が高いため、取り扱いには十分な注意が必要です。火気のある場所で使用したり、保管する場合は、換気を十分に行い、火の気のない場所を選びましょう。また、目や皮膚に触れると刺激があるため、使用時は保護メガネや手袋を着用するなど、適切な対策を心がけましょう。
消化器

肝膿瘍治療のキホン:経皮経肝膿瘍ドレナージとは?

- 肝臓に膿が溜まる病気、肝膿瘍の治療肝臓に膿が溜まる病気、肝膿瘍は、かつては外科手術で膿を取り除くのが主流でした。しかし近年、体に負担の少ない治療法として、経皮経肝膿瘍ドレナージ(PTAD)が広く行われるようになっています。PTADは、皮膚を小さく切開し、肝臓まで針を刺して膿を排出する治療法です。具体的には、超音波やCTなどの画像診断装置を用いながら、肝臓内の膿瘍に正確に針を刺します。そして、膿を体外に排出するための細い管(ドレーン)を留置します。ドレーンは、膿が排出されなくなるまで、数日から数週間、挿入されたままになります。PTADは、外科手術に比べて、入院期間が短く、体への負担が少ないことから、多くの患者さんにとって第一選択となる治療法となっています。また、高齢者や合併症のある患者さんなど、外科手術が難しい場合にも、有効な治療法となります。しかし、PTADが適応とならない場合もあります。例えば、膿瘍が大きく、PTADだけでは十分に膿を排出できない場合や、膿瘍が胆管や血管と複雑に絡み合っている場合は、外科手術が必要となることがあります。肝膿瘍の治療法は、患者さんの状態や膿瘍の大きさ、位置などによって異なります。そのため、医師とよく相談し、最適な治療法を選択することが重要です。
資格・職種

新人看護師を支える制度:プリセプターシップ

- プリセプターシップとは病院などの医療現場では、新しい仲間を迎える際に、新人看護師に対して先輩看護師がマンツーマンで指導や教育を行う制度があります。これをプリセプターシップと呼びます。看護師として働き始めたばかりの頃は、学生時代の病院実習とは異なる現場の厳しさや責任の重さに戸惑い、不安を感じることが少なくありません。慣れない環境、初めてのことばかりで、緊張の毎日を送る中で、プリセプターと呼ばれる先輩看護師は、新人看護師の不安を取り除き、安心して仕事ができるよう、親身に寄り添いサポートする役割を担います。プリセプターシップの目的は、単に病院の業務を教えることだけではありません。新人看護師が、医療現場で働く者としての責任感や倫理観を育み、患者さん一人ひとりに寄り添うことのできる、思いやりのある看護師として成長していくために必要な知識や技術を、時間をかけて丁寧に指導していくことを大切にしています。プリセプターシップを通して、新人看護師は安心して仕事に慣れ、一日も早く一人前の看護師として活躍できるよう、知識や技術を習得していきます。そして、この制度は、先輩看護師にとっても、後輩を指導することで自身の看護技術や指導方法を見つめ直し、成長を促す機会となっています。
外科

甲状腺がん:知っておきたい基礎知識

- 甲状腺がんとは喉仏の下あたりにある、蝶のような形をした甲状腺という臓器をご存知でしょうか。この甲状腺は、体の代謝を調整するホルモンを分泌するという、とても大切な役割を担っています。 甲状腺がんとは、この甲状腺に発生するがんのことを指します。甲状腺がんは、他の臓器のがんと比較して比較的まれながんですが、近年増加傾向にあります。 特に、20歳代から40歳代の女性に多く見られるのも特徴の一つです。甲状腺がんは、進行が遅く、早期に発見し適切な治療を行えば、治癒率の高いがんとしても知られています。 しかし、進行すると、声のかすれや呼吸困難などの症状が現れることがあります。 また、まれに、骨や肺などに転移することもあります。甲状腺がんの主な治療法は、手術療法、放射線療法、薬物療法などです。 治療法は、がんの進行度や患者さんの状態によって異なります。甲状腺がんは、早期発見、早期治療が非常に重要です。 定期的な健康診断や、首にしこりなどを感じた場合には、速やかに医療機関を受診するようにしましょう。
看護技術

駆風浣腸:ガス抜きのメカニズムと効果

- 駆風浣腸とは駆風浣腸とは、おしりにある肛門という穴から腸の中に管を入れ、空気やガスを送り込むことで、腸内に溜まったガス、つまり「おなら」を外に出す医療行為です。 「ガス抜き」とも呼ばれ、お腹の張りや不快な感覚を和らげる効果があります。便秘の解消にも役立ちますが、主な目的は腸内に溜まったガスを排出することで、そのガスによって引き起こされる症状を和らげることです。 具体的には、お腹の張りや痛み、不快感などが軽減されます。また、腸内のガスが原因で起こる吐き気や嘔吐を抑える効果も期待できます。駆風浣腸は、主に医療機関で行われます。 これは、肛門や腸に傷をつけずに安全に管を挿入し、適切な量の空気やガスを送り込むためには、専門的な知識と技術が必要となるからです。 自己流で行うことは危険ですので、必ず医師の指導のもとで行ってください。
看護技術

看護におけるメンター制度:新人育成の鍵

- メンター制度とはメンター制度とは、新しく組織に迎え入れた人材に対して、経験豊富な先輩社員がマンツーマンで指導や相談に応じる制度のことです。 特に、看護師の世界では、新人看護師が安心して病院業務に慣れ、一人前の看護師として成長していくために重要な役割を担っています。従来の新人教育は、配属された部署の上司が、業務の指導や評価を行うことが一般的でした。しかし、メンター制度では、上司とは別に、指導や相談役となる先輩看護師である「メンター」が、新人看護師である「メンティー」に対して、業務の指導だけでなく、精神的なサポートも行います。メンターは、メンティーの個性や強みを理解し、それぞれのペースに合わせて成長を促します。メンティーは、業務上の疑問や不安を気軽に相談できるため、安心して業務に取り組むことができます。メンター制度を導入することで、新人看護師の離職率の低下や、早期の戦力化、組織への定着率の向上などが期待できます。また、メンター自身も、指導を通して自身のスキルや経験を見つめ直す良い機会となり、指導力やコミュニケーション能力の向上につながります。さらに、メンターとメンティーがお互いを支え合う関係性を築くことで、職場のコミュニケーションが活性化し、より働きやすい環境が生まれます。
食生活

プリン体と健康

- プリン体とはプリン体とは、私たちの体の設計図ともいえる遺伝情報を持つDNA(デオキシリボ核酸)やRNA(リボ核酸)といった核酸を構成する物質の一つです。DNAは細胞の核の中にあり、遺伝情報を担う重要な物質です。一方、RNAはDNAの遺伝情報を元にタンパク質を合成する役割を担っています。つまり、プリン体は遺伝情報を伝える物質の材料と言えるでしょう。また、プリン体はエネルギー源として知られるATP(アデノシン三リン酸)やGTP(グアノシン三リン酸)の材料にもなります。ATPは、体内のあらゆる活動に使われるエネルギーの貯蔵・運搬を担っています。呼吸や運動、体温維持など、生命活動のほぼ全てにATPが関わっていると言っても過言ではありません。GTPも細胞内の情報伝達やタンパク質の合成など重要な役割を担っており、プリン体はこれらのエネルギー代謝にも深く関わっています。このプリン体は、体内で合成されるだけでなく、私たちが毎日食べる食物からも摂取されます。そのため、プリン体を多く含む食品を摂りすぎると、体内のプリン体濃度が高まり、健康に影響を与える可能性があります。具体的には、プリン体が分解される過程で尿酸が作られ、尿酸が体内に過剰に蓄積されると、痛風のリスクが高まるとされています。
消化器

内視鏡で黄疸を治療するERBDとは

私たちの体で、食べ物の消化を助ける胆汁という液体は、肝臓で作られ、胆管という管を通って十二指腸へと送られます。胆汁は特に脂肪の消化に重要な役割を果たしています。しかし、胆石や腫瘍などの原因で、胆管が狭くなったり、詰まったりすることがあります。これを胆道閉塞と呼びます。 胆道閉塞が起こると、胆汁が十二指腸へスムーズに流れなくなり、血液中に逆流してしまうことがあります。胆汁にはビリルビンという黄色い色素が含まれており、血液中のビリルビン濃度が高くなると、皮膚や白目が黄色く変色する黄疸という症状が現れます。 つまり、胆道閉塞は黄疸の主な原因の一つと言えるのです。 黄疸は、胆道閉塞以外にも、肝臓の病気や血液の病気などでも起こることがあります。そのため、黄疸の症状が見られた場合は、自己判断せずに、医療機関を受診し、適切な検査を受けることが重要です。そして、胆道閉塞と診断された場合は、その原因や重症度に応じて、適切な治療を受ける必要があります。
資格・職種

災害医療の最前線!トリアージナースの役割とは?

- トリアージナースとは? トリアージナースとは、大規模な事故や災害、あるいは多くの傷病者が搬送されてくる状況下で、その場にいる医療従事者の一員として、治療の順番を決める役割を担う看護師のことです。 事故や災害の現場は、一度に多くの人が怪我を負い、病院に搬送されてくるため、病院内は大変な混乱状態となります。このような状況では、限られた医療資源(医師や看護師、ベッドの数など)の中で、一人でも多くの命を救うために、治療の緊急度が高い人から優先的に治療を行う必要があります。 そこで、トリアージナースは、傷病者の症状や状態を素早く観察し、的確な判断力と冷静な対応力を持って、治療の優先順位を決定していきます。一刻を争う緊迫した状況下で、冷静かつ迅速な判断が求められる、非常に責任の重い仕事です。
産婦人科

絆を深めるホルモン:オキシトシン

- オキシトシンとはオキシトシンは、人間の脳の中心部にある視床下部と呼ばれる場所で生成され、脳の下方にある下垂体後葉から分泌されるホルモンです。ホルモンは、体内の特定の器官や組織に向けてメッセージを伝える役割を担っています。オキシトシンは9個のアミノ酸が連なってできたペプチドホルモンと呼ばれる種類に分類され、その構造は1953年に初めて解明されました。オキシトシンという名前は、ギリシャ語で「速い出産」を意味する言葉に由来しています。その名の通り、オキシトシンは出産時の子宮の収縮を促し、分娩をスムーズに進めるために重要な役割を果たしています。また、出産後には乳腺を刺激し、母乳の分泌を促す働きもあります。オキシトシンは、母親と赤ちゃんの絆を深めるホルモンとしても知られており、「愛情ホルモン」や「幸せホルモン」と呼ばれることもあります。オキシトシンの働きは、出産や授乳といった母親としての役割だけでなく、人との信頼関係を築いたり、ストレスを軽減したりする効果も期待されています。例えば、親しい人と触れ合ったり、抱きしめたりすることで、オキシトシンの分泌が促進され、心が穏やかになり、幸福感を感じやすくなると言われています。
外科

ハルトマン手術:人工肛門と腸の切除

- 手術の概要 ハルトマン手術は、大腸の病気や損傷に対して行われる手術です。具体的には、大腸がんや腸閉塞などが、この手術の対象となります。 この手術では、まず、病気や損傷のある大腸の一部を切除します。そして、人工肛門と呼ばれる腹部開口部を造設します。人工肛門は、腸から腹部表面に通じる開口部で、これを通して便を体外に排出します。つまり、本来の肛門の代わりに、人工的に肛門としての役割を果たす開口部を作る手術と言えます。 ハルトマン手術は、緊急を要する場合や、患者の状態が他の手術に耐えられない場合に選択されることが多いです。この手術によって、命に関わる危険な状態から回復できる可能性があります。一方で、人工肛門を造設するため、生活上の変化を受け入れる必要も生じます。 手術を受けるかどうかは、病気の状態や生活への影響などを考慮し、医師とよく相談した上で決断することが大切です。
資格・職種

専門看護師:高度な知識と技術で患者を支える

- 専門看護師とは専門看護師は、特別な知識や技術を身につけることで、複雑な病気や問題を抱える患者さんやその家族に対して、より質の高い看護を提供できる看護師のことを指します。 看護師としての経験を積み重ねた上で、大学院の修士課程や専門看護師養成課程などでさらなる研鑽を積むことで、高度な知識や技術を習得します。 専門看護師には、がん看護や精神看護、地域看護など、13の専門分野があります。それぞれの分野において、深い知識と豊富な経験に基づいた質の高い看護を提供することが求められます。 専門看護師の資格を得るためには、日本看護協会が実施する専門看護師認定審査に合格する必要があります。この資格は、国際的にはCNS(Certified Nurse Specialist)と表記され、世界共通の資格として認められています。 専門看護師は、患者さん一人ひとりに寄り添いながら、その人らしい生活を送れるように、そして、その家族が安心して生活を続けられるように、きめ細やかな看護を提供していきます。
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