総合健康ガイド

検査

医療現場の略語:Dxって?

医療の世界では、正確な情報伝達が欠かせません。しかし、限られた時間の中ですべてを丁寧に説明することは容易ではありません。そこで活躍するのが「Dx」のような略語です。 Dxは「診断」を意味する英語「Diagnosis」を短縮した言葉で、医療現場で頻繁に使用されています。カルテや診療記録など、医療従事者同士が情報を共有する際に、Dxという略語を用いることで、簡潔かつスムーズなコミュニケーションが可能になります。 例えば、患者のカルテに「Dx肺炎」と記載されていれば、その患者は肺炎と診断されたことが一目でわかります。このように、Dxは医療従事者にとって、情報を効率的に理解し、共有するための重要なツールと言えるでしょう。 ただし、医療現場以外では、Dxはあまり一般的ではありません。そのため、患者さんとの会話で使用する際には、誤解を避けるために「診断」という言葉に置き換えるなど、状況に応じて使い分けることが重要です。
血液

酸素を運ぶ血液中のタンパク質:ヘモグロビン

- ヘモグロビンとは私たちの血液は赤い色をしていますが、それは血液中に含まれる「ヘモグロビン」というタンパク質の色です。 ヘモグロビンは、血液の中で酸素を運ぶという重要な役割を担っています。ヘモグロビンは、ちょうど宅配便のように、肺で吸い込んだ酸素と結びつき、血液の流れに乗って全身の細胞へと酸素を届けます。 細胞は、この酸素を使って栄養素を燃やし、私たちが生きていくために必要なエネルギーを作り出しています。つまり、ヘモグロビンは、私たちが呼吸をし、生命を維持するために欠かせない役割を担っていると言えるでしょう。さらに、ヘモグロビンは酸素を運ぶだけでなく、細胞で発生した二酸化炭素を回収して肺へと運び、体外へ排出する役割も担っています。 このように、ヘモグロビンは酸素と二酸化炭素を運ぶことで、私たちの体の細胞が正常に働くための環境を整え、生命維持に貢献しているのです。
呼吸器

誤嚥:食べ物や液体が気管に入ってしまうこと

- 誤嚥とは私たちは普段、食事をするとき、食べ物を口の中でよく噛み砕き、唾液と混ぜ合わせて飲み込みやすくしています。このとき、飲み込んだものは食道という管を通って胃へと送られます。しかし、何らかの原因で、飲み込んだものが食道ではなく、気管の方に誤って入ってしまった場合、これを「誤嚥」と呼びます。気管は空気の通り道であるため、ここに食べ物や飲み物が入ると、むせてしまいます。多くの場合、この反射によって異物を吐き出すことができます。しかし、乳幼児や高齢者、病気などで飲み込む機能が低下している方の場合、うまく吐き出すことができずに、誤嚥性肺炎などの深刻な病気に繋がる可能性があります。誤嚥は誰にでも起こりうることですが、特に注意が必要なのは、乳幼児と高齢者、そして病気などで飲み込む機能が低下している方です。乳幼児は飲み込む機能が未発達なため、注意が必要です。高齢者は、加齢に伴い飲み込む機能が低下しやすくなるため、注意が必要です。また、脳卒中やパーキンソン病などの病気により、飲み込む機能が低下している方も注意が必要です。誤嚥のリスクを減らすためには、食事の際はよく噛んでから飲み込む、姿勢を正して食べる、一口の量を少なくするなどの工夫が大切です。また、周囲の人が誤嚥のリスクを理解し、注意深く見守ることも重要です。
脳・神経

思考と行動の司令塔:前頭葉

私たちの脳は、まるで精巧な機械のように、多くの部位が複雑に連携し合って様々な機能を果たしています。その中でも、額のすぐ後ろに位置する前頭葉は、人間の思考や行動を司る最高司令官と例えられます。 前頭葉は、脳全体の約3分の1を占める、最も大きく発達した領域です。この領域は、まるで巨大なオーケストラを統率する指揮者のように、他の脳の部位からの情報を統合し、思考、判断、計画、実行といった高度な認知機能をコントロールしています。 具体的には、何かを考えたり、計画を立てたり、問題を解決したりする際には、前頭葉が中心的な役割を担います。また、周囲の状況を理解し、適切な行動を選択するのも前頭葉の重要な機能です。さらに、喜怒哀楽といった感情をコントロールし、社会的な場面で適切な行動をとる際にも、前頭葉は深く関わっています。 このように、前頭葉は、私たちが人間らしく思考し、行動するために欠かせない、非常に重要な役割を担っているのです。
呼吸器

肺の奥をのぞく:気管支肺胞洗浄とは?

- 気管支肺胞洗浄の目的 呼吸によって体内に取り込まれた空気は、鼻や口から気管を通って肺へと送られます。そして、肺の奥にある無数の小さな袋状の器官である肺胞に到達します。この肺胞こそが、血液中に酸素を取り込み、体内で発生した二酸化炭素を排出する、ガス交換の重要な役割を担う場所です。 気管支肺胞洗浄は、この肺胞の状態を詳しく調べるために行われる検査です。細い管を鼻や口から挿入し、気管支を通って肺胞に到達させます。そして、あらかじめ用意した少量の生理食塩水を肺胞内に注入し、その後、その液体を吸引して回収します。この回収した液体を「肺胞洗浄液」と呼びます。 肺胞洗浄液には、肺胞内に存在する細胞や細菌、異物などが含まれています。そのため、顕微鏡で観察したり、培養検査を行ったりすることで、肺胞に炎症が起きていないか、どのような種類の細胞が増えているのか、感染症の原因となる細菌やウイルスが存在するのかなどを調べることができます。 このように、気管支肺胞洗浄は、肺の奥深くにある肺胞の状態を直接調べることのできる、非常に有用な検査方法と言えるでしょう。原因不明の咳や呼吸困難、間質性肺炎などの病気の診断、治療効果の判定などに役立てられています。
外科

ポリープ切除術:早期発見・治療の重要性

- ポリープとはポリープとは、体内の粘膜から盛り上がってできる、いぼ状の突起物のことです。粘膜とは、口の中や胃、腸など、体の外側と内側の境目となる部分に存在し、潤いを保つ役割を担っています。この粘膜に異常が生じて細胞が増殖し、ポリープが形成されます。ポリープは体の様々な場所にできますが、特に胃や腸などの消化管にできることが多く、中でも大腸にできるポリープは一般的です。大腸ポリープは、健康診断や人間ドックなどで見つかることも多く、比較的発見しやすいポリープと言えます。ポリープ自体は、多くの場合、自覚症状がなく、健康に影響を与えないことが多いです。しかし、一部のポリープは、将来的にがん化する可能性も指摘されています。特に大腸ポリープは、大腸がんとの関連性が深く、注意が必要です。大腸ポリープの大きさや種類によっては、定期的な検査や切除などの治療が必要になる場合があります。そのため、健康診断などでポリープを指摘された場合は、医師の指示に従い、適切な対応をすることが大切です。また、日頃からバランスの取れた食事や適度な運動を心がけ、健康的な生活習慣を維持することで、ポリープの発生リスクを下げることが期待できます。
血液

悪性リンパ腫:免疫の守護者を襲う病

私たちの身体には、細菌やウイルスなどの外敵から身を守る、免疫というシステムが備わっています。リンパ系は、この免疫システムにおいて重要な役割を担っており、全身に網目状に張り巡らされたリンパ管とその中を流れるリンパ液、そしてリンパ節、脾臓、扁桃腺などから構成されています。リンパ球は、このリンパ系において重要な役割を果たす細胞の一つで、外敵を攻撃し排除する働きを持っています。しかし、このリンパ球が何らかの原因でがん化してしまうことがあり、これを悪性リンパ腫と呼びます。 悪性リンパ腫は、リンパ球が制御不能に増殖を始める病気です。がん化したリンパ球は、リンパ節、脾臓、扁桃腺などのリンパ組織に تجمع し、これらの臓器を腫れさせます。また、悪性リンパ腫は血液を介して全身に転移し、骨髄、肝臓、肺など、様々な臓器に腫瘍を形成することがあります。 悪性リンパ腫は、その種類や進行度によって症状は様々ですが、一般的には、リンパ節の腫れ、発熱、体重減少、寝汗、疲労感などがみられます。リンパ節の腫れは、首、脇の下、足の付け根などに現れることが多く、痛みを伴わないことが多いです。 悪性リンパ腫は早期発見、早期治療が非常に重要です。気になる症状がある場合は、速やかに医療機関を受診してください。
脳・神経

意識障害:その種類と症状について

- 意識障害とは意識障害とは、周囲の状況や自分自身の状態を正しく認識することが難しくなった状態を指します。私たちが普段、あたりまえに周りの風景を見たり、人の話を聞いて理解したり、考えたりできるのは、脳が正常に機能しているおかげです。そして、この脳の働きによって保たれている、周囲や自己を認識する能力を「意識」と呼びます。しかし、病気や怪我など、様々な原因によって脳がダメージを受けると、この「意識」を正常に保つことが難しくなり、様々な異常が現れます。これが意識障害です。意識障害の症状は、その程度によって大きく異なります。軽度の意識障害では、ぼーっとしている、何となく反応が鈍いなど、周囲の人もあまり気づかないことがあります。しかし、重度の意識障害になると、呼びかけに全く反応しなくなったり、自分の名前すら分からなくなったり、場合によっては、自力で呼吸をすることも、心臓を動かすことも難しくなり、生命の危機に瀕することもあります。意識障害は、決して他人事ではありません。脳卒中や頭部外傷、低血糖など、比較的誰にでも起こりうる病気や怪我によって引き起こされる可能性があります。普段と様子が違うと感じたら、早めに医療機関を受診することが大切です。
検査

動脈ライン(Aライン)とは?

- 動脈ライン(Aライン)とは手術中や集中治療室にいる患者さんの状態を把握するために、様々な情報を常に監視する必要があります。その中でも、血圧は特に重要な指標となります。血圧は心臓が血液を送り出す力によって変化し、体の状態を大きく反映するからです。しかし、従来の方法では、一定時間ごとに血圧を測る必要があり、変化の兆候を見逃してしまう可能性もありました。そこで、より精密に血圧を監視し、必要な時にすぐに対応できるように開発されたのが動脈ライン、通称Aラインです。これは、細い管であるカテーテルを動脈に挿入し、血液の通り道を作ることで、連続的に血圧を測定することを可能にします。カテーテルを挿入する場所は、通常、手首の親指側にある橈骨動脈と呼ばれる血管です。橈骨動脈は皮膚の表面に近い場所にあるため、カテーテルを挿入しやすく、また、患者さんへの負担も比較的少ないという利点があります。その他、場合によっては、腕の肘の内側の上腕動脈や足の付け根の大腿動脈などが選択されることもあります。動脈ラインは、Aラインと呼ばれることがありますが、これは、動脈を意味する英語「arterial」の頭文字「A」から来ています。このように、動脈ラインは、患者さんの状態を把握するための重要な役割を果たしており、医療現場において欠かせない技術となっています。
検査

ブルンベルグ徴候:お腹の痛みのサイン

- ブルンベルグ徴候とはお腹の診察時、お医者さんに「ここに痛みはありますか?」と優しくお腹を押された経験は誰しもあるのではないでしょうか?実は、この診察でお腹を押さえられている時よりも、指を離した瞬間にお腹に鋭い痛みを感じることがあります。これをブルンベルグ徴候と呼び、医学用語では「反跳痛」とも言います。お腹の中には、胃や腸などの臓器を包む薄い膜、「腹膜」があります。普段は滑らかな表面をしている腹膜ですが、何らかの原因で炎症を起こしてしまうことがあります。この状態を「腹膜炎」と呼びます。ブルンベルグ徴候は、この腹膜炎が起こっている時によく見られる症状なのです。では、なぜ指を離した時に痛みが増すのでしょうか? これは、お腹を押さえつけられている間は、炎症を起こした腹膜への刺激が軽減されているためです。しかし、指を離した瞬間に再び腹膜が大きく動くことで、炎症部位が刺激され、鋭い痛みが生じます。ブルンベルグ徴候が現れた場合、緊急を要する病気の可能性があります。例えば、虫垂炎(盲腸)や胆嚢炎、消化管穿孔などが挙げられます。自己判断は大変危険ですので、我慢せずに、医療機関を受診するようにしてください。
血液

静かに広がる脅威:多発性骨髄腫

- 多発性骨髄腫とは多発性骨髄腫は、血液のがんである造血器腫瘍の一種です。 私たちの体には、細菌やウイルスなどの病原体から身を守る免疫システムが備わっています。この免疫システムで重要な役割を果たす細胞の一つに、形質細胞と呼ばれるものがあります。形質細胞は、体内に侵入してきた病原体を攻撃する抗体というたんぱく質を作り出す働きをしています。 骨髄は、骨の内部にあるやわらかい組織で、赤血球や白血球、血小板など、血液の細胞を作り出す重要な場所です。この骨髄の中で、形質細胞が何らかの原因でがん化し、異常に増殖してしまう病気を、多発性骨髄腫と呼びます。 多発性骨髄腫は、骨髄の機能を徐々に損なっていくため、健康な血液細胞が十分に作られなくなり、貧血や感染症のリスクが高まります。 また、がん化した形質細胞は、骨を溶かす物質を放出するため、骨がもろくなって骨折しやすくなるのも特徴です。さらに、腎臓の機能が低下したり、高カルシウム血症などの症状が現れたりするなど、さまざまな合併症を引き起こす可能性があります。
消化器

体に優しい栄養補給:胃ろうの一種、ペグとは?

人は誰でも、歳を重ねたり病気になったりすることで、体の機能が衰えていきます。食べるという行為も例外ではありません。噛む力や飲み込む力が弱くなってしまうと、食事が思うように進まなくなり、十分な栄養を摂ることが難しくなります。このような状態が続くと、健康を維持することが難しくなり、体力や免疫力の低下につながる可能性もあります。 口から十分な食事を摂ることが難しい場合に、検討される方法の一つに「胃ろう」という方法があります。胃ろうは、お腹に小さな穴を開け、そこから胃に直接チューブを通すことで、栄養を直接胃に送り込む方法です。口や食道を通さずに栄養を摂取できるため、噛むことや飲み込むことが困難な方でも、効率的に栄養を補給することができます。 胃ろうは、手術が必要となるため、患者さんにとって負担が大きいと感じる方もいるかもしれません。しかし、胃ろうによって栄養状態が改善されると、体力の回復や免疫力の向上が期待できます。また、食事の介助にかかる時間や負担を減らすことができるため、患者さんだけでなく、ご家族にとっても生活の質を向上させることにつながると考えられています。
脳・神経

強直間代性けいれん:知っておきたいこと

けいれんは、脳を流れる電流に異常が生じることで起こる発作です。意識や運動、感覚、行動などに一時的に異常が現れます。一口にけいれんと言っても、その種類は様々で、症状や持続時間も人によって、また原因によって異なります。 けいれんは大きく分けて、一部の脳領域で異常な電気活動が起こる部分発作と、脳全体に広がる全般発作の二つに分類されます。 部分発作は、さらに意識が保たれる単純部分発作と、意識がなくなる複雑部分発作に分けられます。単純部分発作では、手足が勝手に動いたり、感覚がおかしくなったりするなどの症状が現れます。複雑部分発作では、意識がなくなったり、ぼーっとしたりする症状に加え、意味のない行動を繰り返すこともあります。 一方、全般発作では、脳全体に異常な電気活動が広がるため、全身に症状が現れます。意識を失って体全体が硬直する強直間代発作や、全身の筋肉から力が抜けて、ぐったりとする欠神発作など、様々なタイプの発作があります。 繰り返しけいれんを起こす病気として、てんかんが挙げられます。てんかんは、脳の神経細胞の過剰な興奮によって起こると考えられており、薬物療法や外科療法など、様々な治療法があります。 けいれんは、その種類や症状、持続時間、頻度などを把握することが重要です。けいれんが疑われる場合は、自己判断せずに、速やかに医療機関を受診しましょう。
検査

ワイル・フェリックス反応:リケッチア感染症の検査法

- リケッチア感染症とはリケッチア感染症は、リケッチアと呼ばれる小さな細菌が原因で起こる病気の総称です。このリケッチアは、単独では増殖することができず、他の生物の細胞に入り込むことで増殖します。そのため、マダニやノミ、シラミといった、動物の血を吸う小さな節足動物の体内で生息しています。私たち人間は、これらの節足動物に咬まれることで、リケッチアに感染します。例えば、草むらなどでマダニに咬まれた場合や、ペットの犬や猫についていたノミが移ってきた場合などが、感染経路として挙げられます。リケッチア感染症には、日本紅斑熱やつつが虫病、発疹チフスなど、いくつかの種類があります。これらの病気にかかると、共通の症状として高い熱が出たり、皮膚に赤い発疹が出たり、激しい頭痛に見舞われます。その他にも、筋肉痛や関節痛、吐き気や嘔吐、意識障害といった症状が現れることもあります。リケッチア感染症は、放っておくと重症化し、命に関わる危険性もあります。しかし、早期に診断され、適切な抗生物質による治療を受ければ、ほとんどの場合、完治が期待できます。そのため、心当たりのある症状が出た場合は、速やかに医療機関を受診することが重要です。
血液

血液型って何?知っておきたい血液型の基礎知識

私たちの体の中を流れる血液には、実はいくつかの種類が存在します。これを「血液型」と呼びます。血液型は、赤血球の表面にある特定のタンパク質の種類の違いによって分類されます。このタンパク質は「抗原」と呼ばれており、血液型によって異なる抗原を持っています。 血液型が重要になるのは、輸血を行う際です。例えば、A型血液型の人は、B型の抗原を持っていません。もし、B型の血液をA型の人に輸血すると、A型の人の体内でB型の抗原に対する抗体が作られてしまいます。この抗体は、B型の抗原を持つ赤血球を異物とみなし、攻撃して破壊してしまうのです。これが「輸血反応」と呼ばれるものです。 輸血反応が起こると、発熱や貧血、最悪の場合はショック症状を引き起こし、命に関わる危険性もあります。そのため、輸血を行う際には、血液型を正確に把握し、適合する血液を輸血することが極めて重要です。自分の血液型を知っておくことは、病気や怪我をした際に適切な処置を受けるためにも大切なことです。
看護技術

日常生活の自立を支える:BADLとその評価

- BADLとはBADLは「基本的日常生活動作能力」の略称で、人が健康で自立した生活を送るために欠かせない、日常生活における基本的な動作を指します。私たちは毎日何気なく体を動かして生活していますが、その中には意識せずに行っている動作も数多く存在します。BADLは、そうした動作の中でも特に基本的なものを表しており、具体的には以下の6つが挙げられます。1. -家の中での歩行や移動- これは、部屋から部屋へ移動したり、椅子から立ち上がったりといった動作を指します。自分の足で安全に移動できることは、生活の質を大きく左右します。2. -食事- これは、食事を自分の力で口に運び、飲み込む動作を指します。栄養を摂取し、生命を維持する上で欠かせない動作です。3. -衣服の着脱- これは、衣服を自分で着たり脱いだりする動作を指します。季節や状況に合わせた服装を選ぶことは、健康で文化的な生活を送る上で重要です。4. -入浴- これは、浴槽に入ったり出たり、体を洗ったりする動作を指します。清潔を保ち、健康的な生活を送るために必要な動作です。5. -トイレの使用- これは、トイレに行って排泄し、後始末をする動作を指します。基本的な生理現象を適切に処理することは、衛生面からも重要です。これらの動作は、私たちが普段意識せずにできているものばかりですが、病気や怪我、加齢などによってできなくなることもあります。BADLは、人の自立度を測る指標の一つとして、医療や介護の現場で広く用いられています。BADLが低下した場合は、適切なリハビリテーションや介護支援を受けることで、できる動作を増やし、自立した生活を維持・向上させることが重要です。
血液

慢性疾患と貧血の関係

- 慢性疾患に伴う貧血とは 慢性疾患に伴う貧血とは、文字通り、長く続く病気が原因で起こる貧血のことです。 私たちの体内では、赤血球という細胞が、体中に酸素を届ける重要な役割を担っています。この赤血球が、慢性疾患に伴う貧血では数が減ってしまったり、正常に働かなくなったりします。その結果、様々な症状が現れます。 例えば、少し体を動かしただけで息が切れたり、疲れやすくなったり、心臓がドキドキするといった症状を感じます。 慢性疾患に伴う貧血は、決して珍しい病気ではありません。様々な病気が原因で起こる可能性があり、多くの人に見られます。ですから、この貧血について正しく理解し、注意を払うことが大切です。
目・眼科

輻輳反射:近くの物を見るときの瞳孔の秘密

- 瞳孔反射とは 眼球の中央に位置する黒い部分を瞳孔と言います。瞳孔は、カメラのレンズのように、眼球内に光を取り込むための入り口としての役割を担っています。この瞳孔の大きさが、周囲の環境や条件に応じて変化することを瞳孔反射と呼びます。 瞳孔反射は、主に周囲の明るさの変化に反応して起こります。明るい場所では、眼球内に過剰な光が入るのを防ぐために瞳孔は小さくなります。逆に、暗い場所では、より多くの光を取り込もうとして瞳孔は大きくなります。明るい場所から暗い場所に移動した際に、しばらく周囲がよく見えない経験はありませんか?これは、暗い場所に適応するために瞳孔が十分に開いていないために起こる現象です。 また、瞳孔反射は、見る対象物との距離によっても変化します。近くの物を見るときは、瞳孔は小さくなり、ピントを合わせやすくします。遠くの物を見るときは、より多くの光を取り込むために瞳孔は大きくなります。遠くの山々を眺める時と、目の前の本を読む時では、瞳孔の大きさが異なるのを意識してみると面白いでしょう。 このように、瞳孔反射は、無意識に働く体の機能ですが、常に最適な量の光を眼球内に取り込むことで、私たちがはっきりと物を見るために非常に重要な役割を果たしているのです。
その他

腫瘍とは何か?

- 腫瘍の定義私たちの体は、たくさんの細胞が集まってできています。通常、細胞は体にとって必要な時に必要なだけ分裂し、古くなったり傷ついたりすると、新しい細胞と入れ替わります。ところが、何らかの原因でこの細胞分裂のコントロールが効かなくなり、異常な増殖を繰り返す細胞が現れることがあります。これが腫瘍です。腫瘍は、正常な細胞とは異なる性質を持っています。例えば、正常な細胞は周りの細胞と調和しながら増殖しますが、腫瘍細胞は周りの組織を押しのけるようにして増殖していきます。また、正常な細胞は寿命が来ると自然に消滅しますが、腫瘍細胞は寿命が来ても消滅せずに増殖を続けます。このように、腫瘍はコントロールを失った細胞の塊であるがゆえに、周囲の組織を圧迫したり、破壊したり、正常な機能を阻害したりします。その結果、様々な症状が現れるようになります。腫瘍は大きく分けて、良性腫瘍と悪性腫瘍の二つに分類されます。良性腫瘍は増殖速度が遅く、周囲の組織への浸潤もありません。一方、悪性腫瘍は増殖速度が速く、周囲の組織に浸潤したり、他の臓器に転移したりすることがあります。一般的に、「がん」とよばれるものは悪性腫瘍のことを指します。腫瘍は早期発見、早期治療が大切です。体に異変を感じたら、早めに医療機関を受診しましょう。
脳・神経

生命の根幹:延髄の役割

延髄は、脳幹の一部であり、その中でも最も下に位置しています。重さはわずか6~7グラムほどで、成人男性の親指ほどの大きさしかありません。形は円錐状をしていて、上部は太く、下部は細くなっています。 延髄は、脳と脊髄を繋ぐ重要な中継点としての役割を担っています。脳から送られる運動指令や、感覚器からの情報は、延髄を通って脊髄へと伝達されます。また、逆に脊髄から脳へと向かう情報も、延髄を経由します。 延髄は、生命維持に欠かせない重要な機能も担っています。呼吸、心臓の拍動、血管の収縮など、無意識に行われる生命活動をコントロールする中枢が存在しています。そのため、延髄が損傷を受けると、呼吸困難や心停止などを引き起こし、生命に関わる重大な事態となる可能性があります。 延髄は、神経線維が密集しており、複雑な構造をしています。延髄の内部には、多数の神経核と呼ばれる神経細胞の集まりが存在し、それぞれが特定の機能を担っています。延髄の構造と機能を理解することは、脳神経系の病気の診断や治療において非常に重要です。

がん治療における奏効率:治療効果を測る指標

- 奏効率とは 奏効率とは、がん治療の効果を判断する上で非常に重要な指標の一つです。簡単に言うと、あるがん治療を行った結果、がんがどれくらい小さくなったのか、あるいは完全に消えてしまったのかを割合で示したものです。 例えば、100人の患者さんに同じがん治療を行ったとします。その結果、がんが完全に消えてしまった人が20人、小さくなった人が30人だったとします。この場合、治療の効果があったと考えられるのは合計50人です。そして、奏効率は(効果があった人数 ÷ 治療を受けた人数 × 100)で計算できるので、この場合は50%となります。 奏効率の値が大きければ大きいほど、その治療の効果が高かったと判断することができます。つまり、奏効率は、新しいがん治療法の開発や、患者さん一人ひとりに最適な治療法を選択する上で、非常に重要な役割を担っていると言えます。
血液

急性骨髄性白血病未分化型とは

- はじめに血液は、体中に酸素を運んだり、細菌などの外敵から体を守ったりするなど、私たちが生きていく上で欠かせない役割を担っています。この血液を作り出す工場が、骨の中にある骨髄という組織です。骨髄では、様々な種類の血液細胞が毎日生まれては成熟し、血液中に送り出されています。 しかし、この血液細胞ががん化してしまう病気があります。それが白血病です。白血病には、大きく分けて「急性」と「慢性」の二つ、さらに白血球の種類によって「骨髄性」と「リンパ性」の二つに分けられます。 今回は、骨髄において血液細胞ががん化するタイプの白血病である「急性骨髄性白血病」の中でも、特に「急性骨髄性白血病未分化型」について詳しく解説していきます。この病型は、顕微鏡で観察しても細胞の特徴がはっきりしないため診断が難しく、治療法の選択も難しいケースがあります。 この章では、急性骨髄性白血病未分化型の定義、症状、診断、治療法などについて、詳しく解説していきます。患者さんご本人やそのご家族にとって、この病気を理解し、治療に向き合うための一助となれば幸いです。
その他

悪性腫瘍とがん:マリグナンシーを理解する

- マリグナンシーとは医学の世界では、病気の性質や状態を表すために、専門的な用語が使われています。その中でも、「マリグナンシー」という言葉は、「悪性」を意味し、特に腫瘍の診断において重要な意味を持ちます。私たちは、「悪性腫瘍」や「がん」といった言葉をよく耳にしますが、これらは「マリグナンシー」と深く関わっています。それでは、「マリグナンシー」とは具体的にどのような状態を指すのでしょうか? 簡単に言うと、腫瘍が悪性の性質を持っているかどうかを表す言葉です。腫瘍には、大きく分けて「良性」と「悪性」の二つがあります。良性の腫瘍は、周囲の組織への影響が少なく、増殖速度も緩やかです。一方、悪性の腫瘍は、周囲の組織に浸潤し、破壊しながら増殖していきます。さらに、血液やリンパ液の流れに乗って、遠く離れた臓器にまで移動し、新たな腫瘍を形成することがあります。これを「転移」と呼びます。つまり、「マリグナンシー」は、腫瘍が周囲の組織に浸潤する能力や、転移する能力の高さなどを示す指標となるのです。マリグナンシーの程度が高い腫瘍は、それだけ悪性度が高く、治療が困難になる可能性も高まります。
外科

脊椎麻酔:その仕組みと効果

- 脊椎麻酔とは脊椎麻酔は、手術や処置の際に体の特定の部分の感覚を一時的に麻痺させる方法で、局所麻酔の一種です。正式には「脊髄くも膜下麻酔」と呼ばれ、その仕組みは、背中の腰の部分に針を刺し、脊髄を包む膜の一つであるくも膜下腔という場所に麻酔薬を直接注入することによって行われます。脊椎麻酔の最大の利点は、手術部位だけにピンポイントで効果があることです。そのため、全身麻酔と比べて体への負担が少なく、術後の回復も早い傾向があります。また、意識がはっきりしているため、医師と会話しながら手術を受けることも可能です。この麻酔法は、主に下半身の手術に用いられます。例えば、帝王切開、股関節や膝関節の人工関節置換術、前立腺や子宮などの骨盤内手術などが挙げられます。また、下肢の骨折や手術後、あるいは慢性疼痛の治療にも用いられることがあります。しかし、脊椎麻酔は全ての患者さんに行えるわけではありません。出血傾向がある方や、特定の薬を服用している方、あるいは感染症がある方などは、この麻酔法が適さない場合があります。医師は、患者さんの状態を総合的に判断し、最適な麻酔方法を選択します。
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