総合健康ガイド

検査

放射線とは?医療における役割と種類

- 放射線の定義放射線とは、エネルギーが空間を伝わっていく現象のことを指します。私たちの身の回りには、様々な形でエネルギーが伝わっています。例えば、太陽の光や温かさ、携帯電話に使われる電波なども、エネルギーが空間を伝わってきたものです。これらの現象は全て、広い意味で放射線と捉えることができます。しかし、一般的に「放射線」と呼ばれる場合は、物質を透過したり、原子に影響を与えたりする性質を持つ、より高いエネルギーのものを指すことが多いです。レントゲン撮影に使われるエックス線や、原子力発電に関わるガンマ線などが、この高いエネルギーを持つ放射線の代表例です。放射線は、目に見えたり、臭いを感じたりすることはできません。しかし、物質を透過する性質を利用して、レントゲン写真のように体の内部を調べたり、工業製品の検査に利用されたりしています。また、原子に影響を与える性質は、医療分野ではがん治療などにも応用されています。このように、放射線は私たちの生活に深く関わっており、様々な分野で利用されています。しかし、高エネルギーの放射線は、人体に影響を与える可能性もあるため、適切な取り扱いと理解が重要です。
その他

患者の状態を示す『ステーブル』とは?

病院で働く人たちの間でよく使われる言葉に「ステーブル」があります。これは英語の「stable」と同じ意味で、患者さんの状態が「安定している」ということを表しています。 患者さんの状態は、病気や怪我の深刻さ、治療の効果によって常に変化します。例えば、手術後、しばらくは危険な状態が続きますが、その後、徐々に快方に向かい、状態が安定してくるというケースが考えられます。このような場合に、「患者さんは現在、ステーブルな状態です」といったように使われます。 医療現場では、患者さんの状態を的確に伝えることが非常に重要です。「ステーブル」という言葉は、患者さんの状態が危機的な状況ではなく、落ち着いていることを簡潔に伝えることができるため、医療従事者の間で頻繁に使用されています。 ただし、「ステーブル」はあくまでも現時点での状態を表す言葉です。患者さんの状態は常に変化する可能性があり、「ステーブル」だからといって油断は禁物です。医療従事者は、常に患者さんの状態に注意を払い、適切な医療を提供していく必要があります。
アレルギー

アレルギーを引き起こすIgE

- 免疫グロブリンEとは免疫グロブリンE(IgE)は、私たちの体を守るために働いている免疫システムにおいて、重要な役割を果たすたんぱく質の一つです。 免疫グロブリンは、体内に入ってきた細菌やウイルスなどの異物から体を守るために作られます。その中でもIgEは、血液中にわずかしか存在しませんが、アレルギー反応において中心的な役割を担っていることで知られています。アレルギー反応とは、本来無害な花粉や食べ物などが体内に入ってきた際に、体が過剰に防御反応を起こしてしまうことを指します。この過剰な反応を引き起こす原因となる物質をアレルゲンと呼びます。体内に入ってきたアレルゲンは、まず免疫細胞によって認識されます。すると、免疫細胞はIgE抗体を産生し、肥満細胞や好塩基球といった特定の細胞の表面に結合します。一度アレルゲンに反応したIgE抗体が、再び同じアレルゲンと出会うと、肥満細胞や好塩基球の表面で結合が起こります。 この結合をきっかけに、肥満細胞や好塩基球はヒスタミンやロイコトリエンなどの化学物質を放出します。これらの化学物質が、くしゃみや鼻水、皮膚の炎症といったアレルギー症状を引き起こす原因となります。このように、IgEはアレルギー反応において重要な役割を果たしており、IgEの量を測定することは、アレルギー疾患の診断や治療方針の決定に役立ちます。
脳・神経

坐骨神経痛:原因と症状、そして治療法

坐骨神経痛とは 坐骨神経痛は、腰の下部から足にかけて伸びる坐骨神経が圧迫を受けたり、炎症を起こしたりすることで発生する痛みやしびれの症状です。坐骨神経は人体の中で最も太い神経であり、腰から臀部、太ももの裏側を通って足先まで繋がっています。この神経が圧迫されると、その経路に沿って痛みやしびれ、時には弱りを感じるようになります。 坐骨神経痛は病気というよりも、他の原因によって引き起こされる症状として現れます。最も一般的な原因は腰椎椎間板ヘルニアで、これは背骨のクッション材である椎間板が飛び出して神経を圧迫してしまう状態です。その他、腰部脊柱管狭窄症、梨状筋症候群、妊娠なども坐骨神経痛の原因となります。 多くの場合、坐骨神経痛は一時的なものであり、適切なケアや治療を受けることで数日から数週間で症状は改善します。安静、痛み止めの服用、ストレッチや軽い運動などが有効な場合が多いです。症状が重い場合や長引く場合には、医療機関を受診し、原因に合わせた治療を受ける必要があります。
看護技術

回復期:病気からの復活を支える大切な期間

病気は、その経過によって大きく三つの段階に分けられます。まず、発症直後で、最も症状が激しく、命の危険さえ伴う可能性のある時期を急性期と呼びます。この山場ともいえる急性期を乗り越えると、次の段階である回復期に入ります。回復期に入ると、症状は落ち着きをみせ、危険な状態からは脱します。この時期は、低下した身体の機能を回復させることに専念できる時期といえます。そして、回復期は、その後の人生を健やかに過ごすため、また、社会復帰を果たすために非常に重要な時期となります。ただし、病気によっては、完全に回復せず、長期間にわたって症状が続く慢性期に移行する場合もあります。慢性期は、急性期のような命の危険は少ないものの、病気と長く付き合っていくための工夫や、生活の質を維持するための努力が必要となります。
目・眼科

眼を見ればわかること:眼底検査のススメ

- 眼底検査とは?眼底検査は、眼の奥にある眼底を調べる検査です。眼底は、カメラで例えるとフィルムに相当する場所で、光を感知して映像として脳に伝えるために重要な役割を担っています。ここには、視力に直接関わる網膜や、脳と目を繋ぐ視神経など、多くの重要な組織が集まっています。眼底検査では、瞳孔を通して特殊なレンズを用いて眼底を観察します。検査は、比較的簡単に行うことができ、痛みもほとんどありません。眼底の状態を詳しく調べることで、様々な目の病気を早期に発見することができます。例えば、緑内障、糖尿病網膜症、加齢黄斑変性症といった、失明に繋がる可能性のある病気も、眼底検査によって早期発見・治療が期待できます。眼底検査は、目の病気だけでなく、全身の健康状態を知る上でも役立ちます。高血圧や糖尿病などの生活習慣病は、自覚症状が現れにくい病気ですが、眼底の血管の状態に変化が現れることがあります。そのため、眼底検査を受けることで、これらの病気の早期発見や、重症化の予防に繋がる可能性があります。このように、眼底検査は、私たちの視力と健康を守る上で非常に重要な検査です。定期的に眼底検査を受けることで、安心して生活を送れると言えるでしょう。
その他

知っておきたい!無症状の感染者「キャリア」

「キャリア」とは、病気の原因となる微生物を体内に持っているにもかかわらず、自分自身が病気にかかっていない状態を指します。例えば、ある種の病気の原因となるウイルスや細菌が体内に侵入してきても、その人自身の免疫力によって微生物が増殖を抑え込まれ、発病しないことがあります。このような場合、一見健康に見えるにもかかわらず、体内に病原体を保有している状態となり、これを「キャリア」と呼びます。 キャリア状態の人は、自覚症状が全くないことが多いため、自分が感染源となっていることに気づかないケースがほとんどです。そのため、知らず知らずのうちに周囲の人々に病気を広げてしまう可能性があります。咳やくしゃみなどを通じて病原体が空気中に拡散したり、接触感染によって他者に感染したりする可能性もあります。 このように、無症状の感染者が存在することで、感染症の予防や対策が非常に難しくなります。感染経路を特定することが困難になるだけでなく、感染拡大を防ぐための対策も取りづらくなるためです。感染症の中には、キャリア状態の人が多い病気も存在し、このような病気の制圧には、早期診断や治療、そして予防ワクチンの普及など、様々な対策を総合的に進めていく必要があります。
外科

変形した足の親指:外反母趾について

- 外反母趾とは足の親指が小指の方へ曲がってしまう、つまり足の親指が体の外側へ向かって曲がってしまうことを外反母趾と呼びます。この変形は、親指の向きが変わるだけでなく、足の構造全体に影響を及ぼし、様々な症状が現れる原因となります。外反母趾になると、見た目に変化が生じるだけでなく、歩行時に痛みが生じたり、足に疲れを感じやすくなったりします。また、症状が悪化すると、膝や腰に負担がかかり、日常生活に支障をきたす場合もあります。外反母趾は、足の指の付け根にある関節が変形することで起こります。この関節は、足の親指が適切な方向に曲がるのを助ける役割を担っていますが、靴による圧迫や遺伝などの要因により、関節に負担がかかり続けると変形してしまうのです。外反母趾の初期症状としては、足の親指の付け根の出っ張りが挙げられます。また、足の親指が人差し指の方へ曲がっていく、靴を履くと足の親指の付け根が痛む、などの症状が現れることもあります。外反母趾は進行性の病気であるため、早期に発見し、適切な治療を受けることが大切です。症状が軽い場合は、ストレッチや足に合った靴選びなどのセルフケアである程度改善できる可能性があります。しかし、症状が進行している場合は、手術が必要となるケースもあります。外反母趾は、日常生活に大きな影響を及ぼす可能性のある病気です。足の痛みや変形を感じたら、早めに医療機関を受診しましょう。
呼吸器

気管支喘息:息苦しさの原因と治療

- 気管支喘息とは気管支喘息は、空気の通り道である気道に慢性的な炎症が起こる病気です。この炎症は、まるで気道が腫れてしまったような状態を引き起こし、空気の通り道を狭くしてしまいます。その結果、呼吸が困難になり、息苦しさを感じるようになります。気管支喘息の代表的な症状は、発作的に起こる息苦しさです。これは、気道の周りの筋肉が痙攣し、さらに気道が狭くなるために起こります。激しい咳や「ヒューヒュー」と音がする喘鳴を伴うこともあります。これらの症状は、風邪やタバコの煙、ダニや花粉などのアレルゲン、運動、気候の変化など、様々な要因によって引き起こされます。日本では、約500万人もの人が気管支喘息を患っているとされており、決して珍しい病気ではありません。適切な治療や自己管理を行うことで、症状をコントロールし、日常生活を問題なく送ることができます。
その他

顔の印象を決める!頬骨の役割と構造

顔は様々な骨が組み合わさって構成されていますが、その中でも顔の印象を大きく左右するのが頬骨です。頬骨は眼窩の下、外側に位置し、頬に隆起を作っている骨で、左右に一つずつ、合計二つあります。 この頬骨の高さや形によって、顔立ちの印象は大きく変わります。例えば、頬骨が大きく突出している場合は、顔に立体感が生まれ、彫りの深い印象になります。西洋人に多く見られる特徴で、彫りが深く、顔立ちがはっきりとした印象を与えます。一方、頬骨があまり突出していない場合は、穏やかで優しい印象を与えます。東洋人に多く見られる特徴で、柔らかく親しみやすい印象を与えます。 このように、頬骨は顔の印象を決定づける重要な要素の一つと言えるでしょう。
その他

進化する医療現場: ケアミックスのススメ

- ケアミックスとはケアミックスとは、急性期治療を終えた患者や、慢性的な病気を持つ患者など、様々な状態の患者に対応できるよう、急性期病棟と慢性期病棟を同じ施設内に併設した病院のことです。従来の病院では、病気や怪我の治療といった急性期の治療が中心でした。そのため、急性期治療を終えた患者は、リハビリテーションや療養といった次の段階のケアを受けるために、他の病院や施設に移らなければなりませんでした。これは、患者にとって大きな負担となるだけでなく、転院による環境の変化が患者のストレスとなり、回復を遅らせてしまう可能性もありました。そこで、近年注目されているのがケアミックス病院です。ケアミックス病院では、急性期病棟と慢性期病棟が併設されているため、患者は同じ病院内で、急性期治療からリハビリテーション、療養まで、一貫した治療と継続的なケアを受けることができます。これは、患者の身体的・精神的負担を軽減するだけでなく、医師や看護師など、顔なじみのスタッフが継続してケアにあたることで、よりきめ細やかで質の高い医療を提供することにもつながります。さらに、ケアミックス病院では、患者一人ひとりの状態やニーズに合わせた医療・介護サービスを提供することを目的としています。そのため、病院内には、理学療法士や作業療法士、言語聴覚士などのリハビリテーション専門職、そして、栄養士やソーシャルワーカーなど、様々な専門家がチームを組んで患者をサポートします。このように、ケアミックス病院は、患者中心の医療を提供することで、地域社会における医療と介護の質の向上に貢献しています。
泌尿器

糸球体濾過量:腎臓の健康を知る指標

- 糸球体濾過量とは 糸球体濾過量(GFR)は、腎臓の働き具合を測る上で非常に重要な指標です。腎臓は、毎日休むことなく血液を濾過し、老廃物や余分な水分を尿として体外に排出することで、私たちの体の健康を維持しています。この濾過が行われる場所は、腎臓の中にある無数の小さな構造物である糸球体です。 糸球体は、毛細血管が球状に集まったもので、血液がここを通る際に、まるで網目のように老廃物や余分な水分を濾し取ります。この濾過された液体が原尿となり、その後、尿細管という管を通る中で必要な成分が再吸収され、最終的に尿として排出されます。 GFRは、この糸球体が1分間にどれだけの量の血液を濾過できるかを示す数値であり、単位はmL/分/1.73m²で表されます。GFRの値が高いほど、腎臓の濾過機能が高いことを意味し、逆に低い場合は、腎機能の低下が疑われます。腎機能の低下は、自覚症状が出にくい場合もありますが、放置すると人工透析が必要となるなど、深刻な事態に陥る可能性もあります。 そのため、健康な状態を保つためには、GFRの値を定期的に測定し、腎臓の健康状態を把握することが重要です。
その他

テニスをしない人も注意!テニス肘とは?

- テニス肘ってどんな病気?テニス肘とは、肘の外側が痛む病気で、医学的には『上腕骨外側上顆炎』と呼ばれます。肘の外側には、骨の出っ張った部分(外側上顆)があり、手首や指を伸ばす筋肉(短橈側手根伸筋など)の多くがこの部分に繋がっています。テニス肘は、これらの筋肉に負担がかかり続けることで、筋肉と骨の繋ぎ目に炎症が起き、痛みが生じると考えられています。テニスをする人に多くみられることから「テニス肘」という名前がつきましたが、実際にはテニスをする人だけでなく、誰でもなる可能性があります。例えば、パソコン作業や手作業など、手首を頻繁に使う仕事や日常生活で起こることもあります。主な症状としては、肘の外側の痛みや腫れ、握力の低下などが挙げられます。安静にしていれば痛みは治まることもありますが、悪化すると、ドアノブを回したり、コップを持ったりするなどの簡単な動作でも痛みを感じるようになります。テニス肘は、適切な治療と予防を行うことで改善する病気です。痛みが強い場合は、医療機関を受診し、医師の診断を受けるようにしましょう。
目・眼科

縮瞳:そのメカニズムと重要性

私たちの眼の中央で、黒く輝いている部分を瞳孔と呼びます。瞳孔は、カメラの絞りのように、眼に入る光の量を調整する重要な役割を担っています。明るい場所では、瞳孔は小さくなって光の量を抑え、まぶしすぎるのを防ぎます。逆に、暗い場所では瞳孔は大きくなって、より多くの光を取り込もうとするのです。 この瞳孔が小さくなる現象を「縮瞳」と言います。縮瞳は、瞳孔括約筋という筋肉が収縮することによって起こります。瞳孔括約筋は、虹彩と呼ばれる瞳孔を囲む円形の組織の中にあります。 縮瞳は、明るい光に反応して自然に起こる生理的な現象です。これは、私たちの眼を強い光から保護し、視覚を正常に保つために非常に重要な機能です。また、縮瞳は、特定の薬物や神経系の状態によって引き起こされることもあります。例えば、モルヒネなどの薬物は縮瞳を引き起こすことが知られています。
呼吸器

睡眠時無呼吸症候群とCPAP療法

- CPAPとはCPAPは、「経鼻的持続陽圧呼吸療法」を英語で表したContinuous Positive Airway Pressureの頭文字をとった言葉です。この治療法は、睡眠中に呼吸が止まってしまう病気である、睡眠時無呼吸症候群の治療に広く用いられています。睡眠時無呼吸症候群は、眠っている間に呼吸が繰り返し止まり、ぐっすり眠れない、日中に強い眠気が起きるなどの症状が現れます。放っておくと、高血圧や心臓病、脳卒中などのリスクを高める可能性も指摘されています。CPAP療法では、鼻に装着した専用のマスクを通して空気を送り込みます。この空気の圧力によって、睡眠中に狭くなってしまう気道を広げ、閉塞を防ぐことができます。その結果、呼吸が安定し、睡眠の質が向上するとされています。CPAP療法は、睡眠時無呼吸症候群の症状を改善する効果が期待できるだけでなく、日中の眠気や集中力の低下を軽減し、日常生活の質を向上させる効果も期待できます。また、高血圧や心臓病などの合併症のリスクを減らす効果も期待されています。
検査

健康診断の重要指標:基準値を理解する

健康診断の結果を受け取ると、様々な数値が並んでいて、その横に「基準値」というものが記載されているのに気付くでしょう。この基準値は、一体何を意味するのでしょうか。簡単に言うと、基準値とは、健康な人が持つ検査値の範囲を示したものです。 例えば、血液検査でコレステロール値を測ったとします。この時、基準値は、健康な人のコレステロール値がどの範囲に収まるのかを示しています。もし、あなたの値がこの範囲内であれば、ひとまず安心と言えるでしょう。逆に、基準値から外れている場合は、基準値より高すぎるのか、低すぎるのかによって、脂質異常症などの病気の可能性も考えられます。 ただし、基準値はあくまでも目安です。基準値から少し外れていたとしても、必ずしも病気を意味するわけではありません。年齢や性別、体質、生活習慣などによって、検査値は個人差があります。また、基準値は、検査機関や測定方法によっても異なる場合があります。 健康診断の結果を正しく理解するためには、基準値の意味を理解しておくことが大切です。もし、検査結果について不安な点があれば、医師に相談するようにしましょう。
その他

原因不明の不調、不定愁訴とは?

- 不定愁訴とは 不定愁訴とは、頭痛、疲労感、消化不良、めまいなど、様々な体の不調を訴えるものの、病院で検査を受けても、その原因となる病気が見つからない状態を指します。 例えば、激しい頭痛に悩まされて病院を受診したとします。医師は念のため、頭部のCT検査や血液検査など、様々な角度から原因を探りますが、検査結果には異常が見られず、頭痛の原因を特定できない場合があります。このような場合に、不定愁訴と診断されることがあります。 不定愁訴は、検査で客観的な根拠が見つからないため、周囲から理解を得られにくいという側面があります。「気のせいなのではないか」「もっとしっかり検査してもらった方がいい」などと言われることもあり、患者は大きな不安やストレスを抱えがちです。 不定愁訴の原因は、まだはっきりとは解明されていませんが、ストレスや不安、生活習慣の乱れ、環境の変化などが関与していると考えられています。そのため、医師は、患者から詳しく話を聞き、生活習慣やストレス状況などを把握した上で、治療方針を決定します。 治療には、薬物療法と並んで、カウンセリングや生活指導など、心と体の両面からのアプローチが重要となります。患者自身が自分の状態を理解し、医師と協力しながら治療を進めていくことが大切です。
脳・神経

胸郭出口症候群:その原因と症状

- 胸郭出口症候群とは胸郭出口症候群は、聞きなれない病名かもしれませんが、鎖骨の周辺を通る神経や血管が圧迫されることで、腕や肩、首などに様々な症状が現れる病気です。神経や血管の通り道である「胸郭出口」と呼ばれる部分が、生まれつきの骨の形や、日常生活での姿勢や動作によって狭くなることで発症すると考えられています。例えば、重い荷物を持つ、長時間デスクワークをする、長時間運転する、など、腕を上げ下げする動作や、猫背などの姿勢を長時間続けることで、首から肩、腕にかけて走行する神経や血管が圧迫され、痛みやしびれなどの症状を引き起こすことがあります。具体的には、腕や手のしびれ、痛み、冷感、だるさなどが挙げられます。また、手の握力低下や、細かい動作がしにくくなるといった症状が現れることもあります。症状は、片側だけに現れる場合もあれば、両側に現れる場合もあります。胸郭出口症候群は、比較的若い女性に多くみられると言われています。また、デスクワークや手を使う作業が多い人、なで肩の人なども発症しやすいとされています。症状が気になる場合は、早めに医療機関を受診し、適切な診断と治療を受けることが大切です。
目・眼科

身近な目の病気:結膜炎

- 結膜炎とは結膜炎は、眼球の表面を覆う薄い膜である結膜に炎症が生じる病気です。この結膜は、まぶたの裏側と白目の部分を覆っており、眼球の表面を保護し、潤いを保つ役割を担っています。結膜炎になると、この結膜が炎症を起こし、様々な不快な症状が現れます。結膜炎は、その原因によって大きく3つに分類されます。* -感染性結膜炎- 細菌やウイルスなどの病原体が目に感染することで起こる結膜炎です。特に、アデノウイルスによるものは「流行性角結膜炎」と呼ばれ、非常に感染力が強く、学校や職場などで集団発生することがあります。また、細菌性の結膜炎は、黄色い目やにが出ることが特徴です。* -アレルギー性結膜炎- 花粉やダニなどのアレルゲンが原因で起こる結膜炎です。春や秋の花粉の季節に症状が悪化することが多く、目のかゆみ、充血、涙などの症状が現れます。* -刺激性結膜炎- 化粧品やシャンプー、排気ガス、タバコの煙などの刺激物が目に入ることで起こる結膜炎です。結膜炎は、原因に応じた治療を行うことが重要です。感染性結膜炎の場合、細菌感染には抗菌薬の点眼薬、ウイルス感染には抗ウイルス薬の点眼薬が処方されます。アレルギー性結膜炎には、抗アレルギー薬の点眼薬や内服薬を使用します。刺激性結膜炎の場合は、原因となる刺激物を避け、目を保護することが大切です。結膜炎は、適切な治療を行えば、ほとんどの場合、数日から1週間程度で治ります。しかし、症状が重い場合や、適切な治療を行わない場合は、視力に影響が出たり、合併症を引き起こす可能性もあります。そのため、少しでも気になる症状があれば、早めに眼科を受診することが大切です。
検査

誰でも簡単!健康チェックの強い味方:パルスオキシメーター

- パルスオキシメーターってなに?最近、健康に対する関心が高まるにつれて、「パルスオキシメーター」という言葉を耳にする機会が増えてきましたね。一体どんなものか、ご存知ですか? パルスオキシメーターは、指先に挟むだけで、血液中の酸素の量と脈拍を簡単に測ることができる医療機器です。病院などの医療現場ではもちろんのこと、最近では家庭でも手軽に健康管理ができるツールとして広く普及してきています。パルスオキシメーターでは、血液中の酸素飽和度を測定します。 酸素飽和度とは、血液中のヘモグロビンという赤い色素が、どのくらい酸素と結びついているかを示す値です。 この値が低い場合は、体に十分な酸素が行き渡っていない状態を示唆しており、肺炎や呼吸器疾患などの病気の可能性も考えられます。 健康な状態であれば、通常は96%以上の値を示します。 ただし、個人差や測定時の条件によって数値は変動することがあります。また、パルスオキシメーターは脈拍も同時に測定することができます。 脈拍は、心臓が1分間に何回拍動しているかを示す値で、健康状態や運動強度などを知る上で重要な指標となります。 パルスオキシメーターは、指先に光を照射し、その光の透過量の変化から酸素飽和度と脈拍を測定します。 測定は痛みを伴わず、短時間で簡単に行えることが特徴です。このように、パルスオキシメーターは手軽に体の状態を知ることができる便利な機器です。 ただし、あくまでも目安となる数値を示すものであり、自己判断は危険です。 測定結果に異常を感じたら、医療機関を受診するようにしましょう。
検査

血液ガス分析:健康状態を知るための窓

- 血液ガス分析とは血液ガス分析とは、私たちの体の状態を詳しく調べるための大切な検査方法の一つです。 この検査では、動脈または静脈から少しだけ血液を採取し、その血液の中に含まれている様々な成分を分析します。採取した血液から、肺がどれだけしっかりと機能しているのか、体の中にある酸とアルカリのバランスは適切かといったことを評価することができます。具体的には、血液の中にどれだけの酸素と二酸化炭素が含まれているのか、血液のpHはどのくらいなのかといったことを調べます。 私たちの体では、常に酸素を取り込んで、代わりに二酸化炭素を排出しています。このバランスが崩れると、体に様々な不調が現れます。 血液ガス分析では、このガス交換が正常に行われているかどうかを調べることができます。また、血液のpHは体内の酸とアルカリのバランスを示しています。 pHの値が正常範囲から外れると、体の様々な機能に影響が出てきます。 血液ガス分析では、このpHの値を調べることで、体内の酸とアルカリのバランスが保たれているかどうかを判断することができます。血液ガス分析は、呼吸器疾患、心臓疾患、腎臓疾患など、様々な病気の診断や治療効果の判定に用いられています。
呼吸器

気管支鏡検査:肺の奥をのぞく

- ブロンコとは?「ブロンコ」とは、気管支鏡検査の通称で、鼻や口から細い管状の機器を挿入し、肺へと続く空気の通り道(気管や気管支)を直接観察する検査です。 検査には、「気管支ファイバースコープ」という医療機器を用います。この機器の先端には、とても小さなカメラとライトが付いており、気管や気管支の内部を鮮明に映し出すことができます。医師は、モニターに映し出された画像を見ながら、腫瘍や炎症、分泌物の有無など、様々な角度から診断を行います。 ブロンコは、咳や血痰が続く場合の原因究明、肺炎、気管支炎、気管支拡張症といった様々な呼吸器疾患の診断に役立ちます。特に、肺がんの疑いがある場合には、気管支鏡を通して組織を採取する「生検」を行うことで、より確実な診断が可能となります。
脳・神経

手根管症候群:手の痺れと原因について

- 手根管症候群とは手首には手根管と呼ばれる、骨と靭帯でできたトンネルのような狭い空間があります。この手根管の中を、指の感覚や運動をつかさどる重要な神経である正中神経と、指を動かすための腱が通っています。手根管症候群は、様々な原因でこの手根管の中が狭くなり、正中神経が圧迫されることで起こります。その結果、指にしびれや痛み、感覚の鈍さといった症状が現れます。手根管症候群は、手をよく使う人に多くみられる病気です。特に、パソコン作業や家事、工場での作業などで、繰り返し手を酷使することで発症しやすくなります。また、妊娠・出産期の女性ホルモンの変化や、手首の骨折、関節リウマチなどの病気によって発症することもあります。初期症状としては、朝方に指がしびれる、指先がピリピリと痛むといった症状が現れることが多いです。症状が進むと、日中でもしびれや痛みが続くようになり、ものを握る力が入りにくくなったり、細かい作業が困難になったりします。さらに悪化すると、筋肉の萎縮が起こり、指の感覚が完全に失われてしまうこともあります。手根管症候群は、適切な治療を行うことで症状の改善が期待できます。早期発見・早期治療が重要となるため、気になる症状がある場合は、早めに医療機関を受診しましょう。

レボフロキサシン:感染症治療薬

レボフロキサシンは、細菌による様々な感染症の治療に用いられるお薬です。この薬は、細菌の増殖に必要なDNAの複製を阻害することで、菌を死滅させたり、増殖を抑える効果があります。 細菌感染症の中でも、レボフロキサシンは肺炎、膀胱炎、腎盂腎炎、皮膚感染症、前立腺炎など、幅広い感染症に効果を示します。しかし、風邪やインフルエンザなどのウイルス感染症には効果がありません。ウイルス感染症に対しては、それぞれのウイルスに効果のある抗ウイルス薬を使用する必要があります。 レボフロキサシンの正式名称は「レボフロキサシン水和物」といい、医療現場では「LVFX」と簡略化されることもあります。 レボフロキサシンは、医師の処方箋が必要な薬です。自己判断で服用せず、必ず医師の指示に従って服用してください。また、副作用として、下痢や吐気、腹痛などの消化器症状や、発疹、かゆみなどの皮膚症状が現れることがあります。服用中に異常を感じた場合は、すぐに医師に相談してください。
PAGE TOP