知っておきたいシェーグレン症候群

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知っておきたいシェーグレン症候群

病院での用語を教えて

先生、「シェーグレン症候群」ってどんな病気ですか?

体の健康研究家

良い質問だね。「シェーグレン症候群」は、簡単に言うと、涙や唾液を出す部分が炎症を起こして、涙や唾液が出にくくなる病気なんだ。

病院での用語を教えて

そうなんですね。それで、どんな症状が出るんですか?

体の健康研究家

涙や唾液が出ないから、目が乾いたり、口が渇いたりするんだ。ひどい場合は、目がショボショボしたり、食べ物が飲み込みにくくなったりするんだよ。

シェーグレン症候群とは。

涙や唾液を作る働きを持つ器官である涙腺や唾液腺などに、リンパ球が入り込んで炎症が長く続くことで、涙や唾液の分泌量が減ってしまう病気をシェーグレン症候群といいます。 その結果、目や口の中が乾燥してしまうことが主な症状です。50歳から60歳代の女性に多くみられます。

シェーグレン症候群とは

シェーグレン症候群とは

– シェーグレン症候群とはシェーグレン症候群は、私たちの体を病気から守るはずの免疫システムが、誤って自分の体の一部を攻撃してしまうことで起こる病気です。免疫システムは、通常、細菌やウイルスなどの外敵から体を守りますが、シェーグレン症候群の場合、このシステムが正常に働かなくなり、涙や唾液を作り出す腺を攻撃してしまいます。涙腺や唾液腺は、体にとって大切な水分を作り出す役割を担っています。涙は目を保護し、潤いを保つために必要ですし、唾液は食べ物を消化しやすくしたり、口の中を清潔に保ったりするために欠かせません。しかし、シェーグレン症候群によってこれらの腺が攻撃されると、涙や唾液の分泌量が減ってしまいます。その結果、目が乾いたり、口の中が乾いたりといった症状が現れます。さらに、シェーグレン症候群は、涙腺や唾液腺だけでなく、全身の様々な臓器にも影響を及ぼす可能性があります。関節に炎症が起きることで関節痛が起こったり、皮膚が乾燥したり、疲れやすくなったりすることもあります。また、まれにですが、肺や腎臓などの臓器に炎症が起きることもあります。シェーグレン症候群は、比較的まれな病気ですが、中年の女性に多く発症することが知られています。症状は人によって様々で、軽度の乾燥症状だけのこともあれば、強い痛みや倦怠感を伴うこともあります。

項目 詳細
シェーグレン症候群とは 免疫システムが誤って涙腺や唾液腺を攻撃する病気
原因 免疫システムの異常
影響を受ける部位 主に涙腺と唾液腺、その他全身の様々な臓器
症状 – 目の乾燥
– 口の乾燥
– 関節痛
– 皮膚の乾燥
– 倦怠感
– (まれに)肺や腎臓などの臓器の炎症
好発年齢・性別 中年の女性
症状の程度 人によって様々 (軽度の乾燥症状~強い痛みや倦怠感)

発症のメカニズム

発症のメカニズム

– 発症のメカニズム
シェーグレン症候群は、まだその原因が完全には解明されていない病気です。しかし、いくつかの研究から、遺伝的な要因と環境的な要因の両方が複雑に絡み合って発症すると考えられています。

まず、遺伝的な要因についてですが、特定の遺伝子を持つ人はシェーグレン症候群になりやすいという報告があります。これは、親から子に受け継がれる体質が、発症に関わっている可能性を示唆しています。

一方、環境的な要因も重要です。例えば、ウイルスへの感染や、ホルモンバランスの乱れが、シェーグレン症候群のきっかけになる可能性が指摘されています。これらの要因によって、体内の免疫システムに異常が生じ、本来は身体を守るはずの免疫細胞が、自分自身の細胞を攻撃してしまうと考えられています。

シェーグレン症候群では、免疫細胞が涙腺や唾液腺などの外分泌腺を攻撃してしまうことで、涙や唾液が少なくなるなどの症状が現れます。具体的には、免疫細胞から「自己抗体」と呼ばれる物質が作られ、これが外分泌腺の細胞を破壊してしまうと考えられています。

このように、シェーグレン症候群は、遺伝的な要因と環境的な要因が複雑に絡み合って発症する病気であると考えられています。しかし、まだ解明されていない部分も多く、今後のさらなる研究が待たれます。

要因 内容
遺伝的要因 特定の遺伝子を持つ人はシェーグレン症候群になりやすい。親から子に受け継がれる体質が発症に関わっている可能性。
環境的要因 ウイルスへの感染やホルモンバランスの乱れがシェーグレン症候群のきっかけになる可能性。これらの要因によって体内の免疫システムに異常が生じ、免疫細胞が自分自身の細胞を攻撃してしまう。
免疫異常 免疫細胞が涙腺や唾液腺などの外分泌腺を攻撃することで、涙や唾液が少なくなる。免疫細胞から「自己抗体」と呼ばれる物質が作られ、これが外分泌腺の細胞を破壊してしまう。

主な症状

主な症状

– 主な症状

シェーグレン症候群とは、免疫の異常によって自分の体の組織を攻撃してしまう自己免疫疾患の一種です。この病気では、涙や唾液を作る外分泌腺が主に攻撃されるため、様々な症状が現れます。

最も多く見られる症状がドライアイ口腔乾燥です。ドライアイは、涙の分泌量が減ることで目が乾き、ゴロゴロしたり、異物感を感じたりする状態です。まるで目に砂が入ったような不快感があり、光がまぶしく感じられることもあります。症状が進むと、角膜に傷がつきやすくなり、視力に影響を及ぼすこともあります。

一方、口腔乾燥は、唾液の分泌量が減ることで口の中が乾き、ネバネバしたり、ヒリヒリしたりする状態です。食べ物が飲み込みにくくなる、味が分かりにくくなるといった症状も現れます。また、唾液には口の中を清潔に保つ働きもあるため、口腔乾燥になると虫歯や歯周病のリスクが高まることも懸念されます。

シェーグレン症候群は、ドライアイと口腔乾燥以外にも、関節痛、筋肉痛、疲労感、皮膚の乾燥、発疹、リンパ節の腫れなど、様々な症状が現れることがあります。これらの症状は人によって異なり、症状の出方も様々です。そのため、診断が難しく、他の病気と間違われることも少なくありません。

症状 詳細
ドライアイ 涙の分泌量が減少し、目が乾く、ゴロゴロする、異物感、光がまぶしい、角膜の傷、視力低下などの症状が現れる。
口腔乾燥 唾液の分泌量が減少し、口の中が乾く、ネバネバする、ヒリヒリする、食べ物が飲み込みにくい、味が分かりにくい、虫歯・歯周病リスクの増加などの症状が現れる。
その他 関節痛、筋肉痛、疲労感、皮膚の乾燥、発疹、リンパ節の腫れなど

診断について

診断について

– 診断についてシェーグレン症候群は、その症状が多岐にわたるため、診断が容易ではありません。患者さんによって症状の出方が異なり、他の病気と似た症状を示すことも少なくありません。そのため、医師は、患者さんから詳しく話を聞き、様々な角度からの検査結果を総合的に判断する必要があります。診断のプロセスでは、まず、患者さん自身の症状や経過について詳しく聞き取りを行います。いつからどのような症状が現れているのか、日常生活にどのような影響が出ているのかなどを把握することで、病気の全体像を掴みます。次に、身体診察を行います。皮膚や関節の状態、リンパ節の腫れなどを確認します。シェーグレン症候群では、関節リウマチのような関節の痛みや、皮膚の乾燥などの症状が現れることもあります。その後、血液検査を行います。血液検査では、シェーグレン症候群に特徴的な自己抗体の有無を調べます。自己抗体とは、本来、体を守るはずの免疫システムが、自分の体の組織を攻撃してしまうことで作られる抗体のことを指します。シェーグレン症候群では、「抗SS-A抗体」や「抗SS-B抗体」といった自己抗体が検出されることが多く、診断の重要な手がかりとなります。また、炎症の程度を調べるために、炎症反応の検査も行います。さらに、眼や口の dryness症状を確認するための検査も行います。眼科では、涙の量を測定する検査や、涙の質を調べる検査などを行い、ドライアイの程度を評価します。口腔内では、唾液の分泌量を測定する検査を行い、口腔乾燥症の程度を評価します。これらの検査結果に加え、他の病気が考えられる場合には、その病気の可能性を否定するための追加検査を行うこともあります。最終的な診断は、これらの検査結果と、患者さんの症状や経過を総合的に判断して下されます。

診断項目 詳細
病歴聴取 – 症状の出現時期、症状の種類、日常生活への影響などを聞き取る。
身体診察 – 関節の状態(関節リウマチのような症状の有無)
– 皮膚の状態(乾燥など)
– リンパ節の腫れ
血液検査 – 自己抗体(抗SS-A抗体、抗SS-B抗体など)の有無を確認
– 炎症反応の検査
眼科検査 – 涙の量と質の検査(ドライアイの程度の評価)
口腔内検査 – 唾液分泌量の測定(口腔乾燥症の程度の評価)
追加検査 – 他の疾患の可能性を否定するために行う。

治療法の選択

治療法の選択

– 治療法の選択

残念ながら、シェーグレン症候群を根本的に治す治療法は、現在のところ見つかっていません。そのため、治療の中心は、つらい症状を和らげることを目指した対症療法となります。

具体的な治療法としては、まず、多くの方が経験するドライアイに対しては、涙の代わりとなる人工涙液や、涙の蒸発を防ぐ効果のあるヒアルロン酸などの点眼薬を用います。また、口腔乾燥に対しては、唾液の分泌を促す人工唾液や、口の中の潤いを保つ保湿剤などが用いられます。

シェーグレン症候群は、時に、関節や筋肉に痛みを生じさせることがあります。その場合には、痛みを抑える消炎鎮痛薬や、炎症を抑えるステロイド薬が使用されることがあります。さらに、症状が重い場合には、免疫の働きを抑え、症状の進行を遅らせることを期待して、免疫抑制薬などの薬物療法が検討されることもあります。

治療法は、画一的ではなく、患者さん一人ひとりの症状やその程度、年齢、そして全身状態などを総合的に考慮した上で、医師と相談しながら決定します。ご自身の症状や治療について、疑問や不安があれば、遠慮なく医師に相談するようにしましょう。

症状 治療法
ドライアイ – 人工涙液
– ヒアルロン酸点眼薬
口腔乾燥 – 人工唾液
– 保湿剤
関節や筋肉の痛み – 消炎鎮痛薬
– ステロイド薬
重症例 – 免疫抑制薬

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