ギプスシーネ:骨折や捻挫の固定に活躍する副木の役割
病院での用語を教えて
先生、「ギプスシーネ」って、普通のギプスと何が違うんですか?
体の健康研究家
いい質問ですね! ギプスシーネは、普通のギプスのように完全に固めずに、半分ほどを固定するものを指します。イメージとしては、固まらない粘土のようなもので包帯を作って、患部にあてて固定する感じです。
病院での用語を教えて
なるほど!じゃあ、どんな時にギプスシーネを使うんですか?
体の健康研究家
そうですね。腫れがひどい時や、完全に固定する必要がない軽い怪我の場合に使います。例えば、ねんざとか、骨折でも軽いものの場合に使われますね。
ギプスシーネとは。
「ギプスシーネ」は、医療現場で使われる言葉で、怪我をした部分に添えて固定するための道具です。これは、石膏を染み込ませて固めた包帯を、帯状に切って患部に当てて硬くしたものです。「シーネ」はドイツ語で添え木という意味です。
作る際は、まず固定する部分を測り、その大きさに合わせて石膏包帯を何層にも重ねて帯状にします。それをぬるま湯に浸して柔らかくしてから、患部に巻き付け、患部に合った形に整えながら固めていきます。
ギプスシーネは、患部全体を覆うのではなく、半分程度を固定するため、風通しが良く、取り外しも可能です。そのため、完全に固定する必要がない場合や、短期間の固定に適しています。例えば、骨折した直後で腫れがひどい時や、指先などの簡単な骨折、捻挫などの靭帯損傷、アキレス腱の損傷などに用いられます。
ギプスシーネとは
– ギプスシーネとは
骨折や捻挫といった怪我をしてしまった際に、損傷した部分を固定するために用いる医療用の添え木を、ギプスシーネと呼びます。
これは、ドイツ語で石膏を意味する「ギプス」と、副木を意味する「シーネ」を組み合わせた言葉です。
その名の通り、石膏を染み込ませた包帯を硬化させて作られます。
ギプスシーネは、患部全体を覆ってしまうギプス包帯とは異なり、半分程度だけを覆うように作られます。
そのため、ギプス包帯と比較して通気性が良く、むくみが引いてきた時や入浴時など、必要に応じて取り外しが可能という利点があります。
ただし、医師の指示なく勝手に取り外してしまうと、患部の状態が悪化したり、回復が遅れたりする可能性がありますので、注意が必要です。
項目 | 内容 |
---|---|
定義 | 骨折や捻挫などの怪我をした際、損傷部分を固定するための医療用添え木 |
材質 | 石膏を染み込ませた包帯を硬化させたもの |
ギプス包帯との違い | 患部を半分程度覆う (ギプス包帯は完全に覆う) |
利点 | 通気性が良く、必要に応じて取り外し可能 |
注意点 | 医師の指示なく取り外すと、患部の状態悪化や回復の遅延の可能性あり |
ギプスシーネの作り方
骨折などの怪我をした際に患部を固定するために用いられるギプスシーネ。今回はその作り方について詳しく解説していきます。
まず初めに、怪我をした部分を正確に把握し、固定する範囲を決定します。この際、関節の上下も固定する必要があるかどうかを判断することが重要です。固定する範囲が決まったら、メジャーなどを用いて必要な長さを測ります。
次に、ギプス包帯を必要な長さにカットします。この時、固定する部位や患部の状態によって、包帯を重ねる枚数を調整します。一般的には、子供の腕であれば6~8枚、大人の脚であれば10~12枚程度が目安となります。
カットしたギプス包帯を、体温より少し温かいくらいのぬるま湯に浸し、全体に水が染み込むまでよく湿らせます。水が染み込むと、包帯に含まれる樹脂が化学反応を起こし、柔らかくなってきます。
十分に柔らかくなったギプス包帯を患部に巻きつけ、患部と包帯の間に隙間ができないよう、しっかりと密着させます。この際、患部を圧迫しすぎないよう注意しながら、適切な強さで巻きつけていくことが重要です。また、固定する部位の形状に合わせて、包帯を軽く引っ張りながら形を整えていきます。
ギプス包帯を巻き終わったら、包帯が硬化するまで一定時間、患部を動かさないように固定します。一般的には、30分から1時間程度で硬化しますが、気温や湿度の影響を受ける場合もあるため、完全に硬化するまで注意が必要です。
手順 | 詳細 | ポイント |
---|---|---|
1. 固定範囲の決定 | 怪我をした部分を正確に把握し、固定する範囲を決める。関節の上下も固定する必要があるかを判断する。 | – |
2. ギプス包帯の準備 | 必要な長さにギプス包帯をカットする。 | 固定する部位や患部の状態によって、包帯を重ねる枚数を調整する。(目安: 子供の腕で6~8枚、大人の脚で10~12枚) |
3. ギプス包帯の湿潤 | カットしたギプス包帯を体温より少し温かいくらいのぬるま湯に浸し、全体に水が染み込むまでよく湿らせる。 | 水が染み込むと、包帯に含まれる樹脂が化学反応を起こし、柔らかくなる。 |
4. ギプス包帯の巻きつけ | 十分に柔らかくなったギプス包帯を患部に巻きつけ、患部と包帯の間に隙間ができないよう、しっかりと密着させる。 | 患部を圧迫しすぎないよう注意しながら、適切な強さで巻きつける。固定する部位の形状に合わせて、包帯を軽く引っ張りながら形を整える。 |
5. 固定と硬化 | ギプス包帯を巻き終わったら、包帯が硬化するまで一定時間、患部を動かさないように固定する。 | 一般的には、30分から1時間程度で硬化する。気温や湿度の影響を受ける場合もあるため、完全に硬化するまで注意する。 |
ギプスシーネの特徴
ギプスシーネは、骨折などのケガをした際に患部を固定するために用いられる治療材料の一つです。従来のギプス固定と比較して、いくつかの特徴があります。
まず、ギプスシーネは通気性に優れているという点が挙げられます。ギプスシーネは、メッシュ状の素材や、小さな穴が開いた素材で作られているため、皮膚が蒸れにくく、かぶれにくくなっています。そのため、長期間の固定が必要な場合や、汗をかきやすい時期でも快適に過ごすことができます。
次に、ギプスシーネは取り外し可能であるという点も大きな特徴です。従来のギプス固定では、硬化した石膏で完全に患部を覆ってしまうため、取り外しができませんでした。一方、ギプスシーネは、マジックテープやベルトなどで固定するため、簡単に取り外しができます。このため、医師が患部の状態を確認したり、患者さん自身がリハビリテーションを行ったりすることが容易になります。
さらに、ギプスシーネは従来のギプス固定よりも軽量であるという利点もあります。これは、ギプスシーネに使用される素材が、軽量なプラスチックや樹脂であるためです。そのため、患者さんの負担を軽減し、日常生活における支障を最小限に抑えることができます。
このように、ギプスシーネは、従来のギプス固定と比較して、通気性、取り外し可能性、軽量性など、多くの利点を持つ治療材料です。
特徴 | ギプスシーネ | 従来のギプス固定 |
---|---|---|
通気性 | メッシュ状の素材や、小さな穴が開いた素材で作られているため、通気性が良い | 通気性が悪い |
取り外し可能性 | マジックテープやベルトなどで固定するため、取り外し可能 | 取り外し不可能 |
重さ | 軽量なプラスチックや樹脂を使用しているため、軽量 | 重量がある |
ギプスシーネの使用場面
– ギプスシーネの使用場面ギプスシーネは、骨折や捻挫、靱帯損傷など、様々な怪我の治療に用いられる固定具です。ギプスのように完全に固めるのではなく、ある程度の柔軟性を持たせているのが特徴です。ギプスシーネが特に活躍するのは、骨折後の腫れが強い初期段階の治療です。腫れが引いていく過程で患部が圧迫されることを防ぎ、症状の変化に合わせて締め具合を調整できるという点で、ギプスよりも優れています。また、手首や足首など、比較的軽度の骨折の場合にも、ギプスシーネは有効です。さらに、アキレス腱断裂後の固定や、手術後の患部の安静を保つ目的でも、ギプスシーネは広く使用されています。患部を安静に保ちつつ、関節の動きを制限することで、痛みの軽減や組織の修復を促進する効果が期待できます。このように、ギプスシーネは様々な場面で活躍する一方、ギプスほどの強固な固定力は期待できません。そのため、骨折の種類や程度によっては、ギプスによる固定が選択されることもあります。ギプスシーネは、あくまで短期間の使用を目的とした固定具です。症状が改善しない場合や、長期間の固定が必要な場合は、医師に相談し、適切な治療を受けるようにしましょう。
ギプスシーネの特徴 | メリット | デメリット | 使用場面 |
---|---|---|---|
完全に固めず、ある程度の柔軟性を持つ固定具 | 腫れが引いていく過程で患部が圧迫されることを防ぐ 症状の変化に合わせて締め具合を調整できる 痛みの軽減や組織の修復を促進 |
ギプスほどの強固な固定力は期待できない | – 骨折後の腫れが強い初期段階の治療 – 手首や足首など、比較的軽度の骨折 – アキレス腱断裂後の固定 – 手術後の患部の安静 |
ギプスシーネ装着時の注意点
骨折などの治療に用いられるギプスシーネですが、正しく使用しなければ、合併症を引き起こす可能性もあります。安全に治療を進めるために、装着時の注意点について詳しく解説します。
まず、ギプスシーネは水に濡れると強度が低下し、清潔さも保てなくなるため、注意が必要です。入浴やシャワーの際は、必ずビニール袋などで覆って完全に水濡れを防ぎましょう。万が一、濡れてしまった場合は、速やかに医療機関に連絡し、指示を仰いでください。
次に、ギプスシーネを装着する際は、締め付け過ぎに注意が必要です。締め付けが強すぎると、血行が悪くなり、指先の痺れや冷感、腫れなどの症状が現れることがあります。さらに、神経を圧迫することで、痛みやしびれが強くなる可能性もあります。装着後は、定期的に指先の状態を確認し、異常を感じたらすぐに医師に相談しましょう。
最後に、ギプスシーネ装着中は、患部を安静に保つことが重要です。患部を動かしたり、無理な運動や行動をしたりすると、骨折の治療が遅れたり、症状が悪化したりする可能性があります。医師の指示に従い、無理のない範囲で日常生活を送るように心がけましょう。
注意点 | 詳細 |
---|---|
水濡れ | ギプスシーネは水に濡れると強度が低下し、不衛生になるため、入浴やシャワーの際はビニール袋などで覆う。濡れてしまった場合は、医療機関に連絡する。 |
締め付け過ぎ | 締め付け過ぎると血行が悪くなり、指先の痺れや冷感、腫れなどの症状が現れる。定期的に指先の状態を確認し、異常を感じたら医師に相談する。 |
安静 | 患部を動かしたり、無理な運動をすると、骨折の治療が遅れたり、症状が悪化したりする可能性がある。医師の指示に従い、無理のない範囲で日常生活を送る。 |