命に関わる感染症:敗血症とは
病院での用語を教えて
先生、「ゼプシス」って病気について調べているんですけど、何だかよく分からなくて。教えて下さい!
体の健康研究家
「ゼプシス」は、簡単に言うと、体に悪いばい菌が入って、それが血液の中に入って全身に広がり、体に強い炎症が起こる病気だよ。昔は「敗血症」って呼ばれていた病気と同じなんだ。
病院での用語を教えて
血液にばい菌が入って、全身に広がるって、怖いですね…。
体の健康研究家
そうなんだ。だから、ゼプシスは命に関わることもある、とても重い病気なんだよ。早期発見と治療が大切だから、気になる症状があれば、すぐに病院に行くことが重要だよ。
ゼプシスとは。
「ぜぷしす」は医学や健康の分野で使われる言葉で、「敗血症」と同じ意味です。 「ぜぷしす」は「ぜぷ」や「せぷしす」と呼ばれることもあります。
敗血症とは
– 敗血症とは敗血症は、体の中に侵入した細菌やウイルス、真菌といった微生物が引き起こす感染症に対して、体が過剰に防御反応を起こしてしまうことで発症する、深刻な病気です。 通常、私たちの体は、これらの微生物が体内に入ると、免疫システムが働き、撃退しようとします。しかし、この免疫反応がコントロールを失い、過剰に働いてしまうことがあります。その結果、全身に激しい炎症が広がり、様々な臓器に悪影響を及ぼしてしまうのです。敗血症の初期症状としては、高熱や chills(悪寒)、心拍数の増加、呼吸数の増加などが挙げられます。 また、感染源となる傷口の発赤や腫れ、痛みなどがみられることもあります。 さらに症状が進行すると、意識レベルの低下や血圧の低下、尿量の減少、皮膚の斑点などの症状が現れることもあります。 敗血症は、早期に発見し、適切な治療を行えば救命できる可能性が高い病気です。 しかし、発見や治療が遅れると、多臓器不全やショック状態に陥り、命に関わる危険性も高まります。 少しでも敗血症の疑いがある場合は、速やかに医療機関を受診することが重要です。
項目 | 説明 |
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定義 | 体内に侵入した微生物への過剰な防御反応により発症する深刻な病気 |
原因 | 細菌、ウイルス、真菌などの微生物感染 |
初期症状 | 高熱、悪寒、心拍数増加、呼吸数増加、感染源の炎症(発赤、腫れ、痛み) |
進行した症状 | 意識レベル低下、血圧低下、尿量減少、皮膚の斑点 |
予後 | 早期発見・治療で救命の可能性が高いが、遅れると多臓器不全やショック状態になる危険も |
注意点 | 疑わしい場合は速やかに医療機関を受診 |
敗血症の兆候と症状
敗血症は、体の中で免疫反応が過剰になり、自身の臓器や組織を攻撃してしまうことで生命を脅かす危険な病気です。初期症状は風邪やインフルエンザと似ているため、見逃してしまうことも少なくありません。
敗血症の兆候として、まず高熱や逆に体温が低い低体温、心臓がドキドキするような心拍数の増加、息苦しさを感じる呼吸数の増加などが挙げられます。また、意識がもうろうとしたり、反応が鈍くなるなど、意識レベルの低下も見られます。
さらに、皮膚に発疹が現れたり、尿の量が減ったり、手足が冷たくなるといった症状が現れることもあります。これらの症状は他の病気でも見られることがありますが、敗血症は進行が非常に速いため、少しでもおかしいと感じたらすぐに医療機関を受診することが重要です。早期に適切な治療を開始することで、救命率を上げることができます。
敗血症の兆候 | 症状 |
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初期症状 |
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その他の症状 |
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敗血症の危険因子
敗血症は、細菌やウイルスなどの微生物が血液中に侵入し、全身に炎症を引き起こす深刻な病気です。誰でも敗血症になる可能性はありますが、抵抗力が弱い人や、もともと病気を持っている人は特に注意が必要です。
高齢者は免疫力が低下しているため、敗血症のリスクが高くなります。免疫システムは、体内に侵入した細菌やウイルスなどの病原体と戦う役割を担っていますが、加齢とともにその機能が衰えてしまうためです。
乳幼児も、免疫システムが未発達なため、敗血症にかかりやすい状態にあります。生まれてから間もない赤ちゃんは、様々な病原体に対する抵抗力が十分に備わっていないため、注意が必要です。
糖尿病や癌などの基礎疾患を持つ人は、免疫力が低下している場合があり、敗血症のリスクが高まります。これらの病気は、免疫システムに負担をかけ、その働きを弱めてしまうことがあります。
ステロイド剤や抗がん剤などの薬を使用している人も、免疫力が低下しやすいため注意が必要です。これらの薬は、免疫細胞の働きを抑制する効果があり、感染症に対する抵抗力を弱めてしまう可能性があります。臓器移植を受けた人も、拒絶反応を抑えるために免疫抑制剤を使用することが多く、敗血症のリスクが高いグループに入ります。免疫抑制剤は、免疫システムの働きを全体的に抑制するため、感染症にかかりやすくなる可能性があります。
敗血症リスクが高い人 | 理由 |
---|---|
高齢者 | 免疫力の低下 |
乳幼児 | 免疫システムの未発達 |
糖尿病や癌などの基礎疾患を持つ人 | 免疫力の低下 |
ステロイド剤や抗がん剤などの薬を使用している人 | 免疫力の低下 |
臓器移植を受けた人 | 免疫抑制剤の使用による免疫力の低下 |
敗血症の治療法
敗血症は、感染症に対する体の反応が過剰になり、全身に炎症が広がることで、臓器の機能不全を引き起こす、命に関わる病気です。敗血症の治療では、何よりも早期の対応が重要になります。一刻も早く診断を下し、適切な治療を開始することで、救命率を高めることができます。
敗血症の治療の柱となるのが、抗菌薬の投与と輸液療法です。細菌やウイルスなどの微生物によって引き起こされる感染症が敗血症の原因となるため、原因となる微生物を死滅させるために抗菌薬を投与します。また、体内の水分や塩分が不足すると、血液の循環が悪くなり、臓器への酸素供給が滞ってしまうため、輸液によって血液量を維持し、血圧を安定させることが重要となります。
敗血症の症状が進行し、重症化した場合には、より集中的な治療が必要となります。呼吸困難が見られる場合は、人工呼吸器を用いて肺の機能を補助します。また、腎臓の機能が低下している場合は、血液中の老廃物を除去するために血液浄化療法を行います。敗血症は早期発見・早期治療が極めて重要となる病気です。感染症の疑いがある場合は、速やかに医療機関を受診するようにしてください。
敗血症とは | 治療の柱 | 重症化した場合の治療 |
---|---|---|
感染症への過剰な反応により、全身に炎症が広がり、臓器不全を引き起こす命に関わる病気。早期発見・早期治療が重要。 | ・抗菌薬の投与 原因となる微生物を死滅させる。・輸液療法 血液量を維持し、血圧を安定させる。 |
・人工呼吸器による呼吸管理 ・血液浄化療法による老廃物の除去 |
敗血症の予防
敗血症は生命を脅かす深刻な病気ですが、日頃から予防に努めることで発症のリスクを減らすことができます。最も重要なのは、そもそも細菌やウイルスなどに感染しないようにすることです。
私たちの身の回りには目に見えないたくさんの細菌やウイルスが存在します。これらが体内に侵入するのを防ぐために、こまめな手洗いは非常に有効です。外出から帰った時や食事の前はもちろん、トイレの後や鼻をかんだ後などにも、石鹸を使って丁寧に手を洗いましょう。うがいも、口や喉から侵入しようとする病原菌を洗い流す効果があります。水で口をすすぐだけでも効果がありますが、うがい薬を使用するとより効果的です。
健康的な生活習慣を維持することも、免疫力を高め、感染症予防に繋がります。バランスの取れた食事を心がけ、肉、魚、野菜、果物など、様々な食材をまんべんなく摂取しましょう。十分な睡眠は、体の疲労回復や免疫機能の維持に欠かせません。睡眠不足は免疫力の低下に繋がるため、規則正しい睡眠習慣を心がけましょう。適度な運動も、免疫力を高める効果が期待できます。激しい運動である必要はなく、ウォーキングや軽いジョギングなど、無理なく続けられる運動を習慣に取り入れましょう。
これらの予防策に加えて、インフルエンザや肺炎球菌などのワクチン接種も有効な予防手段となります。ワクチンは、特定の病気に対する免疫力をあらかじめ高めておくものです。ワクチンを接種することで、感染のリスクを減らし、たとえ感染しても重症化するリスクを抑制することができます。
敗血症は決して他人事ではありません。一人ひとりが予防に取り組み、健康的な毎日を送りましょう。
敗血症予防策 | 具体的な方法 |
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感染予防 |
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免疫力アップ |
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ワクチン接種 |
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まとめ
敗血症は、血液に細菌が侵入し、全身に炎症が広がることで、生命を脅かす深刻な病気です。発症すると急速に症状が進行するため、早期発見と適切な治療が救命の鍵を握ります。
敗血症は決して珍しい病気ではなく、肺炎や尿路感染症などのありふれた感染症をきっかけに発症することがあります。そのため、日頃から感染症の予防を心がけることが重要です。具体的には、手洗いやうがいを徹底する、バランスの取れた食事や十分な睡眠をとる、流行している感染症の予防接種を受けるなどの対策が有効です。
また、敗血症の初期症状を理解しておくことも重要です。高熱や寒気、動悸、息切れ、強いだるさ、意識がもうろうとするなどの症状が現れたら、すぐに医療機関を受診してください。特に、高齢者や免疫力が低下している人は、重症化しやすい傾向があるため、注意が必要です。
敗血症は早期に治療を開始すれば救命できる可能性が高まります。決して自己判断せず、少しでも異常を感じたら、ためらわずに医療機関に相談しましょう。