大腸がん:知っておきたいこと

消化器

大腸がん:知っておきたいこと

病院での用語を教えて

先生、「大腸がん」ってよく聞くんですけど、どんな病気なんですか?

体の健康研究家

そうだね。「大腸がん」は、大腸にできる「がん」のことだよ。では、大腸はどこにあるか、何をするところか分かるかな?

病院での用語を教えて

えーと、お腹の中にあるんですよね?食べ物の消化をするところでしょうか…?

体の健康研究家

いい線いってるよ!食べ物は胃で消化された後、小腸で栄養が吸収され、その後ろにある大腸に送られて、水分が吸収されて便になるんだ。その大腸にできる「がん」のことを「大腸がん」って言うんだよ。

大腸癌とは。

『大腸がん』って何か知ってる? 人の体で食べ物の消化吸収が終わった後の残りカスが通る『大腸』っていう臓器があるんだけど、そこに悪さをする腫瘍(しゅよう)ができる病気をまとめて『大腸がん』って呼ぶんだよ。

大腸がんとは?

大腸がんとは?

– 大腸がんとは?大腸がんは、私たちが食事を摂ってから排泄するまでの消化管の一部である大腸に発生するがんです。大腸は、盲腸、上行結腸、横行結腸、下行結腸、S状結腸、直腸という連続した部分からなり、主に食べ物の残りかすから水分を吸収し、便を作るという大切な役割を担っています。

この大腸の壁の最も内側にある粘膜という部分に、最初はポリープと呼ばれる腫瘍ができることがあります。ポリープ自体は多くの場合、自覚症状がなく、健康に影響を与えることはほとんどありません。しかし、このポリープの一部が、長い年月をかけてがん細胞へと変化することがあります。そして、がん細胞は周囲の組織に深く入り込んでいく、いわゆる「浸潤」を起こしたり、リンパの流れや血液の流れに乗って、リンパ節や肝臓、肺などの他の臓器に移動して増殖する「転移」を起こすことがあります。このように、大腸がんが進行すると、腸閉塞などの深刻な合併症を引き起こしたり、他の臓器への転移によって生命に関わる危険性も高まる可能性があります。そのため、早期発見と適切な治療が非常に重要となります。

大腸がんの初期段階 大腸がんの進行 リスクと重要性
大腸の粘膜にポリープ(腫瘍)が発生。
– ポリープ自体は無症状で健康への影響は少ない。
ポリープの一部ががん細胞に変化し、周囲の組織に浸潤したり、リンパや血液を介して他の臓器(リンパ節、肝臓、肺など)に転移する。 がんの進行に伴い、腸閉塞などの合併症や生命を脅かすリスクが高まる。
– 早期発見と適切な治療が重要。

大腸がんの症状

大腸がんの症状

– 大腸がんの症状大腸がんは、初期の段階では自覚症状がほとんどないことが多く、放置すると病気が進行し、様々な症状が現れてきます。 大腸がんが疑われる症状には、以下のようなものがあります。* -血便- 便に血が混じって出てくる状態です。鮮やかな赤い色の場合もあれば、黒っぽいタール状の場合もあります。* -便潜血- 目では見えない程度の微量の出血が続く状態です。健康診断などで指摘されることがあります。* -腹痛- お腹の張りや痛みを感じます。痛みの程度や場所は様々です。* -便秘- 便の回数が減り、硬くなって出にくくなります。* -下痢- 水のような便が頻繁に出ます。便秘と下痢を繰り返すこともあります。これらの症状に加え、大腸がんが進行すると、貧血、体重減少、疲労感、発熱などの全身症状が現れることもあります。ただし、これらの症状は、大腸がん以外にも、痔核、潰瘍性大腸炎、過敏性腸症候群など、他の病気でもみられることが少なくありません。自己判断は危険ですので、気になる症状がある場合は、早めに医療機関を受診し、専門医の診断を受けるようにしてください。

大腸がんの症状 詳細
血便 便に血が混じる(鮮やかな赤色や黒っぽいタール状の場合あり)
便潜血 目に見えない微量の出血が続く(健康診断で指摘されることも)
腹痛 お腹の張りや痛み(程度や場所は様々)
便秘 便の回数が減り、硬くなる
下痢 水様便が頻繁に出る(便秘と下痢を繰り返すことも)
進行した場合の症状 貧血、体重減少、疲労感、発熱など
注意事項 上記症状は他疾患の可能性もあるため、自己判断せず医療機関を受診

大腸がんのリスクと予防

大腸がんのリスクと予防

– 大腸がんのリスクと予防大腸がんは、日本人の罹患率、死亡率ともに高いがんです。しかし、早期発見、早期治療を行えば治癒率も高いがんです。ここでは、大腸がんのリスクと予防について詳しく解説します。-# 大腸がんのリスク要因大腸がんのリスクを高める要因は、加齢、食生活、生活習慣、遺伝的要因、特定の疾患など、様々なものが考えられます。まず、年齢を重ねるにつれて大腸がんのリスクは高まります。特に50歳以上の方は注意が必要です。次に、食生活も大きく関わっています。脂肪分の多い食事、食物繊維の少ない食事、塩分の多い食事などは、大腸がんのリスクを高めると言われています。生活習慣も重要な要素です。喫煙、過度の飲酒、運動不足は、大腸がんのリスクを高めるだけでなく、様々な病気の原因となります。また、家族に大腸がんになった人がいる場合は、遺伝的に大腸がんになりやすい可能性があります。さらに、潰瘍性大腸炎やクローン病などの炎症性腸疾患を患っている方は、そうでない方に比べて大腸がんのリスクが高いと言われています。-# 大腸がんの予防大腸がんを予防するためには、バランスの取れた食生活、適度な運動、禁煙、節酒を心がけることが大切です。食生活では、野菜や果物、海藻、きのこなど、食物繊維を豊富に含む食品を積極的に摂取しましょう。脂肪分の多い食事は控えめにし、塩分を控えることも重要です。適度な運動は、肥満の予防だけでなく、腸の働きを活発にする効果も期待できます。喫煙は、大腸がんを含む様々ながんのリスクを高めるため、禁煙することが重要です。また、過度の飲酒も控えるようにしましょう。そして、定期的な検診を受けることは、早期発見、早期治療に繋がるため、非常に重要です。特に、50歳以上の方や、大腸がんのリスクが高い方は、積極的に検診を受けるようにしましょう。

項目 内容
大腸がんのリスク要因
  • 加齢 (特に50歳以上)
  • 食生活
    • 脂肪分の多い食事
    • 食物繊維の少ない食事
    • 塩分の多い食事
  • 生活習慣
    • 喫煙
    • 過度の飲酒
    • 運動不足
  • 遺伝的要因 (家族に大腸がんの病歴がある場合)
  • 特定の疾患 (潰瘍性大腸炎、クローン病などの炎症性腸疾患)
大腸がんの予防
  • バランスの取れた食生活
    • 野菜、果物、海藻、きのこなど食物繊維を豊富に含む食品の摂取
    • 脂肪分の多い食事を控えめに
    • 塩分を控える
  • 適度な運動
  • 禁煙
  • 節酒
  • 定期的な検診 (特に50歳以上の方や、大腸がんのリスクが高い方)

大腸がんの検査

大腸がんの検査

– 大腸がんの検査大腸がんは早期発見し、適切な治療を行えば治癒が期待できるがんです。そのためにも、定期的な検査で早期発見に努めることが重要です。ここでは、大腸がんの検査について詳しく解説します。-# 便潜血検査目に見えない血液で早期発見大腸がんの検査として、まず便潜血検査が挙げられます。これは、便に含まれる目に見えない血液(潜血)を検出する検査です。大腸がんが存在する場合、便に血液が混ざることがあります。この検査は、少量の便で検査が可能で、身体への負担も少なく、比較的安価に受けることができます。そのため、大腸がんの早期発見のための検査として有効です。便潜血検査で陽性反応が出た場合は、精密検査が必要となります。-# 大腸内視鏡検査直接観察で確定診断便潜血検査で陽性反応が出た場合は、大腸内視鏡検査を行います。これは、肛門から内視鏡と呼ばれる細い管を挿入し、大腸の内部を直接観察する検査です。大腸内視鏡検査では、大腸の粘膜の状態を詳細に観察することができます。検査中にポリープ(粘膜の一部が盛り上がったもの)などの異常が見つかった場合は、その場で組織を採取します。採取した組織は、顕微鏡で細胞を調べる生検を行い、がんの確定診断を行います。-# その他の画像検査進行度や転移の有無を調べる大腸がんと診断された場合、CT検査MRI検査PET検査などの画像検査を行います。これらの検査によって、がんの大きさや深さ、リンパ節への転移、他の臓器への転移の有無などを調べ、適切な治療方針を決定します。大腸がんの検査には、それぞれに特徴があります。ご自身の状態や医師の指示に従って、適切な検査を受けるようにしましょう。

検査名 目的 方法 備考
便潜血検査 目に見えない血液を検出して、大腸がんの早期発見をする 便に含まれる潜血を検出する 陽性反応が出た場合は、精密検査が必要
大腸内視鏡検査 大腸の内部を直接観察し、がんの確定診断を行う 肛門から内視鏡を挿入し、大腸の内部を観察する ポリープなどの異常が見つかった場合は、組織を採取して生検を行う
CT検査、MRI検査、PET検査 がんの大きさ、深さ、転移の有無などを調べる 画像診断装置を用いて、体内の状態を画像化する 治療方針の決定に役立つ

大腸がんの治療

大腸がんの治療

大腸がんの治療は、がんがどの程度進行しているか、患者さんの体力や年齢、合併症の有無などによって一人ひとりに適した方法が選択されます。大きく分けて、がんを取り除くことを目的とした外科療法、薬物を使ってがん細胞を攻撃する化学療法、放射線を用いてがん細胞を破壊する放射線療法の3つが治療の柱となります。がんが周囲の組織までにとどまっている早期の場合は、外科療法でがんを完全に取り除くことができれば、高い確率で完治が期待できます。しかし、進行した大腸がんの場合には、がんの切除に加えて、術後の再発を防ぐために抗がん剤を用いた化学療法が行われることがあります。また、がんがかなり進行してしまっている場合や、患者さんの体力面から手術が難しいと判断された場合には、抗がん剤による化学療法が中心となります。放射線療法は、手術の前後にがんを小さくしたり、痛みの緩和などの症状を和らげることを目的として行われることがあります。さらに近年、がん細胞を狙い撃ちする分子標的薬や、人間の免疫の力を利用してがん細胞を攻撃する免疫チェックポイント阻害剤などの新しい薬も登場し、治療の選択肢は広がりを見せています。治療方針を決める際には、医師とよく相談し、それぞれの治療法のメリットやデメリット、副作用などを理解することが大切です。

治療法 概要 適用
外科療法 がんを取り除くことを目的とする – がんが周囲の組織までにとどまっている早期の場合
– 完治が期待できる
化学療法 薬物を使ってがん細胞を攻撃する – 術後の再発を防ぐため
– がんがかなり進行してしまっている場合
– 患者さんの体力面から手術が難しいと判断された場合
放射線療法 放射線を用いてがん細胞を破壊する – 手術の前後にがんを小さくする
– 痛みの緩和などの症状を和らげる
分子標的薬
免疫チェックポイント阻害剤
がん細胞を狙い撃ちする
人間の免疫の力を利用してがん細胞を攻撃する
– 近年登場した新しい薬

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