体の代謝を支える甲状腺

その他

体の代謝を支える甲状腺

病院での用語を教えて

先生、「甲状腺」って蝶々みたいな形をしているって書いてあるんですけど、なんでそんな形をしているんですか?

体の健康研究家

いい質問だね!実は、甲状腺の形が蝶々みたいになっているのには、深い理由はないんだ。ただ、気管という空気の通り道の前に、ちょうど蝶々が羽を休めているような形で位置しているんだよ。

病院での用語を教えて

そうなんですね。じゃあ、何か意味があるわけじゃないんですか?

体の健康研究家

うーん、形自体に特別な意味はないんだけど、甲状腺は体の成長や代謝を調節する重要なホルモンを作っているんだ。だから、体の大切な場所に位置していることは確かだね!

甲状腺とは。

のどぼとけの少し下、気管の前にあるちょうちょのような形をした臓器を甲状腺といいます。たくさんの血管が通っていて、重さは15~20グラムほどです。この臓器は、顕微鏡で見ると、濾胞細胞と傍濾胞細胞という2種類の細胞でできています。濾胞細胞からは甲状腺ホルモンが、傍濾胞細胞からはカルシトニンというホルモンが分泌されます。甲状腺ホルモンは体の代謝を活発にしたり、神経の働きを調整したりするほか、子どもが成長するにも欠かせないものです。カルシトニンは血液中のカルシウム濃度を調節する働きをしています。

気管の前にある小さな器官

気管の前にある小さな器官

首の前側、ちょうど喉仏の下あたりに、蝶々が羽を広げたような形をした小さな器官があります。これが甲状腺です。蝶々の羽に例えられる左右対称の部分は、それぞれ右葉と左葉と呼ばれています。

甲状腺の大きさは個人差があり、一概には言えませんが、健康な成人であれば、縦と横が4~5cmほどです。これはちょうど親指と人差し指で丸を作ったくらいの大きさです。重さは15~20gほどしかありません。

甲状腺は一見小さく目立たない器官ですが、体内の代謝を調整するという重要な役割を担っています。代謝とは、体内に取り入れた栄養素をエネルギーに変えたり、不要なものを排出したりといった、生命活動の根幹となる活動のことです。甲状腺は、この代謝活動をスムーズに行うために必要なホルモンを分泌しています。そのため、甲状腺に異常が生じると、体重や体温調節、脈拍、消化機能など、体の様々な機能に影響が出てしまうことがあります。

項目 詳細
形状 蝶々が羽を広げたような形
部位 首の前側、喉仏の下あたり
大きさ 健康な成人であれば、縦と横が4~5cmほど(個人差あり)
重さ 15~20gほど
役割 体内の代謝を調整するホルモンを分泌
甲状腺異常の影響 体重、体温調節、脈拍、消化機能など、体の様々な機能に影響が出る可能性あり

甲状腺ホルモンを分泌する濾胞細胞

甲状腺ホルモンを分泌する濾胞細胞

甲状腺は、体にとって重要なホルモンである甲状腺ホルモンを分泌する器官です。顕微鏡で甲状腺を観察すると、無数の小さな袋状の構造が密集している様子が見てとれます。この袋状の構造は「濾胞」と呼ばれ、その壁を形成している細胞が「濾胞細胞」です。濾胞細胞こそが、甲状腺ホルモンを作り出し、分泌する役割を担っています。

濾胞細胞によって分泌された甲状腺ホルモンは、血液中に入り込み、全身へと運ばれます。そして、体のほぼ全ての細胞に作用し、代謝、すなわち生命活動の維持に必要なエネルギー産生や消費の調整を行います。

甲状腺ホルモンは、体温の調節にも重要な役割を果たしています。甲状腺ホルモンの分泌量が多いと体温は上昇し、少ないと体温は低下します。また、心臓の働きを活発にする作用も持ち合わせており、心拍数や心筋の収縮力を調整することで、全身に血液を送るポンプとしての機能を正常に保っています。このように、濾胞細胞から分泌される甲状腺ホルモンは、私たちの体が正常に機能するために欠かせない役割を担っているのです。

項目 詳細
甲状腺の構造 無数の濾胞(袋状の構造)が集まって構成されている。濾胞の壁は濾胞細胞からなる。
濾胞細胞の役割 甲状腺ホルモンを産生・分泌する。
甲状腺ホルモンの作用 – 代謝(エネルギー産生・消費の調整)
– 体温調節
– 心臓の働きを活発化(心拍数・心筋収縮力の調整)

カルシトニンを分泌する傍濾胞細胞

カルシトニンを分泌する傍濾胞細胞

甲状腺には、体内のカルシウムバランスを調整する上で重要な役割を担う二種類の細胞が存在します。一つは甲状腺ホルモンを分泌する濾胞細胞であり、もう一つはカルシトニンと呼ばれるホルモンを分泌する傍濾胞細胞です。

この傍濾胞細胞は、濾胞細胞とは異なる形態と機能を持ち、甲状腺の濾胞の周辺部に位置しています。名前の由来もそこにあります。濾胞細胞が甲状腺ホルモンの分泌を通じて代謝を調節するのに対し、傍濾胞細胞はカルシトニンを分泌することで血液中のカルシウム濃度を調整するという重要な役割を担っています。

カルシトニンは、骨から血液中へのカルシウムの放出を抑制する働きがあります。つまり、骨の分解を抑え、骨へのカルシウム沈着を促進することで、血液中のカルシウム濃度を低下させます。このカルシトニンの働きは、骨の健康維持に欠かせないものです。骨粗鬆症など、骨の健康が損なわれた状態では、カルシトニンの分泌が低下したり、その効果が十分に発揮されなくなったりすることがあります。

このように、甲状腺ホルモンを分泌する濾胞細胞だけでなく、傍濾胞細胞もまた、私たちの体の恒常性維持に重要な役割を果たしているのです。

細胞の種類 ホルモン 機能
濾胞細胞 甲状腺ホルモン 代謝調節
傍濾胞細胞 カルシトニン 血液中のカルシウム濃度調整 (骨からのカルシウム放出抑制、骨へのカルシウム沈着促進)

代謝の調整役、甲状腺ホルモン

代謝の調整役、甲状腺ホルモン

私たちの体の中では、食べ物がエネルギーへと変化したり、体の組織が新しく作り替えられたりするなど、休みなく様々な活動が行われています。この活動全体を「代謝」と呼びます。この代謝をスムーズに進めるために、体全体の司令塔の役割を担っているのが「甲状腺ホルモン」です。

甲状腺ホルモンは、首の前側にある蝶のような形をした「甲状腺」という器官で作られます。このホルモンは、まるで体の中の小さな炎のように、代謝の速度を調整する働きがあります。甲状腺ホルモンが多く分泌されると、代謝が活発になり、体温が上がり、エネルギーが盛んに作られます。反対に、甲状腺ホルモンの分泌が少ないと、代謝が低下し、冷え性や疲れやすさを感じやすくなります。

甲状腺ホルモンは、心臓の働きや、体の成長、脳神経の発達にも影響を与えます。そのため、甲状腺ホルモンのバランスが崩れると、体重の変化、脈拍の異常、発汗量の増加や減少、精神状態の変化など、様々な症状が現れます。健康な状態を保つためには、甲状腺ホルモンが適切な量を保つことが重要です。

項目 詳細
代謝 体内で起こる、食べ物からエネルギーへの変換や組織の再構築といった活動全体。
甲状腺ホルモン 代謝の速度を調整するホルモン。体の司令塔の役割を担う。

  • 分泌量が多い → 代謝が活発になる、体温上昇、エネルギー産生の増加。
  • 分泌量が少ない → 代謝が低下する、冷え性、疲れやすくなる。
甲状腺ホルモンの影響
  • 心臓の働き
  • 体の成長
  • 脳神経の発達
甲状腺ホルモンのバランスが崩れると… 体重変化、脈拍の異常、発汗量の異常、精神状態の変化などの症状が現れる。

成長と発達に欠かせない存在

成長と発達に欠かせない存在

人間が健やかに成長し、発達していくためには、様々なホルモンが重要な役割を担っています。その中でも、甲状腺ホルモンは特に、胎児期から乳幼児期にかけての成長と発達に欠かせない存在です。

甲状腺ホルモンは、脳の発達を促し、知能や運動能力の発達に大きく貢献します。また、骨の成長を促進する作用も持ち合わせており、身体の成長を支える重要な役割を担っています。

もし、妊娠中や成長期の子供において、甲状腺ホルモンが不足すると、低身長や知能発達の遅れなどの深刻な問題が生じる可能性があります。反対に、甲状腺ホルモンが過剰に分泌されると、体重減少や動悸などの症状が現れることがあります。

このように、甲状腺ホルモンは、人間の成長と発達に大きく関与しており、適切な量の分泌が非常に重要です。そのため、定期的な健康診断などで、甲状腺ホルモンの値をチェックすることが大切です。

ホルモン 役割 不足時の影響 過剰分泌時の影響
甲状腺ホルモン – 脳の発達促進
– 知能・運動能力の発達促進
– 骨の成長促進
– 低身長
– 知能発達の遅れ
– 体重減少
– 動悸

甲状腺の働きと健康

甲状腺の働きと健康

首の前側、喉仏の下あたりにある甲状腺は、蝶のような形をした小さな臓器ですが、私たちの健康に欠かせない役割を担っています。甲状腺からは、体のエネルギー代謝を調節する甲状腺ホルモンが分泌されています。
この甲状腺ホルモンは、私たちが健康的な毎日を送る上で非常に重要です。体温調節や心臓の働き、成長ホルモンの分泌など、様々な体の機能に深く関わっているからです。
しかし、甲状腺ホルモンの分泌量が多すぎたり少なすぎたりすると、体に様々な不調が現れます。例えば、疲れやすくなったり、体重が変化したり、脈が速くなったり、汗をかきやすくなったりすることがあります。また、精神的な症状が現れることもあり、イライラしやすくなったり、不安を感じやすくなったりすることもあります。
甲状腺は、ストレスや食生活の影響を受けやすい臓器としても知られています。
バランスの取れた食事を心がけ、十分な睡眠をとるなど、規則正しい生活を送り、甲状腺に負担をかけないようにすることが大切です。

項目 詳細
器官名 甲状腺
形状 蝶々型
大きさ
位置 首の前側、喉仏の下あたり
役割 甲状腺ホルモンの分泌
甲状腺ホルモンの機能 体のエネルギー代謝の調節
体温調節

心臓の働きの調節

成長ホルモンの分泌への関与 など
甲状腺ホルモンの異常 分泌量が多い、または少ない場合、様々な不調が現れる
甲状腺ホルモン異常の症状(身体的) 疲れやすい、体重変化、脈が速くなる、汗をかきやすい など
甲状腺ホルモン異常の症状(精神的) イライラしやすい、不安を感じやすい など
甲状腺への影響因子 ストレス、食生活
甲状腺の健康維持 バランスの取れた食事、十分な睡眠、規則正しい生活

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