インフォームド・コンセント:医療における共同意思決定

その他

インフォームド・コンセント:医療における共同意思決定

病院での用語を教えて

「インフォームド・コンセント」って、どういう意味ですか?

体の健康研究家

簡単に言うと、お医者さんから病気や治療について、きちんと説明を受けて、納得してから治療を受ける権利のことだよ。

病院での用語を教えて

納得してから治療を受ける権利…、ということは、説明を受けずに治療されることもあるんですか?

体の健康研究家

昔はそういうこともあったみたいだけど、今はインフォームド・コンセントが重要視されているから、お医者さんは患者さんが納得するまで、しっかり説明してくれるよ。

インフォームド・コンセントとは。

「インフォームド・コンセント」は、医学や健康に関する言葉です。患者さんとその家族が、お医者さんや医療チームから病気や検査、治療について、正しくて分かりやすい説明を受けられるようにすることを目指しています。そして、その説明をしっかりと理解した上で、患者さんが自分の意志で治療方針などを決められるように、サポートする考え方のことです。英語では「informed consent」の他に、「informed decision」や「shared decision making」という言葉が使われています。

インフォームド・コンセントとは

インフォームド・コンセントとは

– インフォームド・コンセントとは医療現場において、患者さんが自身の病気や治療について十分に理解し、納得した上で治療方針を決定することは非常に重要です。 このプロセスを「インフォームド・コンセント」と呼びます。 インフォームド・コンセントは、医師と患者さんの間で一方的に情報が伝えられるのではなく、対等な立場で意見交換を行い、協力しながら最善の医療を目指すためのプロセスと言えます。具体的には、医師は患者さんに対して、病気の状態や進行度合い、考えられる治療法、それぞれの治療法のメリット・デメリット、効果やリスク、治療にかかる期間や費用などを分かりやすく説明します。 専門用語を避け、図やイラストなどを用いることで、患者さんが理解しやすいように工夫することも大切です。患者さんは医師から提供された情報を元に、自身の価値観や生活背景、希望する治療方針などを医師に伝え、治療について納得いくまで相談することができます。 例えば、仕事や家庭の事情で治療期間に制限がある場合や、治療に伴う身体への負担や後遺症が心配な場合などは、率直に医師に伝えることが大切です。インフォームド・コンセントは、患者さんが自身の健康について主体的に判断し、より良い医療を受けるために欠かせないプロセスです。

インフォームド・コンセントとは 医師の役割 患者の役割
患者が自身の病気や治療について十分に理解し、納得した上で治療方針を決定するプロセス – 病気の状態や進行度合い、考えられる治療法などを分かりやすく説明する
– 各治療法のメリット・デメリット、効果やリスク、治療にかかる期間や費用などを説明する
– 専門用語を避け、図やイラストなどを用いることで、患者が理解しやすいように工夫する
– 医師から提供された情報を元に、自身の価値観や生活背景、希望する治療方針などを医師に伝える
– 治療について納得いくまで医師に相談する
– 例えば、仕事や家庭の事情で治療期間に制限がある場合や、治療に伴う身体への負担や後遺症が心配な場合などは、率直に医師に伝える

患者さんの権利と尊重

患者さんの権利と尊重

医療において、患者さんの権利と尊重は非常に重要です。従来は、医師が患者さんよりも優位に立ち、最良と判断した治療方針を一方的に決定する、いわば「お医者様が決める」という風潮がありました。しかし、医療は患者さんの体と心に深く関わるものであり、患者さん自身が自分の意志で治療方針を選択することができる権利が尊重されるべきです。

近年注目されている「インフォームド・コンセント」は、患者さんの自己決定権を尊重し、従来の医師中心の医療からの転換を目指すものです。具体的には、医師が患者さんに対して、病気の状態や治療方針、治療による効果やリスクなどを分かりやすく説明し、患者さんがその情報に基づいて納得した上で治療を受けるかどうかを自ら決定します。

患者さんはそれぞれ、価値観や生活背景、将来設計などが異なります。そのため、同じ病気や症状であっても、患者さんによって望ましい治療法は異なることがあります。インフォームド・コンセントは、患者さんが自身の置かれている状況や希望を踏まえ、納得のいく医療を受けるために重要なプロセスといえます。

項目 内容
従来の医療 医師が優位に立ち、最良と判断した治療方針を決定する医師中心の医療
変化 医療は患者さんの体と心に深く関わるものであり、患者さん自身が自分の意志で治療方針を選択することができる権利が尊重されるべきという考え方に変化
インフォームド・コンセント 患者さんの自己決定権を尊重し、医師が患者さんに対して、病気の状態や治療方針、治療による効果やリスクなどを分かりやすく説明し、患者さんがその情報に基づいて納得した上で治療を受けるかどうかを自ら決定すること
インフォームド・コンセントの重要性 患者さんはそれぞれ、価値観や生活背景、将来設計などが異なり、同じ病気や症状であっても、患者さんによって望ましい治療法は異なるため、患者さんが自身の置かれている状況や希望を踏まえ、納得のいく医療を受けるために重要

より良い医療の実現に向けて

より良い医療の実現に向けて

医療において、患者さんが安心して治療を受け、より良い結果を得るためには、患者さんと医療者の間で良好な信頼関係を築くことが何よりも大切です。そのために重要な役割を果たすのが、インフォームド・コンセントです。
インフォームド・コンセントとは、単に治療法やリスクについて説明を受け、同意書にサインをするだけの形式的な手続きではありません。患者さんにとって、病状や治療法に関する情報は、不安や疑問を解消し、治療に臨む上で大きな心の支えとなります。医療者は、患者さんが理解しやすい言葉で、十分な情報提供を行う必要があります。
また、一方的に説明するのではなく、患者さんの話に耳を傾け、疑問や不安に寄り添いながら、双方向のコミュニケーションをとることが重要です。患者さんが自身の病気や治療について理解し、納得した上で治療方針を決定することで、治療に対する主体性や協調性が高まり、ひいては治療効果の向上にも繋がると考えられています。
インフォームド・コンセントは、患者さんと医療者が協力し、共に治療に取り組むための第一歩と言えるでしょう。

テーマ 内容
良好な信頼関係の構築 患者さんが安心して治療を受け、より良い結果を得るために最も重要なこと
インフォームド・コンセントの重要性 信頼関係構築のために重要な役割を果たすプロセス
形式的な手続きではなく、患者さんの不安や疑問を解消し、心の支えとなるためのもの
医療者の役割 患者さんが理解しやすい言葉で十分な情報提供を行う

一方的な説明ではなく、患者さんの話に耳を傾け、疑問や不安に寄り添いながら、双方向のコミュニケーションをとる
インフォームド・コンセントの効果 患者さんの治療に対する主体性や協調性が高まり、治療効果の向上に繋がる
インフォームド・コンセントの意義 患者さんと医療者が協力し、共に治療に取り組むための第一歩

情報提供の重要性

情報提供の重要性

患者さんが治療方針を自ら決定できるよう、医療現場では十分な情報提供が求められています。これは単に病名や治療法を伝えるだけでなく、患者さんが納得し、安心して治療を受けられるように、丁寧に説明することを意味します。

医師は、患者さんそれぞれの状況に合わせて、分かりやすい言葉で説明するよう努めなければなりません。例えば、難しい専門用語は避け、図やイラストなどを活用すると良いでしょう。また、一方的に説明するのではなく、患者さんの言葉に耳を傾け、疑問や不安に思っていることを丁寧に聞き取ることが重要です。

一方、患者さん自身も、医師の説明に対して疑問があれば、遠慮なく質問することが大切です。自身の健康に関することですから、納得するまで医師と話し合いましょう。また、インターネットなどで自ら情報収集することも有効ですが、情報源の信頼性を確認することも必要です。信頼できる医療機関のウェブサイトや公的機関の情報などを参考にしましょう。

医師と患者さんが協力し、十分な情報共有と対話を通じて、より良い医療を実現していくことが重要です。

役割 情報提供と意思決定における行動
医師
– 患者が理解できる言葉で説明する
– 図やイラストなどを活用する
– 患者の言葉に耳を傾け、疑問や不安に答える
患者
– 疑問があれば、遠慮なく質問する
– インターネットなどで自ら情報収集する (情報源の信頼性を確認)
– 医師と話し合い、納得のいくまで治療方針を検討する

まとめ

まとめ

– まとめ患者さんが主体的に医療に参加する「インフォームド・コンセント」は、患者中心の医療を実現するために欠かせない基礎となります。
医療者は、患者さんの持つ治療方針を決める権利を尊重し、患者さんが理解しやすいように、治療内容や病気に関する十分な説明を行う必要があります。 また、押し付けではなく、患者さんの気持ちを尊重した対話を通じて、信頼関係を築くことが重要です。
一方、患者さんも自分の健康や治療に関心を持ち、積極的に情報収集や質問を行うことが求められます。 疑問や不安があれば、遠慮なく医療者に伝えることが大切です。
インフォームド・コンセントは、医療者と患者さんがお互いを理解し、協力することで、より良い治療選択、そして最終的には患者さんと医療者が共に納得のいく医療の実現につながると期待されています。

項目 説明
インフォームド・コンセントの定義 患者さんが主体的に医療に参加するプロセス
重要性 患者中心の医療の実現の基礎
医療者の役割
  • 患者さんの治療方針を決める権利を尊重する
  • 治療内容や病気について、理解しやすい説明を行う
  • 押し付けではなく、対話を通じて信頼関係を築く
患者の役割
  • 自分の健康や治療に関心を持ち、積極的に情報収集や質問を行う
  • 疑問や不安があれば、遠慮なく医療者に伝える
期待される効果
  • 医療者と患者さんとの相互理解
  • より良い治療選択
  • 患者と医療者が共に納得のいく医療の実現

Follow me!

PAGE TOP
タイトルとURLをコピーしました