肺炎:その症状と予防法
病院での用語を教えて
先生、「肺炎」ってどういう病気ですか?
体の健康研究家
いい質問だね。「肺炎」は簡単に言うと、肺に炎症が起きている状態を指すんだ。
病院での用語を教えて
肺に炎症…、風邪で喉が腫れるのと同じような感じですか?
体の健康研究家
似ているけど、肺炎はもっと深刻な場合が多いんだ。細菌やウイルスが肺に入り込んで、肺胞という場所で炎症を起こすんだよ。だから、呼吸が苦しくなったり、熱が出たりするんだ。
肺炎とは。
『肺炎』とは、肺に炎症が起こっている状態を指す言葉です。
肺炎とは?
– 肺炎とは?肺炎とは、肺に炎症が起こり、様々な症状を引き起こす病気です。肺の中の、空気を取り込んで血液に酸素を送る「肺胞」と呼ばれる小さな袋に、細菌やウイルスなどの病原体が侵入し、炎症を起こすことで発症します。肺炎は、誰にでも発症する可能性のある身近な病気ですが、決して軽視することはできません。特に、乳幼児や高齢者、基礎疾患を持つ方などは、重症化しやすい傾向があります。肺炎が重症化すると、呼吸困難に陥り、入院が必要となるケースもあります。最悪の場合、命に関わる危険性もあるため、注意が必要です。肺炎の原因は様々ですが、大きく分けると、細菌、ウイルス、真菌などが挙げられます。中でも、肺炎球菌という細菌による肺炎は多く、高齢者の方に多く見られます。また、インフルエンザなどのウイルス感染をきっかけに、細菌性の肺炎を併発することもあります。肺炎の予防には、普段から手洗いやうがいを徹底し、外出時にはマスクを着用するなど、感染症対策を心がけることが大切です。また、高齢者や基礎疾患を持つ方は、肺炎球菌ワクチンなどの予防接種を受けることも有効な手段です。肺炎は、早期発見・早期治療が重要です。咳や痰、発熱などの症状が見られる場合は、早めに医療機関を受診しましょう。
項目 | 説明 |
---|---|
定義 | 肺の肺胞に病原体が侵入し炎症を起こす病気 |
原因 | 細菌、ウイルス、真菌など |
リスクが高い人 | 乳幼児、高齢者、基礎疾患を持つ方 |
重症化のリスク | 呼吸困難、入院、死亡 |
予防 | 手洗いうがい、マスク着用、ワクチン接種 |
早期発見・治療 | 咳、痰、発熱などの症状が出たらすぐに医療機関を受診 |
肺炎の原因と種類
肺炎は、肺に炎症が起こる病気で、様々な原因によって引き起こされます。その中でも、細菌、ウイルス、真菌などの微生物が原因となることが最も多く、特に肺炎球菌などの細菌による肺炎は、肺炎全体の半数以上を占めると言われています。
肺炎は、原因となる病原体や発症の状況などによって、いくつかの種類に分けられます。例えば、市中肺炎は、病院の外で日常生活を送る中で発症する肺炎のことで、健康な人がかかる場合もあれば、高齢者や基礎疾患を持つ人など、抵抗力が落ちている人がかかる場合もあります。
一方、院内肺炎は、入院中に発症する肺炎のことで、病院内で感染するケースが多くみられます。院内肺炎は、市中肺炎に比べて、原因となる菌の種類が異なり、薬が効きにくい場合もあるため、注意が必要です。
また、誤嚥性肺炎は、食べ物や唾液などが誤って気管に入ってしまうことで起こる肺炎で、高齢者や脳卒中の後遺症などで飲み込む力が弱っている人に多くみられます。
このように、肺炎は種類によって原因や発症のリスク、重症度などが異なるため、それぞれに合った予防策や治療法を行うことが重要です。
肺炎の種類 | 原因 | 患者像 |
---|---|---|
市中肺炎 | 細菌、ウイルス、真菌など | 健康な人、高齢者、基礎疾患を持つ人など |
院内肺炎 | (市中肺炎とは異なる) 薬剤耐性菌など | 入院患者 |
誤嚥性肺炎 | 食べ物や唾液の気管への誤嚥 | 高齢者、脳卒中の後遺症がある人など |
肺炎の症状
肺炎は、肺に炎症が起こる病気です。その症状は、肺炎の原因となる病原体や、肺炎の重症度、そして個人の体力や年齢などによって大きく異なります。
肺炎で最もよくみられる症状は咳です。咳は、初期は乾いた咳であることが多いですが、次第に痰を伴うようになり、黄色や緑色の膿のような痰が出ることもあります。これは、炎症によって肺の中に膿が溜まっているためです。
また、発熱も肺炎の一般的な症状です。38度以上の高熱が出ることも少なくありません。肺炎による発熱は、体が肺炎の原因となる病原体と戦っているために起こります。
さらに、息切れも肺炎の重要な症状です。軽い運動でも息切れがしたり、呼吸が速くなったりすることがあります。これは、肺の炎症によって、十分な酸素を取り込めなくなっているためです。
これらの症状に加えて、胸の痛みや倦怠感、食欲不振などを伴うこともあります。症状が風邪に似ている場合もあるため、注意が必要です。特に高齢者や乳幼児、基礎疾患のある方は、肺炎が重症化しやすいため、注意が必要です。
症状 | 説明 |
---|---|
咳 | 最初は乾いた咳が多いですが、次第に痰を伴うようになり、黄色や緑色の膿のような痰が出ることもあります。 |
発熱 | 38度以上の高熱が出ることも少なくありません。体は肺炎の原因となる病原体と戦っているために起こります。 |
息切れ | 軽い運動でも息切れがしたり、呼吸が速くなったりすることがあります。肺の炎症によって、十分な酸素を取り込めなくなっているためです。 |
胸の痛み | 肺炎に伴い発生することがあります。 |
倦怠感 | 肺炎に伴い発生することがあります。 |
食欲不振 | 肺炎に伴い発生することがあります。 |
肺炎の診断
肺炎は、様々な原因によって引き起こされる肺の炎症です。その診断には、医師による診察と検査が欠かせません。
まず医師は、患者さんの症状について詳しく聞き取りを行います。咳や痰、発熱、呼吸困難などの有無や程度、いつから症状が現れたのかなどを確認します。
次に、聴診器を用いて肺の音を聴診します。肺炎になると、通常とは異なる呼吸音や雑音が聞こえることがあります。
さらに、胸部X線検査を行います。これは、肺の状態を画像で確認できる検査です。肺炎になると、肺の一部が白く写ることがあります。
肺炎の原因を特定するために、痰や血液を採取して検査を行うこともあります。細菌やウイルスなどの病原体を特定することで、より適切な治療法を選択することができます。
これらの検査結果と診察 findings を総合的に判断し、肺炎の診断を下します。肺炎の重症度や原因によって、治療法は異なってきます。軽症であれば、自宅での安静と内服薬による治療が行われますが、重症化すると入院して抗生物質の点滴や酸素吸入などの治療が必要になる場合もあります。
診断 | 内容 |
---|---|
医師による診察 | 咳、痰、発熱、呼吸困難などの症状について、有無や程度、いつから症状が現れたのかなどを確認します。 |
聴診 | 聴診器を用いて肺の音を聴診し、異常な呼吸音や雑音がないかを確認します。 |
胸部X線検査 | 肺の状態を画像で確認し、肺炎による白い影がないかを確認します。 |
痰・血液検査 | 細菌やウイルスなどの病原体を特定します。 |
肺炎の治療
肺炎は、肺に炎症が起こる病気で、様々な原因によって引き起こされます。そのため、肺炎の治療法は、その原因や症状の重さによって異なってきます。
細菌が原因で起こる細菌性肺炎の場合、原因となる細菌を退治するために、抗生物質が使われます。抗生物質の種類や服用期間は、肺炎の重さや患者さんの状態によって異なります。医師の指示に従って、きちんと服用することが大切です。
一方、ウイルスが原因で起こるウイルス性肺炎の場合、細菌性肺炎のように抗生物質は効果がありません。インフルエンザウイルスなど、特定のウイルスに対して有効な薬が処方されることもありますが、多くの場合は、安静にして体の免疫力で治すことが基本となります。
細菌性肺炎、ウイルス性肺炎に関わらず、肺炎の症状を和らげるために、熱を下げる薬や咳を鎮める薬などが使われることがあります。
肺炎が重い場合は、入院して治療を行う必要があります。入院治療では、呼吸を楽にするために酸素吸入を行ったり、栄養状態を改善するために点滴を行ったりします。肺炎は、重症化すると命に関わることもあります。息苦しさや高熱などの症状が出た場合は、早めに医療機関を受診することが大切です。
原因 | 治療法 |
---|---|
細菌 | – 抗生物質 – 種類や服用期間は肺炎の重さや患者さんの状態による – 医師の指示に従ってきちんと服用 |
ウイルス | – 抗生物質は効果なし – 特定のウイルスに有効な薬が処方されることもある – 基本は安静と体の免疫力で治す |
細菌性・ウイルス性共通 | – 熱を下げる薬 – 咳を鎮める薬 – 重症の場合:入院、酸素吸入、点滴 |
肺炎の予防法
肺炎は、様々な細菌やウイルスが原因で引き起こされる、肺に炎症が起こる病気です。命に関わることもある肺炎を予防するには、日頃から健康的な生活習慣を送り、体の免疫力を高めておくことが重要になります。
まず、栄養バランスのとれた食事を三食きちんと摂り、体の抵抗力を高めましょう。十分な睡眠をとることも、免疫力を維持するために大切です。適度な運動も、体力向上や免疫力アップに効果が期待できます。
外出時には、人混みの中に入っていく際はマスクを着用するなどして、できる限りウイルスとの接触を避けましょう。不特定多数の人が触れる場所に行った後や食事の前には、石鹸を使って丁寧に手を洗い、流水ですすぎましょう。うがいもしっかりと行い、口の中を清潔に保つように心がけましょう。
高齢の方や糖尿病などの基礎疾患がある方は、肺炎にかかると重症化するリスクが高まります。かかりつけの医師に相談し、肺炎球菌ワクチンなどの予防接種を受けることを検討してみましょう。
肺炎予防のポイント | 具体的な方法 |
---|---|
健康的な生活習慣で免疫力アップ | ・栄養バランスのとれた食事 ・十分な睡眠 ・適度な運動 |
ウイルスとの接触を避ける | ・外出時のマスク着用 ・人混みを避ける ・こまめな手洗い・うがい |
ハイリスク群は予防接種を検討 | ・高齢者 ・糖尿病などの基礎疾患がある方 ※かかりつけ医に相談 |