知っておきたい女性の病気:子宮脱
病院での用語を教えて
先生、「子宮脱」ってどういう意味ですか?難しくてよくわかりません。
体の健康研究家
そうか。「子宮脱」は簡単に言うと、子宮が本来あるべき場所から膣の方に下がってしまう状態のことだよ。例えるなら、鉢植えの植物が鉢から抜け落ちてしまうイメージかな。
病院での用語を教えて
あ!なんとなくわかります。どうしてそんなことになるんですか?
体の健康研究家
主な原因は、年を重ねたり、出産を経験することで、子宮を支えている筋肉が弱くなってしまうことなんだ。他にも、重いものを持ち上げ続けたり、便秘でいきむことが多いなども原因として考えられるよ。
子宮脱とは。
子宮脱というのは、子宮の一部または全部が本来あるべき位置よりも下がり、膣の方へ出てきてしまう状態のことです。これは、膀胱脱や直腸脱と並んで、骨盤臓器脱と呼ばれる症状の一つに分類されます。骨盤の中にある臓器を支えている筋肉が、年齢を重ねたり、妊娠や出産を繰り返すことで弱くなってしまうことが原因で起こります。
子宮脱とは
– 子宮脱とは子宮脱とは、骨盤の奥にある臓器である子宮が、本来あるべき位置から下に下がってしまう状態を指します。子宮は、ハンモックのように骨盤の中で臓器を支える骨盤底筋群と呼ばれる筋肉や、靭帯と呼ばれる硬い組織によって支えられています。しかし、これらの組織が加齢や出産、肥満など様々な要因によって弱くなると、子宮を支えきれなくなり、子宮が下垂してしまうのです。子宮脱は、その程度によって大きく三段階に分けられます。まず、第一段階は子宮が少し下がっているものの、膣からは出てきていない状態です。第二段階は、子宮がさらに下がり、性交時や重いものを持った時などに、子宮の一部が膣から外に出てきてしまう状態です。そして、第三段階になると、子宮全体が常に膣の外に出てしまい、元に戻らなくなります。子宮脱は、初期段階では自覚症状がほとんどない場合もあります。しかし、病気が進行すると、膣に何かがつっかえているような違和感や、腰痛、頻尿、排尿困難、便秘などの症状が現れることがあります。さらに重症化すると、歩行や性交時の痛み、出血などを伴うこともあります。子宮脱は決して珍しい病気ではありません。特に、出産経験のある女性に多くみられます。加齢も子宮脱の大きなリスク要因の一つです。また、肥満や慢性的な便秘、重いものを持ち上げる作業なども、骨盤底筋群に負担をかけ、子宮脱を引き起こす可能性を高めます。
段階 | 症状 |
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第一段階 | 子宮が少し下がっているが膣からは出てきていない。自覚症状はほとんどない場合もある。 |
第二段階 | 子宮がさらに下がり、性交時や重いものを持った時などに、子宮の一部が膣から外に出てきてしまう。膣に何かがつっかえているような違和感、腰痛、頻尿、排尿困難、便秘などの症状が現れることがある。 |
第三段階 | 子宮全体が常に膣の外に出てしまい、元に戻らなくなる。歩行や性交時の痛み、出血などを伴うこともある。 |
子宮脱の原因
– 子宮脱の原因
子宮脱は、骨盤内で臓器を支える筋肉の集まりである骨盤底筋群の衰えが主な原因です。骨盤底筋群は、膀胱や子宮、直腸などを正常な位置に保つ役割を担っており、排尿や排便のコントロールにも深く関わっています。
加齢は、誰にでも訪れる自然な現象ですが、その過程で骨盤底筋群も徐々に衰えていきます。特に女性の場合、妊娠や出産は骨盤底筋群に大きな負担をかけるため、子宮脱のリスクを高める要因となります。
出産の際、経膣分娩を経験した女性は、帝王切開で出産した女性に比べて子宮脱のリスクが高くなる傾向があります。また、赤ちゃんが大きく育つ巨大児分娩や、一度に複数の赤ちゃんを妊娠する多胎妊娠、出産に時間がかかったり、困難を伴う難産を経験した女性も、そうでない女性に比べて子宮脱のリスクが高いと言われています。
さらに、肥満も骨盤底筋群に負担をかけるため、子宮脱のリスクを高める要因の一つです。また、慢性的な咳や便秘も、お腹に負担をかけるため、骨盤底筋群に影響を及ぼし、子宮脱を引き起こす可能性があります。日頃から、バランスの取れた食事や適度な運動を心掛け、健康的な体重を維持することが大切です。そして、咳が長引く場合は早めに医療機関を受診し、便秘の場合は食物繊維を多く摂るなど、生活習慣を改善するようにしましょう。
原因 | 詳細 |
---|---|
骨盤底筋群の衰え | 加齢、妊娠、出産により骨盤底筋群が衰える。特に経膣分娩はリスクを高める。 |
出産時の状況 | 巨大児分娩、多胎妊娠、難産は子宮脱のリスクを高める。 |
肥満 | 骨盤底筋群への負担を増大させる。 |
慢性的な咳や便秘 | お腹への負担が骨盤底筋群に影響する。 |
子宮脱の症状
– 子宮脱の症状子宮脱とは、骨盤底筋群と呼ばれる骨盤の筋肉や靭帯が、加齢や出産などでダメージを受け、子宮を支えきれなくなることで、子宮が本来の位置から下降してしまう状態を指します。このページでは、子宮脱に伴いやすい症状について詳しく解説していきます。子宮脱の症状は、子宮の下垂の程度によって大きく異なります。初期段階では、自覚症状がほとんどない場合も少なくありません。そのため、健康診断や婦人科検診などで指摘されて初めて、子宮脱に気づくというケースも見られます。しかし、子宮の下垂が進むにつれて、様々な症状が現れてきます。代表的な症状としては、「膣に何かが降りてくる、または詰まっているような感覚」が挙げられます。これは、実際に子宮が膣内へ脱出しているために起こる感覚で、おりものや異物感とは異なる、独特の不快感を伴います。その他にも、腰痛や下腹部痛といった痛みや、性交時に痛みを感じる性交痛、尿が出にくい、または尿の回数が多くなる排尿困難や頻尿、排尿後も膀胱に尿が残っているような残尿感といった排尿に関する症状が現れることもあります。これらの症状は、長時間立っていたり、歩いたり、重いものを持ち上げたりするなど、お腹に力が入る動作をすることで悪化する傾向があります。反対に、横になったり、安静にしたりすることで症状が和らぐことが多いのも特徴です。もしも、上記のような症状が気になる場合は、早めに医療機関を受診し、専門医の診察を受けるようにしましょう。特に、日常生活に支障が出るほどの症状が出ている場合は、放置せずに、速やかに適切な治療を開始することが大切です。
症状 | 詳細 | 傾向 |
---|---|---|
膣の違和感 | ・何かが降りてくる、または詰まっているような感覚 ・おりものや異物感とは異なる、独特の不快感を伴う |
– |
痛み | ・腰痛 ・下腹部痛 ・性交痛 |
・長時間立っていたり、歩いたり、重いものを持ち上げたりするなど、お腹に力が入る動作をすることで悪化 |
排尿に関する症状 | ・排尿困難 ・頻尿 ・残尿感 |
・長時間立っていたり、歩いたり、重いものを持ち上げたりするなど、お腹に力が入る動作をすることで悪化 |
子宮脱の治療法
子宮脱とは、骨盤底の筋肉や組織が弱くなり、子宮が本来あるべき位置から膣内に下垂してしまう状態を指します。この病気の治療法は、患者さんの症状の程度や年齢、そして健康状態を総合的に判断した上で決定されます。
もし症状が軽い場合は、骨盤底筋体操などの保存的治療で様子を見るのが一般的です。骨盤底筋とは、骨盤の底に位置し、子宮や膀胱、直腸などを支える筋肉群です。骨盤底筋体操は、この筋肉群を鍛えることで子宮を支える力を強化し、子宮の下垂を防ぐ効果が期待できます。
しかし、子宮脱の程度が重度であったり、保存的治療を行っても効果が得られない場合には、手術が必要となることがあります。手術には、子宮を元の位置に戻して固定する方法や、子宮を摘出する方法など、様々な種類があります。それぞれの方法にはメリットとデメリットがあり、医師は患者さんの状態に合わせて最適な手術方法を選択します。手術は身体への負担が大きいため、医師と患者さんとの間で十分な相談と同意が必要となります。
症状の程度 | 治療法 | 説明 |
---|---|---|
軽度 | 保存的治療(例:骨盤底筋体操) | 骨盤底筋を鍛えることで子宮を支える力を強化し、子宮の下垂を防ぎます。 |
重度 保存的治療で効果がない場合 |
手術 |
患者さんの状態に合わせて最適な方法を選択します。 |
子宮脱の予防
– 子宮脱の予防子宮脱は、子宮を支える筋肉や靭帯が弱くなることで、子宮が膣内へと下がってきてしまう状態です。子宮脱を予防するためには、骨盤底筋群を鍛えることが重要です。骨盤底筋群とは、骨盤の底に位置し、子宮や膀胱、直腸などを支える筋肉の集まりのことです。骨盤底筋群を鍛える体操は、特別な器具を使わずに、いつでもどこでも簡単に行うことができます。例えば、椅子に座ったまま、肛門を締め上げるように力を入れて、数秒間キープします。これを数回繰り返します。日常生活の中で、信号待ちや家事の合間など、こまめに行うように心がけましょう。また、日頃から姿勢を正しく保つことも大切です。猫背や反り腰は、骨盤底筋群に負担をかける姿勢です。背筋を伸ばし、お腹を軽く引っ込めるように意識してみましょう。さらに、重いものを持ち上げるときは、腰を落として、膝を使うようにしましょう。腰に負担をかけずに持ち上げることで、骨盤底筋群への負担を軽減することができます。出産後の女性は、骨盤底筋群がダメージを受けているため、特に子宮脱になりやすい状態です。産後すぐは無理せず、医師の指示に従って、骨盤底筋体操を始めましょう。徐々に強度を上げながら、継続して行うことが大切です。子宮脱は、日常生活に支障をきたす可能性のある疾患です。日頃から骨盤底筋群を意識し、予防に努めましょう。
子宮脱予防のための対策 | 具体的な方法 |
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骨盤底筋群を鍛える |
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日頃から姿勢を正しく保つ |
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重いものを持ち上げるときは、腰を落として膝を使う | 腰に負担をかけずに持ち上げる |
出産後の女性は医師の指示に従って骨盤底筋体操を始める |
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