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命を脅かす心筋梗塞とは?

私たちの心臓は、全身に血液を送るポンプの役割をしています。心臓自身も筋肉でできており、他の筋肉と同じように、動くためには酸素と栄養が必要です。心臓が必要とする酸素と栄養は、冠動脈という血管を通して運ばれてきます。 しかし、生活習慣の乱れや加齢などが原因で、血管の内側に脂肪などが溜まってしまう動脈硬化が起こることがあります。動脈硬化が進むと血管の内側は狭くなり、血液の流れが悪くなってしまいます。さらに、血管の内側が傷ついてしまうと、そこに血の塊(血栓)ができてしまうことがあります。 もし冠動脈で血栓ができてしまうと、心臓の筋肉に血液が行き渡らなくなってしまいます。心臓の筋肉は、血液によって運ばれてくる酸素と栄養が得られないと、正常に働くことができず、最悪の場合は心臓が停止してしまいます。これが心筋梗塞です。 心筋梗塞は命に関わる危険な病気です。普段からバランスの取れた食事や適度な運動を心がけ、血管を健康な状態に保つことが大切です。
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生命の指標:血圧について

- 血圧とは私たちの体の中には、全身に栄養や酸素を運ぶために、網の目のように血管が張り巡らされています。心臓は、まるでポンプのように休むことなく動き続け、血液を体中に送り出しています。この時、血液が血管の中を流れる際に、血管の壁に圧力がかかります。これが「血圧」です。血圧は、血液を体の隅々まで送り届けるために必要な圧力です。高すぎても低すぎてもいけません。 血圧が高い状態が続くと、血管に負担がかかり続け、動脈硬化などを引き起こすリスクが高まります。動脈硬化は、血管の弾力性を失わせ、血液の流れを悪くする病気です。進行すると、心筋梗塞や脳梗塞など、命に関わる病気を引き起こす可能性があります。反対に、血圧が低い状態が続くと、体全体に十分な血液が巡らなくなります。 その結果、めまいや立ちくらみ、疲労感などが現れることがあります。健康な状態を保つためには、血圧を適切な範囲に保つことが大切です。日頃からバランスの取れた食事、適度な運動、十分な睡眠を心がけ、血圧を正常な範囲に保ちましょう。また、定期的に血圧を測定し、自身の血圧の状態を把握することも重要です。
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医療現場で使われる言葉:脈拍を意味する「プルス」

病院で働く医師や看護師たちは、専門的な知識を必要とする医療現場において、日々患者さんの治療にあたっています。 医療現場では、正確な情報伝達が欠かせないため、専門用語や独特の言い回しが多く用いられています。これらの言葉は、医療従事者間でスムーズなコミュニケーションを図り、迅速かつ的確な医療行為を行うために必要不可欠です。例えば、「バイタルサイン」「ルート確保」「状態変化」といった言葉は、医療従事者にとっては日常的に使う言葉ですが、一般の人には馴染みが薄いかもしれません。 このような医療現場特有の言葉は、患者さんにとっては分かりにくく、不安に感じられることもあるでしょう。しかし、これらの言葉は、患者さんの安全を守る上で重要な役割を果たしています。例えば、「アナフィラキシーショック」や「心肺停止」といった緊急事態を示す言葉は、医療従事者が状況を瞬時に理解し、適切な処置を施すために必要不可欠です。 医療従事者は、患者さんの立場に立って、分かりやすい言葉で説明するよう心がけることが大切です。患者さんも、分からない言葉があれば、遠慮なく質問することで、安心して治療を受けることができます。
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ヘモカテーテル:治療と介入の懸け橋

私たちの体の中には、全身に血液を送り届けるために、網の目のように血管が張り巡らされています。特に動脈は、酸素を豊富に含んだ血液を心臓から送り出すという重要な役割を担っています。これらの動脈に安全かつ確実にアクセスする医療機器として、「ヘモカテーテル」、略して「ヘモカテ」と呼ばれるものがあります。 ヘモカテは、いわば体の高速道路である動脈への入り口です。細い管状の形をしており、主に太ももの付け根にある太い動脈である大腿動脈に挿入されます。そこから、血管の中を目的の部位まで通過させていきます。例えば、心臓の冠動脈に到達させることで、狭窄や閉塞を引き起こしている部分を特定し、治療を行うことが可能になります。 ヘモカテを用いることで、心臓カテーテル検査や血管内治療など、様々な医療行為が可能になります。心臓カテーテル検査では、心臓の動きや冠動脈の状態を詳細に調べることができ、心臓病の診断に欠かせないものとなっています。また、血管内治療においては、ヘモカテを通してカテーテルと呼ばれる細い管を挿入し、風船状の器具で血管を広げたり、ステントと呼ばれる金属製の網状の筒を留置して血管を拡張したりすることができます。 このように、ヘモカテは循環器系の疾患の診断と治療において非常に重要な役割を担っており、多くの患者さんの命を救うことに貢献しています。
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冠状動脈疾患集中治療室:心臓を守る最前線

心臓疾患専門の集中治療室(CCU)は、心臓に疾患を持つ患者さんの命を守るための重要な役割を担っています。ここでは、冠動脈疾患などの深刻な心臓病を抱えた患者さんに対し、集中的な治療と注意深いケアが提供されます。 CCUは、病院の中でも特に重要な部署の一つです。心臓疾患の専門医である循環器内科医をはじめ、高度なトレーニングを受けた看護師、薬の専門家である薬剤師、医療機器の操作に精通した臨床工学技士など、多くの医療従事者がチームを組んで24時間体制で患者さんの状態を監視し、必要な医療を提供しています。 CCUでは、心電図や血圧、酸素飽和度などの生体情報を常時監視し、患者さんの状態の変化に迅速に対応できる体制が整えられています。また、人工呼吸器や心臓カテーテルなどの高度な医療機器も備えられており、必要があればすぐに使用できる状態になっています。 CCUは、心臓病の緊急事態に対応するだけでなく、手術後や重い心臓発作後の患者さんの回復を助ける役割も担っています。 CCUでの集中的な治療とケアは、患者さんの命を救い、健康を取り戻すために不可欠なのです。
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冠状動脈疾患集中治療室:心臓を守る最前線

心臓は、全身に血液を送り出すポンプのような役割を担っており、私たちの体にとって非常に重要な臓器です。その心臓に病気を持つ患者さんにとって、集中的な治療と注意深い経過観察を行うための専門的な場が必要となります。それが、心臓疾患に特化した集中治療室、冠状動脈疾患集中治療室(CCU)です。 CCUでは、心臓の状態を24時間体制で監視し、常に変化に気を配っています。心電図や血圧、血液中の酸素濃度などを計測するモニターが設置され、患者さんの状態を詳細に把握しています。そして、もしもの場合に備え、医師や看護師が迅速に対応できる体制を整えています。 CCUに入院される患者さんは、重い心臓病を患っていることが多く、容態が急変することも少なくありません。心筋梗塞や不整脈、心不全など、命に関わる病気が発生した場合でも、CCUでは、高度な医療技術と専門知識を持つ医療スタッフが、患者さんの命を守るため、全力を尽くします。 CCUは、心臓病の患者さんにとって、まさに生命線と言える重要な役割を担っています。
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命を支える技術:経皮的心肺補助法

心臓と肺は、私たちが生きていく上で欠かせない臓器です。どちらも休むことなく働き続け、血液を循環させ、体全体に酸素を供給しています。しかし、病気や怪我などによって、心臓や肺の機能が著しく低下してしまうことがあります。このような状態になると、生命の危機に瀕してしまう可能性があります。 経皮的心肺補助法(PCPS)は、心臓や肺の機能が著しく低下した患者さんの命を繋ぐための重要な医療技術です。これは、心臓と肺の働きを一時的に代替することで、これらの臓器に休息を与えることを目的とした治療法です。 PCPSでは、まず太ももの付け根や首などの血管からカテーテルと呼ばれる細い管を挿入します。そして、このカテーテルを通して血液を体外に取り出し、人工心肺装置に接続します。人工心肺装置は、血液から二酸化炭素を取り除き、酸素を供給する役割を担います。その後、酸素を豊富に含んだ血液は再び体内に戻されます。 PCPSによって心臓と肺を休ませることで、本来であれば回復が難しいような重症な状態であっても、患者さんの状態が改善する可能性があります。心臓や肺の機能が回復するまでの間、PCPSはまさに「命の橋渡し」として、多くの患者さんの命を救っています。
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命を脅かす不整脈:トルサード・ド・ポアント

私たちの心臓は、規則正しいリズムを刻むことで、全身に血液を送り出すポンプとしての役割を担っています。この心臓の動きは、まるで正確な時計のように、一定のリズムを保っていることが理想的です。しかし、様々な要因によって、この規則正しいリズムが乱れてしまうことがあります。このような状態を不整脈と呼びます。 不整脈は、その種類や程度によって、症状や危険性が大きく異なります。例えば、一時的な疲労やストレス、睡眠不足、カフェインの過剰摂取などが原因で起こる不整脈は、比較的軽度で、一時的なものである場合が多くみられます。このような不整脈は、特に治療の必要がなく、生活習慣の改善などで改善されることが多いです。 一方、心臓の病気や高血圧、糖尿病などの基礎疾患が原因で起こる不整脈は、命に関わる危険性を孕んでいるケースもあります。症状としては、動悸や息切れ、めまい、失神などがあります。特に、意識を失ってしまうような不整脈は、緊急を要する危険な状態です。 不整脈は、決して珍しいものではなく、誰にでも起こりうる可能性があります。そのため、少しでも気になる症状がある場合は、放置せずに、速やかに医療機関を受診することが大切です。
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意識消失の影に潜む心臓病:アダムス・ストークス症候群

アダムス・ストークス症候群では、突然意識を失ってしまうという恐ろしい症状が現れることがあります。これは、心臓の拍動が一時的に乱れることで、脳に血液が十分に行き渡らなくなることが原因です。 心臓は、全身に血液を送り出すポンプの役割を果たしています。しかし、アダムス・ストークス症候群の場合、このポンプ機能が乱れてしまい、血液を送り出すリズムが崩れてしまうことがあります。すると、脳に十分な酸素を含んだ血液が送られなくなり、意識を失ってしまうのです。 意識消失は、まるでスイッチが切れたように突然起こります。そのため、周囲の人にとっては非常に驚きと不安を伴う出来事となります。患者さん自身は、意識を失っている間は周囲で何が起きているのか全くわかりません。そのため、転倒して怪我をしてしまうこともあります。 このような症状が現れた場合は、すぐに医療機関を受診する必要があります。適切な治療を受けることで、症状の改善や進行の抑制が期待できます。
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心臓を助ける縁の下の力持ち:IABP療法

- IABP療法とは心臓は、全身に血液を送り出すために休むことなく働き続けています。しかし、病気や怪我などによって心臓のポンプ機能が著しく低下してしまうことがあります。このような状態は心不全と呼ばれ、生命に関わる危険な状態です。IABP療法(大動脈内バルーンパンピング法)は、この心不全に陥った心臓を補助し、回復を促すことを目的とした治療法です。IABP療法では、まず足の付け根の動脈からカテーテルと呼ばれる細い管を挿入します。そして、そのカテーテルの先端に風船のついたバルーンを大動脈まで進めます。このバルーンは心臓の動きと同期して膨らんだり縮んだりするように設計されており、心臓が拡張する時にはバルーンは縮み、心臓が収縮する時にはバルーンは膨らみます。バルーンが膨らむことで大動脈内の圧力が上昇し、心臓から送り出される血液量が増加します。また、バルーンが縮むことで大動脈内の圧力が減少し、心臓の負担が軽減されます。このように、IABP療法は心臓のポンプ機能を補助することで、心不全の症状を改善します。IABP療法は、あくまで心臓が回復するまでの一時的な補助療法であり、心臓の根本的な治療ではありません。しかし、心不全の危機的な状況を乗り越え、心臓の回復を待つための重要な治療法と言えるでしょう。
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経皮的心肺補助法:生命を支える最新技術

- 経皮的心肺補助法とは 経皮的心肺補助法(PCPS)は、病気や怪我などによって心臓や肺が正常に機能しなくなった時に、一時的にその働きを代替し、生命を維持するための治療法です。 心臓は全身に血液を送り出すポンプの役割、肺は血液中に酸素を取り込み、二酸化炭素を排出するガス交換の役割を担っていますが、心臓手術後や重い心不全、呼吸不全の患者さんの場合、これらの臓器が十分に機能せず、生命維持が困難になることがあります。このような場合に、PCPSを用いることで、心臓や肺を休ませながら回復を促すことが期待できます。 PCPS では、足の付け根にある太い血管(大腿動脈と大腿静脈)からカテーテルと呼ばれる細い管を挿入します。このカテーテルを通して血液を体外に取り出し、PCPS 装置内で酸素を供給し、再び体内に戻します。この一連の循環補助を行うことで、弱った心臓や肺の代わりに血液を循環させ、酸素を全身に送り届けることが可能となります。 PCPS は、心臓や肺の機能が回復するまでの間、生命維持に不可欠な治療法と言えるでしょう。
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頻脈:知っておきたいその症状と対応

- 頻脈とは頻脈とは、心臓が異常に速く拍動している状態を指します。簡単に言うと、心臓が通常よりも速くドキドキしている状態のことです。医学的には、安静時の脈拍数が1分間に100回を超えると頻脈と診断されます。健康な人でも、激しい運動の後や、緊張している時、興奮している時などには、脈拍数が一時的に増加することがあります。これは、体が酸素をより多く必要とするため、心臓が頑張って血液を送り出そうとしているからです。このような生理的な反応による一時的な頻脈は、特に心配する必要はありません。しかし、安静時や軽い運動をしている時など、特に負荷がかかっているわけでもないのに脈拍数が速くなる場合は、頻脈が疑われます。頻脈は、心臓の病気や甲状腺の病気、貧血、脱水など、様々な原因で起こることがあります。また、ストレスや不安、カフェインの過剰摂取、特定の薬の副作用なども、頻脈を引き起こす可能性があります。頻脈は、動悸や息切れ、めまい、胸の痛みなどの症状を伴うことがあります。症状が重い場合や、頻繁に起こる場合は、早めに医療機関を受診することが大切です。医師は、診察や検査を通して原因を突き止め、適切な治療を行います。
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心臓の悲鳴:虚血性心疾患とは?

私たちの体は、心臓という重要な器官が休むことなく全身に血液を送ることで活動を維持しています。心臓はまさに、生命を支えるエンジンと言えるでしょう。しかし、この重要なエンジンもまた、正常に動き続けるためには栄養と酸素を必要とします。心臓自身に栄養と酸素を届けているのが、心臓を取り囲むように張り巡らされた冠動脈という血管です。 虚血性心疾患は、この冠動脈に問題が生じることで心臓が必要とする十分な血液を受け取ることができなくなる病気です。心臓は絶えず動き続けなければならないにもかかわらず、その心臓自身に必要なものが供給されなくなってしまうのです。これは、まるで影が心臓を覆い尽くしていくかのような深刻な事態と言えます。 虚血性心疾患は、放置すると心臓の筋肉が栄養不足に陥り、その機能が著しく低下してしまいます。最悪の場合、心臓が完全に停止してしまうこともあり、私たちの命を脅かす危険性も孕んでいます。まさに心臓を襲う影、それが虚血性心疾患なのです。
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心機能の重要な指標:心係数とは

私たちの体にとって欠かせない臓器である心臓は、全身に血液を送り出すポンプとしての役割を担っています。この心臓がどれくらい効率的に血液を送り出しているかを評価する指標の一つに心拍出量があります。心拍出量は、心臓が1分間に送り出す血液の量を示すものですが、体の大きさによって大きく変化します。体が大きければ心臓も大きくなり、心拍出量も多くなるのは当然のことです。そのため、心拍出量をそのまま見てしまうと、体が大きい人は心臓の機能が高い、体が小さい人は心臓の機能が低いと誤解してしまう可能性があります。 そこで、体格差による影響を補正し、より正確に心臓の機能を評価するために用いられるのが心係数です。心係数は、心拍出量を体表面積で割ることで計算されます。体表面積は、身長と体重から計算される体の表面の面積のことです。心係数を用いることで、体が大きくても小さくても、心臓が体の大きさに応じて十分な量の血液を送り出せているかを評価することができます。 心係数は、心臓の機能を評価する上で非常に重要な指標であり、心臓病の診断や治療効果の判定などに広く用いられています。例えば、心不全などの心臓病になると、心臓のポンプ機能が低下し、心係数が低下します。また、心臓手術などの治療効果を判定する際にも、心係数の変化が重要な指標となります。
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心臓のポンプ機能:一回拍出量とは?

私たちの体内には、全身に酸素や栄養を運ぶために血液が絶えず巡っています。この血液循環の原動力となっているのが心臓です。心臓は休むことなく拍動し、血液を体全体に送り出しています。 心臓が一回拍動するごとに送り出す血液の量を「一回拍出量」と言います。心臓は4つの部屋に分かれており、そのうち左心室と呼ばれる部屋が全身に血液を送り出すポンプの役割を担っています。一回拍出量とは、この左心室が一回収縮するごとに、大動脈へ送り出す血液の量のことを指します。 一回拍出量は、心臓の働きを知る上で重要な指標の一つです。安静時の平均的な一回拍出量は約70mlとされています。心臓は、運動時にはより多くの酸素を必要とするため、一回拍出量が増加します。逆に、心不全などの心臓病になると、一回拍出量が低下し、全身に十分な血液を送り出すことができなくなります。 一回拍出量は、心臓のポンプとしての機能を評価する指標であり、私たちの健康状態を知る上で非常に重要です。
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乱れる心臓のリズム:不整脈とは?

私たちの体の中心で、休むことなく働き続ける心臓は、全身に血液を送るために重要な役割を担っています。まるで正確な時計のように、一定のリズムを刻んで血液を送り出す心臓の動きは、電気信号によって制御されています。しかし、様々な原因によって、この電気信号の伝達が乱れてしまうことがあります。 心臓のリズムが乱れることを、私たちは「不整脈」と呼んでいます。不整脈は、心臓が本来のリズムで鼓動できなくなる状態であり、脈が異常に速くなったり(頻脈)、遅くなったり(徐脈)、不規則になったりします。 心臓の鼓動が速くなりすぎる頻脈は、動悸や息切れ、めまいなどの症状を引き起こすことがあります。また、徐脈は、疲労感や息切れ、めまい、失神などの症状が現れることがあります。さらに、心臓の鼓動がバラバラになるタイプの不整脈は、動悸やめまい、息切れに加えて、胸の痛みや意識消失などの深刻な症状を引き起こす可能性もあります。 不整脈は、加齢や高血圧、糖尿病、心臓病などの病気、ストレス、睡眠不足、喫煙、過剰な飲酒やカフェイン摂取など、様々な要因によって引き起こされる可能性があります。 もし、動悸や息切れ、めまいなどの症状が続く場合は、早めに医療機関を受診し、適切な検査を受けることが重要です。心臓のリズムの異常は、放置すると重篤な病気を引き起こす可能性もあるため、早期発見と適切な治療が大切です。
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心臓からのSOS?知っておきたい心不全

私たちの体は、心臓がまるで休むことなく動き続けるポンプのように、血液を全身に送り届けることで、生命を維持しています。この血液は、体にとって欠かせない酸素や栄養分を体の隅々まで運び、老廃物を運び出すという重要な役割を担っています。 心臓は、私たちの体にとって、まさに生命の源泉といえるでしょう。 しかし、様々な要因によって、この重要な心臓のポンプ機能が低下してしまうことがあります。これが「心不全」と呼ばれる状態です。 心不全は、心臓の筋肉そのものが弱ってしまう場合、心臓の弁が正常に開閉しなくなる場合、あるいは心臓を包む袋に水が溜まってしまう場合など、さまざまな原因によって引き起こされます。いずれの場合も、心臓は十分な量の血液を送り出すことができなくなり、息切れやむくみ、疲労感といった症状が現れます。 心不全は、決して軽視できる病気ではありません。放置すると命に関わることもあります。 症状が現れた場合は、速やかに医療機関を受診し、適切な治療を受けることが大切です。
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生命の維持に欠かせない心拍出量

心臓は、体中に酸素や栄養を送り届けるために、昼も夜も休むことなく働き続けています。この血液の循環において、重要な役割を担っているのが心拍出量です。心拍出量とは、1分間に心臓から送り出される血液の量のことを指します。心臓が一回に送り出す血液の量である一回拍出量と、1分間の心臓の拍動数を表す心拍数を掛け合わせることで算出されます。 安静時でも5リットル前後という、想像をはるかに超える量の血液が体内を循環していることに驚かされます。これは、全身の細胞に十分な酸素と栄養を供給し、老廃物を回収するために、心臓が効率的に血液を送り出していることを示しています。 心拍出量は、運動やストレス、年齢、体の状態など様々な要因によって変化します。例えば、運動時には筋肉が多くの酸素を必要とするため、心拍数が増加するとともに一回拍出量も増加し、結果として心拍出量は増加します。逆に、睡眠中は体の代謝が低下するため、心拍出量は減少します。 このように、心拍出量は心臓のポンプとしての能力を評価する重要な指標となります。健康な状態を維持するためには、バランスの取れた食事や適度な運動など、生活習慣に気を配りながら、心臓に負担をかけすぎないようにすることが大切です。
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命の鼓動:心臓の役割と重要性

人間の心臓は、その人の握りこぶしほどの大きさで、胸の中央よりやや左寄りに位置しています。心臓は、まるでポンプのように休むことなく働き続け、全身に血液を送るという重要な役割を担っています。 心臓は、四つの部屋に分かれています。上の二つの部屋は「心房」と呼ばれ、右側が「右心房」、左側が「左心房」です。下の二つの部屋は「心室」と呼ばれ、右側が「右心室」、左側が「左心室」です。 右心房には、全身を巡って戻ってきた血液が集まります。この血液は、酸素が少ないため、暗赤色をしています。右心房から右心室へ血液が送られ、さらに肺に送られます。肺で血液は酸素を取り込み、鮮やかな赤色になります。そして、肺から左心房に送られます。左心房から左心室に送られた血液は、全身に送り出されます。 それぞれの部屋の間には、血液が逆流するのを防ぐための弁があります。心臓が規則正しく収縮と拡張を繰り返すことで、この弁が開閉し、血液は一定方向に流れるようになっています。
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命に関わる疾患:大動脈解離

- 大動脈解離とは心臓から送り出された血液は、全身に張り巡らされた血管を通って酸素や栄養を届けます。その中でも大動脈は、心臓から直接血液を受け取り、全身に送り出すという重要な役割を担う、最も太い血管です。この大動脈の壁は、いくつかの層が重なってできていますが、何らかの原因によって内側の層が破れることがあります。これが大動脈解離と呼ばれる病気です。大動脈の壁が破れると、血液がその裂け目に入り込み、本来の血液の通り道(真腔)とは別に、壁の層と層の間に新たな血液の通り道(偽腔)ができてしまいます。すると、大動脈の壁は内側から押し広げられるように圧迫され、さらに裂け目が広がってしまう危険性があります。大動脈解離は、突然の激しい胸や背中の痛みを伴うことが多く、放置すると命に関わる恐ろしい病気です。早期発見、早期治療が何よりも重要となるため、少しでも異変を感じたら、ためらわずに医療機関を受診してください。
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沈黙の脅威、アテローム:その正体と危険性

「動脈硬化」という言葉を耳にしたことがある方は多いのではないでしょうか。これは、文字通り動脈の壁が硬く、もろくなってしまう病気の総称です。そして、この動脈硬化の進行に深く関わっているのが、「アテローム」と呼ばれる存在です。 アテロームとは、一体どのようなものでしょうか? 私たちの血管は、全身に栄養や酸素を運ぶために重要な役割を担っています。動脈は、心臓から送り出された血液を全身に送り出す役割を担う血管ですが、この動脈の血管壁の内側に、コレステロールや脂肪、細胞などが溜まってしまうことがあります。これがアテロームです。 アテロームは、まるで血管内に「こぶ」ができてしまうようなもので、血管を狭くしてしまいます。すると、血液の流れが悪くなり、心臓に負担がかかったり、様々な臓器に十分な栄養や酸素が行き渡らなくなったりするのです。 さらに悪いことに、アテロームはもろく壊れやすいという特徴も持っています。アテロームが破裂すると、血液が固まって血栓と呼ばれる塊を作り、血管を詰まらせてしまうことがあります。 このように、アテロームは動脈硬化の進行を促し、心筋梗塞や脳梗塞など、命に関わる病気を引き起こす危険因子となるのです。
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急性動脈閉塞症の5P:重要な兆候を見逃すな!

- 急性動脈閉塞症とは急性動脈閉塞症は、手足の動脈が突然詰まってしまう病気です。私たちの心臓は、全身に血液を送り出すポンプのような役割を担っています。心臓から送り出された血液は、動脈という血管を通って全身に届けられますが、この動脈が何らかの原因で詰まってしまうと、血液が行き渡らなくなり、様々な障害を引き起こします。これが急性動脈閉塞症です。急性動脈閉塞症の原因として最も多いのは、心塞栓症と動脈血栓症の二つです。心塞栓症は、心臓で作られた血液の塊が流れ出し、血管に詰まってしまう病気です。一方、動脈血栓症は、動脈硬化が原因で血管が狭くなり、最終的に完全に閉塞してしまう病気です。急性動脈閉塞症は、発症すると詰まった血管より先の部位に血液が供給されなくなり、深刻な状態に陥ります。例えば、手足の痺れや冷感、痛みなどの症状が現れ、放置すると、筋肉が壊死し、最悪の場合、手足を切断しなければならないこともあります。また、脳の血管が詰まると脳梗塞、心臓の血管が詰まると心筋梗塞を引き起こすなど、命に関わる危険性も孕んでいます。急性動脈閉塞症は早期の診断と治療が非常に重要です。適切な治療を行えば、後遺症が残る可能性を低減し、社会復帰できる可能性も高まります。もし、突然手足の痺れや冷感、痛みを感じたら、すぐに医療機関を受診してください。
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静脈瘤:見た目だけじゃない?足の血管の病気

- 足の血管の病気、静脈瘤とは? 私たちの体の中には、心臓から送り出された血液を全身に届け、再び心臓へと戻すための血管が張り巡らされています。心臓から送り出す血管を動脈といいますが、心臓へ血液を戻す血管を静脈といいます。 静脈瘤とは、この静脈、特に足の静脈が太く膨れ上がり、血管が皮膚の上からボコボコと浮き出てしまう病気です。 心臓から最も遠い位置にある足の静脈は、重力に逆らって血液を心臓まで戻さなければいけないため、他の部位に比べて大きな負担がかかっています。そのため、足の静脈では血液が逆流しないように、弁が重要な役割を果たしています。この弁がうまく機能しなくなると、血液が逆流してしまい、静脈内に血液が滞ってしまうのです。これが静脈瘤の主な原因です。 静脈瘤になると、足がむくんだり、だるさや痛みを感じたりすることがあります。また、症状が進行すると、皮膚の色が変化したり、炎症を起こしたりすることもあります。 静脈瘤は、立ち仕事やデスクワークなど、長時間同じ姿勢でいることが多い人に多くみられます。また、妊娠や出産、加齢なども静脈瘤のリスクを高める要因となります。
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命に関わる大動脈解離:その静かな脅威

- 大動脈解離とは私たちの体には、全身に血液を送り出すために休むことなく働き続けている心臓という臓器があります。そして、心臓から送り出された血液を全身に届ける役割を担っているのが動脈と呼ばれる血管です。その中でも特に重要なのが、心臓から直接血液を受け取り、全身へと送り出す役割を担う「大動脈」です。大動脈解離とは、この大動脈の壁の一部が内側から裂けてしまう病気です。大動脈の壁は、内膜、中膜、外膜という三層構造になっています。何らかの原因で内膜に亀裂が生じると、心臓から送り出された血液がその亀裂に入り込み、本来の血液の通り道とは別の空間を作り出してしまいます。この新しくできた空間を「偽腔」、本来の血液の通り道を「真腔」と呼びます。大動脈解離が起こると、胸や背中に激しい痛みを感じることが多く、まるで引き裂かれるような激痛に襲われます。また、脈拍の異常や血圧の低下、呼吸困難、意識障害などの症状が現れることもあります。大動脈解離は、放置すると破裂してしまう危険性があり、命に関わる事態になりかねません。そのため、早期発見と迅速な治療が非常に重要となります。
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